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ナレッジマネジメントとは?メリットや手法、ツールなどをわかりやすく紹介


目次[非表示]

  1. 1.ナレッジマネジメントの意味とは?
  2. 2.ナレッジマネジメントが注目される理由
  3. 3.ナレッジマネジメントを行うメリットは主に3つ
  4. 4.ナレッジマネジメントの基礎理論について
  5. 5.主なナレッジマネジメントの手法
  6. 6.「SECIモデル」について
  7. 7.ナレッジマネジメントの企業事例
  8. 8.ナレッジマネジメントの導入方法
  9. 9.ナレッジマネジメントツールの種類
  10. 10.ナレッジマネジメントツールの導入メリット
  11. 11.ナレッジマネジメントに失敗しないためのポイント
  12. 12.ナレッジマネジメントツールの導入に関する注意点
  13. 13.記事まとめ・ナレッジを生みだし続ける仕組みをつくり、企業の競争優位へ
  14. 14.ナレッジマネジメントに関するよくあるご質問

ナレッジマネジメントという言葉をご存知でしょうか?

企業経営は「ヒト」に行き着くと言われていますが、昨今この価値の源泉である「ヒト」の「流動化」が活発になってきています。これは企業にとって大きなチャンスでもあれば、「ヒト」の中に眠る知識や経験の流出をもたらす危機でもあります。

企業が継続的な成長・存続を行っていく上では、「ヒト」の中に眠るナレッジ(知識や経験)をいかに社内の資産に変え、新たなナレッジを作り出していくことができるかが鍵となります。

この企業にとっての競争優位を作り出す行為こそが、ナレッジマネジメントです。

今回はこのナレッジマネジメントとは具体的にどういったものなのか、何をすると良いのかを詳しくご紹介します。

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ナレッジマネジメントの意味とは?

ナレッジマネジメントとは、組織内の知識の創造、共有、活用を促進し、それを組織の目標達成に結び付けるための理論です。これにより、個々の知識を組織全体で利用可能にし、組織の学習能力と革新性を高めることを目指します。ナレッジマネジメントは、個人の経験やスキル、組織の過去の実績やプロセスなど、形式知と暗黙知の両方を含む広範な情報源を扱います。

ナレッジマネジメントが注目される理由

冒頭でも簡単に触れていますが、企業を取り巻く環境の変化から昨今ナレッジマネジメントに注目が集まっています。

■マクロ環境変化と技術の発展

伝統的な日本企業ではベテランの知識や経験が自然継承により次世代に受け継がれてきました。日本企業の「強み」もこの脈々と引き継がれた知識や経験にありましたが、近年商品市場において大きな変化が起きており、自然継承だけでは競争優位を保つことは難しくなってきています。

産業構造全体に占める第三次産業割合の増加という変化、「モノ消費」から「コト消費」への移行にともない商品の「ソフト化」、商品寿命の「短サイクル化」が取り上げられるようになりました。

商品市場におけるこの変化を受け、多様な顧客ニーズを把握して商品・サービスを生み出し続ける「ヒト」の重要性が一層高まりました。

ここに終身雇用制度の事実上の廃止、中途採用市場の活性化という労働市場における「流動化」という波を受け、「ヒト」の中に眠る「知識や経験」の流出が問題となってきたのです。

この「流動化」の時代では、「ヒト」の中に眠る「知識や経験」を誰もが使える状態にして、活用できるシステムを構築できた企業が存続・成長し続けられることでしょう。

更に今までは模倣が難しかったような「知識や経験」も、統計学や人工知能を導入した方法が進化したことで「形」にすることができるようになりました。

「ヒト」の中に眠る「知識や経験」の重要性が増したこと「形」として残す技術が発展したことがナレッジマネジメントに注目が集まっている理由です。

ナレッジマネジメントを行うメリットは主に3つ

ナレッジマネジメントは、組織の総合的な能力を向上させる重要な戦略です。それは組織力の強化、人材育成の効率化、業務効率化という3つの主要な側面を通じて、企業や組織に複数のメリットをもたらします。

①組織力の強化

ナレッジマネジメントによって、組織内の情報共有と知識の流通が促進されます。これにより、従業員間のコミュニケーションが改善され、チームワークが強化されます。また、組織全体の知識ベースが拡大することで、より効果的な意思決定が可能になります。

知識の蓄積と共有は、組織の柔軟性と適応能力を高め、変化する市場環境や技術の進展に迅速に対応する能力を強化します。組織力の強化は、最終的に競争優位性の向上に寄与し、企業の持続可能な成長を促進します。

②人材育成の効率化

ナレッジマネジメントは人材育成プロセスを効率化することにも寄与します。従業員が容易にアクセスできる知識のデータベースを構築することで、新入社員の教育やスキルアップに必要な時間が大幅に短縮されます。

また、経験豊富な従業員の知識や専門性をシステム化し共有することにより、社内のメンタリングやコーチングがより効果的になります。

③業務効率化

ナレッジマネジメントの導入により、業務プロセスの効率化が図られます。情報の検索時間の短縮や、過去のプロジェクトからの学びの活用により、業務の迅速化と誤りの減少が実現します。

また、組織内のベストプラクティスの共有により、業務の標準化が促進され、品質の一貫性が保たれます。これにより、顧客満足度の向上にも寄与します。

ナレッジマネジメントの基礎理論について

ナレッジマネジメントの考え方において重要な考えとして、「暗黙知」「形式知」という知識の分類があります。「暗黙知」をいかに「形式知」に変えていけるかが鍵となります。

■2種類の知識

「暗黙知」と「形式知」とはどういったものなのか?

暗黙知

暗黙知とは、個人に蓄積されてきた知識やノウハウ、長年の勘などと言われるものです。共通の「経験」を通して共有することは可能ですが、言葉や文章で表現されていないため伝承の難易度が高いという特徴があります。

形式知

形式知とは、言葉や文章、図表で表現された「知識」であり、データなども形式知にあたります。暗黙知を言葉や文章で表現したものが形式知となり、「客観的な知識」と呼ぶこともできます。

人に蓄積されてきた知識や経験である「暗黙知」を文章や図表、数式などによって表現される「形式知」へと転換し組織的に共有すること。その「形式知」を活用しさらに高度なナレッジを生み出し、組織全体を進化させることができるというのがナレッジマネジメントの基本的な考え方です。

主なナレッジマネジメントの手法

ナレッジマネジメントには4つの手法があり、活用目的と活用手段から整理をすることができます。

活用目的は業務の効率化のための「改善」か、事業拡大や新規事業など更に価値を高めるための「増価」かの2点。
活用手段は分散されたナレッジを「集約」して活用するか、さまざまなナレッジの組み合わせを「連携」して活用するかの2点。
で整理を行っています。

では、4つの手法を解説していきます。

①経営資本・戦略策定型

新規/既存顧客数や単価や継続率など散らばった情報を整理して、意志決定を行うことを目的にしています。自社の事例や競合他社を多面的に分析することで、経営戦略の立案・業務プロセスの再検討を行うことに役立ちます。

②顧客知識共有型

顧客からの問い合わせやクレーム内容、またそれに対応した方法など一連の情報をデータベース化することで顧客に最適な対応を行うことを目的にしています。

顧客対応が専任制の場合には、担当不在時にも対応が滞らない、分業制の場合には引き継ぎ工数を最低限に抑え効率的かつ安定的に顧客への価値発揮が行え、更なる提供価値を向上させることに役立ちます。

③ベストプラクティス共有型

組織の中で規範となる優秀な社員の行動や思考を形式知化し、共有することで組織全体のスキルの底上げすることを目的にしています。

誰にどのような「知識や経験」があるかを知ること(トランザクティブ・メモリー)での生産性の向上も期待でき、更に共有された知識を活用して新たな形式知を生み出すことにも役立ちます。

④専門知識型

組織内外の専門知識をネットワークを活用してデータベース化し、効率よく情報を提供する手法で、組織内でよく質問されることの多い事項をFAQ形式化し、知りたい情報をすぐに入手することを目的にしています。

データベースの作成によって、担当者の負担を減らし業務の効率化を図ることに役立ちます。

「SECIモデル」について

■「SECIモデル」とは

SECI(セキ)モデルとは知識創造のプロセスのことです。

以下のようなプロセスの循環をたどります。

■「SECIモデル」のプロセス

①共同化(Socialization)

個々人の暗黙知を、共通の体験を通じて互いに共有し合う。

②表出化(Externalization)

共通の暗黙知から言葉や文章、図表を用いて表現することで形式知化を行う。

③連結化(Combination)

既存の形式知と新しい形式知を組み合わせて体系的な形式知を作り出す。

④内面化(Internalization)

既存の形式知と新しい形式知を組み合わせて体系的な形式知を作り出す。

4つのプロセスが循環することで、組織の知識は構築されていきます。それぞれのイニシャルから「SECIモデル」と呼ばれ、ナレッジマネジメントの基礎的な理論として知られています。

▼SECIモデルにおけるプロセスの循環

ナレッジマネジメントの企業事例

■リンクアンドモチベーション社におけるナレッジマネジメント事例

弊社では形式知化において大事にしている考え方があります。

それは「実効性」「再現性」という考え方です。

「実効性」とは一言でいうと「実際に効果があるナレッジか」ということです。

  • 会社としての戦略方針に沿っているものか?
  • 実際に成果を生み出せるものか?
  • 気づきを与える新しさがあるか?

といった観点がポイントとなります。

「再現性」とは一言でいうと「誰でも使うことができるナレッジか」ということです。

  • 技術を使用する対象が使えるようなものになっているか?
  • 業務や商品に埋め込めるものか?

といった観点がポイントとなります。

「実効性」と「再現性」のあるナレッジをどのように生みし、それらを活用し新たなナレッジをつくり出すシステムを社内に構築しているかをSECI(セキ)モデルの知識創造プロセスに沿ってご紹介していきます。

①共同化(Socialization)

・OJT(実務を通じて行う職業教育)を通した経験の共有

アポイントの場への同席など先輩社員の仕事を見て学べる機会を意図してつくり出します。

ハイパフォーマーが一人で黙々と仕事をする働き方は、メンバーの成長機会を奪ってしまっているケースもあるので注意が必要です。

・実務動画を通じた経験の共有

仕事の様子などを動画にとり共有できる状態にすることで経験の共有を行います。形式知化されていない情報なので、別シーンなどでの活用難易度が高いため、同じシーンでの模倣を目的にしているケースが多いです。

②表出化(Externalization)

・日報による形式知化

日常の業務を振り返り日々形式知化を行っていきます。

同行したアポイントなどから転用できる学びはどのようなものがあったのか、その形式知を次回どのように活用しようと思っているかなどを記載することで暗黙知の形式知化のトレーニングを日々行います。

また日報を組織内で共有することで代理体験からも学べる環境をつくっています。

・ナレッジセッションに向けたナレッジの創出

日々の学びの中でも、現状の戦略方針を推進する上で重要なナレッジや影響範囲が広く、業務の効率化や成果創出につながるナレッジを本部・事業部単位や商品・サービス単位で共有するナレッジセッションを行っています。

ナレッジセッションでの発表に向けた審査を実施しており、重要度の高い暗黙知を形式知化することを促しています。

・組織診断サーベイ

組織の状態・情報の過不足を定量的に把握し、現状の課題などを明確にすることでどのような対策が必要になるかを明確にしています。

散らばった情報を一つにまとめ活用することも一つの形式知化と言えます。

【参考資料のご紹介】
組織診断サーベイ「モチベーションクラウド」の実践ドキュメンタリーはこちら

③連結化(Combination)

・日報の共有

他者の代理体験から形式知を学び、自分自身の仕事に活かすことで

・ナレッジセッションでの共有

本部・事業部単位や商品・サービス単位で共有するなど目的に応じて発表者や参加者を変えることでより効果的な共有の場を設計しています。

場では新たな形式知の共有と過去共有された形式知を活用しての成功・失敗事例などが共有されます。アウトプットの場が定期的に用意されることでナレッジの創出・活用はより効果的に進みます。

・社内イントラでの共有

抽出された学びをすぐに閲覧できるように記事や動画・スライドにまとめ、社内イントラや動画ラーニングシステムに蓄積していきます。ナレッジを必要としたときにすぐに活用できるようにカテゴリーごとに整理をして検索性を高めたりなど活用しやすい工夫が重要になります。

④内面化(Internalization)

・ナレッジセッション後の活用

参加者が共有された形式知をどのような場で活用するかを定めたり、業務フローや提案資料などに組み込むなど、形式知が必ず使われる状態にすることがポイントとなります。

最も活用されたナレッジが何だったのかや活用の上でのポイントなどのアンケートも実施することで内面化を促しています。

▼リンクアンドモチベーションにおけるナレッジを生み出すシステム

▼動画ラーニングセンター(形式知の連結化の方法)

ナレッジマネジメントの導入方法

ナレッジマネジメントの導入方法には下記ステップが必要です。

■導入ステップ①役割を定める

ナレッジマネジメントの導入において最も重要となるのが、誰に役割・ミッションを持たせるかという点です。

ナレッジの創出・活用に責任を持つ役割を明確に定め推進することが重要です。

現場に任せておけば勝手にナレッジが蓄積されていくほど簡単なものではありません。ナレッジ化は現場業務が優先され後回しになってしまうことが多いです。

しっかりとリーダーシップを発揮して周囲を動かしきれる影響力のある方が全体統括を担い各事業部ごとに責任者を設定するなどコミュニケーションラインを意識した役割の設定をお勧めします。

■導入ステップ②ナレッジマネジメントの目的・ビジョンを浸透させる

ナレッジマネジメントにより実現したい世界観や目的を明確に伝えた上で、ナレッジ化の業務における優先順位や重要度を伝え、共感者を巻き込んだ活動にすることが成功を分かつポイントです。

過度に成果主義の組織などでは、業務時間を割いて自分自身の「知識や経験」の形式知化に時間を割くことや全体共有することのメリットが伝わらず推進されないケースなども散見されます。人事制度などの見直しに着手される会社もありますが、大事なことはナレッジマネジメントの重要性の訴求や実現される世界観への共感を生み出せるかです。

そのためにも熱意を持って推進できるリーダーの存在は必要不可欠となります。

■導入ステップ③経営サイクルに埋め込んだ設計を行う

ナレッジマネジメントにおいてシステムを導入したから必ず成功するといったことはありません。

ナレッジが創出されるまでの流れや創出されたナレッジが活用されるまでの流れの全体設計を行った上で経営サイクルに埋め込むことが重要となります。

会社のビジョン・戦略に沿ったナレッジマネジメントを推進する上では事業状況・組織状況に合わせた適切な軌道修正が必要となります。そのためにも経営サイクルへ埋め込み定期的に振り返り、ナレッジの創出・活用の流れ全体を見直すことも大切です。

■導入ステップ④ITシステムを活用する

ナレッジマネジメントは企業によって適した方法が異なるため、ファイルサーバで代用する場合や企業内SNSを活用する場合など方法は様々です。

●社内の知識を共有するためのデータベース型ファイルサーバ
●社内コミュニケーションを円滑にするための企業内SNS
●企業内の各部署に分散された知識を効率よく検索するためのエンタープライズサーチ

自社の実情や特に重要と考えられる知識の共有のために、ツールを複合的に取り入れています。これらいくつかの機能に対応した複合型のナレッジマネジメントソリューションとして、専用の「ナレッジマネジメントツール」も提供されています。

ナレッジマネジメントツールの種類

ナレッジマネジメントツールには大きく分けて4つのタイプがあります。

①グループウェア型

グループウェア型はファイル、社員同士のメール、スケジュール、チャット、社員のブログなどでナレッジの共有を図るものです。

②データマイニングツール型

文章(テキスト)を単語やフレーズに分解して、社内に蓄積されているデータとして瞬時に検索を行えるものです。

③知的情報検索型

・社内で情報を共有するイントラネット
・イントラネットを社外の取引先や提携先まで拡大したエクストラネット
・企業内検索エンジンと呼ばれているエンタープライズサーチ

の3つがあります。

④ヘルプデスク型(FAQ)

システムに業務内の不明な点を入力すると、方法を知っている人が答えを入力する

これを繰り返してナレッジが蓄積されるものです。

ナレッジマネジメントツールの導入メリット

ナレッジマネジメントツールの導入による4つのメリットを解説します。

①ナレッジをスムーズに収集できる

社員が利用しやすいプラットフォームを活用して簡単にナレッジが共有できるため、一人一人の「暗黙知」をスムーズに収集することが可能になります。

②業務の属人化を防ぎ、効率化できる

ナレッジマネジメントツールに業務フローを共有しておくことで、急な退職者が出ても業務の質を落とすことなく、スムーズに引き継ぎと業務遂行が可能になります。

また社内ドキュメントや作成資料のファイルを共有しておくことで作成のための作業時間を短縮し、業務の効率化を図ることができます。

③連携を強化することができる

顧客対応情報など各部に散らばった様々な情報をツール上に共有することで、個別で部門間に連絡することなく部門間の連携が実現できる。その結果、顧客対応のスピードや質の向上も期待でき、顧客価値の向上にも繋がります。

ナレッジマネジメントツール製品によっては、社内の他システムと連携できるものもあります。それらを利用することで、効率良く連携を強化することができます。

④ナレッジをレコメンデーションできる

蓄積された情報や知識が多すぎると、何が重要なナレッジなのかを判断できなくなることがあります。社員の属性などから必要なナレッジを分析し、自動でリコメンデーション(おすすめ)することができます。

ナレッジマネジメントに失敗しないためのポイント

ナレッジマネジメントが失敗してしまう理由は、

①ナレッジの創造が上手く行かない
②ナレッジの活用が上手く行かない

それぞれに対して

モチベーションの3つの要素である

  • 目標の魅力不足
  • 達成可能性不足
  • 危機感の不足

で整理することができます。

■創造が上手くいかないときの対処法

目標の魅力不足:ナレッジ化を行うメリットが伝わっていない
達成可能性不足:ナレッジ化の工数をとれない
危機感不足:ナレッジ化が後回しになってしまう

■活用が上手くいかないときの対処法

目標の魅力不足:活用した際のメリットが伝わっていない
達成可能性不足:検索性が悪く、使いたいときに見つけることができない
危機感不足:活用しなくても効率は悪いが業務は回ってしまう

失敗させないためには、ナレッジマネジメントの導入方法に記載した4つのステップが重要となります。

①役割を定める
②ナレッジマネジメントの目的・ビジョンを浸透させる
③経営サイクルに埋め込んだ設計を行う
④ITシステムを活用する

それぞれ具体的なポイントを下記に整理します。

<創造が上手くいかない>

目標の魅力不足:ナレッジ化を行うメリットが伝わっていない
⇒ナレッジマネジメントにより実現したい世界観に共感させる

達成可能性不足:ナレッジ化の工数をとれない
⇒経営サイクルに埋め込み計画的に作業工数を確保する

危機感不足:ナレッジ化が後回しになってしまう
⇒アウトプット機会を設定し期日を明確にして責任者が旗振りをする

(個人成果のみではなく組織貢献を評価する制度の見直しなども効果的)

<活用が上手くいかない>

目標の魅力不足:活用した際のメリットが伝わっていない
⇒戦略方針に合致した活用したら成果につながるナレッジを創出する

達成可能性不足:検索性が悪く、使いたいときに見つけることができない
⇒システムを導入し検索性を高める
 業務プロセスや提案資料などに埋め込み活用を促す

危機感不足:活用しなくても効率は悪いが業務が回ってしまう
⇒活用後の感想アンケートや成功失敗事例の発表機会などアウトプットする場を設る

ナレッジマネジメントツールの導入に関する注意点

■現場の従業員に試してもらう

ナレッジマネジメントツールの操作が複雑だったり、インターフェースが分かりにくかったりすると現場に根付かず、誰にも使われないツールになってしまうおそれがあります。ツールを選ぶ際は、導入前に現場の従業員に使ってもらい、操作性や使い勝手などを確認してもらうことが重要です。できれば、複数のツールのデモ版などを使って比較するのが良いでしょう。

■高性能なツールが良いとは限らない

初めてナレッジマネジメントに取り組む企業が高機能なツールを導入すると、使いこなせなかったり、負担が増えたりして失敗してしまうケースがあります。業務内容や従業員のリテラシーなどにもよりますが、最初は機能が少ないシンプルなツール、もしくは機能が限定されたプランを選んだほうが定着が促進されるでしょう。

■スモールスタートで導入する

大規模な会社や従業員数が多い会社は、まずはスモールスタートでナレッジマネジメントツールを導入することをおすすめします。最初から大々的に導入すると、ツールのミスマッチがあったときのダメージが大きくなるだけでなく、会社全体がナレッジマネジメントの取り組み自体にネガティブな印象を持ってしまいます。部門やチームを限定してテスト的に導入し、成功事例をつくってから全社導入へと移行するのが良いでしょう。

記事まとめ・ナレッジを生みだし続ける仕組みをつくり、企業の競争優位へ

ナレッジマネジメントは、組織内の知識を最大限に活用するための重要な戦略です。これにより組織力の強化、人材育成の効率化、業務プロセスの効率化が達成され、全体の競争力と革新性が向上します。知識の共有と活用により、迅速な意思決定、品質の向上、コスト削減が可能になり、組織の持続可能な成長に寄与します。

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※参照:知識管理から知識経営へ : ナレッジマネジメントの最新動向(<特集>「ナレッジマネジメントとその支援技術」

ナレッジマネジメントに関するよくあるご質問

Q:無料でナレッジマネジメントを導入する方法は?

多くの企業で使われているGoogleドライブやMicrosoft 365でもナレッジの蓄積・共有は可能です。ナレッジマネジメントに活用するためには、運用ルールなどを決める必要がありますが、普段から親しんでいるツールなので使いやすさはあるでしょう。また、無料で使えるナレッジマネジメントツールもあります。ただし、機能的には物足りなさがあるため、本格的な運用には向いていないかもしれません。

Q:ナレッジマネジメントを推進するうえで大事なことは?

従業員からすると、自分の知識・ノウハウを提供するのは業務外の取り組みになります。特に、多忙な従業員にとっては負担になるでしょう。このような従業員も巻き込んでナレッジマネジメントを推進するためには、ナレッジを提供したくなる仕組みをつくることが大事です。ナレッジ共有の回数や内容を客観的に評価するシステムや、ナレッジ提供が加味された人事評価制度、自らのナレッジ共有が他の従業員の役に立っていることを実感できる仕組みなどを構築して、モチベーションを後押ししましょう。

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執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

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