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モチベーションとは何か?維持する方法やメリット、ビジネスでのマネジメントについて解説

皆さんは、「モチベーション」というワードにどのような印象を持たれるでしょうか?人が生きる上で、ビジネスを進める上で「モチベーション」は無くてはならないものです。

この記事では誰しもに関係があり、実はとても奥が深い「モチベーション」について、あらゆる角度から知見を深めていければと思います。


モチベーションとは?

目標に向けての「原動力」

モチベーションとは、人が何かしらの目標(対象)に向けて動くための「原動力」となるものです。「動機」「やる気」と表現する事もありますが、何かに向けて「動く」「やる」ためのエンジンのようなイメージをすると良いでしょう。

原動力を発揮する先の目標(対象)は様々なものが含まれます。仕事上の目標はもちろん、学生が学業に対して思う学習意欲、消費者が商品に対して思う購買意欲、更には生きることそのものや恋愛においても用いられる概念です。

ちなみに、モチベーションの語源を辿るとラテン語の「move」を由来とします。 英語のmoveと同じく「目標、目的のために何かを動かす」というニュアンスが含まれている言葉です。

日本においては2002年の日韓ワールドカップにて、代表選手が「モチベーション」というワードを用いるようになってから一気に浸透が加速したと言われています。

ビジネスにおける「モチベーション」の意味

ビジネスの世界でモチベーションという言葉を用いる場合、組織内での業務意欲を意味することが多いです。業務への意欲を持つ、業務への意欲を引き出す、これらの動機付けを「モチベーション」と呼んでいます。

特に大勢の人間が集まる企業活動やマネジメント活動においては、どれだけの人からモチベーションを引き出せたか否かが成否を分かつと言っても過言ではありません。



モチベーションの使い方や用例とは

「モチベーションが上がる」の意味と使い方

この記事を読んで下さっている皆様の中には、自身のモチベーション向上やチーム、部下のモチベーション向上に向けて日々試行錯誤されている方も多いと思います。

近年では「社員のモチベーションを向上させる」というキーワードが企業の対外向け資料に記載される事も珍しく無くなりました。モチベーションが上がる事で、人が本来備えている保有能力(潜在能力)を十二分に発揮する事が可能になります。

仕事に対する充実感ややり甲斐を強く感じ、努力する事が苦では無い状態が創られ、「囁けば伝わる」「打てば響く」伝導率が高い状態になります。その結果として生産性が非常に高くなるので、個人成果と組織成果の双方に大きく寄与するのがモチベーションだと言えます。

「モチベーションが下がる」の意味と使い方

一方、モチベーションが低下している時には個人にも組織にも大きなデメリットがあります。モチベーションが低下すると下がると、仕事のスピード、クオリティが著しく低下する事があらゆる研究結果から見て取れます。

自分でも他人から見ても仕事においての生産性が下がる状態に陥り、「居場所が無くなる」「無関心になる」状態となります。またその状態を続けておくと退職率の増加、クレームの増大、など悪影響が多くなってしまいます。


「モチベーション」には2種類ある

実はモチベーションには「内発的」と「外発的」の2種類があります。

内発的モチベーション

「内発的モチベーション」とは、自身の内側から心の中から湧き出るモチベーションのこと。このモチベーションがあると、損得勘定を抜きにして、目標(目的)そのものに対して自発的な意思が湧いてくる状態になります。

例えば自身の趣味に寝食を忘れて没頭する、誰かの力になりたいと思い、夢中になってその人に貢献するための行動を考えるなど、内発的なモチベーションがある場合のエネルギーは高い集中力を伴い、成果にも繋がりやすくなります。

ビジネスにおいても、いかにして個々人の内発的モチ―ションを引き出すのか?は大きなテーマであると言えるでしょう。後述する「外発的モチベーション」との最も大きな違いは「有限ではなく無限にモチベーションを引き出せる」所にあります。

外発的モチベーション

「外発的モチベーション」とは、自身の心の中ではなく、外にある何かしらの目的に対して発生するモチベーションのこと。数値などで目に見える形のものが多くなります。例えば「金銭報酬」と呼ばれる給与や賞与を獲得したい、向上させたいというモチベーション。

また、「地位報酬」と呼ばれる今よりも重要な職務に就きたい、新たな役割を担いたいというモチベーションが代表的な外発的モチベーションになります。

外発的モチベーションにおいて留意しておくべきポイントは、「無限に提供できる訳ではない」ことです。給与や地位を企業の原資から分け与えるのには限界がありますし、誰かが獲得した分誰かの取り分が減る、すなわちゼロサムゲームの側面があります。

大切なのはどちらのモチベーションが良い悪いではなく、その特性を理解した上でモチベーションを向上させる仕組みを整えることです。基本的には外発的モチベーションの土台は整えながらも、内発的モチベーションをどれだけ最大化できるかどうか、が企業活動のモチベーション戦略においては重要になると言えるでしょう。


モチベーションを維持する方法

では、こと企業活動においてモチベーションを維持するにはどうすればよいのでしょうか?
企業活動の根幹である「会社」「上司」「職場」それぞれの観点で考えるのが良いでしょう。以下、それぞれ見ていきましょう。

「会社」へのモチベーション

会社に対して従業員が魅力を感じ、モチベーション向上に繋げることが大切です。
社会心理学上、会社に対して従業員が感じる魅力は以下の4つがあると言われています。

「目標の魅力」
戦略やビジョンなど、会社が目指しているもの(目標)の魅力です。
社会的意義があり従業員の共感を引き出すような強烈なビジョン、明快かつ実現可能性が高く感じる戦略などは、それそのものが従業員の共感を引き出し、「一緒に実現したい」という大きな魅力になりえます。

「活動の魅力」
事業内容や仕事内容など、企業活動を通して自身が携わる業務の魅力です。
将来性が合って世の中から必要されるであろう事業、自身の個性や能力が発揮され、責任ややりがいを感じる仕事などは「この仕事に取り組み続けたい」という魅力になります。

「風土の魅力」
組織風土や人材の特性など、企業内のカルチャーや雰囲気から出る魅力です。階層間の意思疎通や、部門間の連携が促進されていて一体感がある風土、信頼・尊敬が出来る多様な人材に囲まれる環境など「この雰囲気、仲間と頑張りたい」という魅力になります。

「条件の魅力」
制度待遇面や施設環境面など、働く上での具体的な環境面から出る魅力です。自身の評価や休日、給与に対して納得感があるかどうか、自身が働く上での職場スペースやIT環境が十分に充実しているかどうかなど、「このような条件面で働きたい」という魅力になります。

会社に対するモチベーション

前述の例で言うと、「目標」「活動」「風土」の魅力は内発的モチベーション、「条件」の魅力は外発的モチベーションに繋がると言えるでしょう。

「上司」へのモチベーション

上司に対して従業員が魅力を感じれば、モチベーション向上に繋げることが大切です。そのために、上司が備えるべき観点を4つに分けています。

「情報提供」
部署の方針や役割分担など、上司が適切に部下に情報を伝達しているかどうかが部下のモチベーションに影響を与えます。

「情報収集」
部下のコンデションや業務上の課題など、部下の状況を解像度高く理解出来ているかどうかが部下のモチベーションに影響を与えます。

「判断行動」
率先垂範して基準を提示する姿勢や、素早い意思決定など、判断軸が明確になっている行動が部下のモチベーションに影響を与えます。

「支援行動」
部下の意見を傾聴する、能力面の不足を補うためのサポートをするなど、上司が適切に部下を支援しているかどうかが部下のモチベーションに影響を与えます。

「職場」へのモチベーション

職場に対して従業員が魅力を感じ、モチベーション向上に繋げることが大切です。こちらは職場の魅力を高めるための観点として以下の4つが挙げられます。

「外部適応」
顧客のニーズを理解した上で、クオリティ高く価値を提供している。そのような職場では顧客への貢献実感を強く感じてモチベーション高く働くことが出来ます。

「内部統合」
目標が全員にしっかり共有されていたり、職場内で一体感を持って働いている、そのような職場では所属意識を持ちながらモチベーション高く働くことが出来ます。

「変革活動」
未来に向けての新たな提案が飛び交っているなど、常に変化をし続けている感覚がある、そのような職場では未来への期待を持ちながらモチベーション高く働くことが出来ます。

「継承活動」
職場の歴史や経緯が共有されていたり、成功事例や失敗事例の共有がされているなど、互いの知見を共有、蓄積しているような職場ではモチベーション高く働くことが出来ます。


社員のモチベーションを低下させる要因

維持する要因と同じように、モチベーションを低下される要因を知っておくとモチベーション低下を未然に防ぐことが出来ます。以下、6つは「モチベーションの阻害要因」と呼ばれる内容です。こちらもそれぞれ見ていきましょう。

未来への「不安感」

会社の将来への方向性が見えず、イメージ出来ない事からくる不安です。
会社の将来像を明示出来ていない場合だけでなく、それが個々人の将来像と繋がっている感覚を持てない場合にもこの不安感が大きくなることがあります。

仕事への「閉塞感」

仕事そのものがつまらない、やらされ感を感じる事からくる閉塞感です。
仕事に対して行き詰まり、自身の成長が実感できない場合や、会社の行っている事業の将来に見通しがつかず事業規模が縮小する状態において蔓延します。

風土への「既決感」

組織内で既に決まっていることが多く、「あきらめ」の心理が蔓延している事からくる既決感です。組織の風通しが悪く、「どうせ何を言っても無駄だろう」という諦めの感覚や、「既に決まっているから・・」と皆が消極的になると、負のスパイラルに入り組織の活力がどんどん減っていきます。

待遇への「不満感」

評価・処遇・勤務実態などに納得できず、不満が溜まっている事から生じる不満感です。
自分自身のパフォーマンスと、その報酬が釣り合っていないと感じる社員や、評価制度、休日休暇、終業時間、オフィス環境に対する不満足からも生じることがあります。

上司への「失望感」

上司だからこそ、と期待していたにもかかわらず、その期待を裏切られた事からくる失望感です。期待していた上司が思いのほか頼れなかったという落胆や、上司を「非の打ちどころのない人間」と期待しがちな部下が期待を裏切られたと感じる際に生じるケースが多いです。

職場への「無力感」

職場に対して働きかけをしても、どうせ無駄であると思っている事からくる無力感です。
職場への一員として、自分寺院の貢献実感を得られないことに起因したり、職場に対いて提案などの働きかけをしても、十分な反応が得られない時にも蔓延していきます。


部下・社員のモチベーションを上げるマネジメント方法

続いて、モチベーションを上げるためのマネジメント方法について見ていきましょう。こちらも観点を理解した上で、従業員や職場のタイプに合った方法を実行することが大切になります。

モチベーションの公式

まず初めに、モチベーションの多寡を推し量るための「モチベーションの公式」を紹介いたします。

「モチベーションの高さ=目標の魅力×達成可能性×危機感」

「目標の魅力」は、成し遂げたい目標や目的に対して個々人が感じる魅力の度合い
「達成可能性」は、目標に対しての実現の難しさや現状との距離から感じる達成の可能性
「危機感」は、目標に足しての差分から生じる切羽詰まった危機感

この3つの積算でモチベーションの高さが決まります。
ですので、この3つに対してマネジメントを行うことが基本になります。


モチベーションの公式


まず「目標の魅力」に関しては、「ラダー効果」と呼ばれる手法が効果的です。
これは仕事の手段だけではなく目的や意義も併せて伝えることであり、梯子のように手段→目的→意義と抽象度を高まっていくことから「ラダー効果」と称しています。

例えば「プログラムを組む」という仕事も、目的レベルで捉えると「大勢の人が集まるホームページを完成させる」とう内容になりますし、意義レベルで捉えると「人々のライフスタイルを変えている仕事をしている」という内容になります。

手段だけではどうしても目標に対する魅力が高まり切らない場合も多いので、その場合はラダー効果を活用して、手段と目的と意義をセットで理解してもらうようなマネジメントが有効です。

続いて「達成可能性」に関しては、「マイルストーン効果」が有効です。マイルストンとは「里程標」のことであり、道のりを進むうえで「今何キロまで進んでいて、後何キロあるのか」が分かるための目印として道路などに設置されています。

仕事においてはともすると最終ゴールが遠く感じてしまい、残りの距離やペース配分が掴めなくて達成可能性を低く感じてしまうシーンがあります。そのような場合は最終ゴールをブレイクダウンして、細かい目標に刻むことで、達成可能性を高めることが出来ます。

例えば、「半年で3,000万円」の売り上げを創る、だと足が止まってしまう部下も、「1ヵ月で500万円を創る」「1週間で150万円を創る」「1日4回商談をする・・・」などと細かくマイルストンを刻み、常に達成可能性を感じながら仕事をしてもらうことがマネジメント上有効になります。

最後に「危機感」に関しては、「コミットメント効果」が有効です。コミットメントとは「宣言」のことであり、いつまでに、何を成し遂げるのか?を周囲に宣言することが人の危機感を良い意味で高めてくれます。

人には自身が行ったことと行動の一貫性を保ちたいという感情があるため、有言実行を行うカルチャーは仕事において好影響を及ぼします。不言実行を良しとせず、まずは「有言」することでコミットメントを高め、適度な危機感を持ったうえで業務に取り組んでもらうことがマネジメント上有効になります。


モチベーション管理において注意すべき点

モチベーションマネジメントをするにあたって、前提として持っておいた方が良い内容を以下に整理しました。自身や周囲のモチベーションの上がり下がりに一喜一憂するのではなく、1つ1つ対応することで安定的に成果創出が出来るようになります。

継続することが大切である

ともするとモチベーション向上の施策を行ったり、面談を実施したりすることが単発実施となり、継続的な仕組み(実施ルール)として落としこまれない場合があります。

人間のモチベーションは基本的には上下運動を繰り返しているものです。昨日までモチベーション高く働いていた人間も、何かしらのきっかけで一気にモチベーションが低下することはそれほど珍しい事ではありません。

誰しもがアップダウンがあるのがモチベーションという前提を置いて、定期的にモチベーション状態を計測し、それに伴う打ち手を実行するというサイクルを継続できる仕組みを創っていくことが大切です。

個々人の特性を理解する

何にモチベーションを感じるのかは個々人によって、職場によっても大きな違いがあります。先ほどの例で言うと会社の「目標」に対して魅力を感じる場合もあれば、「活動」「風土」「条件」等を求めて働いている従業員もいます。

仕事のやりがいがあれば年収が半分になっても良い、と転職を決断する人の例も枚挙に暇がありませんし、「何をするかではなく誰とするか」という考え方で、素敵な仲間と過ごすことが最優先、という方もいるでしょう。

また、家庭の都合で勤務地や就業時間に対してモチベーションの上下がある方もいらっしゃると思います。だからこそ、画一的にモチベーションマネジメントを行うのではなく、自社、自組織、個々人の特性を見極めた上での打ち手を実行することが大切になります。


従業員のモチベーションアップの効果

ここまでモチベーションの定義や種類、そのマネジメント手法を見てきましたが、従業員のモチベーションを向上させることでどのような効果が得られるのでしょうか?
得たい成果を明確にすることでモチベーションアップに向けた働きかけも出来ますので、観点を以下に整理しました。

主体性が高まる

モチベーションが向上することによって視界・視野が広がり、結果として仕事への主体性が高まります。モチベーションが低いと自身への期待も下げてしまうため、「批判者」「受動的」「依存的」業務への関わり方をしてしまうことが多くなってしまいます。一方モチベーションが高いと、「当事者」「能動的」「自発的」な関り方が出来るようになります。

主体性が高い従業員が集まっていれば「1を聞いて10を知る」のように業務でも生産性が大幅に高まるため、事業面においても非常に大切な観点になります。

周囲への好影響が広がる

モチベーションを向上させることで当人のパフォーマンスが高まるだけでなく、周囲のパフォーマンスも高まることに繋がります。モチベーションが高い人間が周りにいるだけで職場に活気やモードが醸成されていきますし、モチベーションが高い人間は周囲に対して貢献意欲も高まるため、何か問題が起きても助け合う相互互助の風土も培われていきます。

仕事において1人で完結する業務は皆無と言っても良いため、周囲に好影響を与える人が大勢いることは、加速度的に自社のパフォーマンスを高めることに繋がります。また、採用面においてもモチベーション高く働いている人が多い会社や職場には応募者が集まるため、人材獲得という面でもアドバンテージになるでしょう。


モチベーション向上に効果のある施策

では、モチベーションを引き出す、維持するための施策としてはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な例とその効果について見ていきましょう。

トップの方針伝達

これはメールでの全体発信、全社員が集まっての集会など様々な手段があります。定期的に経営者が今何を考え、会社をどの報告に動かそうとしていて、従業員に何を期待しているのかを頻度高く伝えることが大切です。

サイバーエージェント社ではブログを通じて経営者や会社の方針を定期伝達し、その内容に関してのレスポンスを社内の意見箱やマーケティングとして活かし、次の打ち手に繋げていました。

Facebook社ではどれだけ規模が大きくなっても、未だに全社員が集まりCEOに直接質問をする機会を設置することを継続しています。

不安感や閉塞感などは「分かっていない」「理解していない」からこそ生じることも多いものです。まずは経営側から十分に頻度高く情報を発信する事。また、その内容に対して従業員がいつでも意見発信が出来るような風通しの良い仕組みを創ることが大切です。

相互理解の定期促進

互いの事を理解していないからこそ、連携が困難になりコミュニケーションに齟齬が生まれてしまうことも多いです。また、ひとりひとりが何を求めてこの会社に属しているのか、を理解せずマネジメントをしても、深い関係性に繋がらない場合が多いです。

ある企業では自身のこれまでの経歴や、入社理由、今後の展望などを「自分史」という形で共有する会を設け、互いの深い価値観を理解する機会を設けています。それにより、それまでより深く、密度濃いコミュニケーションをとる機会を担保しています。

「相手の価値観・こだわり」を理解することを目的にして実施するのであれば、ランチや飲み会の場で実施するのも有効です。異動のタイミング、チーム編成が変わるタイミング、入社のタイミングなど定期的に実施をすることで、相互理解が深まり職場の一体感が増す効果がある施策です。

社内コミュニケーションの活性化

上司や部下だけでなく、同僚同士や部署を超えたコミュニケーションを行うことで一体感が高まり、モチベーション向上に繋げることが出来ます。

例えば社内報を使って、新規入社者や活躍している人間のインタビューを発信することで、本人やそれを見た他の従業員に対しても刺激を届けることが出来ます。ある企業では社内報の企画メンバーを若手で構築して、若手の育成も一石二鳥で兼ねるような動きもしています。

他にも「日報や週報」もコミュニケーション活性化として有効なツールでしょう。

周りの人が日々どのような仕事をしてどのような学びを得ているのか。「知は愛なり」という言葉もありますが、知れば知るほど同僚への関心も高まるものであるので、自社に合った頻度や手法で取り入れると効果が出るでしょう。(その際に一方通行の発信ではなく、コメントや返信が出来るような仕立てにしておくと更に効果が増していきます)


モチベーションに関する理論や法則

ともすると感覚的に向き合ってしまう「モチベーション」というテーマですが、モチベーションに関する研究は古くから様々な学者、研究機関によって深められています。

学術的な定義を理解することで、説得力や再現性を持った打ち手を実施できるかと思いますので、以下にいくつか紹介していきます。

バーナードの組織成立の3要素

こちらは「チーム創り」に関する理論です。アメリカの経営学者である「チェスター・バーナード」によって提唱されました。チェスター・バーナードによると「チーム・組織」が成立するためには以下の3つの要件が必要だと述べています。

「共通の目的」
まず初めに、何かを成し遂げたいという目的が共有されていないと組織は成立しえません。人間が物理的・能力的に1人では成し遂げられない目標があるから人は「チーム・組織」を創ります。
日常のシーンでも、このチームの共通目的は何か?を常に確認し、同じ山の頂きを目指す仲間だという認識を持つことがモチベーションに繋がります。

「協働意思」
同じ目的を見据えていたとしても、「互いの弱み強みを理解し、補い合う」という協働への意識づけが出来ていない場合は、チームとしての成立が難しくなります。共通目的に向けてどのように連携することが最短の道なのか?互いのどの力を活かせば実現に近づけるのか?の合意を取っておくことで目的達成の可能性は大きく高まるでしょう。

「コミュニケーション」
共通目的を確認し、協働意思を促進するためには十分なコミュニケーションが必要になります。ただの意思疎通だけではなく、目的達成に向けてサポートをし合うための働きかけや、それらを誘発するための仕組みが大切です。

バーナードの組織成立の3要素

マズローの欲求5段階説

心理学者のアブラハム・マズローは人間の欲求の段階には5段階あることを提唱しています。「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つです。

下位の欲求が満たされていないと上の欲求が生じにくいという特徴もあるため、モチベーション管理という意味では下位構造を満たしていくのが大切です。

以下、下位構造から順番に見ていきましょう。

「生理的欲求」
食事、睡眠など生命維持に関わる人間の本能欲求です。ここの欲求が満たされないと生命の維持にも影響が出てきます。

「安全の欲求」
身の安全を守りたい、という欲求です。住居などを含め、安心感を持った生活が出来ていない場合は、この欲求を満たす必要があります。

「所属と愛の欲求」
他者と関わりたい、集団に属したいという欲求です。「社会的欲求」と呼ぶこともあります。

「承認欲求」
自分が認められている、自分が優れていると自分で確信できる欲求です。「尊厳欲求」と呼ぶこともあります。

「自己実現の欲求」
能力を発揮して、創造的な活動をしたいという欲求です。自分らしさを発揮して、周囲や社会に対して好影響を与えていきたいという欲求になります。

これらの各階層のモチベーションが満たされているのか?という観点で自身や周囲のモチベーションを見ると、また新たな発見があるかと思います。

ハーズバーグの二要因理論

アメリカの臨床心理学者「フレデリック・ハーズバーグ」が提唱した概念で、従業員の仕事における満足度は、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)のそれぞれがあり、この両方が満たされることで高いモチベーションが保たれるというものです。

「動機付け要因」は、動機付け要因である「承認」「昇進」「成長」など職務満足を引き起こす要因を指します。精神的に成長したい、外部から認められたいという欲求に基づくものとされています。「やりがい」と言い換えても良いでしょう。

「衛生要因」は、「心身の健康状態」「会社での人間関係」「職場環境」などの仕事における不満足に関わる要素を指します。苦痛や欠乏を避けたいという欲求に基づくものとされています。不満足要因とも呼ばれており、満足度が低い状態であれば、社員が離職するという悪影響を及ぼします。

これらの二方向からマネジメントをすることで従業員のモチベーションを網羅的に捉えることが出来るため、「やりがいを感じてもらうには?」「待遇や環境に満足してもらうには?」の問いかけを持っておけると成果に繋げることが出来るでしょう。

選択理論心理学

選択理論心理学は、アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー博士によって提唱されました。

選択理論は、すべての行動は自らの選択であると考える心理学です。自らの行動を選択できるのは自分だけなので、自らの行動は他人に選択されないし、他人の行動を選択させることもできないと考えます。

「自分自身をコントロールする」というテーマの為、カウンセリングや学校教育、組織、家庭環境など様々な人間関係が絡む環境の中で、よりよい人間関係を築く手法として高い評価を得、幅広く活用されています。

自分自身をコントロールする上で、身に付けるべき重要な視点として「変えられることだけにエネルギーを注ぐ」ということです。私たちは普段、「変えられない」と分かっているはずのことに、多大なエネルギーや労力を費やしている場合が多く見られるのではないでしょうか。「変えられるもの」に関しては以下3つの観点があります。

① 自分 VS 他人
人間はともすれば、他人を変えてやろうと意気込むものですが、これはいくらやろうと思っても容易に成し遂げられるものではありません。

そもそも「他人を変えることは無理だ」という前提に立つことが大切です。他人を変えることができないのならば、まず自分から変わる。その結果として他人に対しても変化を促すことができます。

② 思考・行動 VS 感情・生理反応
同じように「感情」と「生理反応」はダイレクトに制御することはできません。例えば、失恋で受けた「悲しい」気持ちから完全に逃れることは不可能です。しかし、自分自身の「行動」や「思考」を変えることはできるはずです。

そして、これらを変えることで結果的に負の感情を和らげることができます。「感情」を変えるのは難しいです。しかし、「感情」に振り回されることなく、「思考」や「行動」を変えることで、ある程度、“自分”をコントロールする術を身に付けることができます。

③未来 VS 過去
過ぎ去ったことをあれこれと考えている時間は、今後の自分にとってはあまり意味がありません。

「過去」はあくまで今後の「未来」のためにあるもの。「過去」を塗り替えることは不可能ですが、「未来」はこれから創っていくことができます。結果ではなく、次を見据え未来を変える為に今、どうするかが重要です。

「変えられないもの」ではなく、「変えられるもの」を選択しエネルギーを集中させていくことが、自分自身を自在にコントロールしていく上での第一歩になるため、ぜひ自身や職場のマネジメントに活用して頂ければと思います。



記事まとめ

いかがだったでしょうか?生きるうえで、企業活動をする上で、マネジメントをする上で、必ず向き合うべきテーマになる「モチベーション」。

健康維持の活動や食事や睡眠と同じように、人間の根幹になるものだからこそ、モチベーその定義や種類、落とし穴や打ち手に対する知識をつけておくだけでも日頃の発言や行動が大きく変わってくるものだと思います。
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この記事が、皆様のモチベーション理解の一助になっていれば幸いです。

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