Case

導入事例

モチベーションインデックスの向上が
顧客満足度の向上に直結

株式会社 スーパーホテル

役職 株式会社 スーパーホテル
会長 山本 梁介 様
企業情報

売上:290億3700万円(平成28年3月期実績)
従業員数:330名
事業内容:ホテルチェーンの展開、土地有効活用のコンサルティング

一人ひとりが主体的に成長する
「自律型感動人間」を目指して

2009年に日本経営品質賞を受賞し、スーパーホテルが発信してきたビジネスモデルや新たなサービスが高い顧客満足度と共に成果を上げ始めました。経営品質向上会議による様々な経営的取り組みが広く評価され、喜ばしく感じると同時に、業界No.1ホテルチェーンとして更なる経営革新をしていかなければならないという使命感を感じていました。

当時、顧客満足度を高めるためには従業員満足度を高めないといけない、ということは多くの場所で話されるようになっていましたが、従業員満足度を上げるにはどうすればいいのか、そもそも従業員満足度とはどう定義するのか、ということはほとんど議論されていませんでした。従業員満足度が高い状態というのは、即ち従業員一人ひとりのモチベーションが高い状態であると言えます。給与や休暇という待遇はモチベーションに当然影響しますが、それは企業の業績によって決まるもの。ですので、それらのみをモチベーション維持の源泉としてしまうと、高い顧客満足度を安定して得ることは難しくなってしまいます。そこで、従業員一人ひとりがお客様の感動創出に向けて主体的に成長する「自律型感動人間」となってもらうことを目標に掲げました。長所や短所は人によって異なるので、それぞれが自分の長所に目を向け、それを最大限に発揮していって欲しい、という願いも込めています。

「自律型感動人間」という考え方は、個々人の感性や人間力に大きく関わることであり、それを組織としてどう高めていくべきか考えていたとき、リンクアンドモチベーションに出会いました。従業員の満足度調査を実施する会社は他にもありましたが、豊富なデータベースを基に科学的アプローチを実現しているのは、リンクアンドモチベーションだけでした。当初は、調査そのものに懐疑的で営業活動への投資を行うべきだという意見を持つ人もいましたが、従業員の価値観を一致させるには、誰もが納得できるような客観的なモノサシが必要不可欠だと考え、導入を決断しました。

組織の実態を知るのに必要な項目は、
1つではない

モチベーションサーベイ(組織診断)の結果を見て、その詳細な調査票に思わず唸りました。というのも、モチベーションインデックス(組織診断の偏差値)の総合では最高評価の“A”という結果だったものの、複数ある項目の一つひとつに注目すると、数値の高いものもあれば低いものもあり、すべてにおいて満足を得られているわけではないということがわかったからです。「経営理念の言葉そのもの」や「目標数字」は知っていても、その背景にある考え方まで浸透していないことが原因で、社員の行動に経営理念が伴っていないということも明らかになりました。

他社になくて当社にあるものは何か。強みを磨いてオンリーワンな、エクセレントな会社になっていこうとたくさんの試行錯誤を繰り返し、多くの失敗を経験した上でたどり着いたのが、このモチベーションサーベイでした。これまで事業経営においても、数字を重視してきました。お客様の睡眠をより質の高いものにするため、大学の研究機関と共同研究を行う「ぐっすり研究所」を立ち上げ、睡眠の質を数値化してきました。今も「おもてなし」を数値化する取り組みに挑んでいるところです。その意味でも、組織の状態を数値化することで現状把握し、さらに改善プランを描いていけるモチベーションインデックスは、私たちが経営において大切にしてきたことを実現するものでした。

徹底的な「全員参加型」への転換

「方針指示型」から「全員参加型」の経営スタイルへの転換に取り組みました。実際に取り組んだのは「経営指針書」と「Faith」の作成。「経営指針書」とは、経営理念を実現するためにどう行動すべきか、ということを現場レベルまでに落とし込んだ行動指針で、部署横断で作成し全従業員に共有しました。「経営指針書」を店舗のスタッフ向けに更にわかりやすくまとめたものが「Faith」で、名刺サイズになっており、アルバイトも含めた全従業員が常に携帯するようにしています。こうすることで、本社・店舗の現場で経営理念を共有できる仕組みを作りました。ただ共有するだけでは「全員参加型」へと転換したとは言えません。朝礼で「経営指針書」を開き、全員でその内容を復習し、実際にどのような行動を実践したのか互いに発表し合うコミュニケーションの場も設けました。ここまで徹底して実施できたのは、明確な目標とその達成に向けた改善プランがあったからです。

従業員一人ひとりの視点が高くなった

モチベーションサーベイを2009年に導入して以来、継続して実施しています。次第にアルバイトや契約社員も増え、100名ちょっとだった組織から1600名へと拡大してきました。「方針指示型」から「全員参加型」の経営スタイルへの転換に伴い、社員一人ひとりの意識も「自分がいるからこの部署が強い」という閉じた考え方から、「自分の部がどのように会社に貢献できているか」という高い視点へと変わっていきました。

何事も右肩上がりが重要

様々な環境要因といった目の前の現状に対する不満ばかりに注目していても、組織はなかなか良くなってはいきません。どうすれば右肩上がりにできるかを、大局的な視点に立って考え、現場レベルで一人ひとりが実践できる仕組みをつくることが重要です。

松下幸之助さんの言葉にもありますが「物をつくる前にまず人をつくる」必要があります。誰かが見ていなくても、より良いサービスを楽しみながら追求するような自律型の人間に、従業員全員になってもらいたいです。そのためにも「真実の数字」を見て、きちんと評価する経営が必要です。そうした組織づくりは、時間も手間もかかります。だからこそ、簡単には真似できない資産が、そこには培われていくのだと思います。