モチベーションクラウドを通じて、
組織づくりを学ぶ
株式会社フェズ 代表取締役 伊丹 順平 氏

- 事業内容
- リテイルテック事業・広告代理事業・メディア事業
- 業種
- 情報・通信・広告
- 企業規模
- 51~100名
- 導入規模
- ~50名(導入時)
データを根拠に会社を動かしていく
私がモチベーションクラウドの導入を決めた理由は2つです。1つ目はモチベーションクラウドのシンプルなUI、UXデザインの良さです。組織診断サーベイの結果が期待度と満足度の四象限で表され一目でどこが強みなのか、弱みなのかが理解できることが魅力でした。2つ目は指標としての信頼性が高いと感じたためです。私が自社の経営を行うときのポリシーとして、積極的・戦略的に進めたいという想いが第一にありました。しかし、ベンチャー企業として圧倒的なスピード感で新しいマーケットを作っていくということは、同時にリスクが発生する可能性があることと表裏一体だと考えています。よって会社を営む上で大切な事業と組織の二軸を可視化し、リスクを無くすための施策に積極的に投資をする。そのために信頼性が高いモチベーションクラウドの導入を決めました。
経営者、マネジャーが学び続ける
モチベーションクラウドにおいて私が価値を感じているのは、組織状態を可視化できることだけではありません。モチベーションクラウドというサービスの背景にある思想の深さも魅力の一つです。リンクアンドモチベーションさんのコンサルタントとの打ち合わせや付随サービスであるMCCカレッジという研修サービスを通して、私だけでなくマネジャー陣も組織について学ぶことができました。それにより「会社に属する人々が未来のやりがいある仕事を追求する」という私達の理念の浸透速度を加速することができていると考えています。モチベーションクラウドを通じて、組織について学んだことを自社のフレームに落とし込み、マネジャー陣への教育や社員の研修に用いています。会社に属するひとりひとりが成長し続け、個々人の未来に対する不安がなくなり結果として会社が潤う。そんな会社を目指していきたいと思います。
(本内容は2018年にインタビューし、特設ページ「モチベーションクラウダーズ100」に掲載していたものを転載しています。)
■会社が向かえた最初の組織の壁
「着任時の期待」
私がフェズにジョインしたのは2019年です。当時、代表からは、「組織創りの具現化」に関して、すべて任せてもらいました。
当時の組織を振り返ると、創業期からいるメンバーと、その後に入社したメンバーとの間に、大きな差があったように感じます。それは、「仕事に対する向き合い方」や「自身の成長に対する捉え方」、また「それに費やすモチベーション」に対して大きな差があると感じていました。
私は、この状態を踏まえ、創業時から継承されている”変えない点”と、”変えるべき点”があると判断し、実践しました。より「筋肉質な組織」を創るべく、会社として目指す姿や大事にしたいカルチャーはぶらさず、厳格性を保つことを軸に置きました。
頑張り屋なメンバーが多いため、自分達のアイデンティティを再確認しないと息切れしてしまうと思い、当時は、全社の朝会で会社として大切にしたいクレドを伝え続けたりしました。一方で、会社とのエンゲージメントを高める動きを、モチベーションクラウドを通じて推進していくことを決めました。
「現在の活用状況 」
組織状況や課題の可視化を大きな目的とし活用しています。
そして、全社や各部門で可視化された課の解決に向けた施策の検討・実行し、加えて各部門の組織マネジメントのナレッジ共有などにも生かしております。
サーベイ周期は半年毎に実施。エンゲージメントスコアの低いところから優先的に改善に向けた施策を行ております。また、部長職には自部署の結果を開示し、全員で集まり改善すべき点を考える場も設けています。
■低スコア層との対話を通じて、期待を伝える
「活用するために工夫したことやその成果」
当社は2018年にサーベイを開始してから、会社全体では常にエンゲージメントレーティングはAA以上をキープしています。一見すると組織状況は良い状態に見えるのですが、部署別や役職別に細分化して見ていくと、明らかにスコアが下がっているところもあり、様々なことが見えてきました。
2019年の2月に行ったサーベイでは、部長クラスの、エンゲージメントレーティングはCCC。私自身の感覚として「上手くいっていない」と思っていたことが、如実に数値に表れていました。
部長クラスになると、「会社への貢献度合い」が非常に大事だと思います。自分の仕事と会社・事業とが接続されていないと、ふと立ち止まってみた時に「何でこんなことやっているんだろう?」って思ってしまいます。そこで、凄く泥臭いですが、ビジネス上の会話ではなく、食事に誘って対話し、期待する気持ちを伝え続けました。
その結果、次に実施したサーベイでは、スコアは20ポイント近く向上したのです。
やっぱり論理だけで人は動かないですから、その社員の感情も大切にすることを常に心がけて接するようにしています。また私が人事をやる前までは、このサーベイ結果は全員には開示されず、社長と人事しか見れていませんでした。でも、今では部長以上全員に結果を視える化しています。この結果によって、担当部署の部長を集中砲火したいわけではなく、会社として相互に助け合いたいと思っているからです。
現状、当社には「成長マニア」な社員が多いですから(笑)、全員でやった方が必ず良い場になると思いその仕組みに変えました。
■変えられないものではなく、変えられるものに目を向け、行動に移す
また、最近もサーベイ結果を部署別に見てみた際に、著しくエンゲージメントスコアが低い部署がありました。
その部署は以前より、各人が理想とする仕事のやり方と現実とのギャップに悩んでいたので、結果を想像することは容易でした。でも、事業特性上、「働き方」や「仕事内容」のギャップを完全に埋めるには限界があることも事実です。
そのため、仕事内容以外の様々な方法で、会社との結びつきを感じてもらえることはないかと、社員の声をよく聞いてみると、こんな悩みがみえてきました。「子どもから、働かなくていいからずっと一緒に居てと言われて困っている」と。
このエピソードから、社員が働く時間はご家族の様々な協力があって成り立っていることを改めて実感すると共に、日頃頑張る社員の活躍ぶりを、ご家族の皆様にも知って頂き応援してもらえる場を創ろうと、ハロウィンの日に社内で初のFamilyDayを開催しました。
パパ、ママ社員の表彰式を行うなど、「フェズで働くパパ、ママって凄いんだ!」ということをお子様にも知っていただきイベントとしては大成功を収めました。
このように、期待と満足のギャップがどこにあるのか、そしてそれを全て埋めきることは難しいという事実を再認識できたことが第一歩だったと思います。
■隣に座る他社から学べることがコミュニティの価値
モチベーションカンパニークラブのカレッジや、ライセンスコース (※編集注:モチベーションクラウドの付随サービスである、導入企業向け研修) に参加して感じたのは、横に居る人が、当社が今ぶつかっている壁を既に経験している、ということでした。
モチベーションクラウドを導入しているユーザー同士が繋がることで、相互の組織課題に対する自社の知見を出し合うことは非常に価値があると思っていますし、勇気をいただきます。
さらにユーザー同士のコミュニティが広がり、従業員規模や、上場有無、業界などによる組織課題についてテーマやシリーズを決めて、相互に引き上げていけると、更にコミュニティ価値が高まるのではと期待しています。
■今後に向けて
私は、「事業推進」と「組織推進」はどちらも同じくらい大事だと思っています。
世の中一般的にはまだまだ組織の推進のほうが二番手になりやすいと感じています。でも、私はそこを大事にできる会社にしていきたいと考えています。そのため、今後は会社として四半期毎に組織についても、じっくりと振り返る機会を設けたいと思っています。
事業の振り返りと同様に、組織や文化創りにおける打ち手やプランを話す時間を設け、事業と組織、両方の推進を行っていく予定です。
私は「一流」と「二流」の違いは再現性にこそあると思っています。自分が出来たことを後世に残すこと、それがビジネスを拡大する上で大事だと考えています。
そのため、事業も組織も、先ほど紹介したように振り返りの場を設けて、自社の中で様々なナレッジやスキルを流通させていきながら、再現性豊かな会社を創っていきたいと思っています。
※本事例中に記載の肩書きや数値、
固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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モチベーションクラウドなら組織を可視化・診断し、
課題を解決することができます。