メガメニューを一時的に格納するセクション(消さないでください)

catch-img

AIマネジメントの本質とは?マネジャーの役割、未来の組織を徹底解説

AIの急速な進化により、企業におけるAIは、もはや一部の業務を効率化するための存在ではなく、組織運営やマネジメントにどう組み込むかが問われる段階に入っています。今、企業やマネジャーに求められているのは、「AIをどのように位置づけ、どのようにマネジメントするか」という視点です。本記事では、AIの性質や仕組みを整理したうえで、マネジャーがAIを組織のなかでどう活かし、成果創出につなげていくべきかを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.AIマネジメントを進める上で理解しておくべき性質と仕組み
  2. 2.AIへの指示と関連性がある?現場で起きがちなマネジャーと部下のすれ違い
  3. 3.AIへの指示はマネジメントの本質とも言える
  4. 4.AIの活用はマネジャーやチームメンバーの業務負担軽減につながる
  5. 5.マネジメントの定義から見るAIとの関わり方の質的変化
  6. 6.組織マネジメントからみるAIを使いこなせる人材の価値
  7. 7.AI導入に伴う未来の組織づくりに向けたアプローチ方法
  8. 8.組織変革のことならモチベーションクラウド
  9. 9.まとめ

従業員エンゲージメントを可視化・改善するモチベーションクラウドはこちら

AIマネジメントを進める上で理解しておくべき性質と仕組み

まず本稿では、AIマネジメントを「AIを単なるITツールではなく、成果を生み出す組織の一員として位置づけ、統合的にマネジメントする考え方」と定義します。

AIマネジメントを考えるうえで再確認しておきたいのは、AIは正解を知っている頭脳ではなく、膨大なデータからパターンを学び、次に続くもっともらしい文字列や数値を予測する仕組みであるということです。

そのため、プロンプトや学習データに含まれる傾向や偏りが、そのままアウトプットに反映されます。AIは文脈を「理解しているように見える」振る舞いをしますが、実際には統計的推論に基づく生成であり、人間の意味理解とは異なります。

つまり、AIは自走する部下ではなく、「パターン学習&推測」に長けた専門スタッフであるということです。こうしたAIの性質(強みと限界)を踏まえ、役割を与えることがAIマネジメントの出発点となります。

AIへの指示と関連性がある?現場で起きがちなマネジャーと部下のすれ違い

マネジャーが、「この件、レポートにまとめておいて」と指示を出す。部下は、データを集めたり、グラフを入れたりして、詳細なレポートを作成する。それを見たマネジャーから、「論点がぼやけている」「ポイントを3つくらいに絞ってほしかった」などとダメ出しを受ける──こうしたシーンは、マネジメントの現場ではよくあるものです。部下からすると「先に言ってくれればそうしたのに…」と感じるのも無理はありません。一方、「そんなに細かく指示しないとできないのか」と感じるマネジャーもいるでしょう。

AIマネジメントでも、これとまったく同じことが起こります。

AIに与えるプロンプトが、「添付の資料を要約して」「この件に関するアイデアを出して」というようなレベル感だと、意図しないアウトプットが返ってきます。マネジャーの頭の中にある前提を言語化せず、ざっくりと伝えるだけでは、人間の部下もAIも期待に応えてはくれません。

逆に言えば、「誰に見せるレポートなのか」「この資料を見て何を判断したいのか」「どのような体裁・ボリュームで作成するべきか」といったポイントも含め、具体的なプロンプトを与えれば、AIは精度の高いアウトプットを出してくれます。部下に指示を出すことも、AIにプロンプトを与えることも、本質的には同じマネジメント行為だと言えます。

AIへの指示はマネジメントの本質とも言える

上述のとおり、AIへのプロンプト設計はスキルやテクニックの文脈で語られがちですが、その本質はマネジメントそのものです。

「マネジメントの父」とも称される経営学者、ピーター・F・ドラッカーは、マネジメントを「組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義し、単なる管理業務ではなく、目標の設定、資源の配分、成果の評価という一連のプロセスだと整理しています。

マネジャーは、組織において「達成すべきKPI」「割り当てる人・時間・予算」「評価の基準」を決定し、落とし込みます。AIを使うときも、「何を目的として」「どの情報を使い」「どのような形で結果を出してほしいか」を盛り込んでプロンプトを設計することが重要です。

AIマネジメントにおいても、人のマネジメントと同じように役割や期待値を定義しなければ、狙ったアウトプットは返ってきません。

重要なのは、AIを「正解を出す装置」と捉えるのではなく、「適切にマネジメントすべき存在」として扱うことです。目的や前提条件が曖昧なままだと、AIはその曖昧さを補う推論をおこない、結果として期待とズレたアウトプットを返します。だからこそ、AIマネジメントでは、マネジャー自身が思考を整理し、言語化し、判断基準を明示する力が問われます。

AIの活用はマネジャーやチームメンバーの業務負担軽減につながる

AIを活用することで、資料作成や議事録作成、情報収集、一次的なデータ整理といった定型業務を自動化・半自動化でき、マネジャーやメンバーの作業時間を大きく削減できます。

その結果、マネジャーは目標設定やメンバーとの1on1、評価・フィードバック、顧客との対話など、本来人が担うべき判断・コミュニケーションにリソースを投下できるようになります。これにより、組織全体の生産性が向上し、成果創出に直結する業務へ集中できる体制が整います。

マネジメントの定義から見るAIとの関わり方の質的変化

近年のAIの進化は著しく、マネジメントにおけるAIの位置づけも「便利なITツール」から「ともに成果を創出する仮想メンバー」へと変わりつつあります。こちらでは、人とAIの関わり方の質的な変化を整理しています。

フェーズ①マイクロタスクの依頼

第一段階は、AIにマイクロタスクを依頼するフェーズです。

文章の校正や要約、ポイントの抽出・箇条書き、メールのたたき台作成など、細切れでゴールがはっきりしている作業を任せるのがこの段階です。業務全体のうち、一部のマイクロタスクを切り出して任せることで、マネジャーもメンバーも単純なルーティン作業から解放されます。

フェーズ②プロジェクトの委任

第二段階は、AIを単なる補助ツールとして使うのではなく、一人の担当者としてプロジェクト単位で業務を委任するフェーズです。

AI活用がマイクロタスクの依頼にとどまっている限り、作業効率は向上しても、思考や意思決定の負荷は人に残り続けます。AIの真価が発揮されるのは、作業単位ではなく、「成果単位」で仕事を任せたときです。

近年のAIは、文脈理解や情報統合の能力が飛躍的に高まり、「企画書の骨子作成」「Webページの構成設計」「調査結果を踏まえた仮説立案」など、業務プロセスをまとめて担うことが可能になっています。

このフェーズにおけるマネジャーの役割は、細かな作業指示を出すことではなく、目的・前提条件・評価基準を設計することへとシフトします。AIに与えるプロンプトは、たとえば以下のように役割と期待値を明確に定義します。

・「あなたは採用責任者の右腕として、次年度の採用戦略提案書のたたき台を作成してください」

・「構成は、①現状分析、②課題整理、③打ち手の選択肢、④KPI設計としてください」

・「読み手は経営会議メンバーを想定し、意思決定に耐えうる論調でまとめてください」

・「使用データは、添付のAシートとBレポートを前提とし、数値根拠を明示してください」

このように、AIとの関わり方は「この作業をして」という命令から、「どのような成果を、どのようなプロセスで達成するのか」を設計するマネジメントへと変化しています。AIをどう使うかではなく、どうマネジメントするかという段階に入ったと言えるでしょう。

AIをツールではなく仮想的なメンバーとして扱い、目標・役割・評価軸を定義し、対話を通してアウトプットの精度を高めていく。この転換こそが、AIマネジメントの核心です。

組織マネジメントからみるAIを使いこなせる人材の価値

AIを自在に活用できる人材の価値は確実に高まりつつありますが、そうした人材は必ずしもテクノロジーに精通した専門家ではありません。むしろ、組織運営に長けたマネジャーとしての資質を備えた人材だと言えます。

組織成果を上げるマネジャーは、一人ひとりのメンバーの強みや特性を理解したうえで、状況に応じて最適な役割を割り当てることができます。同じように、AI活用に長けた人材は、複数のAIモデルの特性や限界を把握し、業務内容に応じて最適なAIを選び、使い分けることができます。

また、業務の背景や目的、目指すゴールを丁寧に共有し、メンバーの主体性を引き出すマネジャーほど、AIに与えるプロンプト設計においても文脈や意図を明確に伝え、AIの推論精度を高めています。さらに、期待するアウトプットの水準や要件を具体的に示し、手戻りを最小限に抑えている点も共通しています。

加えて、優れたマネジャーが継続的な対話とフィードバックを通してメンバーの成長を支援するように、AI活用においても、やり取りを重ねながらアウトプットの品質向上を図っています。

このように見ていくと、AIを効果的に活用する力は、人に向き合うマネジメント力と密接な関係があることが分かります。AIを的確にマネジメントできる人材は、明確な目標設定力、思考を整理して伝える言語化力、そして相手の立場や思考を想像する力など、時代が変わっても通用するマネジメント能力を土台として備えていると考えられます。

AI導入に伴う未来の組織づくりに向けたアプローチ方法

AIを活用した組織づくりのポイントをお伝えします。将来マネジメントを担いたいメンバー層は「自身の指示を言語化すること」、マネジメント力を高めたい管理職層は「チーム内でAIへ指示・仕事の振り方を議論すること」が重要です。

①自身の指示を言語化する

将来マネジャーを目指すメンバーには、AIとの壁打ちを通じて「指示を言語化する力」を鍛えることをおすすめします。AIに指示を出す際、目的や対象、前提条件、求めるアウトプットの形式、NG事項などを整理してみると、自分自身の思考に潜む曖昧さや抜け漏れに自然と気づかされます。

実際にプロンプトを入力し、返ってきたアウトプットを確認したうえで、「なぜ意図とズレたのか」を振り返ってみましょう。そしてプロンプトを修正し、再度指示を出す。この試行錯誤のプロセスそのものが、マネジメントの土台となる部下への指示力を磨くトレーニングになります。

②チーム内でAIへの指示出し・仕事の振り方を議論する

マネジメント力を高めたい管理職層には、AIへの指示出しや仕事の振り方を議論することをおすすめします。

たとえば、チーム内で同じテーマをAIに指示し、各マネジャーが作成したプロンプトとアウトプットを比較して、「どのマネジャーがもっとも意図に近いアウトプットを引き出せたか?」「それはなぜか?」といったことを議論します。こうした議論から、情報の与え方、前提の置き方、指示の出し方などのクセや改善点を把握できれば、人に対するマネジメントの質も高まります。

組織変革のことならモチベーションクラウド

リンクアンドモチベーションが提供する「モチベーションクラウド」は、従業員エンゲージメントを可視化し、組織改善を支援するクラウドサービス。国内最大級のデータベースを元にしたエンゲージメントスコア(ES)によって人材力と組織力を診断します。32項目のサーベイ調査結果をAIが即座に分析し、自組織の課題を特定。コンサルティングを通して採用・育成・制度・風土の課題を解決し、組織変革を実現します。

▼従業員エンゲージメント向上の方法に関するご相談はこちら

まとめ

AIの力を最大限に引き出せるかどうかは、使い手である人間のマネジメント力にかかっています。AIへの指示は「マネジメントの質を映し出す鏡」であり、AIを効果的に使いこなせる人材ほど、人のマネジメントにおいても優れたパフォーマンスを発揮します。AIをどう使うかではなく、AIにどう任せ、いかに成果を引き出すか──その問いに向き合い続けることこそが、これからのマネジャーに求められる姿勢だと言えるでしょう。


​​​​​​​

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。
▼当コラムの編集ポリシーはこちら

組織改善のお役立ち資料が無料ダウンロードできます

3分でわかる
モチベーションクラウド

マネジメント育成の
手引き

従業員エンゲージメントが
企業経営にもたらす効果

この記事を読んだ人は、こんな記事にも興味を持っています

あなたの組織にも、課題はありませんか?

組織改善ならモチベーションクラウド