Case

導入事例

モチベーションクラウドは、
組織戦略だけでなく事業戦略の起点

佐竹食品株式会社
株式会社U&S

役職 代表取締役社長 梅原 一嘉 様
企業情報

売上高:グループ売上合計約475憶円(2015年度)
従業員数:1701名 (正社員801名、パートアルバイト900名) (2016年10月1日現在)
事業内容:総合食料品スーパーマーケット

・佐竹食品株式会社
正社員:342名
パート・アルバイト:379名

・株式会社U&S
正社員:459名
パート・アルバイト:521名

自分たちは日本一楽しいスーパーをつくれているのか

モチベーションサーベイ(組織診断サーベイ)を始めたきっかけは、会社の人員拡大でした。だんだんと社員が増えていく中で、社長である自分には常に一抹の不安がありました。「社員は楽しく働けているのだろうか」「社員は今どんなことを考えながら働いているのだろうか」ということが、組織の拡大によって見えづらく聞こえづらくなっていました。「社員の本音を聞きたい」という経営者としての率直な気持ちが、モチベーションサーベイ導入の背景にありました。また、流通業界においては他の企業が投資することは「店舗オペレーションの改善」「産地直送の仕入れ」「店舗設備」など、直接事業に関わることが中心でした。サービスを実行するのは社員であるにも関わらず、本気で人や組織に投資している企業はほとんどない、ということを感じていました。私たちも教育研修や制度など様々な課題を抱えており「何から実行していくべきか」、また従業員満足度調査やES調査といった類のものを提供している企業は複数あるので「どんなパートナーと一緒にやるべきか」と悩んでいたところ、リンクアンドモチベーションの科学的に確立されたアプローチと目指す組織像に共感し「人や組織に本気で投資する」という決断をすることができました。

「曖昧な不安」から「明確な組織課題」へと

初回のモチベーションサーベイの結果は、概ね自分の想像通りでした。自分が思っている組織状態と、実際にサーベイが明らかにする組織状態にズレがあることを最も恐れていたので、ひとまず安心したことを覚えています。しかし、概ね想像通りとはいえ、組織の状態は決してよいものではありませんでした。最も明確に出ていたのは「労働時間」や「給与」に対する不満でした。また部門ごとのモチベーション状態のばらつきも顕著でした。誤解を恐れずに言えば「労働時間」や「給与」に対する社員の不満は、どんな企業でも多かれ少なかれ発生していると思います。また部門による組織状態のばらつきもよく起きている事態ではないでしょうか。しかし「日本一楽しいスーパー」を目指す我々にとっては、この問題から目を背けるわけにはいかない。必ず解決しなければならない課題だと受け止めました。ただ「労働時間」や「給与」に対してすぐに何か手を打てるわけではありません。また、すぐに手を打つことが本質的な解決になるとも限りません。サーベイ結果を分析していく中で、リンクアンドモチベーションのコンサルタントと一緒に「本当の課題は何か」「どんな順番で組織改善を進めていくべきか」ということを徹底的に議論しました。

魂のこもった、言行一致の企業理念をつくる

モチベーションサーベイを分析していく中で私たちが行き着いた本質的な課題は「理念戦略が浸透していないこと」でした。しかし、当時の私はリンクアンドモチベーションのコンサルタントに異議を唱えました。「理念で飯が食えまっか?」と。当時の私は「企業理念」というものが大嫌いでした。どの企業も同じような文言で、ただ掲げているだけの言葉。まるで念仏のように唱えるだけ、掛け軸のように掲げるだけで、何の意味も持たないもの。それが、私が「企業理念」に対して抱いていたイメージでした。しかし、モチベーションサーベイを読み解くと「自分たちは何のために仕事をしているのか」「これからどんな会社をつくっていくのか」という社員の不安が見えてきました。「魂のこもった言葉で、言行一致の企業理念をつくろう」、それが組織改善として取り組んだ第一歩でした。

組織は「上から」変える、経営陣から変わる

会社が昔から大切にしてきたこと、これから大切にしていきたいこと、それを言葉にする。そう決めて企業理念の見直しを行いました。経営者としてもう一度一から会社をつくるような、産みの苦しみがありましたが、この言葉に魂をこめなければ、お題目のような企業理念になると思い、必死で言葉にしていきました。次に取り組んだのは、役員研修です。U&Sの組織改善が紆余曲折ありながらも成果を出すことができたのは、組織の「上から」変えていったことにあると確信しています。現場の社員は真面目です。だからこそ上に立つ人間が絶対にブレてはいけない。経営者と役員陣のチューニングを行うことが、最優先事項と考えました。役員研修では、さまざまな事が起こりました。「何よりも大切な時間」と伝えていたにも関わらず、研修中に抜け出して店舗のうどんを電話で業者さんに発注している役員もいました。「取締役の役割なんてわからんですわ!」と直接私に抗議してくる役員もいました。全ては見えている視界のズレが生む出来事だと思います。現場が大切なのは、百も承知。だからこそ短期的な視界ではなく長期的な視界で経営を捉えて自分たちが成長しよう、と伝え続けました。幸い、私の会社の役員陣は現場思い、社員思いの人間ばかりですので、モチベーションサーベイによって明らかになっている現場の不安や不満を目の当たりにすることで、自分の役割の大きさに気づいてくれたと思います。経営者として、視界の揃わない役員を入れ替えることは考えなかったか、と聞かれることがありますが、私は全く考えませんでした。会社をつくってきたメンバーにこそ、思いがある。能力はあるけれど思いはない、なんてメンバーと酒を飲んでも楽しくない。だったら、このメンバーで戦おうや、と。私も含めた経営陣が成長して、この会社を引っ張っていこう、と思いを一つにしました。

明確に、業績が上がった

モチベーションサーベイを実施し、組織改善施策へと繋げることにより、当社の業績は明確に上がりました。理念の策定や役員の研修などは決して安い投資だとは思いませんが、投資対効果を考えれば非常に有効だと考えています。ただし、モチベーションサーベイを実施する際には、ただ実施するだけではなく、しっかりと結果に向き合い、施策に繋げ、また効果を確認する必要があると思います。当初は、当社も年1回の実施でしたが、現在は年に2回実施しています。従業員満足度調査やES調査は、年に1回の実施だと「通信簿」のような役割になってしまい、現状を把握するだけで効果が低いと思います。状態を把握するだけではなく、施策を実行し、効果を測定することのサイクルが重要だと思います。今では、このモチベーションサーベイは、当社の事業戦略策定のベースになっています。半年・3ヶ月という単位で、どう組織を動かしていくのか、というアクションの起点として活用しています。

自ら行動できる社員が増えた

流通・サービス業を営む当社にとって、現場の社員の自立的な行動度合いが、業績にダイレクトに反映されます。当然店舗ごとによって顧客特性も違うので、日々の活動の中で自分たち自身が判断し、適切な営業・販売行動をとることが重要です。なんでもかんでも会社や社長や上司の判断を待っていては、お客様に合ったサービスを最高のタイミングで提供することはできません。ある店舗では、現場の判断で「まぐろ解体ショー」を実施していました。社長の私はその施策を知りませんでした。妻がたまたま店舗に寄ったらまぐろ解体ショーを実施していて「すごい盛り上がっていたよ」と。私は「うっそー!」というリアクションでした(笑)。またある店舗では独自に「ゆるキャラ」をつくっていました。さすがに私も「デザインは一緒に考えよう」と言いましたが、自立的にお客様が喜ぶ施策が次々と生まれてくることで、会社の業績にも現場のモチベーションにも繋がっていると実感します。また、クレーム対応という場面において「自ら行動できる」ということの成果を感じます。流通・サービス業においては、お客様からのクレームへの対応は企業姿勢を表す重要な場面です。そんな時、何を基準に自分達は判断するべきか、ということが明確になっていることで、社員は毅然とした態度で誠実に行動することができます。「お客様が喜ぶことなら何をやってもいい。しかし、お客様が悲しむことは決してやってはいけない」という当社の商売のモットーをもとに、社員は判断して行動をします。あるお客様の無理なご要望を聞けば、他のお客様を悲しませることになってしまう。だとしたら、胸を張って誠実にお断りをする。そんな行動の一つひとつを通じて、自らの仕事や会社に対する誇りがつくられていくのだと思います。

必ず日本一楽しいスーパーをつくる

私たちが目指すのは日本一楽しいスーパーです。お客様からのありがとうが集まり続けている場所をつくることを目指しています。そのためには、社員だけではなくアルバイトさん、パートさんもその思いを持って働けるかどうかが大切です。「思い」という目に見えないもの、けれど一番大切なものを大切にするために、可視化し、状態を把握し、施策を実行し、効果を検証することが大切だと考えています。これからもモチベーションサーベイを活用して、日本一楽しいスーパーをつくるという目標に向かっていきたいと思います。このスーパーという仕事は、本当に社会的意義の大きい、やりがいに満ちた仕事です。けれど、例えばドラマなどでは「スーパーでレジを打っている仕事」は価値の低い仕事のように描かれたりします。この状態を私たちが変えたい。例えばアメリカのWegmans(ウェグマンズ)というスーパーは、アメリカ経済誌フォーチュンの「最も働きたい企業100社」に常に上位にランキングされています。サービスレベルの高さから顧客に選ばれ、それが社員への待遇へと反映されています。簡単な道のりではありませんが、より価値の高いサービスをつくりだすためにも、最高の組織をつくることが、私たちの目指す場所へと続く道だと確信しています。人・組織への投資が事業へと反映され、それが更に人・組織へと還元されていく、そんな会社を仲間と一緒につくっていきたいと思っています。