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意義目標を語る“結節点”を育成し、経営と現場をつなげる 日本最大級の結婚準備クチコミ情報サイトを運営 (株)ウエディングパークの組織づくり

「結婚を、もっと幸せにしよう。」という経営理念のもと、日本最大級の規模を誇る結婚準備クチコミ情報サイト「ウエディングパーク」をはじめ、複数のウエディング専門メディアを運営する株式会社ウエディングパーク。

ウエディングパークは、企業と従業員の相思相愛度合いを示す 「エンゲージメントスコア (※)」が高い上位10社を表彰する「ベストモチベーションカンパニーアワード2019」において、TOP10にランクインしています。成長を続けられるその経営の秘訣を、代表取締役社長の日紫喜誠吾氏に語っていただきました。

※組織状態の良し悪しを示す定量指標。エンゲージメントは「社員の会社への共感」を示し、エンゲージメントスコアはモチベーションクラウドによって、エンゲージメント状態を数値化したものです。

【スピーカープロフィール】
株式会社ウエディングパーク 代表取締役社長 日紫喜 誠吾氏

【モデレーター】
株式会社リンクアンドモチベーション カンパニー長 田中 允樹

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ウエディングメディアクチコミ掲載数日本最大級
ウエディングパーク

田中 允樹(以下、田中):本日は「エンゲージメント日本トップ10企業経営者が語る 成長し続ける企業の組織マネジメントの秘訣」というテーマでお送りします。

日紫喜 誠吾氏(以下、日紫喜氏):こんばんは。ウエディングパーク代表の日紫喜です。いきなりですが、実は、今月当社20周年迎えました。(※2019年9月 イベント開催時)

1999年の9月2日が設立日です。最初は独立系の会社としてスタートして、2004年にサイバーエージェントが買収、そのタイミングから僕が経営者として15年ほど経営をして、今にいたります。

基本的な事業内容としては、インターネット上で結婚式場を探すことができる「ウエディングパーク」というクチコミサイトをはじめ、複数のウエディング専門サイトを運営しております。僕たちは2004年に日本で最初にクチコミサービスの提供を開始しました。

組織としては、ちょうど今180名ぐらいです。その中で、海外ウエディングのクチコミサイトですとか、ウエディングドレスのクチコミサイト、フォトウエディングスタジオのクチコミサイト、結婚指輪・婚約指輪のクチコミサイトなど、ブライダル業界に特化したWEBメディア事業を行っています。

組織の急成長のなかで、風通しが悪くなる瞬間があり、そのタイミングでリンクアンドモチベーションさんのモチベーションクラウドを導入しました。

その甲斐もあって、なんとか100名の壁を突破しました、そんなところを今日は少しお話できればなというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

一度悪くなった組織状態を立て直したウエディングパーク

田中:まず、今日のお話のなかにも、弊社のサービスにまつわる話もありますので。モチベーションクラウドについて私の方からポイントだけお伝えいたします。

これまで、事業活動にはPLやBSと呼ばれるような、状態の良し悪しを測るためのモノサシがあったのですが、組織活動にはそういったモノサシがありませんでした。そこで組織にモノサシを入れるために、私たちが提供しているサービスがモチベーションクラウドです。

モチベーションクラウドで使う組織のモノサシというのが、エンゲージメントスコア(社員共感指数)です。

エンゲージメントスコアは社員の会社への共感度を示す指標で、私たちのモチベーションクラウドではこれまでに蓄積してきた国内最大級の組織データを用いて、エンゲージメントスコアという形で組織状態を偏差値として算出します。

このエンゲージメントスコアは、企業の翌年の売上伸長率や営業利益伸長率と正の相関が見られています。

このスコアを改善するためのPDCAサイクルを回すクラウドのサービスがモチベーションクラウドです。大体半年に一度、定量調査(See)をやりながら、目標設定(Plan)、アクションの実行促進(Do)、進捗確認(Check & Action)をして、PDCAサイクルを回していくような、そんなサービスになっています。

ウエディングパークさんの特徴としては、組織は拡大を続ける一方で、スコアは一度下がりましたが、その後は一気に改善したという点があります。今回はこの変化の裏にある取り組みなどお伺いできればと思いますが、まずはスコアが低いときの状態からお伺いできますか?

現場と幹部で食い違う組織状態

日紫喜氏:はい。まず、モチベーションクラウドを導入したきっかけのところから少しご説明いたします。ウエディングパークは元々、僕が入って立て直すというかたちで3人からスタートしました。

田中:ちなみに、このあたりの話がよくわかる日紫喜さんの書籍が2019年4月に発売になっていますので、是非。

日紫喜氏(著)「僕が社長であり続けた、ただ一つの理由 ウエディング業界に革命を起こした信念の物語

日紫喜氏:ご紹介ありがとうございます。3名からスタートして、2014年ごろに組織が70名近くなってきて。3名から70名までは、僕がトップダウンというか、全部細かいところまでわかってるという状態でやっていました。

ただ、70名を超える規模になると、細かいところまで全て私が見るという状態は物理的に難しくなってきます。

一方、事業の方は伸びていました。今後迎える100名の壁はなんとなく聞いたこともあるし、リーダーも育てていかないと大きくもなれないということから、権限委譲をするように意識をしました。

ですから、僕がでないミーティングを増やしていったんです。今でも覚えていますけど、入社して間もない若手メンバーと飲みに行ったとき、「社長、最近ちょっと風通し悪くなりましたよね」っていう声が上がってきたんです。

その後、他の人からも、だんだん声が上がるようになってきたんですよね。でも一方で、権限を委譲し始めてた部長とか役員に、「最近そういう声、ちょっと聞いたんだよね」みたいな話をすると、「いやいや、だいぶ風通しいいはずですよ」と、「僕はそう聞いてます」みたいな。

田中:現場と幹部で、言ってることが違うんですね。

日紫喜氏:そうなんです。で、初めてそういう状態になって、「あ、これはまずい。言ってることが違う」と。

でも部長、役員陣は、もう10年ぐらい一緒にやってきたメンバーを登用していた背景もあったので、「いやいや、メンバー、でもなんか風通し悪いって言ったんだよね」みたいなところも含めて、結構率直に対話をしました。

「何か原因あるんじゃないの?」みたいな話をしたんですけど、「いや、大丈夫です、社長」と、「よく飲みに行ってますし、よく会話してますよ」と。

そんな状態が続き、ちょうど親しくお付き合いさせていただいていた、外部の経営者の方に相談したところ、「リンクアンドモチベーションのモチベーションクラウドで、組織を見える化した方がいいよ」とおすすめをいただきました。

最初は、「こんなにお金をかけてまで、本当にそんな従業員調査やるべきなのかな」って思ってたんですけど。でも、やっぱり「なぜこれが起きてるのか」の原因がわからない。

これだけ全部、現場を把握してた僕自身がわからないっていうのは多分、社内で誰に聞いてもわからない現象なんだろうなっていうのを率直に受け止めて、田中さんを紹介いただいたということで。

田中:ここで私にご連絡をいただいたと。最初、モチベーションクラウドを導入してみていかがでしたか?

日紫喜氏:最初に実施したときは、スコアが65.5、2016年の9月のときでした。ただ、スコアを見ると全体としては良くても、細かく見ると、「若手のリーダーのロイヤルティーが下がっており、このままだとドーナツ化現象が起こります」と、確か当時言われたと思います。

つまり、役員と部長は非常にモチベーションが高い。入社して間もない若手メンバーもモチベーション高い。

でも、その間のリーダーが、もうゴソッとモチベーションのデータが悪くなっている。「会社を拡大するには、若手のリーダーが活躍しないと、非常にまずい状態になりますよ」というのを当時、厳しく田中さんに指摘いただきました。

僕はたたき上げの社長でやってきましたから、なかなか社員からもそこまで言われることはなかった。「データはこうなってるし、他社ではこうなんですよ」っていうのを、優秀なコンサルタントの方からズバッと言ってもらって、そこで僕も目が覚めましたね。

ミドルマネジャーに求められるのは、業績だけではない

田中:はい、ありがとうございます。当時、日紫喜さんも、「権限委譲をしたい」という思いと、「なんか任せすぎで現場がつかめなくなってきてる」っていうその狭間で非常に悩まれてる時期だったので。そんなタイミングでご支援を始めたのをよく覚えています。

ここで、拡大期における人材開発のポイントについてお伝えします。拡大して伸ばさなければならないと思えば思うほど、スキル偏重でミドルを登用してしまったり、置かざるを得ない状況を招いてしまうということがありますが、これは絶対に避けた方が良いです。

よく私たちは「ミドルマネジャーは経営と現場の結節点である」というふうに呼んでいますが、その意味としては、ミドルマネジャーに求められることは、経営と現場を業績でつなぐことではないということなんです。

本当に必要なのは、会社や経営者が大事にしていることを、経営者が考える基準で現場に伝えられるかどうかなんです。

経営で100の戦略を発信しても、その実現度が60になるか1になるかは、経営と現場の間にいるミドルマネジャー次第ということです。そんなところをウエディングパークさんでは、取り組まれています。

日紫喜氏:はい。改めて、モチベーションクラウドを導入させていただいてよかったなというのは、やはり、コンサルタントの方が優秀だと感じます。経営をする中でよく感じるのは、「経営は実行」です。

リンクアンドモチベーションさんでは、行動に効くパターンとかテンプレート、型を、豊富にお持ちだったので、組織の健康診断としてのサーベイデータを見たときの対応の引き出しの多さには、非常に助けていただきました。

その中で、ウエディングパークとして取り組んだのが、①結節点の強化と②意義目標の強化です。まず①結節点の強化に向けて取り組んだことは大きく2つあります。

1つ目は、Ask The Boss、略して「ATB」です。これは、とにかく社長に質問するための飲み会です。実施するときのポイントがありまして。まずはここに参加する若手リーダーに、事前に質問を2つ考えてもらいます。

ただ、「社長とある程度、距離がある前提で風通しが悪い」という中での飲み会なので、「その場を和らげられるファシリテーターがいるべきだ」と。これも田中さんからアドバイスをもらって同席させるようにしました。

これによって、結節点として、「社長が結局、どういう本質的な考えを持った人なのか」っていうところの理解につながって、リーダーたちも自信を持って現場のシチュエーションに、「社長だったら多分、こう考えるんじゃないか」という判断ができるようになってきたかなというふうには、僕は思います。

経営者とのコミュニケーションを増やし、結節点として成長を促す

日紫喜氏:あとは、やはり若手のリーダーといっても、うちの場合は半数が新入社員でつくられてまして。

で、若手のリーダーも新入社員から上がってくるケースもだいぶ増えていくなかで、現場でリーダーシップを学ぶだけではなくて、やはり経営者とのシンクロもより上げてかないと、本来ビジョンとか理念の伝道者、結節点を担えなさそうだと。

通常の会議体だけやっていても足りなさそうだということから、Next Under Thirtyの略で「NU30(ナサ)」というものを立ち上げました。

これは30歳未満のリーダー限定の、社長である僕との勉強会です。さっきのATBは課題のあった部署のリーダーたち同士をつなぐ意味も持たせて、部署をいくつか限定していましたが、これは部署を限定せず、横で切った全社の若手リーダー達をバラバラで呼びました。

この勉強会では、全社視点を持たせつつ、「会社としてはこう考えたい」、「社長はこういうふうに認識をしている」「過去、こういう歴史をウエディングパークは経験して今にいたってる」というような、歴史を話す機会としました。

意義目標でメンバーを引っ張るチームへ

田中:ここまでで結節点のお話を日紫喜さんにはしていただきましたが、それでは2つ目の取り組んだこと、「意義目標の強化」についてお伺いしましょう。まず私から意義目標とは何か説明させていただきます。

イソップ物語の中に、「3人のレンガ職人」という話があって、よくモチベーションアップの例として引き合いに出されます。レンガをせっせと積んで壁をつくっている職人が3人いて、1人ずつに「あなたは何をしているんですか?」と質問するんです。

1人目は、「見ての通りレンガを積んでいるだけだ」と答える。

2人目は、「レンガを積んで壁をつくっています」と答える。

そして3人目は、「皆が幸せに過ごすために、心の拠り所となるような教会をつくっています」と答える。

この場合、最も良い仕事ができるのは3人目の職人で、掲げているのが意義目標です。ベンチャー企業は往々にして、成果目標だけで引っ張りがちになることがあるんです。

それは一定当然のことではありますが、この意義目標を常に一人ひとりが感じられていなければモチベーションは下がっていきます。

常にマネジャー、結節点の人が、メンバーに対して意義目標を語るということが、特に拡大期の企業では重要なことになります。

田中:ウエディングパークさんでは、この意義目標を各リーダーが掲げられるように施策を打ったとのことですが、どのような施策を実施されたんでしょうか?

日紫喜氏:まず最初に、そもそも意義目標とは何かからレクチャーを行いたかったので、リンクアンドモチベーションの麻野さんが出版された書籍『THE TEAM 〜5つの法則〜』を用いた社内セミナーを、実施しました。

意義目標がどんなものなのか、理解を促した後に、各チームの意義目標を発表し合う「意義目標プレゼン大会」を行いました。

元々部署同士の交流会は行っていたのですが、そういう機会で、リーダー達が部署の業務内容を説明するのではなく、全社の社員に向かってチームの意義目標を伝える場を新しく設けました。

プレゼン大会では、上位3名を投票で決めて表彰しました。意義の大切さをリーダーやマネジャーが背中で示すという良い機会になったと思います。

そのあと、全社員のアンケート結果では、今までにないぐらい、「非常に参加してよかった」、「会社の未来にワクワクした」みたいな声が多くて、とても良い施策になりましたね。

社員一人ひとりが当事者として課題に向き合う風土を醸成したい

田中:最後、今後目指したい組織像などお伺いできますでしょうか?

日紫喜氏:やはり、社長が頑張るのは勿論ですが、社員一人一人が経営者のように、当事者意識を持って来る日も来る日も、課題を自分で見つけ、解決していく、そんな組織を目指していきたいですね。

社長自らが「一緒にやろうよ」、「一緒に課題を解決したいんだよね」と言えば、ついてくる社員はいて当然で、それ以上に、自分でデータを見にいって対策を打てるような社員を増やしていきたいです。

そのためには、組織状態を可視化・診断できるモチベーションクラウドは強力なツールです。今後も使いながら、より良い事業・組織を目指していきたいですね。

田中:今後も引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。


※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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