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理念とは?基本的な意味やビジョンとの違い、有名企業の理念を解説!


目次[非表示]

  1. 1.理念とは?意味や読み方は?
  2. 2.ミッション・ビジョンの違いとは?
  3. 3.経営理念はなぜ重要なのか?掲げるメリットは?
  4. 4.有名企業の理念一覧
  5. 5.良い経営理念の条件と浸透させるための課題
  6. 6.理念が浸透していない企業の特徴とは
  7. 7.理念浸透に役立つ方法
  8. 8.記事まとめ
  9. 9.理念に関するよくある質問

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皆さんは「理念」と聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか?今回は理念とは一体どんなものか、ビジョンやミッション、経営理念や企業理念との違いなどは何か、そして様々な企業の「理念」から良い経営理念の条件などをご紹介します。

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理念とは?意味や読み方は?

理念とは、ある物事における根本的な考えを意味するものです。広辞苑で検索すると下記のようにあります。

り‐ねん【理念】:俗に、事業・計画などの根底にある根本的な考え方。「創業の―」
参考:広辞苑

ビジネスで使われる「理念」は「物事に対して“理想“とする”概念“」のことで、「こうあるべき」というベースの考え方を指します。企業では、会社の方針や社員に求める行動指針などを表現する時によく使われます。

「会社や組織は何のために存在するのか」「事業経営をどんな目的でどのように展開するのか」。

これらの理念は企業の創業者や経営者によって社内外に広く示され、「経営を進めていく上での判断基準」とも言えるでしょう。また、「従業員の意識統一」や「企業価値・ブランドイメージの向上」といった効果も期待できます。

また、ミッションステートメントとは、企業の理念実現に向けた「行動指針」のことです。理念はどうしても抽象的な表現になりがちなので、理念だけを見ても「具体的に何をすればいいのか分からない・・・」というケースも少なくありません。

そのようなとき、ミッションステートメントがあると、従業員に理念実現に向けた具体的な行動を促すことができるほか、様々な意思決定をするシーンでも判断がブレにくくなります。また、ミッションステートメントに準じた行動をとることで、顧客や株主など対外的な評価を高めることにもつながります。

理念を英語にすると?

経営理念を英語にすると「Management Principle」、もしくは「Management Philosophy」と表現されるのが一般的です。「経営(Management)」は共通していますが、続く言葉として「原理」「原則」「主義」の意味を持つ「Principle」を使うか、「哲学」「人生観」の意味を持つ「Philosophy」を使うかは文脈によって変わってきます。経営の原理原則、主義、根本方針を示したいなら「Principle」を、哲学や経営観を示したいなら「Philosophy」を使うのが良いでしょう。

関連する言葉との違い

理念は、経営者の哲学や信念をもとに企業の根本となる「在り方」や「理想像」を明文化したものです。

一方、経営方針は経営理念の実現に向けてどのように歩んでいくべきかを明確にしたものです。

また、「ビジョン」とは、企業がその「企業理念」に基づいて作成した目標などのことを指します。事業を通じて中長期的に達成したい目標を掲げる形です。

そして、「ミッション」とは企業が社会において、成し遂げたいと考える役割や企業活動を規定するもの。いわば企業の存在意義です。

理念が企業の根幹となる在り方を明文化しているのに対して、ミッションやビジョンは企業として目指す方向性を表している部分で異なります。

理念と方針の違い

経営理念は、経営者の哲学や信念をもとに企業の根本となる「在り方」や「理想像」を明文化したものです。一方、経営方針は経営理念の実現に向けてどのように歩んでいくべきかを明確にしたものです。経営理念だけでなく経営方針が定まっていることで、従業員は迷うことなく理念の実現に向けて進んでいくことができます。

理念は方針よりも先に来る普遍的なものであり、短期的に変更するようなものではありません。一方、方針は理念に近づくための手段であり、時代の変化や事業環境の変化に合わせて変更すべきものです。この点が、両者の大きな違いだと言えるでしょう。

ミッション・ビジョンの違いとは?

また「理念」と同様に良く使われる言葉として「ビジョン」「ミッション」があります。

ビジョン」とは、企業がその「企業理念」に基づいて作成した目標などのことを指します。事業を通じて中長期的に達成したい目標を掲げる形です。時間軸を考慮して見い出し、時代の変化に伴い都度変更することが望ましいと考えられています。

またビジョンは「事業ビジョン」「経営目標」などと称される場合が一般的で、掲げることがゴールではなく、実際に行動に落とし込むことが重要です。

そして「ミッション」とは企業が社会において、成し遂げたいと考える役割や企業活動を規定するもの。いわば企業の存在意義です。

一方でビジョンは企業が将来的に達成したい状態や、時期や売上など具体的な到達目標を指します。企業の目指す姿を表すものといえるでしょう。

上記に基づき、それぞれを一言で表わすと

  • ビジョン(vision)     :実現を目指す、将来のありたい姿のこと
  • ミッション(mission) :企業が果たすべき使命であり、存在意義のこと

と言えるでしょう。

またビジョン、ミッションによく似た概念として、経営理念や企業理念という言葉もあります。これらはどのような意味でしょうか。

(参考)ミッション・ビジョン・バリューとは?事例や浸透させる方法

この先では、これらの用語の意味の違いを確認したのち、経営理念を掲げる3つのメリット良い経営理念の4つの条件をご紹介します。

経営理念とは何か?

経営理念とは、経営者が大切にしている考え方のことです。社長がよく言う言葉だと考えるとわかりやすいでしょう。

経営理念とは、企業が持つ「何のために経営をするのか、経営そのものに関する考え方、目標、手段」のことで、企業活動を行う際には「指針」として用います。

また、社会に対してどのような役割を果たせるのか、どのような影響を与えられるのかといった内容が含まれる場合もあります。

企業理念とは何か?

企業理念とは、企業の在り方や目的などを示すものです。企業そのものの根幹であり、企業として最も大切にしている基本的な考え方・価値観というと分かりやすいでしょう。

先ほどの「経営理念」が、経営を進めていく上での判断基準であるとするならば、「企業理念」は、企業として重要な意思決定をする際の基準です。

社員の基本的な行動指針ともなるため、選択の際に大きく役立ちます。また社会に向けて、「自社はこのような考えのもと、このような事柄を進める」など企業の姿をアピールすることにも繋がります。

このように、企業理念は、企業としての「哲学」であるため、経営者が交代しても引き継がれることが多く「変化しにくい」ものとされています。

一方、経営を行う上での基本的な考え方・価値観を明文化した経営理念は、経営者の「思い」「信条」が反映されるため、経営者の交代に伴い変化する可能性もあります。また、時代やニーズの変化を受け、経営理念を変える企業もあります。

そのため「内容が変化しやすいかどうか」が、経営理念と企業理念の一番の違いだと言えます。

また、企業としての基本的な考え方・価値観があってこそ、経営を行う上での基本的な考え方・価値観を定めることができることから、企業理念の方が経営理念よりも上位概念と位置付けられています。

尚、企業によっては経営理念と企業理念とを明確に区別せず、「理念」として掲げている所もあります。

▼【経営理念】に関する記事はこちら
理念経営とは?経営理念の意味や目的、メリットから作り方、企業事例まで

ミッションステートメントとは何か?

ミッションステートメントとは、企業の理念実現に向けた「行動指針」のことです。理念はどうしても抽象的な表現になりがちなので、理念だけを見ても「具体的に何をすればいいのか分からない・・・」というケースも少なくありません。そのようなとき、ミッションステートメントがあると、従業員に理念実現に向けた具体的な行動を促すことができるほか、様々な意思決定をするシーンでも判断がブレにくくなります。また、ミッションステートメントに準じた行動をとることで、顧客や株主など対外的な評価を高めることにもつながります。

経営理念はなぜ重要なのか?掲げるメリットは?

先述の通り、経営理念は、内容が変化しやすいものです。経営者の交代や、企業を取り巻く環境変化に応じて変更しても問題なく、むしろ何度も再定義し、時代の流れや社会のニーズの変化に敏感に対応していくことが大切だということです。

でも何故、そこまでして経営理念を掲げる必要があるのでしょうか?
それには大きく4つの理由があります。

①社員の迷いを減らし、意識を統一させるため
②社員のエンゲージメントとパフォーマンスを向上させるため
③企業のブランドイメージを向上させ、人材の確保や顧客・株主の獲得に繋げるため
④目指すべき将来像と現在地を把握するため

①社員の迷いを減らし、意識を統一させるため

経営理念策定の一番の目的は、「経営を推進する上での判断基準」を、社員に明示することにあります。

経営者の「信念」や「哲学」を言語化した経営理念を通じて、「何のために、この会社は事業を展開しているのか」「どのような経営を大切にしたいのか」といった企業としての方向性や判断軸を示すことができます。

それにより、「何のために」という意味・意義や、どのような業務に取り組む必要があるかを、社員一人ひとりが理解できるようになるため、迷いを減らし意識も統一されていくでしょう。

また、企業と社員との間で共有・形成される独自の価値観や文化を意味する企業文化や組織風土を醸成する上でも、経営理念は重要となります。

②社員のエンゲージメントとパフォーマンスを向上させるため

経営理念には、「社会に対してどんな価値提供をしていきたいか」「どんな社会づくりに貢献していきたいか」といったメッセージが込められることがあります。

そういったメッセージに社員は、自身の仕事が社会の役に立っていることや、社会に貢献できる企業に所属しているといった実感を持ちやすくなります。

それにより、社員が企業に対して持つ帰属意識や貢献意欲であるエンゲージメントの向上も期待できます。

すると自発的、積極的に仕事に取り組む社員が増え、結果として個人や企業としてのパフォーマンスも向上することでしょう。

▼帰属意識に関する記事はこちら
帰属意識とは?低くなる原因と対処方法を解説

③企業のブランドイメージを向上させ、人材の確保や顧客・株主の獲得に繋げるため

経営理念は、企業のウェブサイトやパンフレット、またIR活動や採用イベントなどを通じて多数の機会に社外へ発信されます。

この経営理念を通じて「どんな思いで経営に携わっているのか」という信条や、「こんな社会を作りたい」といった企業の社会的責任を伝えることは、社外に対して企業の魅力を発信することと同義です。

これらを敢えて社外に示すことにより、社会的信頼が得られ、企業の価値やブランドイメージも向上することが考えられます。

それにより、同じ志をもつ共感者や、仕事の意味・意義を重視した人材の確保がしやすくなるといった効果が期待できます。また、それだけでなく、「この企業を応援したい」「この会社と取引したい」という株主・投資家や顧客の獲得にもつながるでしょう。

【参考資料のご紹介】
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④目指すべき将来像と現在地を把握するため

理念の策定によって会社として目指すべき将来像を明らかにすることで、現在地と将来像の差(距離)を把握できるようになります。この差を把握できていれば、1年後、3年後、あるいは5年後に「どこまで進んでいればいいのか?」が分かるようになります。また、歩むべき道を逸れてしまった場合も、すぐに軌道修正をして正しい方向に向き直すことできます。あてのない道を進むのは苦しく、挫折してしまいがちですが、理念があれば正しい道を選ぶことができるので、理想とする将来像に着実に近づいていくことができるでしょう。

有名企業の理念一覧

これらの観点を踏まえた上で、実際に他社がどのような経営理念を掲げているのかを知っておくと、自社の経営理念策定のヒントとなるでしょう。ここでは複数の経営理念をご紹介します。

1.京セラグループ

<会社概要>

素材から部品、デバイス、機器、さらにはサービスやネットワーク事業にいたるまで、多岐にわたる事業をグローバルに展開する

<経営理念>

「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」

京セラは、資金も信用も実績もない小さな町工場から出発しました。頼れるものは、なけなしの技術と信じあえる仲間だけでした。
会社の発展のために一人ひとりが精一杯努力する、経営者も命をかけてみんなの信頼にこたえる、働く仲間のそのような心を信じ、私利私欲のためではない、社員のみんなが本当にこの会社で働いてよかったと思う、すばらしい会社でありたいと考えてやってきたのが京セラの経営です。
人の心はうつろいやすく変わりやすいものといわれますが、また同時にこれほど強固なものもないのです。その強い心のつながりをベースにしてきた経営、ここに京セラの原点があります。

参考

2.トヨタ自動車株式会社

<主な事業内容>

自動車の生産・販売

<経営理念>

  1. 内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす
  2. 各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する
  3. クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む
  4. 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する
  5. 労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる
  6. グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす
  7. 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する

トヨタは、'92年1月「企業を取り巻く環境が大きく変化している時こそ、確固とした理念を持って進むべき道を見極めていくことが重要」との認識に立ち、「トヨタ基本理念」を策定いたしました。('97年4月改定)

参考

 3.パナソニック株式会社

<会社概要>

家電事業や住宅事業などの展開

<経営理念>

綱領 産業人たるの本分に徹し社会生活の改善と向上を図り 世界文化の進展に寄与せんことを期す

信条
向上発展は各員の和親協力を得るに非ざれば得難し
各員至誠を旨とし一致団結社務に服すること

私たちの遵奉すべき精神
産業報国の精神、公明正大の精神、和親一致の精神、力闘向上の精神、
礼節謙譲の精神、順応同化の精神、感謝報恩の精神

パナソニックのブランドスローガン“A Better Life, A Better World”は、 創業者・松下幸之助が定めた綱領を、現代向けに、端的に表現したものです。 綱領は、パナソニックの事業の目的とその存在の理由を簡潔に示したものであり、「経営理念」の根幹として、これまであらゆる経営活動のよりどころとしてきました。

参考

4.ANA グループ

<会社概要>

航空事業を中心としたエアライングループとして、国内外の航空ネットワークや顧客基盤を活かしながら様々な事業を展開

<経営理念>

「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」

「安心と信頼」はANA グループとお客様との約束であり、経営の根幹に位置づけられる私たちの責務です。
エアライン事業を中核とするANAグループは、「挑戦し続ける」「強く生まれ変わる」「いつもお客様に寄り添う」気持ち、 「心の翼」をもって、永続的にこれからの社会の発展に貢献し、「夢あふれる未来」創りの一翼を担っていきます。

参考

5.ソフトバンクグループ

<主な事業内容>

日本国内での移動通信サービス、携帯端末の販売、ブロードバンドなど固定通信サービスの提供、インターネット広告やイーコマースサービスの提供

<経営理念>

「情報革命で人々を幸せに」

ソフトバンクグループは、創業以来一貫して、情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。人々にとって幸せとは何か。

「愛し愛されること」「日々生きていること」「自己実現」「笑顔」、多くの答えがあると思いますが、幸せとは、感動することと同義であると考えます。
ソフトバンクグループが、何のために事業をしているのか、何を成したいのかといえば、一人でも多くの人に喜びや感動を伝えたい、ということに尽きます。われわれの創業以来の志が、この理念に凝縮されているのです。

コンピューターのパフォーマンスが飛躍的に増大し、超知性のコンピューターすら使いこなせる、今後人類が迎えるそうした情報のビッグバン「情報革命」の無限のパワーを、人々の幸福のために正しく発展させていくこと。今後もこの志を原動力に、ソフトバンクグループは成長を続けていきます。

参考

6.ADEKAグループ

<事業内容>

化学品事業、食品事業、ライフサイエンス事業などを展開

<経営理念>

「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」 「世界とともに生きる」

当社グループは、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」を経営理念として、世界市場で競争力のある技術優位な製品群を中心にグローバルな事業展開を加速しております。

独自性のある優れた技術で、成長分野に注力するとともに、当社グループの得意分野でのナンバーワン企業を目指し、時代の最先端を行く製品と顧客ニーズに合った製品を提供することにより、世界に貢献していきます。

参考

7.株式会社 ニチイ学館

<事業内容>

医療・介護・保育など総合生活支援企業として多角的に事業を展開

<経営理念>

私たちは誠意を以て社会参加の信条とし、社業の社会的使命を弁え、誇りをもって行動し、若々しい情熱で限りない未来への可能性に挑戦します。そして、社業の発展を通して豊かな人間生活の向上に貢献します。

参考

8.リクルートホールディングス

<事業体制>

HRテクノロジー、メディア&ソリューション、人材派遣の3つの戦略ビジネスユニットで構成

<経営理念>

経営理念は、「企業理念」と「経営の三原則」の2つから構成され、リクルート事件の翌年の1989年6月、約1年の議論の末、以下のような内容で、制定し発表いたしました。

企業理念(1989年版)
私たちは常に社会との調和を図りながら新しい情報価値の創造を通じて自由で活き活きした人間社会の実現を目指す。

経営の三原則(1989年版)
新しい価値の創造
個の尊重
社会への貢献

参考

9.株式会社サイゼリヤ

<会社概要>

イタリア料理店「サイゼリヤ」をチェーン展開するフードサービス業

<経営理念>

「日々の価値ある食事の提案と挑戦」 3つの“食事”について社会の皆さまに提案し、更なる価値向上にむけて挑戦し続けます。

参考

10.ダイキン工業株式会社

<事業概要>

「空調」「化学」「フィルタ」を柱に事業を展開

<経営理念>

  1. 「次の欲しい」を先取りし、新たな価値を創造する
  2. 世界をリードする技術で、社会に貢献する
  3. 企業価値を高め、新たな夢を実現する
  4. 地球規模で考え、行動する
  5. 柔らかで活力に満ちたグループ
  6. 環境社会をリードする
  7. 社会との関係を見つめ、行動し、信頼される
  8. 働く一人ひとりの誇りと喜びがグループを動かす力
  9. 世界に誇る「フラット&スピード」の人と組織の運営
  10. 自由な雰囲気、野性味、ベストプラクティス・マイウェイ

参考

良い経営理念の条件と浸透させるための課題

しかし、全てが上記のような効果に繋がるとも限りません。ではどのような経営理念がこれらの素晴らしい効果に繋がるのでしょうか。経営理念を策定するには以下のような落とし穴に留意し策定する必要があります。

①差別性の落とし穴

  • 他社との違いが明確でなく、どの会社でも言えるような内容である
  • 自社の置かれた状況や構成員とマッチしていない

②一貫性の落とし穴

  • 事業の勝ち筋と接続されておらず、一貫性がなく、やや非現実的な印象を与える
  • 経営ビジョンや経営戦略などを考えるヒントがない

③共感性の落とし穴

  • 難しい表現で意図や背景が伝わらず、言葉だけが上滑り、共感を得られない

④成長性の落とし穴

  • 企業の成長性を感じられなかったり、社会貢献につながる内容でない

経営理念は「ただ策定すればよい」ものではなく、「社内外に浸透してこそ価値がある」ものとされているため、上記のような内容を振り返りながら、策定、浸透していく事が企業には求められます。

理念が浸透していない企業の特徴とは

理念が浸透していない企業によく見られる傾向についてご説明します。

策定しただけで満足している

理念が浸透しない企業にありがちなのが、理念を策定しただけで満足してしまうことです。経営陣がどれだけ議論を重ねて立派な理念を策定しても、それが組織全体に浸透していなければ実現するのは不可能であり、まさに「絵に描いた餅」になってしまいます。従業員の立場からすれば、理念を知らなくても仕事はできるので困ることはないかもしれませんが、会社としての成長や目標達成は難しくなるでしょう。理念は、策定することより、それを体現する従業員に浸透させることのほうが重要なのです。

理念が現状に合わなくなっている

理念が浸透しない原因の一つとして考えられるのが、理念が現状に合わなくなっていることです。一度策定した理念はそう簡単に変えるものではありませんが、あまりにも理念が古い場合、理念を策定した当時の状況と現在の状況に乖離が生じているケースもあります。環境変化が激しい昨今においては、既存の理念が現在のビジネス環境にマッチしなくなっていることもあります。心当たりがある場合は、思い切って理念の刷新を検討すべきでしょう。実際に、時代に合った理念に改めたことをきっかけに大きな飛躍を遂げる企業も見られます。

理念がブレイクダウンされていない

理念そのものを知らない従業員はいなくても、言葉だけの理解に留まっており、深くまで理解していないケースは少なくありません。このように理念が腹落ちしていないと、従業員の日々の行動に反映されないため、結果として理念実現が遠のいてしまいます。理念をオフィスの壁に張り出したり朝礼で唱和したりする会社もありますが、大切なのは理念を覚えることではなく、中身までブレイクダウンして理解することです。理念を実現したいなら、理念の背景にあるものや理念に込められた思い、理念を実現した先にある未来なども語り、従業員の行動変容につなげていかなければいけません。

理念浸透に役立つ方法

理念浸透に役立つツールについてご説明します。

社内コミュニケーションツール

理念浸透を図るために活用したいのが、ビジネスチャットツールやWeb会議ツールなどの社内コミュニケーションツールです。これらは、コミュニケーションの活性化に役立つほか、工夫次第で理念の浸透を図ることもできます。たとえば、ビジネスチャットツール上で理念に即したアクションリストなどを作成すれば、周囲のメンバーの取り組みや進捗を見える化することができ、理念実現に向けた協力・競争が生まれることが期待できます。また、理念を体現した従業員を表彰し、Web会議ツールで受賞コメントを配信するのも効果的です。

Web社内報

Web社内報はWeb上で閲覧できる社内報のことで、従来の紙の社内報に代わって一般的になりつつあります。リモートワークの普及によって、企業と従業員、また従業員同士の関係性が希薄になりがちな現代において、Web社内報は重要な役割を果たすものであり、従業員に理念を浸透させる「インナーブランディングツール」としても大きな効果が期待できます。

社内報と言えば、組織内での連絡事項や表彰などを掲載するものであるというイメージが強いかもしれませんが、基本的に中身は自由です。Web社内報で理念にリンクさせた多様なコンテンツを発信することで、押し付け感なく、自然と理念浸透を図ることができるでしょう。

評価制度に取り入れる 

ピアボーナスとは、「Peer(仲間)」「Bonus(報酬)」を組み合わせた言葉で、従業員同士が感謝や称賛を伝えるとともにポイントを送り合う仕組みのことです。このポイントは、少額の現金やギフトカード、特定の商品などに交換できるのが一般的です。人事担当や上司が評価する従来の報酬制度と異なり、同僚や部下、他部署の人なども評価者になるため、数値として表れない貢献などにも光が当てられます。

「理念や行動指針を体現している人にポイントを送る」というルールでピアボーナスを運用している企業も多く、それにより組織全体への理念浸透が促されたという事例も多いようです。

社員教育の中で浸透させる

理念浸透をテーマとした社内教育も、理念浸透に役立つ方法です。自社の理念に対する解釈の深掘りや、実際の体現シーンの共有など、理念で掲げていることと実際の業務の接続性を高める社員教育を行うことが効果的です。

この際、改めて理念に込めている想いや背景などについて経営層から発信することで、社員はさらに理念に対する理解を深めることができます。

▼人材育成について詳しくはこちら
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記事まとめ

企業経営を行う上での判断基準となる経営理念を策定し、社内外に浸透させることで得られるメリットや、実際の策定における具体的手法をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

経営理念を持つと基準が明確になるため、言動や思考にブレや迷いが減り、目指す方向に邁進できます。是非、参考にしてみてください。

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理念に関するよくある質問

Q:会社理念を策定することによるデメリットはある?

理念を策定することによるデメリットは考えにくいですが、強いて挙げるとするなら、理念に反した行動をしたときのイメージダウンのリスクでしょう。外部の人からすると、その企業の従業員は理念に即した行動をするものだと期待します。そのため、従業員が理念に反するような行動をした場合、イメージダウンにつながる可能性があります。分かりやすい例で言えば、たとえば「品行方正」という理念を掲げた企業が、法に抵触するような不祥事を起こした場合、企業イメージが著しく損なわれるということです。

Q:理念とパーパスの違いとは?

「パーパス(英語:purpose)」とは、簡単に言えば企業の「存在意義」のことです。「何のために存在する会社なのか?」という問いに対する答えがパーパスだと言えるでしょう。理念とパーパスは類語に当たりますが、2つの点でニュアンスに違いがあります。

一つが、社会とのつながりです。理念は必ずしも社会とのつながりを意識して策定する必要はありませんが、パーパスは基本的に社会とのつながりを意識して策定するものです。「社会のなかでどのような役割を果たすのか?」といったニュアンスが強い概念だと言えるでしょう。もう一つの違いは、理念が「将来実現したい姿」を掲げることが多いのに対し、パーパスは「現在の在るべき姿」を示すケースが多いということです。このような違いがあるため、理念をそのままパーパスと言い換えるのは避けたほうが良いでしょう。


執筆者:野々山 果純
執筆者:野々山 果純
【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。 秘書、社内広報、PRなどに従事した後 部門人事にて育成体系の構築を進めると共に中途採用責任者を歴任。 現在は、モチベーションクラウドのカスタマーサポート部門の責任者として プロダクトやサービス改善に努める。

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