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株式会社アップガレージグループ 「やってみたい」を引き出し、組織力を強化することで、過去最高売上へ

「モチベーションチームアワード」とは、リンクアンドモチベーションが毎年開催している、従業員エンゲージメントを高め、組織変革を実現した「部署」を称える祭典です。

2025年度は、モチベーションチームアワードの優秀賞に選出された中でも傑出した変革を遂げた4部署にインタビューを実施しました。

部署単位で変革がいかにして行われたのか。
事例を通じて、組織変革に挑む管理職や人事の方々に、実践のヒントをお届けします。

本記事でご紹介するのは、株式会社アップガレージグループ横須賀根岸店様の事例です。

【お話をお伺いした方】
・株式会社アップガレージグループ 横須賀根岸店 ストアマネージャー 相馬 健人 氏


部署名   横須賀根岸店
事業内容  中古カー・バイク用品の買取・販売 など
部署規模  9名

事業の変化

  • 店舗オープン以来の過去最高益を達成
  • お客様への声掛け件数が増加し、覆面調査員からの評価も大幅向上

組織の変化

  • ”できる人頼み”で業務負荷が偏る組織から、メンバーの「やりたい」を成果に繋げる組織へ
  • 指示を待つ組織からお客様起点で動く組織へ

神奈川エリアにおけるブランド価値向上を目指して

はじめに、組織変革に取り組んだ目的を教えていただけますか。

相馬氏:横須賀根岸店は、地域の多様なお客様との接点を広げ、横須賀エリアだけでなく神奈川エリアにおけるブランド価値を高めていくことを大きなミッションとしています。そのためには、店舗全体のサービスレベル・接客レベルの向上が不可欠です。サービスの質は、スタッフの主体性やモチベーション、チームワークに左右されるところが大きいため、今回の取り組みをスタートすることにしました。

目標にあと一歩届かなかった「できる人頼み」の店舗運営

組織変革に取り組む前、横須賀根岸店はどのような状態でしたか。

相馬氏:私が店長として赴任してくる前は、売上目標の達成率が98%とわずかに届いていませんでした。店内の清掃も徹底されておらず、接客環境として最適とは言えない状態だったと思います。覆面調査員による評価も54%と、まだまだ改善の余地がありました。

前任の店長は、仕事は何でもできて、すごく頼りがいのある人でした。だからこそ、現場には「店長に判断や指示を仰ぐ」という姿勢が定着しており、結果として店長がいないと物事が進まない、という状況が増えてしまっていました。そのため、他のスタッフも店長に頼ってしまうような店舗運営になっていたと思います。店長が休みの日は、スタッフがその場で対処できないと、保留にせざるを得ません。その結果、店長が出勤してきたときに店長が対応すべきタスクが溜まっていることも少なくなかったようです。

店長に限らず、特定のスタッフにしかできない業務もいくつかありました。そうなると、結局できる人に業務が集中してしまいます。できる人がいない、あるいは手が空いていないために、十分なお客様対応ができないこともあったと思います。

具体的にどのような業務に対応できないケースがあるのでしょうか。

相馬氏:アップガレージの主軸商品の一つにタイヤのホイールがあります。ただ、車のことやタイヤ、ホイールのことに詳しい人ばかりが入社してくるわけではありません。たとえば、アルバイトの新人スタッフがお客様に「このホイールってこの車に付けられる?」と聞かれたときに、その場で答えられないケースなどがありました。

フラットな関係づくりが、スタッフの「自ら動く力」を引き出した

組織変革に向けた取り組みの内容について教えていただけますか。

相馬氏:まず取り組んだのは、スタッフとのコミュニケーションです。私は以前、横須賀根岸店で働いており、数年離れた後、2025年の4月に店長として戻ってきました。そのとき、半分は知っているスタッフでしたが、半分は知らないスタッフでした。ですから、まずはコミュニケーションを取り、信頼関係を構築することから始めました。

コミュニケーションを通して意識していたのが、フラットな関係性をつくることです。私の上司がよく「役職じゃなくて役割だ」という話をします。先輩と後輩は、たまたま入社したタイミングが違っただけのことで、「役職が上だから偉い」わけではない。同じ店舗で働いている人間同士なんだから、「社員だから上で、アルバイトだから下」ということもない。役割が違うだけなんだ、ということを大切にしています。店長としてのマネジメントに取り組む中で一番大事な観点で、スタッフとコミュニケーションを図るときは常にフラットな目線を意識していました。

また、アルバイトを中心にスタッフの育成にも力を入れました。アップガレージは入社したら、比較的早い段階から接客や電話応対が求められます。やってみないことには、何がわからないかもわからないので、まずはやってもらうのですが、必ずその日にいる社員1~2人が常にフォローできる状態にしていました。わからないことや困ったことがあれば、社員がフォローする形で育成を進めました。

先輩社員が忙しく、手が空いていないと、どうしても「後にしてもらっていい?」となりがちですが、こうした対応はしないようにして、即時のフォローを徹底しました。また、「ああしなさい、こうしなさい」という教育ではなく、スタッフの「やってみたい」「こうしたい」という気持ちを引き出せるようなコミュニケーションを心がけていました。

大学生の新人アルバイトとのやり取りが一番印象に残っています。そのスタッフには、基本的なカウンター業務を任せていました。わからないことがあって焦ることもありましたが、こまめにフォローを繰り返しました。タイヤ交換のオプションとして窒素充填のサービスがあるのですが、そのスタッフにもサービスの概要はひと通り伝えていました。

あるとき、タイヤ交換のお客様の対応に入ってもらったのですが、自分から「窒素の説明をしてみます」と言ってお客様に提案したんです。さらに、そのままご注文もいただきました。口数が多いタイプではなく、提案も苦手そうだと思っていましたし、「アルバイトだから」という遠慮もありそうだなと思っていました。そんなスタッフが自分から動いてくれたのは、すごく嬉しかったですね。

その他に取り組んだことはありましたか。

相馬氏:モチベーションクラウドのサーベイの結果、「人員配置のバラつき」が課題として抽出されたので、配置の改善にも着手しました。特に、PIT作業(タイヤ交換など)の中心となっていたスタッフが退職した影響が大きく、PIT作業の人員確保が急務でした。

まず、新卒入社のスタッフがPIT作業に興味を持っていたので、チャレンジしてもらいました。もう1人、アルバイトで入った新人スタッフも、「できるようになるなら、やってみたい」と意欲を見せてくれました。この2人に約2ヶ月でPIT作業を習得してもらうことで、作業を分担できる体制を整えました。

実は、私も店長にはなりましたが、すべての作業を自分で完璧にできるわけではありません。お客様やスタッフに「店長なのに何でできないの?」と思われても仕方ありません。ですが、自分は、自分にしかできない店舗運営やマネジメントで価値を発揮しようと決めています。お客様から選ばれるお店づくりやスタッフが働きやすい職場づくりなど、店長としての仕事を頑張っていれば、みんなついてきてくれると信じています。

店舗の接客や環境改善にも取り組んだとお伺いしました。

相馬氏:お客様との接点や、過ごしていただく店づくりが大事だと考えています。「お客様に声をかけた回数」を指標にしたのも取り組みの一つです。特に繁忙期である12月はお客様との接点が重要になってくるので、何かみんなで頑張れる指標をつくろうと考えました。「声かけ集計シート」を休憩室のドアに貼り、みんなに書き込んでもらう形で可視化しました。

ただ、この「声かけ集計シート」は、回数を競うためのものではありませんし、少ないから悪いというわけでもありません。スタッフに、「みんなで共通の目標を掲げて、その達成に向けた頑張りを見えるようにするためのものである」と伝えたうえで、運用を始めました。

また、清掃は凡事徹底という意味も込め、強化した部分です。私はバイクが趣味でバイク屋さんによく行くのですが、いつも選ぶのは、おしゃれで綺麗なバイク屋さんです。この店もそうありたいなと思い、店舗環境を見直しました。特に、お客様からよく見えるカウンター周りや売り場は、清掃・整理整頓のルーティンをつくりました。

その結果、綺麗にはなりましたが、時間が経つとゆるんでしまうことがあります。そのときは、綺麗な状態の写真と今の写真を添付して、「最近こうなってきているので、この状態を維持しましょう」とメッセージを送っています。

繁忙期をチームで乗り切り、売上ギネスを達成

組織変革の取り組みによって、どのような成果がありましたか。

相馬氏:アップガレージの繁忙期は12月で、予算も高く設定されます。昨年の12月は予算2,000万円に対し、売上は2,222万円と111%達成ができました。これは、横須賀根岸店がオープンして以来最高の数値で、弊社の売上ギネスも達成できました。

達成の要因は様々あると思いますが、「声かけ集計シート」の運用は大きな要因の一つです。声かけの件数は、昨年12月の194件から、今年の12月は396件と2倍以上に増えました。時短のパートさんも限られた時間でひと声かけてくれるなど、みんなが意識して取り組んでくれました。こうしてお客様との接点が増えたことで作業件数も増加しましたし、増えた作業も、特定のスタッフに依存しない体制によって確実に回せるようになりました。その結果が、しっかり売上に反映されたのかなと思います。

嬉しかったのは、売上を伸ばしたうえで、スタッフから「去年の繁忙期より楽だった」という声が聞かれたことです。これも、スタッフの育成や人員配置がうまくいった結果だと思います。スタッフ間の役割分担や連携が進み、繁忙期もチームワークで効率的に対応できました。覆面調査員からの評価も、目標値の80%に対して100%と、稀にみる高評価につながっています。

お客様とスタッフ、全員の「やりたい」がすべて叶う店舗へ

最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか。

相馬氏:私が店長として赴任したとき、「お客様とスタッフ、全員のやりたいがすべて叶う店舗」というスローガンを掲げました。これを実現するためには、ホスピタリティや接客満足度が大きな鍵になってきます。これから入ってくるスタッフも含め、誰がどんなタイミングで対応しても、必ずお客様にご満足いただける店舗にしていきたいなと思います。スタッフとも良い関係をつくり、ずっと仲の良いチームとして仕事をしていければいいですね。

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