
組織力とは?組織力(チーム力)を強化しチームワークとエンゲージメント向上を実現する方法や事例まで
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ある規模まで達した企業が、売上の向上、事業拡大など更なる成長を目指すなら、「組織力」の強化は欠かせません。しかし、そもそも組織力とは何なのか?またどのようにすれば向上できるのか?今回はその特徴と組織力強化のコツをご紹介します。
組織力とは
■組織(チーム)とは
まず、組織を説明するにあたって、組織を「チーム」と定義したいと思います。この「チーム」とは何でしょうか。チームを説明するうえで、同じような言葉に「グループ」がありますが「チーム」と「グループ」との違いとは何でしょうか?
「グループ」とは、何かの属性でくくられたものを指します。例えば、年齢、性別、趣味など特定の属性でくくられた、ただの集団です。
一方で「チーム」を形作るものとしては、目的、目標、絆、チームワーク、コミュニケーション能力などがあります。これこそが、グループとの大きな違いです。即ち、チームはチェスター・バーナードで言う「共通の目的」「協働意思」「コミュニケーション」の3つが存在するのです。
■チームワークとの違い
では「組織力=チーム力」と「チームワーク」との違いは何でしょうか。「チーム力」とは事実であり、発揮能力のことを指します。今、実際に発揮している能力のことであり、チーム力があれば組織成果は高まっていきます。組織成果に繋げる力を身につけなければ、なかなか上手くいきません。
一方、「チームワーク」とは、「チーム力=組織力」を構成する1つのパーツであり、要素だといえます。即ち「チームワーク」だけを身につけても、組織力を発揮できるとは限らないということです。なぜなら「チームワーク」は、あくまで「部分」であって「全体」ではないからです。
そのため、リーダーが手にしなければならないものは、チーム力であり、組織力です。
(参考)チームワークとは?企業にとってのメリットや向上させる為の施策を解説
強い組織と弱い組織の違い
■強い組織と弱い組織に見られる特徴
また組織には「強い組織」と「弱い組織」があると思います。では、それぞれにどんな特徴があるでしょうか?
強い組織の特徴として「囁けば伝わる」という状況があるかと思います。経営者が会社全体に発信したことに対して、社員が自発的に自分の仕事と紐づけて考え必要な行動をとったり、管理職も力強く推進したりなどがその例です。
一方、弱い組織の特徴としては「笛吹けど踊らず」という状況があると思います。現場では経営や上司に対する不満の声が常にあったり、部門間の連携が一切取られず会社全体の一体感がないのがその例です。
現代の企業経営で注目を集めている組織力ですが、ここからはその背景と組織力強化のポイントについてご紹介します。
組織力強化が必要とされる背景
■事業環境の変化(VUCA時代への突入)
ここでは組織力強化が必要とされる背景にも触れておきたいと思います。一つは「VUCA時代への突入」ということで事業環境が変化したためです。
VUCAとは、社会やビジネスにおいて将来の予測が困難になっている状態を示す造語です。予測が困難な要因として4つの時代特性をあげ、頭文字を取って作られました。
V:Volatility(変動性)
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(複雑性)
A:Ambiguity(曖昧性)
VUCA時代以前は、V:あまり変化がなく、U:確実に先を見通せて、C:単純で、A:明快な物事が多かった時代でした。
そのため、その時代の環境適応方法としては、勝てる戦略や商品を、拡大するマーケットに対して、迅速かつ丁寧に決められた手順で行っていれば成果が一定ついてくる「勝ち筋の徹底」が求められる時代でした。
しかし、VUCA時代へ突入すると、戦略や商品は「勝利」が保障されておらず、市場も飽和状態のため、挑戦し、失敗し、アジャストし、勝ち筋を見つけるという「勝ち筋の創出」が成功の鍵を握る時代になりました。
誰も正解が見えない中で、組織成果を上げるには、新しい取り組みを生み出し続けるような組織力の強化が必要になったのです。
■社会的制約の増大(働き方改革、リモートワークの推進)
また、もう一つの背景は「社会的制約の増大」です。働き方改革の影響により労働時間は削減され、生産性向上を果たすには組織内での連携がより重要な時代となりました。
そして、コロナ禍によるリモートワークの推進等、多様な働き方が進んでいることも相まって、より職場内連携の難易度が上がり、より「組織力強化」が求められるようになりました。
組織力強化に有効な従業員エンゲージメントの考え方
■従業員エンゲージメントとは
では、その組織力強化に向けて、どんな観点やポイントがあるのでしょうか。組織力強化に向けては従業員エンゲージメントを高めるという方法があります。
「エンゲージメント=engagement」とは、TPOに応じて様々な意味に使い分けられる言葉ですが、基本的には「深い関わり合いや関係性」を意味する言葉です。
企業活動で使う「エンゲージメント」という言葉は、主に「対顧客」と「対従業員」との2つの意味を持っていますが、人事領域で使う「従業員エンゲージメント」は、従業員の愛社精神や企業に対する愛着を表します。
従業員と企業が一体となってお互いに成長し合い絆を深める関係をイメージするとよいでしょう。
「組織力強化」と一言で言っても、経営陣や管理職、リーダー陣だけが頑張れば良いというものではありません。その組織に所属するメンバー全員が様々な課題に対して、行動を起こす必要があるのです。
<参考:「従業員エンゲージメントとは? 測定方法や企業事例を紹介」>
組織力強化のポイント
では、ここからは従業員エンゲージメントを高めながら、組織力を強化させるポイントについてご紹介します。まず組織力を強化していくためには「診断」と「変革」の2つのフェーズに分かれます。
■「診断」フェーズ:現状を見える化し、課題を特定する
上記はリンクアンドモチベーションが開発した国内初の組織改善クラウドサービス「モチベ―ションクラウド」に搭載されている診断技術「エンゲージメントサーベイ」の「期待度」と「満足度」の2軸で回答結果を整理したマトリックス(4eyes® Windows)です。
昨今、従業員のワークモチベーションは多様化し続けており、従業員が会社や職場に期待する要素は多岐に渡ります。そのため、これからの組織力強化においては、こうした多様なワークモチベーションの状態を把握し、束ねていく必要があります。
しかし、従来の社員調査のように「満足度」のみのヒアリングでは社員が何を求めているのか把握することができず、具体的な打ち手を設定することは困難でした。
当技術では、社会心理学を下敷きに、従業員のエンゲージメントに大きく影響する16の要素に基づいた網羅的な設問項目を用いて、「満足度」に加えて「期待度」をヒアリングすることで、会社と従業員の関係性を明らかにしています。
従業員の回答結果を「期待度」と「満足度」の2軸で整理することで、従業員エンゲージメントの状態を可視化、数値化することが可能となります。
上記の図でいう左上「組織の弱み」が「不満理由の解消」領域となり、プロットされたどの項目を不満理由として解消するのか決める必要があります。
また、右上の「組織の強み」にプロットされた項目の中から、どの項目を貢献理由として創造していくか、優先順位を決めて実行していく必要があります。
【参考資料のご紹介】
組織力の強化にはモチベーションクラウド!具体的な機能や得られる効果が分かる資料はこちら
組織の診断・改善のサイクルを回す、【モチベーションクラウド】がわかる動画はこちら
■「変革」フェーズ:適切な解決方法を遂行する
診断をし、課題の優先順位付けを行ったら、次は「変革」です。先にもお伝えした通り、組織力は、誰か一人や一部のメンバーの頑張りでは向上させることができません。
組織として見えた課題に対して、経営側や管理職だけではなく、チーム全員でその課題に向き合い適切な解決方法を対話によって決める。そして一丸となって解決策に取り組むことで、組織力は向上していくと言えるでしょう。
組織力強化による成功事例
■株式会社ダイメイ大阪 仕上グループ様
2018年より当社が行う、組織変革に向けた取り組みによりエンゲージメントスコアが上昇し、組織に大きな改善が見られた「部署」を表彰する「モチベーションチームアワード」において2019年に受賞された株式会社ダイメイ大阪 仕上グループ様。
モチベーションクラウド導入前の組織状態はというと、悪く言えば人任せ、指示されたことを淡々とやるようなチームだったと言います。
それぞれが自分の仕事をやっていたため、重複した仕事をやっていたり抜け漏れがあったり、会社の連絡事項も従業員全員にきちんと行き渡らないようなこともありました。チームの状況だけではなく、会社の業績も良い状態ではありませんでした。
大手メーカーの海外生産移管が進んだことが原因で、年々仕事量が減り、上層部は新たな取引先の開拓に動くも、当然ながらそのような情報を逐一メンバーに話すわけにもいかない。メンバーの不安は高まる一方でした。
サーベイ結果を受けて、まずはチームの状況を全員で改善していこうという気持ちで「あなたの担当はこの項目ですよ、責任を持って関わってください」と一人ひとりに伝えることから始められました。
当初は後ろ向きな反応があることを想像していたようですが、実際は「頑張ります」という前向きな返答があり、それからというのもの、メンバーと毎日何かしら話すことを実践されました。
他には、メンバー同士のコミュニケーションが増えるように「ありがとうカード」の取り組みもスタート。
日頃の感謝をカードに書いて手渡しすると、直接言えないことを補助できているようで、「この人はこんな風に思ってくれていたのか。この人のためにも頑張りたいと思える」と話してくれたメンバーもいたと言います。
組織の改善項目についてメンバー一人ひとりに責任を持たせると、想像以上の意見が出たり、業績にも変化が出たりと、利益を出せるチームになっていったと言います。
実際に、赤字だった部署が6か月連続の黒字部署に生まれ変わり、時間当たりの稼ぎ高は、全社の中でも常に上位にランキングされるようになりました。
エンゲージメントサーベイのスコアも、40.6のDスコア(2017年6月実施)から、63.5のB+スコア(2017年11月実施)へと向上し、まさに組織力が向上した好事例と言えるでしょう。
記事まとめ
様々な環境変化が起きる今だからこそ、様々な困難を乗り越える力強さや、新たなことに挑戦し続ける組織力の向上が求められています。
従業エンゲージメントを向上させながら、組織の最重要課題に全員が向き合い、それぞれの立場で解決に全力を尽くす。そのように組織力を向上させていきながら、売上の向上や事業拡大など更なる成長を加速させていきたいですね。