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「理念浸透」によって創られた評論家不在の“全員当事者”組織 株式会社ビーボ

「組織偏差値70の企業が実践するマネジメントの秘訣とは」というテーマで迎える次のゲストは、株式会社ビーボの武川氏。

ワンマン経営で行き詰まった先に確信した、理念の重要性。もはや執念とも呼べるほど徹底的に取り組む理念浸透でつくられた、「一人ひとりが自社のことを語れる組織」に迫ります。

【イベント実施日】
2017年11月24日(金)

【プロフィール】
株式会社ビーボ 代表取締役社長 武川 克己氏

モデレーター
株式会社リンクアンドモチベーション 
執行役員 モチベーションクラウド事業責任者 麻野 耕司

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3年間で売上は600%。驚異的な成長を支えるのは「理念浸透」

麻野 耕司(以下、麻野):「組織偏差値70の企業が実践するマネジメントの秘訣とは」ということで、株式会社ビーボから武川さんにお越しいただきました。まずは、事業概要の説明からお願いできればと思います。

武川 克己氏(以下、武川氏)株式会社ビーボの武川と申します。今日はよろしくお願いします。

弊社が初めてこのエンゲージメントサーベイを実施したのが、約2年前。最初のスコアは50.4でした。改めてですが、組織開発というのは終わりがないですね。本当に様々な取り組みを、今もずっと続けています。

弊社は「”なりたい”に本気」というビジョンを掲げて、事業展開・組織開発をしているのですが、これは人のなりたい姿を見つめているという意味合いを込めた言葉です。

社員一人ひとりのなりたい姿・お客様のなりたい姿、そして会社・仲間のなりたい姿。この3つを本気で追いかけていこうとしている会社です。

事業は今のところ4つで、メーカー/EC事業・メディア事業・コンサルティング事業・インターネットサービス事業です。会社は現在で8期目なのですが、第7期の売り上げが約83億円で、この3年間で600%の成長をしています。

従業員は約75名、日本以外のグローバル展開としては、台湾支社とフィリピン支社の2つの海外支社があります。

麻野:ありがとうございます。ビーボ社のエンゲージメントスコアは81.5のA判定。非常に高いスコアであることがわかります。

その上で、先ほど武川さんからも、ビーボ社の直近の急成長について触れられていましたが、3年間の間に一体どんなことがあったのか、参加者の皆さんも非常に興味のあるところだと思います。ぜひ、お話を聞かせてください。

武川氏:そうですね、この成長を支えてきたすべては、理念浸透だと思っています。その上で、自分でも覚えきれないくらいの施策を実施してきましたが、今日は大きなふたつの取り組みをご紹介できればと思っています。

まずひとつ目が「未来プロジェクト」です。現在の会社の企業理念は、この未来プロジェクトのメンバーが推進して、創り上げたものです。

3ヶ月ほどかかりましたし、僕もかなり厳しくかかわりましたが、最後にビジョンが出来上がったときには、プロジェクトメンバーと一緒に泣いてしまったくらい。

ビーボの未来をつくることに、本気で取り組んだ施策のひとつだったと思います。

それ以外には、最近だとギネスへの挑戦という取り組みもあります。

世界で一番「”なりたい”に本気」な会社になることを目指すなら、世界一になってみなければということで、ギネスに挑戦しようということになりました。

全社員はもちろん家族や取引先まで巻き込んで、小さい折り紙で2万個の星をつくって。当時の世界記録が、1万9,800個の折り紙でアートをつくるというものだったんですが、みんなで2万個つくって、記録を塗り替えたんですね。

これはすごい達成感でした。でもこれらの取り組みすべて、僕発信じゃないんです。未来プロジェクトのメンバーや社員発案なんですよね。これは、僕の自慢です。

▼経営理念、企業理念に関する記事はこちら

理念とは?意味や浸透させることの効果、経営理念と企業理念、ビジョンやミッションの違いなどを解説!

ワンマン経営から、一人ひとりが主体性を発揮する理念経営への転換

麻野:理念浸透に執念を燃やされているほどの覚悟を感じますが、なぜ理念を浸透させたいと思われたんでしょうか。

武川氏:以前のビーボは、武川の個人会社だろうというくらいワンマンだったんです。全社員が30名くらいまではそれでもよかった。

仕事の指示まで細かく出していましたし。そしてそのやり方で、事業としても伸びていたんです。

でもその後、伸び悩む時期があって。僕自身も非常に辛い時期だったんですが、そのときに、一人ひとりの主体性が大事だって気づくタイミングがありました。

でも主体性を発揮するといっても、目指すところがないと発揮しようがないなと思って、理念経営にシフトしていきました。

麻野:ありがとうございます。今のお話は、社員が30名・50名・100名規模の企業さまにとっては、非常に参考になるお話です。

コンサルティングの際に、企業は2タイプあるというお話をすることがあるんです。昆虫型と哺乳類型ですね。昆虫は、この地球上で非常に数多く存在しているけれども、個体は小さい。

企業も一緒で、世の中の大半の会社は小さくて、社員が10名前後なんです。カブトムシをイメージしてもらいたいんですが、カブトムシと小規模企業の体の構造って似ているんですね。

カブトムシはどうやって体を守るのか。それは、殻です。ということは、殻以上には体は大きくならないということでもあります。

小規模企業も同じで、殻で会社を守っている。その殻は、社長なんですね。別に悪いことではないんですが、社長が見れる範囲以上には、会社は大きくならないんです。

一方で哺乳類というのは、個体数は少ないけど身体は大きいです。象をイメージしてもらいたいんですが、大規模企業は象と身体のつくりが似ています。

身体を背骨で支えている。背骨が一本通っていて、その外側に肉がついて身体が大きくなっていく。

結局、大きくなる会社も同じで、理念で一本筋が通っていたり、会社の仕組みで一本筋が通っていたりすると、外側に拡がっていけるという構造だと思うんです。

ビーボ社の場合もまさに、社長が殻になっていた昆虫型から、理念を通じて拡がっていく哺乳類型へと、転換させていったということだと思いました。

では、もうひとつの取り組みも、ぜひ紹介してください。

武川氏:もうひとつは、「新卒採用プロジェクト」です。

当然、優秀な学生を採用しましょうということなんですが、目的の半分は理念浸透だと考えています。理念浸透のために、新卒採用プロジェクト・新卒採用をやっていますと言っても過言ではないですね。

夏と冬に実施する2Dayインターンシップにリクルーター制度・メンター制度と、様々な取り組みをしています。例えばリクルーター制度は、学生ひとりに対して、社員がひとりついて、どう面接を突破していくのかをサポートしていくようなイメージです。

最終面接は僕なんですが、最終面接に至ってないという学生は突き返しますし、そうするとリクルーターが学生と一緒にどうやって最終面接に立ち向かうのかを考えるんですね。

面接官登用という取り組みもありますが、やはりいかに理念が語れるのかが重要です。面接の機会に会社のことを語ることを通じて、面接官としてのスキルを上げていく訳です。

麻野:なるほど。社長が社員に理念を語ることももちろん大事ですが、社員が学生に理念を語るということですね。

学生に「ビーボってどんな会社なんですか?」と聞かれたとして、「こんな理念を持っててね」とか「こんなことを実現したいんだよね」などと話す中で、理念が自分自身に落とし込まれていくんでしょうね。

採用は、人材調達の意味合いはもちろんありますが、理念の浸透というメリットもあるので、採用プロセスに社員をかかわらせることはむしろ、プラスだということですね。ありがとうございます。

評論家不在、全員が当事者としてエンゲージメントサーベイを運用する組織

武川氏:主な取り組みは、今までお話してきたふたつなんですが、エンゲージメントサーベイの活用・運用も、非常に大事だと思っています。

ビーボでは、中途・新卒関係なくすべての新規入社者に、64項目の質問に対して自社がどういう状態なのかを、研修を通じて理解してもらいます。

サーベイの点数を上げるためではなく、この質問項目は、企業経営にとって必要な項目だと思うんです。

例えば、「自分の会社はどういう財務状態なのか」「業界でどんなポジションなのか」。

もし「ナレッジ共有ができていない」という結果が出たとしたら、本当にそう言った取り組みができていないのか、取り組みはあるのに知られていないのかって、違うじゃないですか。

知らなかっただけということは案外多いので、サーベイ結果を基にして、知らせて理解してもらう、興味を持ってもらうことを大事にしています。


後は、会社としてはクオーターに一度ですが、部署・チーム毎では月に一度、エンゲージメントサーベイを実施していますね。

チーム毎にどの項目を改善するかを決めて、チームの責任者がアクションプランを考える。行動の結果報告は、毎週僕に上がってくるような仕組みにしています。

麻野:武川さんのお話を聞いていて特徴的だと思ったのは、一人ひとりの主体性を引き出すために、理念はもちろんモチベーションクラウドも上手く活用されているなと。

こういったサービスは、社長や人事の通信簿的な位置づけと捉える社員が増えてしまうと、評論家のような風土がつくられてしまうリスクもあると思うんです。

ですが、逆に主体性を発揮させるための機会として上手く使っておられるんだなと思いました。

理念浸透もサーベイの数値を上げることも、みんなで取り組むこととして、社員をうまく巻き込んでいらっしゃることが、サーベイの数値や業績・そして組織の風土に表れているのだと思いました。本日は貴重なお話、ありがとうございました。

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※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。


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