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アサーティブ・コミュニケーションとは?4つの柱やDESC法、職場やビジネスでの活用方法を解説

職場や日常生活での人間関係において、「言いたいことがうまく伝わらない」「相手を傷つけたくない」と悩んだことはありませんか?アサーティブ・コミュニケーションは、自分の意見を正直に伝えつつ、相手への配慮も忘れない伝え方です。本記事では、その基本から実践方法までをわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.アサーティブ・コミュニケーションとは?
  2. 2.自己表現の4つのタイプ
  3. 3.アサーティブ・コミュニケーションを身に着けるメリット
  4. 4.アサーティブ・コミュニケーションの4つの柱
  5. 5.アサーティブ・コミュニケーションを実践するDESC法
  6. 6.職場やビジネスでのアサーティブ・コミュニケーションの活用方法
  7. 7.組織変革のことならモチベーションクラウド
  8. 8.まとめ

アサーティブ・コミュニケーションとは?

アサーティブ・コミュニケーションとは、自分の意見や感情を正直かつ率直に伝えながら、相手の立場や感情も尊重するコミュニケーションの方法です。

これは、自己主張(アサーション)と他者への配慮のバランスを重視するスタイルで、相手を傷つけずに自分の考えを伝えることが目的です。攻撃的でも受け身でもなく、対等な関係を築く姿勢が求められます。職場や人間関係において、誤解や衝突を防ぎ、信頼関係を深める効果があるため、ビジネスシーンでも注目されています。

アサーティブ・コミュニケーションが注目されている背景

アサーティブ・コミュニケーションが注目されている背景には、多様な価値観や働き方が共存する現代の職場環境があります。上下関係や年齢差を超えた円滑な対話が求められる中で、相手を尊重しつつ自分の意見も伝えるスキルは不可欠です。

また、ハラスメント防止やメンタルヘルス対策の観点からも、対等で誠実なコミュニケーションが重視されるようになりました。組織の生産性向上やチームの信頼関係構築にも貢献するため、企業研修などでも導入が進んでいます。

自己表現の4つのタイプ

自己表現にはアサーティブを含めて4つのタイプがあります。ここでは、その4タイプについて簡単にご紹介します。

①アサーティブ

アサーティブとは、自分の意見や感情を率直かつ正直に伝えつつ、相手の立場や意見も尊重する自己表現のスタイルです。自他の権利を対等に扱う姿勢をもち、感情的にならず冷静にコミュニケーションを行います。対話を通じて相互理解や信頼関係を築くことができるため、職場や人間関係において非常に有効です。

②アグレッシブ

アグレッシブとは、自分の主張を強引に通そうとし、相手の意見や感情を軽視・無視する自己表現のスタイルです。言動が攻撃的になりやすく、威圧的な態度や高圧的な言い回しが特徴です。このようなコミュニケーションは、短期的には相手を従わせることができるかもしれませんが、長期的には信頼を損ない、対人関係の悪化を招くことが多くなります。

③ノンアサーティブ

ノンアサーティブとは、自分の意見や感情をうまく主張できず、相手に従ってしまう受け身な自己表現スタイルです。自信が持てなかったり、対立を避けたい気持ちが強かったりすることで、自分の考えを抑え込んでしまう傾向があります。その結果、不満やストレスがたまりやすく、自己肯定感が低下することもあります。

④パッシブアグレッシブ

パッシブアグレッシブとは、表面的には従順で協調的に見えるものの、内心では反発や不満を抱き、それを間接的に表現する自己表現スタイルです。たとえば、わざと約束を忘れたり、遅れたり、皮肉を言ったりすることで抵抗の意思を示します。問題を建設的に解決しづらい点が課題です。

アサーティブ・コミュニケーションを身に着けるメリット

アサーティブ・コミュニケーションを身につけることは、個人の成長だけでなく、組織全体にも大きなメリットをもたらします。以下では、具体的なメリットを3つの視点からご紹介します。

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生産性が向上する

アサーティブなコミュニケーションが浸透すると、意思疎通のミスや無駄な誤解が減少し、業務の効率が大きく向上します。

必要な情報がスムーズに伝わることで、課題解決のスピードも速まり、チーム全体のパフォーマンスが高まります。また、指示や意見を遠慮なく言える環境は、業務改善や創造的なアイデアの発言を促すため、生産性の底上げにも繋がります。

円滑な人間関係が築ける

アサーティブ・コミュニケーションでは、相手の気持ちを尊重しながら自己主張を行うため、対立や誤解が生じにくくなります。お互いに信頼し合える関係が築きやすく、チーム内の雰囲気も良好になります。たとえ意見が異なっても、冷静に話し合うことができるため、無用な感情的衝突を避けることができます。

従業員の満足度向上・離職率低下に繋がる

職場でアサーティブなコミュニケーションが実践されると、従業員は自分の意見が尊重されていると感じやすくなり、心理的安全性が高まります。その結果、ストレスが軽減され、仕事に対する満足度も上昇します。また、上司や同僚との信頼関係が深まることで、働きやすさが実感でき、離職のリスクも低下します。

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アサーティブ・コミュニケーションの4つの柱

アサーティブ・コミュニケーションを実践するためには、4つの柱である「率直・対等・誠実・自己責任」の考え方を理解し、それぞれを意識した行動が欠かせません。以下にその具体的な内容を解説します。

①率直

「率直」とは、自分の考えや気持ちを偽らず、ありのままに伝えることです。遠慮しすぎたり、曖昧な表現をすると、相手に誤解を与えたり信頼を損ねたりする可能性があります。

率直に話すためには、自分の感情や意見を整理し、伝えたいことを明確にする姿勢が大切です。また、感情的にならず、冷静に「私は〜と思う」「私は〜と感じる」と主語を自分にして伝える「Iメッセージ」を活用すると、率直さと配慮を両立しやすくなります。

②対等

「対等」とは、立場や年齢、役職に関係なく、自分も相手も同じように尊重されるべき存在であるという姿勢です。アサーティブな対話では、一方的に支配したり、逆に従属することなく、対話の中で互いの意見を公平に扱うことが求められます。対等さを実現するには、相手の話を傾聴し、自分の意見も丁寧に伝えるというバランスが重要です。

③誠実

「誠実」とは、嘘やごまかしをせず、自分にも他人にも真摯に向き合う姿勢を指します。誠実なコミュニケーションは、信頼関係の基盤となるため、アサーティブな関係づくりにおいて不可欠です。

実践するには、自分の感情や限界を正直に伝えることが大切です。無理に相手に合わせるのではなく、できること・できないことを明確にし、約束は守るようにしましょう。

④自己責任

「自己責任」は、自分の言動に対して責任を持つという考え方です。相手の反応や環境のせいにせず、自分がどう対応するかを主体的に選ぶ姿勢が求められます。アサーティブな人は、自分の感情や選択に対して言い訳せず、必要があれば謝罪や訂正もきちんと行います。

アサーティブ・コミュニケーションを実践するDESC法

DESC法は、自分の気持ちや要望を冷静かつ具体的に伝え、相手と建設的な対話をするための手法です。以下では、それぞれのステップで何を意識すべきか、どのように表現すればよいかを詳しく解説します。

D:Descrive(描写)

最初のステップ「描写」では、事実を客観的に説明することが重要です。ここでは自分の主観や感情は交えず、相手の行動や状況を冷静に伝えます。たとえば、「会議に10分遅れてきたね」というように、評価や決めつけを避けた中立的な表現を心がけましょう。

E:Explain(表現)

「表現」では、相手の行動によって自分がどう感じたか、自分の気持ちを正直に伝えます。ここでも「あなたが悪い」ではなく、「私はこう感じた」と自分を主語にする「Iメッセージ」を用いるのが効果的です。たとえば、「遅刻されると、私は少し不安になります」というように、自分の内面にフォーカスして表現しましょう。

S:Specify(提案)

「提案」では、自分が望む具体的な行動を相手に提案します。「次からちゃんとしてほしい」といった抽象的な表現ではなく、「次回は開始時間の5分前に来てくれると助かります」といった、実行可能で明確な内容にすることが重要です。提案という形にすることで、相手に選択の余地を残しつつ、自分のニーズをしっかり伝えることができます。

C:Choose(選択)

最後の「選択」では、相手が提案に応じた場合と応じなかった場合、それぞれの結果や自分の対応方針を伝えます。たとえば、「次回から時間通りに来てくれたら、スムーズに話し合いができると思います。もし遅れるようなら、別の時間を設定したほうがいいかもしれません」といった具合です。

職場やビジネスでのアサーティブ・コミュニケーションの活用方法

職場やビジネスでのアサーティブ・コミュニケーションの活用方法について、簡単にまとめました。

上司から部下

上司が部下にフィードバックを行う際、アサーティブ・コミュニケーションを活用することで、相手を傷つけず、前向きな成長を促すことができます。

重要なポイントは、相手を否定せず、事実と感情を分けて伝えること、そして改善に向けた具体的な提案を含めることです。また、部下の立場や状況にも配慮し、対話の姿勢を持つことが信頼関係の構築につながります。

たとえば、以下のような表現が典型的なNG例とOK例です。

NG例:
「なんでいつも報告が遅いんだ?やる気がないのか?」
→感情的で断定的な表現になっており、部下のモチベーションを下げ、反発を招く可能性があります。

OK例:
「報告が予定より2日遅れたことで、全体の進行に少し影響が出ました。私は少し不安を感じました。次回は、進捗が遅れそうな時点で一度相談してもらえると助かります。」
→事実を冷静に伝え、自分の気持ちを主語にして表現し、具体的な改善策を提案しています。

部下から上司

部下が上司に報告する際にも、アサーティブ・コミュニケーションを活用することで、誤解を避けつつ信頼関係を築くことができます。

ポイントは、事実を正確に伝えること、自分の意見や懸念を率直に述べること、そして相手の立場にも配慮しながら対話を行う姿勢を持つことです。特に、ミスや課題を報告する場面では、責任逃れをせず、解決策とともに伝える姿勢が重要です。

たとえば、以下のようなやり取りが典型例です。

NG例:
「ちょっと失敗しちゃって…でも他の部署の対応も悪かったんです。」
→責任の所在が曖昧で、言い訳がましい印象を与えます。信頼を損なう原因になりかねません。

OK例:
「○○の納期が遅れてしまい、申し訳ありません。原因は私の確認不足によるものでした。今後はWチェック体制を設けることで、再発防止を図りたいと考えています。」
→事実を簡潔に伝え、自分の責任を認めた上で改善案を提示しており、誠実で前向きな印象を与えます。

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まとめ

アサーティブ・コミュニケーションは、相手との信頼関係を築きながら、自分の考えや感情を適切に伝える有効な手法です。職場での報連相やフィードバック、人間関係の改善にも役立ちます。率直・対等・誠実・自己責任という4つの柱を意識し、日々の対話に取り入れてみましょう。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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