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BYODとは?導入のメリット・デメリットや注意ポイントを解説


目次[非表示]

  1. 1.BYODとは?
  2. 2.BYOD導入のメリット・デメリット
  3. 3.BYOD導入の際に注意するポイント
  4. 4.記事まとめ


皆さんは、「BYOD」というキーワードを聞いたことはありますか?

近年のITツールの普及と共にBYOD(私物端末の業務利用)という制度が注目されています。BYODは上手く使えば企業の生産性を高める効果を持つものの、生半可な知識で取り組んでしまうと、大きなリスクも孕んでいるテーマです。

この記事では「BYOD導入」をどのように考え、行動すれば良いのかを一緒に見ていければと思います。

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BYODとは?

BYOD(ビーワイオーディー)は「Bring Your Own Device」の略称でです。
仕事において、企業のデバイス(パソコン・タブレット・スマートフォンなどの端末)ではなく、個人のデバイスを職場に持ち込んで活用することを指しています。

■BYODが注目される理由

YODが注目される理由は、企業貸与のデバイスだけではなく、個人のデバイスを活用する効用が高まっているからです。「個人デバイスのスペック向上(業務要望に耐えるだけの容量など)」「クラウドサービスの増加(どんな端末からもデータアクセル出来る仕組みの確立)」などにより、BYODの普及が加速しています。

■BYODの普及率はどれくらい?

日本における普及率は約10%という調査が出ています。(総務省調べ)一方、他国の普及率は、アメリカは20%前半、イギリスとドイツは20%後半となっています。世界平均から鑑みると今後、日本においても益々BYOD普及は加速していると思われます。

BYOD導入のメリット・デメリット

BYOD導入の検討をする際に、そのメリットデメリットを理解しておくことが大切です。以下に導入のメリットとデメリットを記載していきますので、一緒に見ていきましょう。

■BYOD導入のメリット

最も大きなメリットは「施設環境面」における満足度の向上です。効果的に導入を進めることが出来れば、従業員エンゲージメント向上に繋げることが可能です。

従業員エンゲージメントに関して、社会心理学では「会社に感じる魅力」を大きく4つに規定しています。

「目標の魅力」

戦略やビジョンなど、会社が目指しているもの(目標)の魅力です。社会的意義があり従業員の共感を引き出すような強烈なビジョン、明快かつ実現可能性が高く感じる戦略などは、それそのものが従業員の共感を引き出し「一緒に実現したい」という大きな魅力になりえます。

「活動の魅力」

事業内容や仕事内容など、企業活動を通して自身が携わる業務の魅力です。将来性があって世の中から必要されるであろう事業、自身の個性や能力が発揮され、責任ややりがいを感じる仕事などは「この仕事に取り組み続けたい」という魅力になります。

「風土の魅力」

組織風土や人材の特性など、企業内のカルチャーや雰囲気から出る魅力です。階層間の意思疎通や、部門間の連携が促進されていて一体感がある風土、信頼・尊敬が出来る多様な人材に囲まれる環境など「この雰囲気、仲間と頑張りたい」という魅力になります。

「条件の魅力」

制度待遇面や施設環境面など、働く上での具体的な環境面から出る魅力です。自身の評価や休日、給与に対して納得感があるかどうか、自身が働く上での職場スペースやIT環境が十分に充実しているかどうかなど、「このような条件面で働きたい」という魅力になります。

BYODの導入が効果的に行われた場合、「使い慣れているデバイスで仕事が出来る(操作面でのストレスが無い)」というメリットを享受でき、従業員の業務効率の向上、労働時間短縮や生産性向上、ひいては売上や利益の増加につながります。

この点は前述の「条件の魅力」にポジティブな影響を与えると言えるでしょう。

その他にも、個人のデバイス活用を行うことによって、会社端末の持ち出し制限の枠を超えた場所での業務が出来るようになります。

それにより「ノマドワーク」や「在宅勤務」など働き方の幅を広げることに繋がるでしょう。また、私物端末を利用することで会社側の端末購入コストや維持費を抑えることも可能です。


別の観点では、アメリカの臨床心理学者「フレデリック・ハーズバーグ」が提唱した概念「モチベーションの二要因理論」という考え方があります。

これは従業員の仕事における満足度は、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)のそれぞれがあり、この両方が満たされることで高いモチベーションが保たれるというものです。

「動機付け要因」は「承認」「昇進」「成長」など職務満足を引き起こす要因を指します。精神的に成長したい、外部から認められたいという欲求に基づくものとされています。「やりがい」と言い換えても良いでしょう。

「衛生要因」は「心身の健康状態」「会社での人間関係」「職場環境」などの仕事における不満足に関わる要素を指します。苦痛や欠乏を避けたいという欲求に基づくものとされています。不満足要因とも呼ばれており、満足度が低い状態であれば、社員が離職するという悪影響を及ぼします。

上記の観点で言うと、「BYOD導入」による業務環境の効率化や自由度の向上は「不満足要因」を減らす打ち手として機能させることが可能です。ベースとなる労働環境を整えることで「動機付け」のマネジメントが働きやすい力学がありますので、その点も押さえておいてください。

■BYOD導入のデメリット

一方、BYODの導入によって企業経営におけるリスクが生じることもあります。最も大きいものは「セキュリティリスクの高まり」です。

私物端末は利用場所・アプリ種別・インターネットのアクセス先等が多岐に渡るため、結果として情報漏洩リスクが高まります。加えて、端末の盗難や紛失による情報漏洩、個人による企業データの故意持ち出しなどのリスク考慮が必要となります。

また、「労務管理の複雑化」もデメリットの1つでしょう。私的端末でいつでも仕事に取り組める環境は、往々にして業務とプライベートの区別が無くなります。その結果、残業時間の増大やそれに伴う個々人の健康への不利益が生じ得ます。

更には、これまでBYOD導入をしてなかった企業に関しては、「BYOD運用のルール(ガイドライン)」を策定することが必須になります。

前述のリスクをコントロールするためにも、ガイドラインの策定、及び遵守に向けたコミュニケーションコストは一定必要だと思ったほうが良いでしょう。

BYOD導入の際に注意するポイント

では具体的に、BYOD導入時にはどのようなことを意識すればよいのでしょうか?
以下に注意するポイントを明記しました。

■社内ルール(ガイドライン)の設定

最も注力するべきなのは、企業ポリシーに沿ったルール(ガイドライン)を設定することです。利用する端末の範囲や用途、どこまでの情報を保護するかなどの運用方針を明確にし、運用を徹底することがBYODの導入成功につながります。

しかしながら、過剰なルール(ガイドライン)を設けた結果、無許可で端末を持ち込む人が増加、結果として統制が効かなくなったという例もあります。そのような事態を防ぐためにも、ルール(ガイドライン)を設定する際には「ルールが持つ3つの宿命」を理解しておくことが大切です。

1、ルールの非効率性

ルールを設ければ設けるほど、ルールに実情を照らし合わせる手間も増大します。
そのため、適度な量のルールを敷くことが大切です。

2、ルールの不透明性

どこまでルールを敷いたとしても、ルールで規定できないケースは生じえます。
すべての状況を想定したルールメイクは出来ないという前提を持つことが大切です。

3,ルールの硬直性

一度ルールを明文化すると、その解消には10倍の労力が必要となります。今後、従業員の判断行動を規定するものと言う前提で、ルールの選定を行うことが大切です。

上記のルール(ガイドライン)の宿命も鑑みると、BYOD導入の際には、過不足無く、最も効果的に従業員の思考と行動を規定できる内容を選択していく必要があると言えます。

■「セキュリティ意識の向上」

メリットを求めて自社でBYOD導入をした結果、企業の情報漏洩やコンプライアンスへの抵触が起きては元も子もありません。その為、従業員ひとりひとりがリスクに対する感度を高める必要があります。

企業で採用されているセキュリティポリシーを理解し、その運用を徹底するための教育が求められると言えるでしょう。ルールの意図背景を伝えることはもちろん、定期的にリテラシーチェックのテスト機会を設けるなど、形式的に理解するだけに留まらせないことが重要です。

■「VDI(デスクトップ仮想化)とクラウド上でのデータ管理」

これは情報をすべてクラウド上で管理し、端末ではVDI(デスクトップ仮想化)による画面からの操作のみを許す方法です。

端末のハードディスクにデータが格納されることがなくなり、端末を紛失した場合でも、クラウドサーバへのログインパスワードが漏れない限り会社のデータにアクセスされることはありません。

■「MDM(モバイル端末管理)の導入」

情報漏洩に備え、端末をリモート操作で管理できるようにMDM(モバイル端末管理)ソフトを採用することが、BYODの導入では一般的です。

端末の紛失や盗難が発生した場合には、リモートで端末所在の確認、端末のロック、データ削除が可能です。またリスクの高いアプリ利用に制限をかける等の機能を持っている製品もあります。

記事まとめ

いかがでしたでしょうか?企業においてBYOD導入を上手く活かすことが出来れば、働き方の選択肢に多様性が生まれ、業務生産性が向上するなど従業員エンゲージメントを高める結果に繋げることが出来ます。

その際には「BYOD導入をすること」を目的にするのではなく、運用前の意図背景の伝達や、運用後の定期モニタリングの実施など「正しい理解を基に運用をしてもらう」ことでデメリットが減り、業務環境面から企業活性を実現することが可能だと言えます。

昨今のデジタル化の流れを受け、企業がBYOD導入のような新たな試みを行う機会は今後ますます増えていくと言えるでしょう。この記事がその一歩を踏み出す一助となれば幸いです。

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坂上 進一郎
坂上 進一郎
【プロフィール】 2010年リンクアンドモチベーション入社。 大手、中堅・スタートアップ企業などあらゆる規模のコンサルティングに従事。 「理念策定・浸透」「採用戦略構築」などを主な領域としながら、 のべ200社を超える企業のエンゲージメント経営支援の経験を持つ。

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