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佐竹食品・U&S 代表取締役社長 梅原 一嘉氏 “高いエンゲージメントによって業績が上がる”という好循環をつくる

2017年に第7回目を迎えたBest Motivation Company Awardは、リンクアンドモチベーションが毎年開催している、社員モチベーションが高い企業を讃えるイベント。2016年にモチベーション調査を実施した283社の中から3位に輝いたのは、佐竹食品株式会社・株式会社U&S。

会場を感動で包んだ、代表取締役社長 梅原一嘉氏の受賞スピーチと、その後のパネルディスカッションで紹介された現場の変革ストーリーを、HR2048だけの特別編集でお届けします。

【プロフィール】
佐竹食品株式会社・株式会社U&S 代表取締役社長 梅原 一嘉氏

会社概要
設立:1969年1月13日
事業内容:①総合食料品スーパーマーケット「satake」の運営、②生鮮特化型 業務スーパー「TAKENOKO」の運営
従業員数:1,700名 (※パート・アルバイト800名含む) 
本社:大阪府吹田市 

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現場のリーダーに届けたい、8年越しのベストモチベーションカンパニーアワード受賞。

本日は栄えある授賞式にお招きいただき、ありがとうございます。3位受賞、めちゃくちゃ嬉しいです。

従業員のモチベーションを高めようと役員としてコミットし始めてから、このステージに立つまでにおよそ8年かかりました。

ここに至るまで、うまくいかないことも心が折れそうになることも沢山ありました。しかし、こうして名誉ある賞を受賞することができ、諦めずにやり続けてきて本当に良かったと感じています。

スーパーというのは必ず誰かが現場に立って働くことで成り立っています。そのため、全員が一堂に会する機会を設けるのはとても難しいことです。

しかし、我々は2年に1度は全社員出席のイベントを開催し、経営側から直接メッセージを届けるようにしています。また、そんな状況で日々組織を変えていくことができたのは、現場のリーダーが本気で取り組んできたからです。

今回の受賞の喜びは、そんな彼らに届けたいです。

いい会社創りに取り組むことで、結果としてMIが上がり業績も自然と向上していった。

MI(モチベーションインデックス)と業績とはゴムのような関係性だと捉えています。MIと業績が連動することは明らかなのですが、その間の関係は一次関数的な単純なものではないと感じています。

瞬間風速的に高いMIが出たとしても、業績がついてくるまでには時間がかかります。その時間差に耐えきれずにMIを下げてしまうと、業績も思うように上がりません。

つまり、ゴムが収縮するのを待つようにMIが業績を引き上げるまでぐっと堪える必要があるのです。そのためには店長・部長といったマネジャーに、MIは大切な物だと腹落ちしてもらい、粘り強く取り組み続けてもらうことが重要だと感じています。

MIを上げることにこだわって苦労した時期もありました。

しかし、「モチベーションサーベイを起点とした組織改善施策は、社員が楽しく働いてもらうための会社との関係創り、すなわち、エンゲージメントを高めるためにやっていることだ。数値の向上が目的ではない」と開き直り、いい会社を創ることに突き進むうちに、MIが上がり、業績も自然と向上していきました。

この取り組みを通じて、マネジャーたちがしっかりとモチベーションサーベイの価値を理解し、現場の戦略に活かすことができれば、業績は確実に上がることがわかりました。次回以降は更に上の賞を目指して取り組み続けていきたいです。

部門ビジョン策定により、やるべきことを明確にして貢献感を高める。

◉事例1:現場と距離を感じる本社部門のモチベーションを向上させる

共通目的喪失症(評価C- MI45.9:2016年3月)→ビジョンによる結束(評価A MI68.2:2016年8月)

【背景】
本社部門はずっとC判定が続いていました。本社というのは経理や人事・総務を担う部署のため、店舗に立って接客することはまずありません。そのため、接客を通じてモチベーションが上がる機会もほぼありません。

我々のビジョンである「日本一楽しいスーパー」とは、実際にお客様にどれだけ喜んでいただけたかが主軸になってくるため、本社メンバーにとっては、ビジョンへの貢献感が実感しづらいのです。

モチベーションサーベイの結果から浮かび上がってきたのは「共通目的喪失症」と呼ばれるものでした。

「共通目的喪失症」というのは、ビジョンが浸透しきれていないために一人ひとりが目的を理解して目標達成のための行動を考えられず、足が止まってしまう状況です。

実際に「私たちがビジョンに貢献できているのかわからない」という声も本社メンバーから上がり、モチベーションを下げる最も大きな原因となっていました。

【施策】
担当役員/課長クラスによる議論を踏まえ、本社部門ビジョンを策定

本格的に本社部門のMIを上げようと、担当役員・課長クラスによる議論を踏まえ、本社部門ビジョンを策定することにしました。

本社メンバーの「ビジョンに貢献できているのかどうかがわからないし、どうやったら貢献できるのかやり方もわからない。もっと私たちのことも考えて欲しい」という意見に応えることが求められていました。

そもそも本社メンバーにとって“お客様”とは誰なのか、根本的な部分から考え始めることにしました。メンバー全員が納得できるビジョンとするために、できるだけ具体的なイメージが湧くものにしたいと考えたのです。

本社メンバーの“お客様”とは、本社以外で働く従業員なのか、取引先の方なのか、実際に店舗でお買い物をするお客様なのか…。

「本社メンバーにとっては、関わる全ての人がお客様である」。そう定義することで、今まで曖昧だったビジョンがぐっと身近にイメージしやすくなりました。

議論の末に辿り着いたビジョンが「現場が商売に専念できる状態をつくる」というものでした。「やるべきことが見えた」という感覚でした。

【結果】
半年後のサーベイでは、理念戦略に関する項目と判断行動に関する項目の満足度がそれぞれ1ポイント近く上がり、MIも22上がり、大幅に改善されました。

“「日本一楽しいスーパー」を実現する現場を支えるために本社は何ができるのか。何をするべきなのか”というイメージが具体的になったことにより、本社にいてもビジョンに貢献できているという実感が持てるようになりました。

明確で適切な目標を置くことで、トップオブトップへと向かうモチベーションが高まる。

◉事例2:常に2位獲得で満足してしまっている店舗に、新たな目標を意識させる

目標達成マンネリ症(評価A MI74.1:2016年3月)→圧倒的に進化し続けるチーム(評価A MI90.7:2016年8月)

【背景】
箕面店は社内での売り上げランキング2位で、サーベイの評価も常にA判定が続く店舗でした。店舗全体のモチベーションが高く、売上も高い。一見すると、これ以上手を打つ必要がないのではないかと思ってしまうかもしれません。

しかし、それこそが課題でした。

実際に箕面店のマネジャーは、「瞬間風速的にMIでいいスコアを記録しているだけだとしたら、今以上に成績を上げるには一体何をどうしたらいいのだろう?」と悩んでいました。

全体的にはハイスコアであっても、項目別に組織の状態を診断できて課題が分かるのもモチベーションサーベイの特徴だと感じています。

箕面店は「目標達成マンネリ症」というものに陥っており、更に上を目指して進化していこうという気持ちが弱いことがわかりました。店長が漠然と抱えていた不安を、モチベーションサーベイは言語化してくれたのです。

【施策】
箕面店よりも月間売上額が5,000万円上回る店舗をライバルに設定し、高い目標に挑戦する『「マッチプレー」の目標設定』

箕面店で実施したのが『「マッチプレー」の目標設定』というものです。まず、箕面店よりも月間売上額が5,000万円上回る売り上げ1位の店舗をライバルとしました。

月間売上額5,000万円という規模はかなり大きく、この差を埋めるのは相当なチャレンジでした。従業員の中には「5,000万円も売り上げを増やすのは無理だ」「2位でいいじゃないか」という意見もありました。

そこで店長は「いきなり5,000万円の差を埋めようと考えるのではなく、まずは箕面店が得意な土日の売り上げだけに集中して勝負してみよう」と実現可能性が感じられる目標設定を施していきました。

具体的な目標が見える「マッチプレー」にしたことで「それなら勝てるかも」と従業員の気持ちが上向きに変わっていきました。

【結果】
箕面店は、MIと業績を掛け合わせた評価指標において全店舗で見事1位を獲得しました。

サーベイの結果も、「変化し続ける意識」や「期待を上回る提案・対応」といった項目のポイントが上昇し、現状に満足することなく変化し続けるチームへと変貌しました。

スコアが高い部署に対して、「瞬間風速で終わらせず、高いスコアを維持し続けよう」という意識を持ち続けさせるには、新しい目標設定を常に提案し続けることです。

高いスコアに安心して気を抜いてしまうと、すぐにモチベーションが下がり、業績にも影響が出てしまいます。全店・全部署でオールAを目指し、オールAを達成したならば、次は連覇を目指そうと飽くなき挑戦を続けているのです。


◼︎佐竹食品株式会社・株式会社U&S 代表取締役社長 梅原 一嘉氏の過去の記事

伝説の講演「商売人がつくる日本一楽しいスーパー」はこちら

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※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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