
チームマネジメントとは?目的や成功に導くポイントを解説
チームマネジメントとは、組織に属するメンバーの強みを最大限に生かすことで、共通の目標達成を目指すマネジメントのことです。優れたマネージャーになるためには、いかに効果的なチームマネジメントができるかが鍵になってきます。
今回は、チームマネジメントの目的や重要性のほか、チームマネジメントに必要なスキルなどについて詳しく解説していきます。
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チームマネジメントとは?
チームマネジメントは、組織に属するメンバーの強みやスキルを最大限に発揮させることで、共通の目標達成を目指すマネジメントのことです。「チーム管理」と言い換えることもできますが、チームマネジメントと言うのが一般的です。
チームマネジメントの要諦は、個々のメンバーの能力をいかに引き出せるかということであり、そのためにマネージャーは業務・タスクの割り当てを工夫したり、個々の目標設定・モニタリングをしたりしていきます。
また、コミュニケーションや情報共有を促進するなどして、メンバーが能力を発揮しやすい組織風土をつくることもチームマネジメントの一環です。
効果的なチームマネジメントができれば、メンバーのモチベーションが高まり、メンバー同士の協力・連携が促進されます。その結果、組織全体の生産性向上やイノベーション促進につながり、組織の目標達成へと近付くことができるでしょう。
チームマネジメントの目的と重要性
チームマネジメントの目的は組織の目標を達成することですが、その先には、市場において持続的に競争力を発揮していくという経営の大きな命題があります。
現代のビジネス環境は目まぐるしく変化するとともに、ますます複雑化しており、様々な要因がビジネスに影響を及ぼすようになっています。
変化に柔軟に対応するためにも、複雑な課題に対処するためにも、異なる専門性やスキルを持つメンバーが存分に力を発揮できるチームづくりが重要になっています。
また、競争が激化する市場で生き残っていくためには、イノベーションによって差別化を図っていかなければいけません。
クリエイティブなアイデアや画期的な解決策を生み出すためには、多様な視点をかけ合わせたり、多様な知を融合させたりすることが不可欠であり、その意味でも、チームマネジメントの重要性が高まっています。
チームマネジメントを成功させるポイント
チームマネジメントにおける重要なポイントについてご説明します。
メンバーに目標や情報を共有する
チームマネジメントを成功に導くためには、メンバーに目標や情報を共有することが大前提になります。目標は、メンバーが一体となって協働する基盤になるものです。
明確な目標が共有されることで、メンバーは自らの役割や責任を認識でき、方向性を見失わずにゴールに向かっていくことができます。
目標のほか、業務に必要な様々な情報を共有することも重要です。メンバーが必要な情報にスムーズにアクセスできることで、適切な判断をしやすくなります。
逆に、必要な情報が不足していたり、すぐにアクセスできなかったりすると、コミュニケーションの齟齬や判断の遅れ・ミスが生まれやすく、業務の効率や品質に悪影響が及びがちです。
メンバー間の信頼関係を構築する
チームマネジメントを成功させるためには、メンバー間の信頼関係が不可欠です。信頼関係が築かれているチームでは、メンバー同士がお互いを尊重し、お互いを信じています。
そのため、常にオープンなコミュニケーションがおこなわれ、メンバー同士が気兼ねなくアイデアやノウハウ、懸念点や課題を口にすることができます。その結果、チームは多くの視点や意見を得ることができ、より効果的な戦略や解決策が生まれやすくなります。
また、信頼関係があるチームでは、メンバーがお互いの専門性や強みを認め合っており、お互いに頼り合うことができます。それゆえ、タスクの分担や協力がスムーズに進み、それぞれの強みを最大限に生かしたチーム運営が可能になります。
プロセスを重視する
チームマネジメントを成功に導くためには、マネージャーが成果だけを見るのではなく、プロセスにも目を向けることが大事です。
成果偏重のチームではメンバーが失敗やミスを恐れ、新しいアイデアやアプローチが生まれにくくなるほか、メンバーが過度なプレッシャーを感じるため、継続的にパフォーマンスを発揮するのが難しくなります。
チームとしてプロセスを重視することで、メンバーは創造性を発揮でき、イノベーションが生まれやすくなります。また、成功か失敗かにかかわらず、そこに至るプロセスから学びや気付きを得て、それを次のプロジェクトやタスクに生かすことができます。
メンバーのモチベーション・エンゲージメントを高める
チームマネジメントの効果を最大化させるためには、メンバーのモチベーションやエンゲージメントを高めることが大切です。
モチベーションが高いメンバーは意欲的に仕事に取り組むため、スキルや能力の向上が早く、組織のパフォーマンスアップに貢献してくれます。
エンゲージメントが高いメンバーは、仕事にやりがいを感じるとともに会社に対する貢献意欲を持っているため、主体的に業務改善や価値創出に取り組みます。
モチベーションやエンゲージメントが高いメンバーが増えてくれば、チーム全体の生産性やクリエイティビティが高まり、より目標達成に近付くことができるでしょう。
ITツールを導入する
チームマネジメントをより効率的におこなうためには、ITツールを導入するのも一つの手です。たとえば、ビジネスチャットツールを導入すれば、リアルタイムのコミュニケーションが促進され、円滑な情報共有や議論が可能になります。
タスク管理ツールを導入すれば、それぞれのメンバーが担当するタスクの進捗確認が容易になりますし、プロジェクト管理ツールを導入すれば、プロジェクト全体を俯瞰しながらスケジュールを調整したり、リソースの最適化を図ったりすることができるようになります。
このように、ITツールの導入によって組織内の情報が可視化されることで、マネージャーだけでなくメンバー同士も協力・連携がしやすくなります。
チームマネジメントに必要な能力・スキル
チームマネジメントに必要な能力・スキルについてご説明します。マネージャーに不足している能力・スキルは、研修などで強化することが重要です。
目標設定力
チームマネジメントにおいては、目標設定力が不可欠です。明確な目標を設定することでメンバーが方向性を認識でき、それそれが担当する業務やプロジェクトの優先順位を設定しやすくなり、チームとしての足並みが揃います。
また、適切な目標設定はモチベーションの向上にもつながります。頑張れば達成できるレベルの目標はメンバーのやりがいや挑戦心を喚起し、達成に向けた積極的な行動を促進します。逆に、目標があいまいだったり無謀なものだったりすると、モチベーションの低下を招くおそれがあります。
タスク・スケジュール管理能力
チームマネジメントにおいて、タスク・スケジュール管理能力は業務の効率と成果を左右する重要なスキルです。まず、チームメンバーの業務量や進捗を把握し、優先順位を整理したうえで、適切にタスクを割り振ることが求められます。
また、スケジュール管理では全体の納期に合わせてマイルストーンを設定し、進行状況を定期的に確認・修正する柔軟性も不可欠です。
加えて、ガントチャートやタスク管理ツール(例:Trello、Asana、Backlogなど)を活用することで、チーム全体の見える化と共有が進み、個人の遅延やボトルネックにも早期に対応できます。
コミュニケーションスキル
チームマネジメントにおいて、コミュニケーションスキルは極めて重要なスキルの一つです。個々のメンバーにフィードバックをおこなうことはマネージャーの重要な役割です。
コミュニケーションスキルに優れたマネージャーなら、効果的なフィードバックによってメンバーに改善点や期待を明確に伝えられるため、メンバーの自己成長やモチベーションアップを促すことができます。
また、チーム運営においては様々な問題が発生しますが、問題を解決するためにはコミュニケーションが不可欠です。マネージャーがメンバーと綿密なコミュニケーションを図り、効果的な解決策を導き出すことができれば、迅速な問題解決が可能になります。
リーダーシップスキル
チームマネジメントに欠かせないスキルの一つが、リーダーシップスキルです。メンバーに対してチームのビジョンや方向性、目標を伝えるのはマネージャーの重要な役割です。
リーダーシップを備えたマネージャーであれば、これらの情報を分かりやすく、なおかつ説得力をもって伝えられるので、メンバーの士気が高まり、目標・ビジョンに向かう一体感を生み出すことができます。
また、リーダーシップを備えたマネージャーは、組織の未来像を魅力的に語ることでメンバーにワクワク感を覚えさせ、モチベーションを引き出すことができます。こうしてモチベーションの高いメンバーが増えることで生産性が高まり、組織としてより大きな成果をあげられるようになるのです。
問題解決力
チームマネジメントにおいては問題解決力も不可欠なスキルです。特に昨今は、ビジネス環境が目まぐるしく変化しており、予測が難しい様々な問題が生じているため、特に問題解決力が重要になっています。
問題解決力に優れたマネージャーは、初めて直面するような問題にも柔軟に対処できるので、プロジェクトや業務の進捗を滞らせることなく組織を前進させることができます。
マネージャーはメンバーとコミュニケーションを図りながら、問題の本質を把握するための情報を集めます。そのうえで、根本的な問題解決を目指して最適な解決策を導き出していきます。それと同時に、同様の問題が再発しないように予防策を講じることも重要です。
よくある質問
チームマネジメントに関して多くの人が抱く疑問について、簡潔にわかりやすく回答します。
チームマネジメントはなぜ重要?
チームマネジメントは、チーム全体の目標達成に向けて、業務の最適な分担と進捗管理、メンバーのモチベーション維持を図る上で不可欠です。個々の力を最大限に活かし、成果を組織全体に結びつけるためには、効果的なマネジメントが欠かせません。
また、業務効率の向上や人材育成、離職率低下にもつながるため、企業競争力の基盤となります。
チームマネジメントとリーダーシップの違いは何?
チームマネジメントは業務の計画・調整・進捗管理など「仕組みの運用」に重点を置きます。一方、リーダーシップはビジョンの提示や信頼関係の構築など「人を動かす力」が中心です。
マネジメントが日々の業務の最適化を担うのに対し、リーダーシップは長期的な方向性や変革を牽引する役割を持ち、両者は相互補完的な関係にあります。
まとめ
チームマネジメントは、目標達成に向けた業務の効率化だけでなく、メンバーの成長支援やチームの活性化にも直結する重要な要素です。タスク管理やスケジュール調整といった実務的なスキルと、人間関係構築や動機付けといった対人スキルのバランスが求められます。
また、リーダーシップと組み合わせることで、より強固なチーム作りが可能になります。企業の成長に貢献するチーム運営には、継続的なマネジメント力の強化が欠かせません。