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メルカリ×ビズリーチ「ベンチャー企業の人事に潜む問題とテクノロジーでの解決策」

あらゆる業界において第一線で活躍するプロフェッショナルを「先生」として迎え、オンライン授業を届けるスクー。

株式会社リンクアンドモチベーション執行役員の麻野耕司による4回シリーズの共通テーマは「人事はテクノロジーによって進化する」。

麻野が、第2回目の授業「ベンチャー企業の人事に潜む問題とテクノロジーでの解決策」でゲストに迎えたのは、株式会社メルカリHRグループマネージャーの石黒卓弥氏・株式会社ビズリーチ人事本部人事企画部部長の清家良太氏。

成長企業のベンチマークとされることも多い両社によって語られた貴重な60分を、HR2048が独占レポートします。

【登壇者】
株式会社メルカリ HRグループ マネージャー 石黒 卓弥氏
株式会社ビズリーチ 人事本部人事企画部 部長  清家 良太氏
株式会社リンクアンドモチベーション 執行役員 麻野 耕司

メルカリが抱える問題のひとつは「人の顔と名前が一致しない」、 ビズリーチが抱える問題は「急拡大に伴う、管理職層の不足」

麻野 耕司(以下、麻野):「人事はテクノロジーによって進化する」の第2回ベンチャー企業編ということで、株式会社メルカリから石黒さん・株式会社ビズリーチから清家さんをお迎えして、両社の具体例をおうかがいしていきます。

テクノロジーはあくまでも手段なので、「何の解決を目的としているのか」という整理から始めましょう。

メルカリやビズリーチのような成長企業は、拡大の過程でどんな課題があるのでしょうか。

石黒 卓弥氏(以下、石黒氏):「人の顔と名前が一致しない問題」です。メルカリは、社員数が2年間で60名から約400名に増加していることもあり、顔と名前を一致させるのが非常に難しくなっています。

また、もうひとつは非常にベタなのですが、採用に関わる方なら必ず使うであろう、採用管理システムについてです。

以前使用していたシステムが古くなったため、リプレイスを検討していたのですが、結局リプレイスを完了するまでに多くの時間を要しました。

スタートアップ企業では人事は1〜2名しかいないことが大半なので、採用の平常業務を回しながらでは、なかなかシステム改善には着手しづらいです。

麻野:なるほど、課題は2つで、人が増えて顔と名前が一致しなくなる点をコミュニケーションによってどう解消するのか。また、人事の数が潤沢でない分、採用オペレーションを効率化する際において、どう採用管理システムを使うのか。

では、ビズリーチの抱える課題について、清家さんいかがでしょうか。

清家 良太氏(以下、清家氏):急速に組織が拡大する中での、「管理職層の不足」です。実際、管理職比率約7%で、多くの管理職が兼務をしている状況がありました。

兼務しているということは、管理職一人が広く多くのメンバーを抱えることになるため、一人ひとりにきちんと評価をフィードバックする仕組みや、育成体制をどう整えていくかが大きな課題でした。

麻野:有難うございます。おふたりのお話をまとめると、成長企業が拡大する過程で直面する課題は①採用、②社内コミュニケーション、③ミドルマネジメントの3つに集約されるということですね。

両社から課題をおうかがいしたので、解決策について話せればと思います。

まずは採用管理システムについてですが、両社どのようなテクノロジーを駆使しているのでしょうか。具体的に利用しているHR Techのプロダクトがあれば、教えてください。

成長ベンチャー企業2社が実際に活用しているHRTechプロダクトとは

石黒氏:隣に清家さんが座っている中で恐縮ですが(笑)、メルカリでは「Talentio」というクラウド型採用管理サービスを使っています。

スタートアップフェーズでは、人力で何とかしようとしてしまいがちですが、いち早くテクノロジーの力を取り入れていたのは、ログを残したいという思いからです。

チームで仕事を進めていく上での基本だと思うのですが、ログを残し誰でも対応できる状態にすることを目的にしています。メルカリでは6名のHRのメンバーがいるので、その誰でもが対応できるようにすることが大切です。

他にも選択肢がある中でもTalentioを導入した理由は、追加して欲しい機能に対する改善のスピードが速いことや、今後の進化への期待が持てたからです。

麻野:清家さん、ビズリーチさんも当然、何らかの採用管理ツールを活用されていらっしゃいますよね。

清家氏:はい、もちろんです(笑)。弊社では自社サービスの「HRMOS」を徹底的に活用しています。

日々お客さまからいただくフィードバックはもちろん、隅々までとことん使いこなす社内メンバーからの声を、改善活動に活かしています。

特に、採用活動のオペレーション部分の徹底的な効率化を意識しており、採用に関わる人々が、企業の成長のために、より本質的かつ戦略的な活動に集中できるよう、サポートさせていただいているサービスです。

麻野:ありがとうございます。ちなみに、ベンチャー企業の皆さんからよく「Slack」を使っているという声を聞きます。

人が増えた際のコミュニケーション問題をクリアするには、やはりSlackが良いのでしょうか。

石黒氏:メルカリもSlackを使っています。

Slackで会話する際に、相手のアイコンを覚える・アイコンと実際の顔・名前を一致させるという、お作法みたいなこともありますが、基本的な部分として、オープンな場所(プライベートチャンネルではない場所)で直接話をすることが大事だと考えています。

麻野:チャットツール以外で、コミュニケーションを活性化するような、テクノロジーは導入されていますか。

清家氏:ビズリーチでは「Workplace」を使っています。

Facebookが企業向けに提供しているSNSです。社内ではメールでのやり取りもまだ残ってはいるものの、多くはSlackでコミュニケーションを取りながら、Workplaceも使うという割合です。

Workplaceは、社内のメンバーの動画を載せたりイベントをアップしたりする場合に使うのですが、社員同士が「いいね!」を通じてコミュニケーションを取っています。

実は今、アドトレインといって、山手線をビズリーチの広告でジャックさせていただいてるのですが、Workplaceには、社員がその車両に乗っている写真なんかが掲載されています。

麻野:組織が活性化している会社の大半が、コミュニケーションに対して、しっかり投資をしていますが、ビズリーチさんはそういうツールを使って、さらに活性化できるということですね。

では最後の課題、ミドルマネジメントについて。

清家氏:ビズリーチでは昨年、2つの取り組みを行いました。

ひとつが、全社的の組織状況を可視化するビズリーチダイナミックチェンジサーベイです。約40問を無記名で、個人の働きがい・バリューのフィット感など、大きく4項目で聞いているものです。

もうひとつがワンミニッツチェックという取り組みです。これは月に一度、月曜日に実施する朝会の中で、1分間を使って、今の自分の働き甲斐や能力の発揮度合いについて、気軽に4段階で評価してもらうものです。

これらの結果をマネージャーにフィードバックして、マネジメントに役立ててもらっています。

麻野:データをマネージャーにフィードバックして、改善された具体例はありますか。

清家氏:多くのメンバーを持つマネージャーからは、メンバーの状況が分かるようになったという声。ジュニアマネージャーからは、気を付けるべきマネジメントの観点が分かり、自分と周囲の評価の差分に気づけたという声が届いています。

麻野:メルカリでは、ミドルマネジメントに対して、どんな施策を実施されていますか。

石黒氏:そうですね。麻野さんを目の前にして言うのもなんですが「モチベーションクラウド」ですね。

麻野:出ました(笑)。ありがとうございます。

石黒氏:モチベーションクラウドのサーベイ結果から、マネージャー層向け研修を検討し、ひと通りサイクルを回し始めたところです。チームビルデイングのランチを実施するなど、マネージャーのネクストアクションを明確にする助けになり始めています。

麻野:何らか指標がなければ、現場のマネージャーは、何に力を入れていいのか分からないものです。ダイエットするときにまず体重計に乗って、何をどれくらい鍛えなければいけないか考えることと同じことです。

HRTechは進化・発展のフェーズ。まずはトライしてみる、使ってみる

麻野:本日のお話の中でもHR Techのプロダクト名が幾つか出ましたが、ベンチャー企業に合うか合わないかは、どうやって見極めれば良いのでしょうか。

清家氏:麻野さんのお話から少しずれるかもしれないですが、人事で必要なスキルとしては、まずは何でもトライすることです。

正直なところ、プロダクトの見極めはなかなか難しいです。ソフトも急激に変化している最中なので、気軽に使ってみてそれがダメだったら、また次トライします!と、人事が気軽に従業員と対話できる関係性を作れているかどうかが重要だと思いますね。

麻野:非常に素晴らしい回答を、清家先生からもらいました。

石黒氏:とにかく使う。複数使って、自分の目で比較することです。そしてもうひとつは、社内の信頼できるエンジニアに意見を求めることです。

全社員の個人情報を扱うものなので、システム導入を検討する際のミーティングにはエンジニアに同席してもらって、使い勝手だけではなく、その裏側の設計がしっかりしているかなどを見極めてもらいます。

麻野:なるほど。私もある会社さまがモチベーションクラウドを導入される際に聞かれたのは「これからどうやってモチベーションクラウドを開発して行こうと思っているのですか」という未来についてのことでした。

HR Techのプロダクトは発展途中であることが多いので、現段階で全てを満たすことは難しいですが、その会社のポリシーと自社の組織の方向性と合うのかどうかは大切なポイントかもしれません。

最後になりましたが、おふたりからひと言ずついただければと思います。

石黒氏:使って改善をする、改善をしてまた使うということの繰り返しなので、自社にHR Techのパートナー企業があるのならば、パートナー企業との信頼関係をしっかり築くべきだと思います。

先ほど麻野さんのお話にもありましたが、現在は進化・発展のフェーズなので、自分も進化・発展の一員となって楽しめればと思っています。

清家氏:今のHR Techのサービスは、現状の可視化が主体になっているフェーズです。

最終的にはデータの活用のステップを踏んでいくと思うのですが、私たちとしても、日本発・世界で勝てるようなレベルのサービスを作りたいです。

麻野:採用とコミュニケーションとミドル。この3点を押さえることができれば組織は成長していけると、改めて思いましたし、成長を促進するために具体的にどのようなHRTechのプロダクトが有効なのかも分かりました。

そして最後はお二人から、ベンチャー企業のHRの方々らしい「チャレンジしよう」というメッセージがいただけて、私の中でも非常に勉強になったセッションになりました。どうも有難うございました。

第3回となる次回は「大手企業の人事に潜む問題と、テクノロジーでの解決策」をテーマにお送りします。どうぞご期待ください。

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※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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