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コミットメントとは?意味や使い方を例文とともに解説!

様々な場面で「コミットメント」という言葉を耳にするようになりましたが、意味を理解しないまま、誤った使い方をしている人も少なくありません。今回は、コミットメントの意味やビジネスシーンにおける使用例、また「組織コミットメント」という概念について解説していきます。

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目次[非表示]

  1. 1.コミットメントとは?
  2. 2.コミットメントの類義語と使い方
  3. 3.ビジネスシーンにおけるコミットメントの意味と使用例
  4. 4.組織コミットメントとは?意味と3つの要素
  5. 5.各分野におけるコミットメントの意味
  6. 6.コミットメントラインの種類と使い方
  7. 7.コミットメントラインの主な契約の方法
  8. 8.コミットメントラインを契約するメリット・デメリット
  9. 9.コミットメントラインの契約・利用時の注意点
  10. 10.まとめ
  11. 11.コミットメントに関するよくある質問


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コミットメントとは?

「コミットメント(commitment)」とは、「委託」「約束」「誓約」など様々な意味を持つ言葉です。コミットメントの動詞が「コミット(commit)」であり、日本語で「コミットする」と言ったら、「約束する」「関与する」といった意味合いになります。

日本でコミットという言葉が広く知られるようになったきっかけは、パーソナルジムRIZAPのテレビCMです。CMの「結果にコミットする」というフレーズは、「結果を約束する」「結果に責任を持つ」という意味で使われています。

コミットメントの類義語と使い方

コミットメントの類義語や、その使い方について解説します。

■モチベーションの意味

モチベーション(motivation)とは、「やる気」「動機」を意味する言葉です。ビジネスシーンでは、「プロジェクトメンバーに選ばれてモチベーションが上がった」といった使い方がされます。コミットメント(commitment)については「主体的に関わる」という意味なので、モチベーションという言葉とは区別して理解する必要があります。

一方で、モチベーションとコミットメントは全く異なるものではありません。前提として、モチベーションの高さは「目標の魅力」×「危機感」×「達成可能性」の総量によって、決まると言われています。(下図参照)

例えば、皆様も周囲に自らコミットメントする目標を宣言したり、公言したりすることで「やらなきゃ」という気持ちが芽生え、モチベーションが高まった経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。これはモチベーションの変数の一つである「危機感」が醸成された結果、モチベーションが高まるというメカニズムであり、これを心理学では「コミットメント効果」と呼びます。このようにモチベーションとコミットメントは完全に切り離されたものではなく、コミットメントはモチベーションを高める一要素という整理ができます。

ビジネスシーンにおけるコミットメントの意味と使用例

ビジネスシーンにおいても「コミットメント」という言葉が頻繁に使用されるようになりました。ビジネスシーンで使われるコミットメントは、以下のいずれかの意味を持っています。

■「結果を約束する」という意味のコミットメント

RIZAPのCMの「結果にコミットする」と同じで、「結果を約束する」という意味です。単に約束するという意味ではなく、「責任を持って結果を約束する」というニュアンスを持っています。そのため、この意味でコミットメントという言葉を使うときは、それなりの心構えが必要になります。

なお、「約束する」という意味の英語は「promise(プロミス)」もあります。プロミスとコミットメントの違いは責任感の大きさだと言えるでしょう。

たとえば、仕事の成果を約束するという意味ではコミットメントが使われ、プライベートで待ち合わせの時間を約束するような場合はプロミスが使われます。

・例文「次のプロジェクトの成功をコミットする」
「責任を持ってプロジェクトの成功を約束する」という意味になります。

■「真剣に関わる」という意味のコミットメント

コミットメントは「真剣に関わる」という意味でも用いられます。単に関わるという意味ではなく、「主体的な姿勢で真剣に関わる」というニュアンスを持っています。

・例文「次のプロジェクトにコミットする」
「次のプロジェクトに真剣に関わる」という意味になります。

■全面的に責任を持つという意味のコミットメント

コミットメントとは、「結果を約束する」という意味を持つ言葉です。コミットメントは、それ単体で強いニュアンスを持つ言葉ですが、より強調したいときは「フルコミット」という言葉を使うこともあります。

フルコミットは、「最大限の努力」「全面的に責任を持つ」といった意味があります。コミットメント以上に強い意志が含まれてくるため、軽率に使うと相手を落胆させてしまう可能性もあるでしょう。なお、フルコミットは和製英語なので、海外の人には通じません。

■「越権行為」に関する意味のコミットメント

オーバーコミット(オーバーコミットメント)は「越権行為」という意味を持つ言葉です。自分の権限の範囲を超えて、相手に介入したり指示したりすることを言います。

なお、IT業界でオーバーコミットと言ったら「コンピュータを仮想化して複数の仮想マシン(VM)を立ち上げる際に、各VMに割り当てるリソースの合計が物理的なリソースの上限を超えることを許容する方式」という意味になります。

※参考:オーバーコミットとは - 意味をわかりやすく - IT用語辞典 e-Words
https://e-words.jp/w/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88.html

組織コミットメントとは?意味と3つの要素

「コミットメント」の前に「組織」を付けた「組織コミットメント」という言葉があります。組織コミットメントとは、所属する組織に対する帰属意識や関係性を表す概念です。従業員が会社に対して抱く「帰属意識」や「愛社精神」と言い換えることもできます。

組織コミットメントの「コミットメント」は、「真剣に関わる」という意味になります。組織コミットメントが高い状態は、従業員が会社と真剣に関わっており、従業員と会社との関係性が近い状態だと言えます。

組織コミットメントは、「情緒的コミットメント」「功利的コミットメント」「規範的コミットメント」という3つの要素に分けられます。

■情緒的コミットメント

情緒的コミットメントとは、従業員が持つ感情や価値観など、情緒的な要素によって生まれるコミットメントのことです。

たとえば、「この会社が好き」「この会社にずっといたい」「この会社の一員であることを誇りに思う」といった気持ちがあるのは、情緒的コミットメントが高い状態です。

「愛社精神が高い」「エンゲージメントが高い」と言い換えることもできます。

■功利的コミットメント(存続的コミットメント)

功利的コミットメントとは、損得勘定によって生まれるコミットメントのことです。

たとえば、「今この会社を辞めたら損だ」「今この会社を辞めたらどうなるか不安だ」「今この会社を辞めたら、人間関係を一から作り直さないといけない」といった気持ちがあるのは、功利的コミットメントが高い状態です。

組織から離れることによるリスクを危惧して、現状を維持しようとする姿勢と言うこともできます。

■規範的コミットメント

規範的コミットメントは、「社会人である以上、所属する組織に忠誠を尽くさなければならない」といった価値観から生まれるコミットメントのことです。

これらの3つの要素がどのくらいの割合でミックスしているかによって、組織コミットメントの性質は変わってきます。

たとえば、情緒的コミットメントや規範的コミットメントの高い従業員は、組織内で好ましい行動をとり、成果を上げようとします。一方、功利的コミットメントの高い従業員は、チャレンジをせず現状維持に終止する傾向があります。

各分野におけるコミットメントの意味

上述のとおり、コミットメントは様々な意味を持った言葉であり、使用される分野によっても意味合いが変わってきます。心理学や経済学、また金融の分野におけるコミットメントの意味をご説明します。

■心理学におけるコミットメントの意味

心理学の分野には「コミットメント効果」という言葉があります。コミットメント効果とは、何か新しいことを始めるときや、目標に向かってやり遂げようとするとき、その意志を誰かに宣言(コミットメント)することでそれが実現しやすくなる効果のことを言います。

■経済学におけるコミットメントの意味

経済学においてコミットメントという言葉は、「その行動しかとれないようにするような実効性のある仕組みをつくること」という意味で用いられます。

経済学者の神取道宏氏は、コミットメントの例として家電量販店の「最低価格の保証」を挙げています。家電量販店が「他店のほうが安い場合は同じだけ値引きします」と宣言(コミットメント)することにより、他店はいくら値引きしてもコミットした店舗から顧客を奪うことができなくなり、結果として値引き競争を回避できます。

※参考:コミットメント – Wikipedia

■金融分野におけるコミットメントの意味

金融の分野には「コミットメントライン」という言葉があります。コミットメントラインとは、銀行などの金融機関が企業に対して一定の期間、一定の融資枠を設定し維持することを言います。「融資枠」とも呼ばれます。

※参考:コミットメントライン – Wikipedia

コミットメントラインの種類と使い方

コミットメントラインは大きく「スタンドバイライン」「リボルビングライン」「エクイティ・コミットメントライン」の3種類に分けられます。

■スタンドバイライン

スタンドバイラインとは、不測の事態に備えてあらかじめ一定の融資枠を確保しておくコミットメントライン契約です。スタンドバイラインの場合、原則として非常時以外は資金の借り入れができません。

あくまでも不測の事態に備えることが目的なので、経営に問題がなく非常事態に陥らなければ、一度もスタンドバイラインを利用しないというケースも考えられます。

■リボルビングライン

リボルビングラインとは、資金が必要になったときにいつでも融資を受けられるコミットメントライン契約です。契約時に設定した融資枠の範囲内であれば、いつでも資金を借り入れることができます。

コミットメントライン契約のなかではもっとも一般的な契約であり、単純に「コミットメントライン」と言ったら、通常はリボルビングラインのことを指します。

■エクイティ・コミットメントライン

エクイティ・コミットメントラインとは、新株予約権を発行することで金融機関から資金を調達するコミットメントライン契約です。

エクイティ・コミットメントライン契約では、資金調達を予定している企業が金融機関に対して新株予約権を発行し、金融機関との間でコミットメント条項契約を締結します。新株予約権を発行した企業の指示によって、金融機関が新株予約権を行使する点に特徴があります。


コミットメントラインの主な契約の方法

コミットメントラインの主な契約方法についてご説明します。

■バイラテラル方式(相対型)

バイラテラル方式とは、融資を受ける企業と融資を実行する金融機関が、個々にコミットメントライン契約を締結する方式です。バイラテラル方式の場合、当然のことですが、それぞれの金融機関によって融資枠や金利などの条件が変わってきます。

■シンジケート方式

シンジケート方式とは、アレンジャー(幹事金融機関)が複数の金融機関(シンジケート団)をまとめて、同一の条件で(1枚の契約書で)コミットメントライン契約を締結する方式です。一つの金融機関あたりの融資負担が少なくなるぶん、トータルの融資枠は高額になる傾向にあります。


コミットメントラインを契約するメリット・デメリット

コミットメントライン契約のメリット、デメリットについてご説明します。

■コミットメントライン契約のメリット

コミットメントライン契約の最大のメリットは、いつでも迅速に資金調達ができることです。コミットメントライン契約では金融機関の都合で融資を断ることができず、借り手企業は資金が必要なタイミングで、タイムリーに資金調達をすることができます。資金繰りが計算できるため、安定的な経営ができるでしょう。

また、コミットメントライン契約は契約時に1回審査を受ければ、その後は審査などの手続きが必要ないため、通常の融資を繰り返す場合に比べると手間がかかりません。

■コミットメントライン契約のデメリット

コミットメントライン契約は、金利とは別に契約時に手数料が発生します。この手数料は、コミットメントラインの融資枠の全体に対して発生します。満額で融資を受けなかったとしても、手数料は満額に対して発生するので注意が必要です。


また、コミットメントライン契約を利用できるのは「特別融資枠契約に関する法律」の適用法人に限定されています。通常の融資に比べて審査が厳しいことも、コミットメントライン契約のデメリットだと言えるでしょう。

コミットメントラインの契約・利用時の注意点

コミットメントライン契約をする際の注意点についてご説明します。

■手数料が発生する

コミットメントライン契約を締結する際は、金利とは別に手数料が発生します。手数料は設定した融資枠全体に対して発生するため、「使うかどうか分からないけど、多めに融資枠を確保しておこう」と考えていると、結果的に手数料負担が重くなってしまう可能性があります。そのため、融資枠は慎重に検討する必要があるでしょう。


■利用できる企業が限られる

金融機関とコミットメントライン契約ができるのは、「特別融資枠契約に関する法律」の適用法人に限定されています。事実上、中小企業はコミットメントライン契約をするのは難しいでしょう。

また、コミットメントラインの融資枠は数千万円規模に設定されることが多く、企業には同程度の売上が求められます。そのため、一定以上の体力のある企業でないとコミットメントライン契約するのは難しいと言えます。

■審査が厳しい

コミットメントラインは契約時に審査に通れば、その後は、好きなタイミングで融資を受けることができます。そのぶん、通常の融資に比べて厳しい審査が設けられています。また、コミットメントライン契約をする金融機関は、過去の取引実績などの信頼関係も重視します。そのため、一度も取引のない金融機関とコミットメントライン契約をするのは難しいでしょう。

まとめ

「コミットする」と言ったら、「結果を約束する」もしくは「真剣に関わる」という意味になります。いずれも重いニュアンスを持っているため、ビジネスシーンにおいて使うときは注意が必要です。

また「組織コミットメント」は、組織に対する帰属意識という意味の言葉です。このようにコミットメント(コミット)には様々な意味があるため、正確に意味を理解して、誤解のないコミュニケーションに努めましょう。

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コミットメントに関するよくある質問

Q:ワーク・コミットメントとは?

ワーク・コミットメントは「仕事に対する関与・義務・約束」という意味を持つ言葉です。ワーク・コミットメントは、「組織コミットメント」「ジョブインボルブメント」「キャリアコミットメント」という3つの要素で構成されています。

組織コミットメントは、所属する組織に対する帰属意識や愛着のことです。ジョブインボルブメントは業務への没頭度合いを指す概念で、自分が任されている業務へのコミットメントだと言えます。キャリアコミットメントは、自分の職種や専門分野へのこだわり・志向の強さを表す概念です。自分の職種や専門分野の発展に向けて積極的に関与できる人は、キャリアコミットメントの高い人だと言えます。


Q:組織コミットメントを高めるメリットとは?

組織コミットメントを高めると、従業員の会社に対する貢献意欲の向上が期待できます。貢献意欲が高まれば、結果として組織全体の生産性アップにつながるでしょう。また、組織コミットメントの高い職場では、従業員の愛社精神が育まれるため、定着率向上や離職率低下が期待できます。人手不足に悩んでいる会社や離職率が高い会社は、組織コミットメントを高めることが一つの解決策になるでしょう。





執筆者:N.E
執筆者:N.E
【プロフィール】 リンクアンドモチベーショングループ新卒入社。 以降、モチベーションクラウドのカスタマーサポートとして、 主に大手企業の支援に従事。

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