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退職金の相場って?退職金制度についても解説

 退職金とは、文字通り退職の際に勤続年数や会社の規模、退職理由に応じて企業から従業員に支払われる報酬です。日本では多くの企業が退職金制度を採用しており、会社を辞めた後のキャリアプラン・ライフプランに大きく関わるものになっています。一方で、働き方や企業を取り巻く環境が変わってきたことにより、退職金のあり方が見直されてきています。本記事では、退職金について基本的な仕組みや、その支払われ方などをご紹介します。

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目次[非表示]

  1. 1.年代・企業規模別の退職金相場
  2. 2.退職制度について
  3. 3.自分の退職金が気になるなら、就業規則をチェック!
  4. 4.企業が退職金制度を導入するメリット
  5. 5.退職金制度の導入と変更について
  6. 6.退職金に上乗せや減額はある?
  7. 7.退職金に対する課税について
  8. 8.退職金が支払われるタイミングについて
  9. 9.退職金が支払われない場合
  10. 10.人材開発ならリンクアンドモチベーション
  11. 11.記事まとめ
  12. 12.退職金に関するよくある質問


年代・企業規模別の退職金相場


 退職金は勤続年数だけではなく、年代や企業規模によってその金額が変わります。また、同じ条件でも定年退職や自己都合退職、会社都合退職といった退職理由によっても扱いが変わることが多いため、それぞれの相場を確認しておきましょう。

定年退職の場合の退職金


 厚生労働省が公表している、「平成30年就労条件総合調査」では、最終学歴や勤続年数、企業規模ごとに退職金の平均給与額がまとめられています。こちらは平成29年1年間で、勤続年数が20年以上かつ45歳以上の定年退職者を対象にした調査結果です。

定年退職の場合の退職金の傾向として、

・勤続年数に応じて二次関数に近い形で金額が増えている

・高校卒と比較して、大学卒の方が退職金の金額が多い

・勤続年数が35年以上の場合は、企業規模が大きいほど退職金の金額が多い

ということが分かります。一般的に高校卒の従業員の方が企業への勤続年数は多くなります。しかし、退職金の金額は基本給にも連動して決まる場合があるため、結果的に基本給の設定金額や昇給金額が多い大学卒の退職金の金額が多くなっていると考えられます。

 また、勤続年数が35年以上の場合は企業規模と退職金の金額が比例しているように見えますが、それ以下の勤続年数では中小企業の方が大手企業よりも退職金の金額が多い場合も見られます。

管理・事務・技術職で大卒・大学院卒の場合


 管理・事務・技術職かつ、大学卒・大学院卒の場合の退職金は企業規模別に下記のようになっています。



企業規模
1000人以上

企業規模

300〜999人

企業規模

100〜299人

企業規模

30〜99人

20〜24年
1,711
1,073
930
データなし
25〜29年
1,404
1,522
1,188
1,404
30〜34年
2,034
1,650
1,546
1,392
35年以上
2,435
1,957
1,785
1,501

(単位:万円)


管理・事務・技術職で高卒の場合


 管理・事務・技術職かつ、高校卒の場合の退職金は企業規模別に下記のようになっています。




企業規模

1000人以上

企業規模

300〜999人

企業規模

100〜299人

企業規模

30〜99人

20〜24年
676
520
645

422

25〜29年
937
654
709
527
30〜34年
1,152
960
876
614
35年以上
2,435
1,673
1,572
1,252

(単位:万円)

現業職(現場作業をする公務員)で高卒の場合


 清掃作業員や学校用務員、バスの運転手など、現場作業をする公務員である現業職かつ、高校卒の場合の退職金は企業規模別に下記のようになっています。




企業規模

1000人以上

企業規模

300〜999人

企業規模

100〜299人

企業規模

30〜99人

20〜24年
600
360
396
384
25〜29年
642
656
567

547

30〜34年
876
857
877
625
35年以上
1,965
1,286
1,111
861

(単位:万円)


自己都合で退職する場合の退職金


 次に、一身上の都合で退職する「自己都合退職」の場合の退職金について、勤続年数での金額の変化を見てみましょう。こちらは同時に集計されているデータではなく、大手企業と中小企業のそれぞれで下記のデータを参照していることにご注意ください。

・大手企業:中央労働委員会「令和元年退職金、年金及び定年制事情調査

・中小企業:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)

 自己都合で退職する場合の退職金の金額について、

・同じ勤続年数では、大手企業の方が退職金の金額が多い

・勤続年数が長いほど、高校卒と比較して大学卒の方が退職金の金額が多い

・勤続年数が長いほど、企業規模と学歴による差が大きくなる

といったことが分かります。

大卒の場合

 自己都合退職かつ、大学卒の場合の企業規模別での退職金の金額は下記のようになっています。



大手企業
中小企業
10年
186.1
121.5
15年
407.6
229.8
20年
801.8
373.3
25年
1,287.0
569.7
30年
1,898.3
785.2

(単位:万円)

高卒の場合


 自己都合退職かつ、高校卒の場合の企業規模別での退職金の金額は下記のようになっています。




大手企業
中小企業
10年
150.8
89.8
15年
310.1
170.2
20年
609.8
279.6
25年
1,017.1
423.5
30年
1,451.2
577.9

(単位:万円)

会社己都合で退職する場合の退職金


 企業側の都合で退職する「自己都合退職」の場合の退職金についても、勤続年数での金額の変化を見てみましょう。こちらについても同時に集計されているデータではなく、大手企業と中小企業のそれぞれで下記のデータを参照していることにご注意ください。

・大手企業:中央労働委員会「令和元年退職金、年金及び定年制事情調査

・中小企業:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)

会社都合で退職する場合の退職金の金額について、

・自己都合退職と比較して、退職金の金額が多い傾向がある

・同じ勤続年数では、大手企業の方が退職金の金額が多い

・勤続年数が長いほど、高校卒と比較して大学卒の方が退職金の金額が多い

・勤続年数が長いほど、企業規模と学歴による差が大きくなる

といったことが分かります。特に業績不振や人員整理などにより早期退職を促された場合には、退職金が割増されることもあります。

大卒の場合


 会社都合退職かつ、大学卒の場合の企業規模別での退職金の金額は下記のようになっています。



大手企業
中小企業
10年
312.8
157.4
15年
588.4
283.6
20年
965.9
435.8
25年
1,426.9
636.3
30年
2,012.9
852.3

(単位:万円)

高卒の場合


 会社都合退職かつ、高校卒の場合の企業規模別での退職金の金額は下記のようになっています。



大手企業
中小企業
10年
230.8
122.7
15年
421.7
223.0
20年
719.5
344.1
25年
1,122.4
504.9
30年
1,537.2
677.8

(単位:万円)

公務員の場合


 一方で、公務員の場合でも退職金が支給されています。内閣官房が年度ごとに発表している「退職手当の支給状況」の中で、令和2年度のものを参考にして公務員の退職金状況について確認しましょう。ここで、「応募認定」とは早期退職を希望した職員が活用できる退職制度であり、一般的に自己都合退職よりも退職金の金額が多くなります。



定年
自己都合
応募認定
10〜14年
675.4
275.6
865.9
15〜19年
999.4
501.2
1,367.3
20〜24年
1,207.5
901.3
1,672.8
25〜29年
1,516.1
1,348.6
2,247.8
30年〜34年
2,043.5
1,675.1
2,715.7

(単位:万円)


退職制度について


 退職金制度は法律で義務付けられているものではなく、企業ごとにその採用や内容を決めることができます。そのため、退職金が出ない企業も存在します。厚生労働省が公表している「平成30年就労条件総合調査」では、退職金制度がある企業の割合は80.5%であると示されています。企業規模別に見ると、

・1000人以上:92.3%

・300〜999人:92.8%

・100〜299人:84.9%

・30〜99人:77.6%


のように、企業規模が300人以上である企業の90%以上が退職金制度を採用していることが分かります。

 また、「退職金制度」は大きく「退職一時金制度」と「退職年金制度」の2つに分けることができます。それぞれについてどのような内容や仕組みになっているかをご紹介します。

退職一時金制度について


 「退職一時金制度」とは、「退職の際に一括で退職金を支払う制度」です。一般的に「退職金」と言われてイメージするものは、退職一時金制度による退職金であることが多いでしょう。企業によってその金額の決め方は異なり、主に「定額制」「基本給連動形・別テーブル型」「ポイント制」に分けられます。

定額制の場合


 「定額制」とは、「勤続年数によって退職金の金額を決める制度」です。勤続年数のみが退職金に対して考慮されるため、人事考課の評価や企業への貢献度合いなどは金額の算出に含まれません。そのため、ある程度の期間を勤務していれば、社内では格差が無く退職金を受け取ることができます。

基本給連動型・別テーブル型の場合


 「基本給連動型」は、「退職時の基本給に応じて退職金の金額を決める制度」です。これと同時に、企業ごとに退職金の「支給率」が設けられていることが多く、それは勤続年数や役職、退職理由によって決まっています。退職金の金額は、


「退職金の金額」=「退職時の基本給」×「支給率」


で計算されます。


 また、「別テーブル型」は「基本給とは別で役職や等級に応じて退職金の金額を決める制度」です。給与を算出する際に使われる「基本給テーブル」とは別に役職や等級で基礎金額を定めているため、必ずしも基本給に比例する金額にはなりません。こちらについても、

「退職金の金額」=「基礎金額」×「支給率」

で退職金の金額が決定されます。

ポイント制の場合


 「ポイント制」は、「勤続年数や役職、等級、成果などを基にしたポイントに応じて退職金の金額を決める制度」です。企業への貢献度合いや本人の能力など、細かく評価を考慮するために導入される制度であり、

「退職金の金額」=「ポイント総数」×「1ポイント当たりの金額」

で退職金の金額が算出されます。これに加えて退職理由ごとの金額も加味される場合があります。

退職年金制度について


 「退職年金制度」とは、「退職金を分割して年金のように定期的に支給する制度」です。退職一時金制度のようにまとまった金額は支給されませんが、退職後の生活を継続的に支えるために導入されています。

確定給付企業年金制度とは


 「確定給付企業年金」とは、「退職後に支給される金額が固定されている制度」です。従業員は退職金の掛け金を月々の給与などから拠出し、企業はそのお金を運用します。万が一運用が失敗した場合でも、給付金額を補填するため、従業員のリスクは少なくなります。

企業型確定拠出年金制度(企業型DC)とは


 「企業型確定拠出年金制度」は、企業型DC(Defined Contribution Plan)とも呼ばれ、「企業が決まった掛け金をk輸出して、それを用いて従業員が資産運用を行う制度」です。規定された年齢になったら運用結果に応じた金額が支払われるため、多少のリスクは伴いますが、企業によっては奨励金やサポート手当のように掛け金にプラスする制度もあります。また、通常の資産運用よりも税制面で優遇されます。

厚生年金基金制度とは


 「厚生年金基金制度」とは、「通常の厚生年金に上乗せをする制度」です。日本年金機構による厚生年金の給付に対して企業がその一部を代行する形になり、その年金は勤務時に給与から支払った掛け金から支払われます。掛け金については運用期間が資産運用を行うようになっています。現在は「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」によって新しく厚生年金基金を設けることは認められていません。そのため、確定給付年金や確定拠出年金へ移行しています。

自分の退職金が気になるなら、就業規則をチェック!


 退職金制度には様々な種類があり、それは法律で義務付けられているものではなく、企業によって設定されていることをご紹介してきました。しかし、中には自身が勤めている会社がどのような退職金制度を採用しているのかがいまいち分からない方もいるのではないでしょうか。

 一般的には、企業の就業規則の中に退職金制度の内容が記載されているため、自社の就業規則を確認すると良いでしょう。また、中には就業規則とは別に「細則」や「退職金規定」などとして定めていることがあるため、確認方法が分からない場合は人事部や総務部などに問い合わせをしましょう。

企業が退職金制度を導入するメリット


 主に従業員がメリットを感じやすい退職金制度ですが、企業側にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

■企業側の退職金制度のメリット

・従業員に長く働いてもらえる

 退職金制度は多くの場合勤続年数が金額の基準として含まれています。従業員は長い期間その会社で働くことで得られる退職金が多くなるため、勤続年数が長くなりやすいでしょう。人事制度や育成体系を同時に整備していると、より経験やスキルを持つ従業員が長く在籍するようになります。そのため、スキルや知識を若い世代にも継承しやすくなります。

・入社を決める時の安心材料になる

 退職金のあり方が注目されているタイミングではありますが、未だ多くの企業が退職金制度を導入しているのが実状です。そのため、応募者が同様の仕事内容や役割の他社と比較している場合には、退職金として頑張りが還元されることは安心材料となり、差別化に繋がるでしょう。

■企業側の退職制度のデメリット

・一斉退職の際にはまとまったお金が必要になる

 経営としては従業員が一斉に退職する事態になった時に、それぞれに対して退職金を支払う必要があります。金額が大きくなると、企業のキャッシュフローにも影響することがあり、その後の経営判断が難しくなることにもなるでしょう。

・見直しのタイミングが難しい

 退職金制度は、法定外福利厚生と同様に考えられることが多いですが、実は他の法定外福利厚生とは異なる特徴を持っています。慶弔見舞金や育成補助金のような手当は、その制度を利用するタイミングで単発的になります。こちらは企業の判断によって制度の見直しや廃止もできるものです。

 しかし、退職金制度は長期間の拠出や積立を行い、退職時に還元するものであるため、一度退職金制度を実施したらそれは将来的な企業側の義務として残っていくこととなります。

 また、退職金は退職後の生活を支えるものの大きな財源でもあるため、その金額算出方法や基準を変更することは、従業員からはネガティブな意味で捉えられることがあります。退職金制度を見直す場合には適切な伝え方と従業員の納得感を生み出す必要があるため、難しい過程があるでしょう。

退職金制度に対する助成金について


厚生労働省は、「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」として、

・雇用管理制度(諸手当等制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主のみ))の導入等による雇用管理改善を行う

・その結果離職率の低下に取り組んだ

 場合に助成金を用意しています。魅力のある職場づくりのために労働環境の向上を図る事業主を支援する制度であるため、退職金制度の導入により離職率の低下を実現すれば57万円の助成金が得られます。

退職金制度の導入と変更について


 退職金制度を導入する場合には、「退職金規定」により退職金に関する規定を設ける必要があります。下記のように、

・退職金の原資をどうするか、どこを財源にするか

・退職金の積み立てを行う場合、方法はどのようなものにするか

・退職金の金額をいくら程度にするか

・退職金を算出する方法はどのようにするか

・退職金をもらう権利がある従業員が死亡した場合、退職金の支払いや金額はどうするか

などの規則を定めることになります。就業規則の内容を企業側の都合で変えることはできないため、入念に検討をする必要があります。

導入する場合


 既存の退職金制度を変更する場合は、社内の労働者代表との合意が必要であす。一方、新しく退職金を導入する場合には、合意が必要ではないため、比較的自由度が高いと言えるでしょう。

 ただし、現在の従業員に提供している待遇よりも、その質を下げるようなもの導入することは難しいでしょう。もし、退職金の金額を下げたり、支給のタイミングを変えたりと、待遇が下がるような制度を新しく導入する場合は、

・新しい退職金制度を実施した後に入社してきた従業員に対しては、新制度を適用する

・現在在籍している従業員に対しては、これまでの制度を適用する

というように段階的な適用を行うような方法が良いでしょう。

変更する場合


 現在ある退職金制度を変更する場合には、一方的に企業が変更することはできません。社内の労働組合や、労働者代表との合意を得た上で退職金制度の変更を行うことになります。

 これは企業と労働者側で結ばれている雇用契約や、就業規則の内容は企業側と従業員が両方合意して成立しているためです。経営状況の変化や業績の不振など、様々な理由があるかもしれません。しかし、そういったタイミングであるからこそしっかりと従業員と対話をすることで、お互いの共通認識をつくり、全社としてまとまって回答を出すことが重要です。

退職金に上乗せや減額はある?


 時には、企業の経営不振や人員整理のためにリストラが行われることがあります。こちらは会社都合での退職であるため、通常の退職金に更に金額がプラスされたものが支払われる場合があります。また、企業の組織体制を変えるために、早期・希望退職者を企業から募集することもあり、こちらも退職金に上乗せされた金額が支払われる場合があります。


 傷病による休職や出産・育児休暇の取得などの理由で、長期間利用した休暇については「在籍年数にカウントしない」場合もあります。勤続年数は退職金の金額に影響することが多いため、休職期間によっては退職金が減額される可能性もあります。企業によって在籍年数の考え方は異なるため、自社の規則を確認しておくと良いでしょう。


 また、在籍中に何らかの理由で懲戒や罰則が生じた場合にも退職金が減額される場合もあります。


退職金に対する課税について


 退職金も課税対象であることに注意しましょう。退職時に一括で支払われる「退職一時金」に対しては、「退職所得」とされるため、他の所得とは異なる形で税率が決定します。一方で、退職金を分割して定期的に支払われる「退職年金制度」では、「雑所得」として他の所得との合計で税率が決定します。

 退職金に課税されることは、その後の生活に対して不安が生まれる材料になるかもしれません。しかし、退職金には「退職所得控除」が適用されるためある程度配慮した税負担の決め方になっています。

退職所得控除について


 「退職所得控除」とは、退職一時金からある程度の金額を控除する(差し引く)ことで、課税対象となる金額を少なくする制度です。退職所得控除の金額は勤続年数に一定の金額をかけたものになり、それは勤続20年以下と20年超の場合で大きく異なります。以下の計算式を確認しておきましょう。

・勤続年数が20年以下の場合

「退職所得控除金額」=「勤続年数」×20万円

 ※結果が80万円に満たない場合は80万円となります

・勤続年数が20年超の場合

「退職所得控除金額」=「勤続年数−20」×70万円+800万円

実際の手取りの計算例


 では、上記の計算式を踏まえて、実際にどのくらいの金額が課税対象になるのかを確認してみましょう。

■勤続年数が10年、退職一時金600万円

・退職所得控除金額=10年×40万円=400万円

・控除後の退職所得=600万円ー400万円=200万円

・この200万円に対して所得税が課されることになります。

■勤続年数が35年、退職一時金1,600万円

・退職所得控除金額=(35年ー20年)×70万円+800万円=1,850万円

・控除後の退職所得=1,600万円ー1,850万円 < 0

・控除後の金額が0円以下になるため、退職所得に所得税は課されません。

退職金が支払われるタイミングについて


 退職金が支払われるタイミングは企業ごとに様々です。一般的には、退職後1〜3ヶ月で支払われますが、6ヶ月以上が経過しても支払われないこともあります。そのため、退職金を受け取るタイミングや時期については、退職手続きの中での記載や人事部からの連絡で確認しておきましょう。

 あまりにも支払いが遅い場合には、直接人事部に問い合わせて書類の不備や手続きが漏れていないかなどについて確認すると良いでしょう。

退職金が支払われない場合


 時には退職金制度が導入されているのにも関わらず、退職時に退職金が支払われないトラブルが生じることもあります。就業規則や退職金規定などで「退職金の支払い」や「退職金の金額算出方法」などが記載されている場合には、企業には退職金の支払い義務があります。

 問い合わせをしても企業側が対応してくれない、対応が遅い場合には、


・就業規則や退職金規定などにある支払い条件を確認する

・支払い条件を満たしている証拠を整理する

といったことが必要です。整理した証拠を元に、内容証明郵便で退職金の請求を行いましょう。万が一会社が支払いに応じなければ、弁護士や裁判外紛争解決手続などを利用してサポートを受けましょう。

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記事まとめ


 退職金制度は、多くの企業で採用されている制度であり、私たちの退職後のキャリアプラン・ライフプランを支えてくれるものです。退職金制度にも様々な種類があるため、従業員側はしっかりと自社の退職金についての内容やルールを確認しておくことが大切です。また、企業においては退職金制度によるメリット・デメリットがあります。働き方や時代の変化に合わせて退職金制度をより良いものにするためには、しっかりと従業員の納得を得る行動をとることが大切です。

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退職金に関するよくある質問


Q1:退職金は必ずもらえますか?

A1:退職金制度は法律で定められたものではなく、企業ごとに独自で設定しているものです。そのため、中には退職金制度自体を採用していない企業も存在します。また、退職金制度がある企業についても、明らかに企業に対する損害を与えた場合には退職金の対象から外れる可能性もあります。

Q2:退職金と休職手当は何が違う?

A2:それぞれ下記の違いがあります。

・退職金:退職に伴い、企業が定めるルールに応じて従業員に支払うお金

・休職手当:傷病により休職している従業員に対して、健康保険から支給される所定のお金


執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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