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【モチベーションエンジニアリング研究所】 データから明らかになった「エンゲージメント」という新たな経営指標

社会システム論や心理学、行動経済学など各種の学術的理論と、実践的な経営コンサルティングの知見を融合させた独自技術=モチベーションエンジニアリングを進化させ、それに基づく経営技術や商品サービス開発を行っている、リンクアンドモチベーショングループの唯一の研究機関:モチベーションエンジニアリング研究所。戦略人事において欠かせない旬なテーマを、研究員が科学する連載企画。第1回目は「エンゲージメント」という新たな経営指標。

【執筆者】
モチベーションエンジニアリング研究所 研究員
モチベーションクラウド プロダクトマネジャー 治部 裕明 

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「エンゲージメント」は欧米における経営の最優先課題

昨今、欧米では従業員エンゲージメントが経営の最優先課題のひとつとなっています。エンゲージメントとは、言いかえれば「所属企業に対する愛着心」です。

欧米企業の多くが、一般的な従業員満足度調査で測定される「組織に対する満足感」では不十分であり、「組織に対して精神的なつながり・絆」という、より踏み込んだ関係性を測定する必要があると感じているようです。

リンクアンドモチベーションでは、これまで約2,300社540,000名に対してモチベーション調査を行ってきました。ここでいうモチベーションとは「企業と個人の相思相愛度合い」を指しており、上記のエンゲージメントとほぼ同じ概念です。

人材の流動化・人材不足が進行する現在、働く個人に選ばれる企業かどうかが、企業業績だけに留まらず、存続できるかどうかにまで直結してしまう環境となっています。だからこそ、モチベーションやエンゲージメントといった言葉に注目が集まっているのでしょう。

実際、多くの企業経営者が「何よりも人材が重要である」「従業員のモチベーションを上げることが課題だ」と口をそろえます。

一方で、人材に対して積極的に投資を行っている企業はそれほど多くありません。大切だという認識はあっても、本当に企業にとって最重要項目として投資するべきだという経営者は多くないのかも知れません。

そこで、弊社の開発した組織サーベイである「モチベーションサーベイ」のデータを分析して、従業員のモチベーションは企業の業績に寄与しているのか、つまり投資をする価値があるのかどうかの分析を行いました。

データから明らかになった「エンゲージメント」と「業績」の関係

モチベーションサーベイは、様々な項目について、従業員が欲しいと思っているのかどうか、また満たされているのかどうかの2つの観点で質問を行っています。

そして、その回答結果を分析して、モチベーションインデックス値というモチベーションの偏差値を算出して、A,B+,B…D,D-,Eの11段階に分けています。そのモチベーションインデックス値を用いて、「モチベーションが高いと、その次の年に売上や利益が伸びるのか」の分析を行いました。その結果が、下のグラフです。

(対象:2010~12年にモチベーションサーベイを実施した企業の内、東京商工リサーチ社に売上・利益データが存在した企業158社)

縦軸が「利益の伸長率」、横軸が「モチベーションインデックス値の段階」です。この結果から、モチベーションインデックス値が高いほど、利益の伸びが顕著に高くなることが分かります。利益を上げるためには、モチベーションを向上させることが効果的だと言うことができるのではないでしょうか。

スキルの高さよりも、価値観・ビジョンの一致こそが重視すべき人材要件

ビジョナリー・カンパニーの著者であるビル・コリンズは「経営では、まず人選ありき」と言い、Googleの会長であるエリック・シュミットも著書の中で「採用の質を犠牲にしてまで埋めるべきポストはない」と言い切っています。

それは、ただ単にスキルの高い人を求めているのではなく、価値観やビジョンの一致した人材を入社させることが、企業にとって何より重要だと実感しているからでしょう。

弊社がサポートしてきたクライアントでも、組織全体のモチベーションが向上することで、従業員一人当たりの利益額が大幅に伸びるといった「生産性の向上」が見られたり、「顧客満足度が向上」したりするなど、ポジティブな効果が現れています。

産業の中心が第二次産業から第三次産業に変わっていく中で、企業の競争力の源泉は「モノ・カネ」というハード面から「ヒト」というソフト面へとより一層移行してきています。

これからの時代に生き残っていく企業であるためには、各企業は「商品サービスでの競争」だけではなく、「働く個人、つまりは従業員から選ばれ続ける競争」に打ち勝つことが必要不可欠になってきています。

今回の分析結果は、「従業員を惹きつけ続けられる企業だけが、生き残ることができる」という時代の到来を示しているのではないでしょうか。

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※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

 

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