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1on1とは?実施の流れと目的は?効果的に行うためのポイントも

1on1とは、部下の成長支援を主な目的とした1対1の面談のことです。日本では、ヤフーが導入したことで注目されるようになり、今では数多くの企業が1on1を取り入れるようになりました。その一方で、1on1のやり方や成果に悩む上司は少なくありません。そこで今回は、1on1の実施の流れや目的のほか、効果的な1on1をおこなうためのポイントなどについて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.1on1とは何か?
  2. 2.1on1の実施目的は2つ
  3. 3.1on1の導入で得られる効果・メリット
  4. 4.1on1を実施する際の流れ
  5. 5.1on1の目的別のアジェンダの例
  6. 6.1on1を効果的に運用するためのポイント
  7. 7.まとめ

1on1とは何か?

1on1とは、上司と部下が1対1でおこなう面談のことです。読み方は文字どおり、「ワンオンワン」と読み、「1on1ミーティング」と言うこともあります。1on1の大きな特徴が、部下の成長支援を主な目的としていることと、気軽な雰囲気で継続的におこなうことです。通常、1on1は週1回~月1回くらいのペースで、1回あたり15分~30分程度でおこないます。

昨今、上司・部下間のコミュニケーションが減少したことによる弊害もあり、多くの企業が1on1を導入するようになっています。人事白書調査レポート2020によると、4割以上の企業が1on1を導入しており、一般的なマネジメント手法として浸透しています。

1on1と人事評価面談の違い

人事評価面談は、1on1と同様に上司と部下が1対1でおこなう面談ですが、その目的が異なっています。人事評価面談の目的は、上司が人事評価を決定し、それを部下に通知することです。一方、1on1は部下の成長をサポートすることを主な目的としています。1on1の主役はあくまでも部下であり、上司は1on1を通して部下の悩みや要望、キャリアビジョンなどを理解し、対話を繰り返すことで課題を解決したり気付きを与えたりして部下の成長をサポートしていきます。

1on1とMBOの違い

MBO(英語:Management By Objectives)は、目標管理手法の一つです。経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱した手法であり、直訳すると「目標による管理」という意味になります。端的に説明するなら、「個人ごとに目標を設定し、その達成度合いによって評価を決める手法」だと言えます。MBOを運用するうえでは通常、目標設定と評価の際に面談(MBO面談)をおこないますが、これは目標管理のための面談であり、1on1とは趣旨が異なります。

1on1が重視されている背景

今、日本企業で1on1の導入が進んでいる背景として、外部環境の変化が挙げられます。昨今は「VUCA」の時代と言われるように外部環境の変化が激しく、数年先も見通せない不透明な時代になっています。このような時代において、上司が部下に「これが正解だ」と示せることは少なくなりました。従来のような上から下への指示命令型マネジメントが機能しなくなっているのが現状です。

また、若い世代の価値観が多様化し、部下が抱える問題の個別性が高くなっているのも昨今の傾向です。そのため、個々の部下としっかり向き合って対話をしていかなければ、部下の問題に気付くことができません。このような背景から、日本企業に1on1が浸透していったと考えられます。

1on1の実施目的は2つ

1on1をおこなう主な目的についてご説明します。

部下の成長支援

1on1は部下の成長支援を主な目的としたミーティングです。1on1は、キャリアのことからプライベートなことまで、気軽なコミュニケーションができる場であり、部下は自らの課題や悩みを率直に共有することができます。上司は部下の悩みや要望を理解したうえで、それに基づいて課題解決を図ったり、スキルアップやキャリアアップを促したりしていきます。1on1を継続的におこなうことで、成長の方向性が明確になり、部下は着実に成長していくことができます。

離職率の低減による組織力強化

1on1の間接的な目的としては、離職率の低減も考えられます。1on1が導入されていない職場では、部下が「自分は上司に放置されている」「何のために会社にいるのか分からない」といった不満を抱きがちです。一方、上司が部下の声に耳を傾け、アドバイスを提供する1on1では、部下は上司からの期待を感じたり、自分の存在価値を見いだしたりすることができます。その結果、離職率の低減につながり、結果として組織力の向上が見込めます。

1on1の導入で得られる効果・メリット

1on1を導入することで期待できる効果やメリットについてご説明します。

パフォーマンスの向上

部下のパフォーマンス向上が見込めるのは、1on1の一つのメリットです。1on1では、上司が部下と1対1で対話をすることで部下の課題や悩みなどを把握します。これにより、一人ひとりの部下に寄り添った指導・サポートが可能になり、部下が力を発揮できる環境を整えることができます。1on1で具体的かつ継続的なフィードバックをおこなうことで部下の成長が促され、業務におけるパフォーマンスの向上につながるはずです。

コミュニケーション・関係性の向上

1on1は、上司と部下のコミュニケーションや関係性を向上させる効果も期待できます。リラックスした雰囲気のもと、業務に関することだけでなく、様々な悩みや意見を共有できる場が1on1です。定期的に1on1をおこなうことで、上司は部下の考えを理解できるようになり、部下は上司の期待を理解できるようになるため、双方の信頼関係が向上します。その結果、「何でも話せる関係」が構築できれば、業務における連携・協力が促されるはずです。

課題の早期発見

1on1を導入することで、部下が抱えている課題の早期発見が期待されます。1on1は部下が主役のミーティングであり、部下は自由に悩みや意見を口にすることができます。担当プロジェクトにおける問題点も、社内の人間関係の悩みごとも共有できるため、上司は早い段階で問題を把握でき、迅速な対応やサポートが可能になります。また、1on1ではプライベートの問題も共有できるため、部下が一人で悩みやストレスを抱え込むことが少なくなり、精神面でもポジティブな効果がもたらされます。

モチベーションやエンゲージメントの向上

継続的に1on1をおこなうことで、部下のモチベーションやエンゲージメントの向上にもつながります。1on1によって自分の仕事が評価されたり、自分の成長を実感できたりすると、部下はモチベーションが向上します。また、自分の関心や要望に合った業務やプロジェクトにアサインされれば、仕事のやりがいが高まり、エンゲージメントも向上します。その結果、部下はより主体的に仕事に取り組むようになり、されなる成長が促されるという好循環が生まれます。

1on1を実施する際の流れ

1on1を実施する際の流れについてご説明します。

ステップ①目的の明確化・アジェンダの共有

1on1の最初のステップは、目的を明確にして、アジェンダを共有することです。事前に目的を明確にしたうえでアジェンダを共有しておくことで1on1における要点が定まり、双方が内容をイメージしたうえでミーティングに臨むことができます。上司と部下が同じ認識を持って1on1に臨むことで、対話がより有意義なものになるはずです。

1on1の目的としては、部下の成長支援や業務上の課題解決、キャリアプランの相談などが挙げられるでしょう。たとえば、部下が「キャリアプランについて相談したい」ということを上司が認識していれば、上司は事前にどのようなサポートを提供できるかを検討し、当日、的確なアドバイスをすることができるでしょう。たとえば、業務上の課題解決が目的であれば、「今回の1on1では、現在のプロジェクトにおけるボトルネックを特定し、解決のためのアクションプランを策定したい」というように事前に目的を共有しておくことで、当日の対話がスムーズになるはずです。

ステップ②日時・場所の決定

1on1の目的を決め、それを共有したら、次に日時・場所を決定します。1on1の日時は、通常業務への支障が少なく、双方にとって負担にならない曜日や時間帯を選びましょう。ただ、特定のプロジェクトの進捗確認などが必要な場合は、それに合わせて日時を設定するのが良いでしょう。1on1の場所は、プライバシーが確保されており、双方が話に集中できる空間が理想です。オフィスによっては隣の会議室の会話が聞こえてしまう場合もあるので、そのような場合は社外のカフェを利用したり、オンラインでおこなったりするのも一つの手です。

なお、初めて1on1を導入する場合は、1on1をおこなう頻度と1回あたりの時間を決める必要があります。頻度は「週1回」「隔週1回」「月1回」などが一般的です。「随時」とすると、自然消滅的にやらなくなってしまうケースが多いので、「毎週水曜日の16時」「毎月第2週の木曜日」など、固定化するようにしましょう。また、1回あたりの時間は15分~30分が目安です。

ステップ③1on1の実施・記録

当日、時間になったら1on1をおこないます。1on1の主役はあくまでも部下なので、上司は部下の話を傾聴することを心がけましょう。部下が抱える課題や悩み、要望などを引き出したうえで、具体的なアドバイスや解決策を提示します。

1on1は、記録を残しておくのがおすすめです。対話の要点や設定したアクションプランなどを記録しておくことで、部下の進捗や成果を追跡しやすくなり、次回の1on1で進捗確認や振り返りをスムーズにおこなうことができます。部下の意識や行動に変化が生まれやすくなることも、記録を残しておくメリットです。

ステップ④次回の日時・場所の決定

1on1を終えるときは、次回の1on1の日時・場所を決定します。なぜ、次回のスケジュールを押さえるかと言うと、1on1は継続的におこなわないと意味がないからです。

1on1は部下の成長を目的とする面談ですが、そのためには、上司・部下間の信頼関係が欠かせません。とはいえ、信頼関係は一朝一夕で構築できるものではないため、継続的な1on1を通して徐々に信頼関係を築いていくことが重要です。信頼関係があることで初めて、部下は自分の悩みや意見を自由に共有できるようになるのです。また、継続的に1on1をおこなうことで、上司は部下の課題やニーズを素早く把握できるようになります。その結果、上司はよりタイムリーで効果的なフィードバックができるようになるでしょう。

1on1の目的別のアジェンダの例

1on1の目的別に、アジェンダの例を挙げていきます。

モチベーションを高める

部下のモチベーションを高めるためにおこなう1on1の場合、以下のようなアジェンダの例が考えられます。

①進捗・成果の振り返り
直近のプロジェクトや業務についての成果や進捗を共有してもらいます。
②目標の明確化
部下のキャリアを念頭に置いたうえで、部下の目標を明確にします。
③課題の共有
部下が抱えている課題を共有してもらい、その解決策やサポートを提示します。
④フィードバック
部下の強みや改善点について具体的なフィードバックをおこないます。
⑤スキルの強化
部下に不足しているスキルの向上のために、研修などの学習機会を検討します。

進捗確認と認識合わせ

業務の進捗確認や認識合わせを目的とした1on1の場合、以下のようなアジェンダの例が考えられます。

①業務の進捗報告
直近のプロジェクトやタスクにおける進捗状況を共有してもらいます。
②問題の共有
業務上の問題についてオープンに話し合い、共通の理解を得たうえで解決策を検討します。
③認識合わせ
予定や目標に関する認識にズレがないか確認します。
④タスクの優先度の確認
タスクの優先度を確認し、リソースを最適化します。
⑤次回の予定
次回までの行動計画を共有し、必要に応じてサポート内容を決定します。

心身の健康面の確認

部下の心身の健康状態を確認することを目的とした1on1の場合、以下のようなアジェンダの例が考えられます。

①健康状態の確認
部下の心身の健康状態を確認します。必要に応じて、健康を維持・向上させるための提案をおこないます。
②ワークライフバランスの確認
仕事とプライベートのバランスがとれているかを確認し、必要に応じて改善のための提案をおこないます。
③業務負荷の調整
過度な業務負荷がかかっていないか確認し、必要であれば業務の調整やサポートをおこないます。
④ストレスの確認
ストレスや不安を抱えていないか確認し、必要に応じて解決策や軽減策を話し合います。

部下の成長促進

部下の成長促進を目的とした1on1の場合、以下のようなアジェンダの例が考えられます。

①業務や目標の進捗確認
部下の業務や目標について、その進捗を確認します。
②フィードバック
フィードバックをおこない、改善点や成長のための具体的なアクションプランを共有します。
③キャリアパスの検討
部下のキャリアパスについて話し合い、その実現に向けたステップについて検討します。
④学習機会の提案
部下の成長のために必要なスキルについて話し合い、研修・トレーニングなどの学習機会を提案します。

部下との関係性の構築

部下との信頼関係構築を目的とした1on1の場合、以下のようなアジェンダの例が考えられます。

①アイスブレイク
日常のトピックスや近況の報告をおこない、リラックスした雰囲気を醸成します。
②感謝の伝達
部下の日々の努力や成果に対して感謝の意や、ねぎらいの言葉を伝えます。
③興味・関心の共有
部下の趣味や関心事など仕事以外のことを尋ね、共感を示すとともに、上司も自己開示をして相互理解を深めます。
④成長サポート
部下が必要としているスキルや知識、経験について話し合い、そのためのサポートを提供します。

1on1を効果的に運用するためのポイント

1on1を効果的に運用するためのポイントについて解説します。

上司が必要なスキルを身に付ける

1on1を効果的に運用するためには、上司が1on1に必要なスキルを習得しておくことが重要です。というのも、1on1は一般的な面談と違い、部下の悩みや要望を吸い上げて、部下の成長を促すことを目的とした面談だからです。

そのためにはまず、傾聴スキルが不可欠です。傾聴によって部下の感情や意図を把握することができれば、より深いコミュニケーションが可能になります。また、質問力も重要です。部下に対して適切な質問を投げかけることで、部下自身も気付いていない課題や要望を引き出すことができます。フィードバックのスキルも大切です。具体的かつ建設的なフィードバックをおこなうことが、部下のスムーズな成長につながります。

一人ひとりの部下のタイプを把握しておく

1on1を効果的に運用するためには、上司が一人ひとりの部下のタイプを把握しておくことが大切です。ひと昔前であれば、大半の部下は出世や昇給を求めていましたが、昨今、特に若い世代は価値観が多様化しており、部下によって会社や仕事に求めるものや、理想とする働き方、キャリアプランは異なります。部下によって考え方が違う以上、一様なアプローチでは成長をサポートすることはできません。個々の価値観やタイプを理解することが、一人ひとりの成長を支援する土台になるのです。

普段から信頼関係を築いておく

1on1は、上司と部下の信頼関係が基盤になります。信頼関係がなければ、オープンに意見や悩みを共有することはできません。部下が本音を打ち明けにくい状態で1on1をおこなっても、当たり障りのない会話に終止し、1on1は無駄な時間に終わってしまうでしょう。逆に、上司を信頼している部下は、悩みや要望を気兼ねなく共有できますし、上司からのフィードバックも真摯に受け入れることができます。1on1を有意義な場にするためには、普段から信頼関係を築いておくことが何より重要です。

とはいえ、信頼関係は一朝一夕でできるものではないため、信頼関係が希薄な部下と1on1をおこなう場合は、当面のうちは1on1の時間を使って信頼関係の構築に努めるべきです。

事前準備をする

何の準備もせずに1on1に臨んでいたら、ただの雑談で終わってしまうでしょう。1on1を効果的に運用するためには、事前の準備が不可欠です。上司がおこなう準備としては、アジェンダの作成・共有、部下の業績の確認、フィードバックの検討などがあります。部下がおこなう準備としては、自らの振り返り、進捗報告の準備、課題の整理などがあるでしょう。このような準備をしたうえで1on1に臨むことで、より具体的な対話をすることができ、上司もより的確な支援をすることができるはずです。

まとめ

昨今、1on1を導入する企業が増えている一方で、部下から「1on1なんて意味ない」「やめてほしい」「話すことない」「苦痛だ」といった声があがっている企業もあるようです。1on1に対して部下から不満が出る理由としては、目的が曖昧だったり、準備が不足していたり、上司の傾聴姿勢が欠けていたりするために1on1が有意義な時間になっていないことが考えられます。部下の成長支援という原点に立ち返って、今一度、1on1のやり方を見直してみてはいかがでしょうか。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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