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タレントマネジメントとは?導入するメリットや成功事例を解説

「タレントマネジメント」は、昨今次世代のリーダー育成や人材のモチベーション管理において効果的な施策として注目を浴びています。本記事では、タレントマネジメントの概要、具体的な導入ステップ、そしてその効果について解説していきます。

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目次[非表示]

  1. 1.タレントマネジメントとは
  2. 2.タレントマネジメントが注目されている背景とは
  3. 3.タレントマネジメントを導入するメリット4つ
  4. 4.タレントマネジメントの導入ステップ
  5. 5.タレントマネジメントを導入した成功事例
  6. 6.エンゲージメントとタレントマネジメントの関連性
  7. 7.タレントマネジメントシステムのツール
  8. 8.よくある質問
  9. 9.まとめ

タレントマネジメントとは

タレントマネジメントとは、企業に所属する人材(=タレント)の能力、適性、志向などを把握し、戦略的かつ継続的に育成・配置・評価・活用していく人材マネジメント手法です。

単なる人材配置や育成ではなく、「企業のビジョン達成」や「人材価値の最大化」を目的とした、戦略的人事の一環として位置づけられています。

従来の人事管理は、過去の実績や勤続年数を重視する傾向がありましたが、タレントマネジメントでは、将来的なポテンシャルやマルチスキル、リーダーシップ資質なども含めて多角的に評価します。

そして、ITシステムやHRテクノロジーを活用して人材情報を一元管理し、最適な配置・育成を実現するのが大きな特徴です。

タレントマネジメントが注目されている背景とは

変化の激しい経営環境において、戦略的人材活用の必要性が高まり、タレントマネジメントが注目されています。

人材の多様化と個別最適化の必要性

グローバル化や価値観の多様化により、企業における人材構成はますます多様になっています。性別、年齢、国籍、ライフスタイル、キャリア志向など、従業員一人ひとりの背景が異なる中、画一的な人事制度では対応が難しくなっています。

そのため、個々の能力や希望に合わせたキャリア支援、柔軟な配置、人事評価の仕組みが必要不可欠となっており、タレントマネジメントはこのニーズに応える手段として注目されています。

社員一人ひとりの「見える化」によって、多様な人材を最大限に活用できる環境が整い、組織全体の活性化にもつながります。

働き方改革と人的資本経営の進展

日本国内では「働き方改革」の推進により、労働生産性の向上や人材の適正配置が重要視されています。また、人的資本経営の概念が広がる中で、人材を「コスト」ではなく「資本」として捉える考え方が定着しつつあります。

このような変化に対応するためには、人材の保有スキルやポテンシャル、キャリア志向などを正確に把握・活用できる体制が求められます。タレントマネジメントは、人的資本情報の可視化と戦略的活用を同時に実現する仕組みとして、企業の中核的施策となっています。

また、ISO30414や有価証券報告書での人的資本開示義務化といった法的要請の面からも、体系的な人材管理が必要とされるようになり、タレントマネジメントの必要性が一層高まっています。

次世代リーダーの育成ニーズの高まり

多くの企業では、少子高齢化や団塊世代の大量退職により、将来のリーダー層の確保が経営課題となっています。従来の年功序列的な昇進モデルでは、変化の激しいビジネス環境に対応できる人材を育てるのが難しくなっています。

タレントマネジメントでは、社員の能力・志向・実績を分析し、リーダー候補を早期に見極めることが可能です。また、必要なスキルや経験のギャップを可視化することで、計画的な育成プランの策定・実行ができます。

こうした仕組みは、単なる能力開発にとどまらず、将来的な幹部候補のリテンション(定着)や組織の持続的成長にもつながります。

デジタル技術の進化とHRテクノロジーの普及

クラウド型人事システムやAI、BIツールなどのHRテクノロジーが急速に進化・普及したことで、従業員データの収集・分析・活用が飛躍的に進みました。かつては属人的・定性的だった人材管理が、今では定量的に可視化され、戦略的に意思決定できる時代となっています。

これにより、タレントマネジメントの実行がより現実的かつ効率的になり、特にデータドリブンな組織運営を目指す企業にとっては不可欠な取り組みとなりました。

人事領域におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、タレントマネジメントを導入する企業が年々増加しています。

タレントマネジメントを導入するメリット4つ

タレントマネジメントの導入は、単なる人材情報の管理を超えて、組織全体のパフォーマンス向上や人材戦略の強化につながります。ここでは、企業が導入することで得られる主要な4つのメリットについて紹介します。

優秀な人材の発掘と育成

タレントマネジメントにより、従業員一人ひとりのスキル、経験、キャリア志向を可視化することができ、組織内の「隠れた人材」の発見が可能になります。

これにより、将来のリーダー候補や専門性の高い人材を早期に育成する土台が整います。計画的な人材育成と後継者計画(サクセッションプラン)の実現にも効果的です。

適材適所の人材配置

社員の強みや志向に基づいた人材配置が可能になることで、ミスマッチによる生産性低下やモチベーション低下を防ぐことができます。

タレントマネジメントでは、職務適性データやパフォーマンス履歴を基に、より精度の高い配属判断が行えます。結果として、部署間の連携や組織全体の効率性も向上します。

エンゲージメントと定着率の向上

個々の成長やキャリアに寄り添ったマネジメントが可能になることで、従業員のエンゲージメントが高まります。また、「自分が評価されている」「適切に支援されている」と感じられる環境が整うため、離職率の低下にもつながります。特に若年層の早期離職を防ぐ施策として有効です。

組織全体の戦略的人材活用

人材データを一元管理し、経営戦略と連動させた施策の実行が可能になります。例えば、新規事業に必要な人材を迅速に配置したり、組織改編時の人員シミュレーションを行うことも容易です。

人材の流動性を高め、変化に強い組織づくりを支える点で、タレントマネジメントは経営基盤の強化にも貢献します。

タレントマネジメントの導入ステップ

①目的の明確化

明確化の観点は以下です。

・現状の何を解決したくて導入するのか
・タレントマネジメントを導入することでどのような効果があるのか
・どういった状態をゴールとして置くのか

目的によって実施するタレントマネジメントの幅や深さにも違いが出るため、非常に重要なステップです。

②メンバーへの伝達

タレントマネジメントを導入すると決まれば、まずはメンバーに説明し納得してもらう必要があります。

このステップを疎かにしてしまうと、非協力なメンバーが増え、次のステップである「タレントの把握」が実施できないリスクがあります。①で整理した目的を詳細に伝達することが重要です。

③従業員のタレントの把握

②の伝達が完了次第、各メンバーのタレントを把握する作業に入ります。どういった方法で管理をするのか、明確にした上で集計していきましょう。

タレントマネジメントのツールを導入するのも1つ効果的な方法です。

④人事戦略の実行・モニタリング

タレントが管理できれば、そのデータを基に人事戦略をつくり、人材育成や採用、配置等の対策を実行していきます。その後モニタリングを通して、適宜タレントマネジメントと戦略の更新を行っていきましょう。

タレントマネジメントを導入した成功事例

日本企業におけるタレントマネジメントの成功事例を2社紹介します。各社の取り組みは、組織の課題解決や人材育成において有効な手法として注目されています。

サントリーホールディングス株式会社:全社員型タレントマネジメントの実践

サントリーホールディングス株式会社は、「ダイバーシティ経営」を経営方針として掲げ、全社員を対象としたタレントマネジメントを推進しています。この取り組みでは、社員一人ひとりのキャリア志向や適性に基づく人事異動を促進し、個々の能力を最大限に活かすことを目指しています。

主な施策:

・社員が年に1回、職務状況や配置の希望を申告できる制度を運用。

・「キャリアビジョンシート」に基づき、長期的なキャリアプランや実現へのプロセスをマネージャーと話し合い、配置転換につなげる。

2019年の従業員満足度調査では、自らの仕事にやりがいを感じている社員が76.2%という高い結果を示しました。この取り組みにより、社員のエンゲージメント向上と組織全体の活性化が実現されています。

日産自動車株式会社:グローバルリーダー育成のためのタレントマネジメント

日産自動車株式会社は、グローバルで活躍できるビジネスリーダーの育成を目的としたタレントマネジメントを展開しています。タレントマネジメント部が中心となり、世界中の社員から優秀な人材を発掘・育成する体制を整えています。

主な施策:

・キャリアコーチと呼ばれる社内スカウトマンが優秀な人材を見極め、データベースに登録。

・登録された人材は、タレントマネジメント委員会で審議され、リーダー育成専用プログラムにエントリー。

・入社後3年目からビジネスリーダー候補を発掘し、5〜7年目から選抜・育成するサイクルを実施。

この取り組みにより、各分野の日本人ビジネスリーダー育成が強化され、グローバルな人材活用の推進と組織の競争力向上が実現されています。

エンゲージメントとタレントマネジメントの関連性

エンゲージメント向上にも影響を与えるタレントマネジメントですが、その背景にはどのような理由があるのでしょうか。

弊社のエンゲージメントサーベイの統計データでは、「適切な採用・配置」はエンゲージメントの阻害要因ワースト2位に位置している実情がございます。

タレントマネジメントにより「適材適所」を実現することは、エンゲージメントの阻害要因となる「適切な採用・配置」の満足度向上にも繋がり、結果組織全体のエンゲージメント向上にも影響するといえます。

タレントマネジメントシステムのツール

■ツールの効果

先述したように、タレントマネジメントをする上でツールを活用することは効果的です。
ただし以下に注意して導入をご検討ください。

①目的・規模に沿っているか

ツールによって搭載されている機能は様々です。

実現したいことの目的に沿っているか、各社のツールを比較した上で検討しましょう。また、本当にその機能が必要か等規模にも沿ったツールを見極めるようにしましょう。

②可視化で終わらせない

タレントマネジメントは、可視化してPDCAを回すサイクルが重要です。

タレントマネジメントで情報を集約したのにも関わらず、その情報が活用されずにただ存在しているケースがよく見受けられます。PDCAをどのようにまわすべきか、導入時点でも検討しておくのがよいでしょう。

よくある質問

タレントマネジメントに関して、企業担当者や人事部門から寄せられる代表的な疑問にお答えします。制度の導入を検討している方にとっての参考情報を整理しています。

タレントマネジメントとは?

タレントマネジメントとは、従業員一人ひとりのスキルや能力、志向性などの情報を可視化・一元管理し、戦略的に人材配置・育成を行うマネジメント手法です。企業の持続的成長を支える人事戦略の一つです。

タレントマネジメントのメリットは?

タレントマネジメントを導入することで、適材適所の人材配置、社員の成長支援、離職率の低下、次世代リーダーの育成といった効果が得られます。結果として、企業の競争力強化と生産性向上につながります。

まとめ

タレントマネジメントは、社員一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、企業の成長に貢献する重要な人材戦略です。適切な人材配置や育成を実現することで、組織の生産性向上やエンゲージメントの強化、ひいては人材の定着率や企業価値の向上にも直結します。

DXや働き方改革が進む現代において、個々の人材の力を活かすタレントマネジメントは、企業の持続的競争優位性を築くうえで不可欠な施策と言えるでしょう。


執筆者:林 優里香
執筆者:林 優里香
【プロフィール】 新卒でリンクアンドモチベーション入社。 以降、一貫して大手企業向けクラウド事業に従事。 現在、幅広い西日本企業のクラウド運用をサポート。

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