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【モチベーションエンジニアリング研究所】 データ分析で明らかになった、組織の成長ステージ毎に異なる「エンゲージメント」への影響

社会システム論や心理学、行動経済学など各種の学術的理論と、実践的な経営コンサルティングの知見を融合させた独自技術=モチベーションエンジニアリングを進化させ、それに基づく経営技術や商品サービス開発を行っている、リンクアンドモチベーショングループの唯一の研究機関:モチベーションエンジニアリング研究所。戦略人事において欠かせない旬なテーマを、研究員が科学する連載企画。第3回目のテーマは「企業の成長ステージとエンゲージメントの関係」。

【執筆者】
モチベーションエンジニアリング研究所 研究員
モチベーションクラウド プロダクトマネジャー 治部 裕明 

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  モチベーションクラウド|組織改善ならモチベーションクラウド モチベーションクラウドは、リンクアンドモチベーションがこれまでの組織人事コンサルティングのノウハウをもとに開発した国内初の組織改善クラウドです。組織のモノサシ「エンゲージメントスコア」をもとに「診断」と「変革」のサイクルを回すことで、組織変革を実現します。 株式会社リンクアンドモチベーション


企業のステージの変化に応じて、組織運営のポイントは変わる

事業成長や商品セールスの拡大を語る際、しばしばプロダクトライフサイクル理論やイノベータ理論などが用いられています。これらの理論では、事業や商品が置かれているステージによって顧客特性の変化や企業が注力すべき観点が整理されています。

一方、事業ステージの変化に応じて組織をどう運営していけばよいのか?という問いに答える理論は、あまり浸透をしていません。しかし「事業」と「組織」は企業の両輪です。事業が、置かれているステージによって影響を受けるのではあれば、組織も当然その影響を受けます。

今回の分析では、リンクアンドモチベーションが過去に実施してきたモチベーションサーベイの結果を分析し、組織ステージによって組織のモチベーションやエンゲージメントに影響を与える項目が変わるのかどうかを分析しました。リンクアンドモチベーションでは、組織の成長ステージを以下のように分類しています。

・拡大ステージ:事業が市場に受け入れられ、事業が拡大していく時期

・多角ステージ:事業の急成長が終わり、事業の複線化を図る時期

・再生ステージ:事業の衰退が始まり、新たな事業の創出を模索する時期

各ステージに該当する企業のサーベイデータから、組織の「強み」や「弱み」を抽出し、従業員のエンゲージメントに影響を与えている項目を明らかにしました。

※「強み」=従業員が強く求めていると同時に、満たされている項目、「弱み」=従業員が強く求めているものの、満たされていない項目。求めている度合いを「期待度」、満たされている度合いを「満足度」と呼んでいます。

拡大ステージ企業が抱える『長期視点欠落症』と『マネジメント不全症』

<拡大ステージ>

※数値は、全項目の平均値との差分

拡大ステージにおける組織の強み・弱みは、以上の通りです。結果から「マネジャーが即座に意思決定をするためスピード感があり、事業の未来は明るいと感じている」一方で「職場内・職場間の連携が悪くなり、お互いにギスギスしている」組織状態であると言えます。

拡大ステージでは、顧客ニーズが急拡大するため、増える業務量に組織の成長が追いつかない状態になりがちです。上記の結果は、全員が余裕なく目の前の仕事に追われている『長期視点欠落症』や、マネジャーがマネジメントよりもプレイングに時間を割いてしまう『マネジメント不全症』を発症している状態だと推察されます。

多角ステージ企業が抱える『全社視点欠落症』

<多角ステージ>

多角ステージにおける組織の強み・弱みは、以上の通りです。結果から「事業存続への安心感が生まれ、目標達成や目の前の顧客対応に注力している」一方で「職場間の連携が悪くギスギスしていて、職場内では質・量の面から人材不足を感じている」状態であると言えます。

多角ステージでは、事業の複雑性が増す中で全社に対する当事者意識を失ってしまうため、自分達の組織の事情を優先してしまいがちです。

上記の結果は「自分達の組織の目標達成・顧客対応が第一だ」「自分達はとても大変だから、人がもっと必要だ」といった個別最適の思考が生じると共に「他の組織」への不満を感じ始める『全社視点欠落症』が発症している状態だと推察されます。

再生ステージ企業が抱える『セクショナリズム横行症』と『既決感疲弊症』

<再生ステージ>

再生ステージにおける組織の強み・弱みは、以上の通りです。

結果から「職場内でしっかりと連携をとって、目標達成や目の前の顧客対応に注力している」一方で「人材の不足を感じるとともに、会社の存続に不安を感じて経営陣への不信感が生まれている」状態であると言えます。

再生ステージでは、組織が細分化されて時間が経つ中で、他組織への興味を失っているだけでなく、事業変化が見えにくくなることにより、当事者意識の欠如や現状維持の意識が生まれがちです。

上記の結果は、自分達の組織の都合で考える『セクショナリズム横行症』や、会社がより良くなるという期待感を失い評論家的発言をするようになる『既決感疲弊症』を発症していると推察されます。

組織の状態を知り、先手を打つことが重要

人間は、歳を重ねると様々な病気を発症する可能性が高まります。『組織は生き物だ』と言われることがありますが、組織も人間と同じように、組織ステージが進んでいく中で自然と様々な問題が生まれてくるものです。

しかし、ただその変化を待つのではなく、事前にその変化を理解しておくことで、問題の発生を防いだり、問題が発生したとしても早期に対応することが可能になります。継続的に組織サーベイを実施して状態を把握し、先回りして対策を練っていくことが、従業員のエンゲージメントを高め、企業を安定的に成長・存続させていくためには重要だと言えるでしょう。

【その他のレポートはこちら】

【モチベーションエンジニアリング研究所】 データから明らかになった「エンゲージメント」という新たな経営指標

【モチベーションエンジニアリング研究所】 データ分析から導き出した「エンゲージメント」を向上させるための2つの要因

※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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