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ビジネスシーンでのオブザーバーの意味とは?アドバイザーとの違いや役割を解説


目次[非表示]

  1. 1.オブザーバーとは?基本的な意味や類語
  2. 2.<中見出し>ビジネスシーンにおけるオブザーバーの意味
  3. 3.オブザーバーとアドバイザーの違いとは?
  4. 4.オブザーバーの役割
  5. 5.オブザーバーが必要な場面とその理由
  6. 6.オブザーバーが心がけるべき3つのポイント
  7. 7.組織改善ならリンクアンドモチベーション
  8. 8.まとめ
  9. 9.オブザーバーに関するよくある質問

ビジネスでは会議や社員研修の場で活用されることが多い「オブザーバー」ですが、その意味や効果の出る方法を具体的にご存知ではない方も少なくないのではないでしょうか。もしかすると「社員を見張る監視者」というイメージもあるかもしれません。しかし、オブザーバーを活用することでそれまでの施策や活動の効果をより一層高めることができます。

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本記事では、基本的なオブザーバーの意味やその必要な場面、活用する際のポイントをご紹介します。

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オブザーバーとは?基本的な意味や類語

オブザーバーとは、英語で観察者や監視者、傍聴人ないしは陪席人などを意味する「observer」から由来した言葉です。イメージとしては、集団で会議や研修など何らかのミーティング・集まりの際に「中心になって発言や行動をする人」ではなく、「輪の外から俯瞰的に見ている人」だと言えるでしょう。

そのため、基本的にオブザーバーにはミーティング・集まりにおける決定権や議決権は無く、他の主な参加者や決裁者に委ねられます。一方で、発言権はありますが司会者・進行役から求められない限りは発言をせずに、内容や参加者の発言・行動を把握しながら進行を見守っている場合が多く見受けられます。

ビジネスだけではなく、スポーツの世界や国際社会でもオブザーバーは用いられています。

・スポーツ

特にゴルフで用いられますが、「審判のサポートをする人」の意味合いが強いと言われています。競技において判断が難しい場合に、得ている情報や知見を元に意見を述べたり、競技者のルール・マナー違反を審判に報告したりする役割があります。

・国際社会

「国連オブザーバー」という言葉で用いられており、国際連合の正式加盟国ではありませんが国連総会やその他の会合に出席する国家の事を指しています。この場合は発言権が認められています。

<中見出し>ビジネスシーンにおけるオブザーバーの意味

様々なシーンで活用されているオブザーバーですが、ビジネスシーンでは先述した通り会議や研修などのミーティングの場で全体の進行を見守る立場を意味する場合が多いでしょう。やはり基本的にオブザーバーにはミーティング中での議決権は無く、発言も積極的に行うことはあまりありません。

組織の中では立場によって見ている視界に下図のように「個別性」が生じることがよくあり、人によって「全社視点で長期的に考える人」と「個人視点で短期的に考える人」が出てくるため、それぞれの意見の食い違いが起こりやすくなります。オブザーバーはこうして生じている全体構図を客観的に捉える立場だとも言えるでしょう。



(参考:視界の個別性)

また、機密情報でない限りはメモや議事録を録ることができます。そしてミーティングの後には、オブザーバーが新入社員の場合は「感想レポートの提出や振り返り」を行い、管理職や有識者など見識が高い立場の人である場合は、「進行者や取りまとめ役にフィードバック」を行うなど、その後に活かすことが多いでしょう。

オブザーバーの類義語

オブザーバーに近い言葉を持つ言葉には、解説者や評論家、コメンテーターなどが挙げられます。それぞれ「何かを観察・観測した上で自身の意見を述べる」という役割であり、オブザーバーが必要に応じて「自身の意見を参加者に伝える」のに対して、野球中継や書評など「自身の意見を他の第三者に伝える」意味が強い傾向があります。

オブザーバーの対義語

一方で、オブザーバーの対義語としてはパフォーマーやアクター、特にビジネスシーンではレギュラーが挙げられます。オブザーバーの持つ「観測者」「観察者」という意味に対して、「実際に何かの行為をする人」「定期的に主体者として参加する人」という意味があります。また、基本的にレギュラーには議決権があり、積極的な発言参加を求められます。

オブザーバーとアドバイザーの違いとは?

オブザーバーと共によく使われる言葉として、「アドバイザー」があります。この2つの言葉は特に混同がされやすいのですが、オブザーバーが「進行を見守ること」が目的であるのに対して、アドバイザーはその名の通り「アドバイスをすること」が目的という違いがあります。

アドバイザーは助言者や忠告者、顧問などの意味を持つ通り、ミーティングでの議論に対して専門的な知見やそれまでの経験などを元にして意見を述べてその場での決定・判断にも積極的に関与することが求められます。

ビジネスシーンでは一般的にコンサルタントや税理士のように企業の外部の人間がアドバイザーの役割を担うことが多い傾向があります。企業内だけではどうしてもミーティングの参加者が持っている視点や提示する意見が自社での常識や枠組みに偏ってしまう場合があるため、アドバイザーによる議論の方向修正や、コメントを貰うことが有効です。

オブザーバーの役割

オブザーバーはミーティングの中で積極的には発言をしませんが、その中でもオブザーバーが持つ役割は十分にあります。今回はビジネスシーンにおける代表的なものをご紹介します。

役割①:ミーティングの公平性を保つ

オブザーバーはあくまで第三者ではありますが、「議論を放置する傍観者」ではなく「参加者それぞれの考えや意見を公平に見る観察者」としての役割を担う必要があります。

公平に参加者が意見を交わして全体の納得感のある進行ができることが理想ですが、時には社内の上下関係や経験・知識の差により特定の人物の意見が優先されてしまう場合もあります。オブザーバーが公平性を保つスタンスを持って参加していることで、そのような意見の偏りを防止することが期待できるでしょう。

役割②:責任を持った発言を促す

また、オブザーバーは「参加者の発言自体の責任感を高める」という役割もあります。第三者的な立場の人がミーティングに参加していることで、参加者には「ちゃんと見られている」という意識が芽生え、無責任な発言やあまりにも議論の方向性から外れた意見を控える効果が期待できます。

役割③:客観的な意見で議論の質を上げる

基本的にオブザーバーとしてミーティングに参加する場合には積極的には発言をしませんが、先述したように時には司会者や進行役から意見を求められる場合もあります。その場合には「専門家としての意見や、第三者としての客観的な意見を述べる」役割があります。

議論の取りまとめや整理を深く行うことは参加者に任せることが望ましいですが、それまでの議論で感じたことや経験上の意見を提供することで議論の質を高めることができます。

オブザーバーが必要な場面とその理由

ここまでオブザーバーの意味や、持っている役割などについてご紹介してきました。では、実際にどのような場面でオブザーバーは必要なのでしょうか。主にオブザーバーが必要になる場面をいくつか見ていきましょう。

場面①:新入社員や若手社員がメインのミーティング

まずオブザーバーが必要になるのは、新入社員や若手社員など社歴・経験が比較的浅いメンバーが多く参加するミーティングです。この場合にオブザーバーが参加する目的は「ミーティングにメリハリをつける」ことにあります。

時には新入社員や若手社員だけでミーティングをする機会もあるでしょう。主体性を育む効果はありますが、場合によっては緊張感が欠けてしまい、ミーティングの生産性が落ちてしまうリスクも孕んでいます。

その際には観察者であるオブザーバーを活用することでメリハリをつけ、有意義なミーティングにすることができます。タイミングによっては助言を行ったり、拙いビジネスマナーへの指摘も行うと効果的です。(参考:ビジネスマナーとは?基本が学べる研修効果や内容を解説

場面②:進捗が悪いプロジェクトのミーティング

進捗が悪いプロジェクトのミーティングにもオブザーバーの活用が有効です。ミーティングの進め方や議論の内容を客観的に見ることで、そのプロジェクトの改善点を見つけることが期待できます。

ただし、オブザーバーとして参加する時やその中で意見を述べる時には、「目的は責めることではなく、助けること」という目的をしっかり伝えることがメンバーのモチベーションを維持するために大切です。

場面③:参加者とポイントのすり合わせが必要なミーティング

社員研修や育成目的の会議でもオブザーバーの参加が必要です。この場合では上司や経営層が参加し、「参加者と視点や観点をすり合わせること」が目的です。ミーティングでの議論を聞いた上で、上司や経営層から見た感想や今後に向けて持って欲しい視点を伝えることでより成長を促進することができるでしょう。

オブザーバーが心がけるべき3つのポイント

オブザーバーが持つ効果を最大限発揮するために心がけるべきポイントがあります。自分がオブザーバーになる時や、誰かにオブザーバーを任せる際にはこれからご紹介することを念頭に置いておくと良いでしょう。

ポイント①:求められている役割を把握して実行する

オブザーバーには色々な役割があることに先ほど触れました。そのため、その役割の認識が曖昧であったり、参加者や本人でズレていると本来期待していた効果が得られなくなる可能性があります。

そのため、「なぜオブザーバーが必要なのか?」「どのような役割を期待しており、参加者とどういう接し方をして欲しいか」をしっかりと決めることが重要です。

ポイント②:第三者としての立場を守る

また、どの役割でも共通していることは「オブザーバーはあくまでミーティングの効果を最大化するための第三者である」ということです。議論の内容に踏み込みすぎたり、論点がずれたままにしてしまったりすることは、オブザーバーとしての役割が全うできなくなる要因になります。

しっかりとミーティングの内容を観察して、「任せるタイミング」と「介入するタイミング」をバランスよく使い分けられると効果的です。タイミングを図るのが難しい場合は、事前にコメントを述べるタイミングを司会者とすり合わせておくことも有効です。

ポイント③:発言に責任を持つ

ミーティングでは発言をしないことが多いため、その分発言の影響力が大きくなりやすい傾向があります。特に社歴や経験が長い立場だと参加者の意見よりも発言力を持っています。

そのため、自身の発言がどのような影響を与えるかを考えた上で伝え方にも気を払うことが重要です。

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まとめ

オブザーバーは「とりあえず参加しておく」という活用を続けていると、その効果を有効活用できなくなってしまう場合があります。必要な場面に応じてそこで発揮してもらう役割をしっかりと考えて活用することで、それまで以上にミーティングの成果を上げることが期待できます。

一方で、オブザーバーは比較的実行しやすい施策でもあります。本記事でご紹介したことを元にして、「気軽に生産性を向上する」ことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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オブザーバーに関するよくある質問

Q1:オブザーバーとスーパーバイザーとの違いは?

A1:まず、スーパバイザーとは管理者や監督者という意味を持ちます。企業によっては部長や課長と同じく役職として設置されている場合もあり、基本的には業務の進捗状況や従業員のマネジメントを担います。

そのため、オブザーバーは「各ミーティングで単発的に関わる役割」であるのに対し、スーパバイザーは「監督者として継続的に関わる役割」という違いがあります。もちろん、ミーティングに参加する場合は議論に参加し、意見を述べます。

Q2:良いオブザーバーとして振る舞うポイントを教えてください。

A2:先述した「​​オブザーバーが心がけるべき3つのポイント」を抑えることに加えると、「参加者からの見え方を考えること」が大切です。自身の役割に没頭しすぎた結果、参加者が緊張しすぎたり、甘えすぎたりすることは避けるべきです。

そのため、参加者から見ると自分の立場はどう見えるのかを考えた上でミーティング前での頭出しやコミュニケーションにも気を払えると良いでしょう。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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