
チームビルディング研修とは何?目的や内容・実施事例を徹底解説
チームの成果が伸び悩む背景には、スキル不足だけでなく、メンバー間の関係性やコミュニケーションに課題が潜んでいることも少なくありません。こうした課題に有効なのが「チームビルディング研修」です。
チームの関係性の質を高め、個々の力を成果につなげるためのアプローチとして、多くの企業がチームビルディング研修を導入しています。本記事では、チームビルディング研修の概要や目的、代表的な研修形式やプログラム例、メリットや成功させるためのポイントなどについて解説します。
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チームビルディング研修とは?
チームビルディング研修とは、組織やチームが成果を最大化するために、メンバー間の関係性やコミュニケーションを強化する研修です。共通の目標理解や相互理解を深め、メンバー同士が信頼関係を築くことで、チームとして力を発揮できる状態を目指します。一時的な関係改善に終わらせるのではなく、組織成果の向上につながる長期的な行動変容を促すのがチームビルディング研修の特徴です。
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チームビルディングとは?目的と段階ごとのプロセス、取り組み内容等について解説!
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チームビルディング研修を実施する目的
チームビルディング研修は、組織が継続的に成果を上げるための土台づくりです。主な目的は、「チームの関係性の質を高めること」と「リーダー層にチームづくりのスキルを定着させること」の2点に集約されます。
チームビルディング研修の実施目的①チームの関係性の質の向上
チームにおける「関係性の質」とは、メンバー同士がお互いを理解し、信頼し、安心してコミュニケーションを図れる状態のことです。組織としての成果は、個人の能力・スキルだけでなく、関係性の質に大きく左右されます。関係性の質が高いチーム・低いチームでは、次のような違いが生まれます。
関係性の質が高いチーム
・意見やアイデアが活発に出され、意思決定が早い
・誰かが困っているときに自然と助け合いが生まれる
・課題やミスが早期に共有され、改善につながる
・チームへの貢献意欲が高く、主体的に行動する
関係性の質が低いチーム
・発言が偏り、沈黙や遠慮が多い
・情報共有が滞り、認識のズレが頻発する
・問題が表面化せず、トラブルが拡大しやすい
・「自分の仕事だけやる」という姿勢が強く、連携が弱い
・メンバーの離職リスクが高い
●日常業務では「無意識の壁」が生まれがち
日常業務では役割や立場が固定化されやすく、他のメンバーの考え方や価値観まで深く知る機会は多くありません。そのため、誤解や思い込みが生じ、「無意識の壁」が生まれてしまうケースもあります。チームビルディング研修は、業務から一歩離れた体験や対話を通じて、無意識の壁を取り払う場となります。
●チームビルディング研修で「関係性の質」を高める
チームビルディング研修では、共同作業や対話型ワークを通じてメンバーの相互理解を促進します。お互いの背景や強みを知ることで信頼関係が深まると、心理的安全性も向上します。その結果、業務において建設的なコミュニケーションが生まれやすくなります。
●チームビルディング研修で発見・理解できること
・メンバーそれぞれの強み・得意分野
・仕事に対する価値観や考え方の違い
・無意識に生じている役割の偏り
・チーム内のコミュニケーション課題
・お互いに期待していること、求めていること など
チームビルディング研修の実施目的②リーダー層のチームビルディングスキルの定着
チームの関係性や成果は、リーダーの関わり方によって大きく左右されます。リーダー層のチームビルディングスキルが不足していると、一時的に良好な関係性ができても、異動や環境変化によって関係性が悪化してしまうことも少なくありません。だからこそ、リーダー自身がチームビルディングスキルの重要性を認識し、日常のマネジメントで継続的に発揮できる状態をつくることが重要です。
リーダー層向けにチームビルディング研修をおこなうことで、経験や勘に頼らない、再現性のあるチーム運営の土台をつくることができます。
●リーダー層向けチームビルディング研修で学べること
・チームの関係性の質を高める考え方と基本原則
・メンバーの意見を引き出すコミュニケーション手法
・心理的安全性を高める関わり方・言動
・チーム目標の設定と共有の進め方
・メンバーの強みを生かした役割分担・育成の視点 など
研修を受講したリーダーにチームビルディングスキルが定着することで、現場のマネジメントが安定し、継続的に成果を創出できる組織の基盤が整います。
チームビルディング研修の内容・プログラム例
チームビルディング研修の代表的な形式として、「ゲーム形式」「アウトドア形式」「合宿形式」「対話形式」「講座形式」を取り上げ、具体的なプログラムの例や向いているチーム、ポイント・注意点について解説します。
①ゲーム形式
ゲーム形式のチームビルディング研修は、簡単なゲームやワークを通じて、メンバー同士のコミュニケーションや協力関係を自然に引き出すのが特徴です。業務から離れた環境で共通の課題に取り組むことで、普段は見えにくい強みや思考特性が可視化され、相互理解の促進につながります。参加するハードルも低いため、チームビルディングの導入施策として多くの企業で活用されています。
●プログラムの例
・タワーづくりゲーム
紙コップや新聞紙、テープなどの限られた資材を使い、チームで相談しながら制限時間内にできるだけ高いタワーをつくるゲームです。「誰が設計をするのか」「誰が作業を進めるのか」といった役割分担が一つのポイントになります。また、途中での軌道修正が求められるため、リーダーシップやコミュニケーションの取り方も重要になってきます。
・ジェスチャーゲーム
出題者が身振り手振りでお題(動物・職業・スポーツなど)を出し、他のメンバーがそれを当てるゲームです。出題者は言語に頼らない伝え方が問われ、回答するメンバーは観察力や想像力が問われます。非言語コミュニケーションの重要性や「伝えたつもり」と「伝わった」の違いを体感できます。
・コンセンサスゲーム
「砂漠で遭難したら?」「宇宙船が不時着したら?」などの設定のもと、限られた選択肢の中からチームとして優先順位を決めるゲームです。個々の参加者が意見を持ち寄り、話し合いを通じて一つの結論にまとめるため、「意見の違いをどう調整するか」「どのように納得感のある合意形成をするか」といったプロセスを学べます。
●向いているチーム
・発足したばかりでメンバー同士の距離があるチーム
・コミュニケーションが不足しているチーム
・まずは気軽にチームビルディングを始めたいチーム
●ポイント・注意点
ゲーム形式のチームビルディング研修は「楽しかった」で終わってしまうリスクがあるため、必ず振り返りの時間を設け、業務とのつながりを言語化することが重要です。
②アウトドア形式
アウトドア形式のチームビルディング研修は、キャンプや野外アクティビティ、ウォーキングなど、屋外の非日常的な環境で実施するのが特徴です。オフィスを離れることで、業務上の役職や立場から一時的に解放され、自然体でのコミュニケーションが生まれやすくなります。協力しなければ成り立たない体験を通じてメンバー同士の信頼関係や一体感を高め、関係性の質の向上を目指します。
●プログラムの例
・キャンプ・共同作業体験
テント設営や食事準備、火起こしなどを分担しておこないます。限られた時間・資源の中で協力する必要があるため、自然と役割が分担され、助け合いが生まれます。業務では見えにくい主体性やリーダーシップ、周囲を支える行動が表れやすいプログラムです。
・ウォーキング対話
自然の中を歩きながら、少人数で対話をするプログラムです。オフィスで向かい合って話す場合に比べ、本音や率直な意見が出やすくなるのが特徴です。普段は話す機会の少ないメンバー同士の相互理解を深める場としても効果的です。
・チームチャレンジ型アクティビティ
宝探しやミッション達成型のアクティビティを通じて、チームで戦略を立て、協力しながら目標達成を目指します。情報共有や意思決定のスピード、連携の重要性を体感的に学べます。
●向いているチーム
・メンバーの関係性が固定化し、変化が生まれにくいチーム
・本音でのコミュニケーションが不足しているチーム
・一体感や信頼関係を強化したいチーム
●ポイント・注意点
アウトドア形式のチームビルディング研修は非日常性が高いぶん、体験そのものが目的化してしまうことがあるため注意が必要です。また、メンバーの体力差などに配慮し、全員が安心して参加できるプログラムを設計することが重要です。
③合宿形式
合宿形式のチームビルディング研修は、宿泊をともない、一定期間メンバーが同じ時間・空間を共有するのが特徴です。短時間の研修では難しい深い対話や複数のプログラムに取り組めるため、チームの課題や目指す姿にじっくり向き合うことができます。また、日常業務から離れた環境で過ごすことで相互理解が進み、関係性の質を一段階引き上げる効果も期待できます。
●プログラムの例
・チーム課題共有ワーク
チームの課題や理想の状態について意見を出し合い、共通認識を形成するワークです。時間をかけて対話することで、認識のズレや本質的な課題が明確になります。
・複合型プログラム
対話型ワークに、ゲーム要素やアウトドア要素を組み合わせて実施するプログラムです。体験と内省を繰り返すことで、学びを深めやすくなります。
・振り返り・行動計画策定
合宿の最後に今後の行動指針や役割を整理し、職場での実践につなげます。
●向いているチーム
・方向性を根本から見直したいチーム
・関係性や課題を短期間で集中的に改善したいチーム
・新体制や組織変革の節目にあるチーム
●ポイント・注意点
合宿形式のチームビルディング研修は拘束時間が長いため、目的を明確にしたうえで、内容にメリハリを持たせることが重要です。
④対話形式
対話形式のチームビルディング研修は、メンバー同士が意見や考えを言語化し、相互理解を深めることを主目的としています。ゲームやアクティビティのような非日常的な体験よりも、「話す」「聴く」など、コミュニケーションそのものに焦点を当てるのが特徴です。業務上の立場や役職を一旦脇に置き、お互いの価値観や考え方を尊重しながら対話をすることで、チームの関係性の質や心理的安全性の向上を目指します。
日常業務では、結論や効率を優先するあまり、背景にある考えや感情まで共有する機会は多くありません。その結果、認識のズレや誤解が生まれてしまうことがあります。対話形式のチームビルディング研修は、こうした見えにくいズレを可視化し、チームの土台を整えるのに役立ちます。
●プログラムの例
・ワールドカフェ
カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数グループをつくり、テーマに沿って対話をするプログラムです。一定時間ごとにメンバーを入れ替えながら話し合うのも特徴で、多様な視点・意見に触れることができます。一人ひとりの考えを受け止める姿勢が醸成され、チーム全体の理解や共感が深まります。
・診断ツールを用いた対話
性格特性や強み、思考傾向などを可視化する診断ツールを活用し、その結果をもとに対話をするプログラムです。自分自身を客観的に理解すると同時に、他者との違いを認識することで、「なぜ意見が食い違うのか?」「どのように役割分担すればいいか?」といった気づきを得られます。
・コンセンサス形成ワーク
チームで一つの結論を導き出すために議論を重ねるプログラムです。個々の意見を出し合い、違いを調整しながら合意形成を進めるプロセスを通じて、建設的な話し合いの進め方を学ぶことができます。
●向いているチーム
・本音の意見交換ができていないチーム
・価値観や認識のズレが業務の停滞を招いているチーム
・心理的安全性を高めたいチーム
●ポイント・注意点
対話形式のチームビルディング研修は、発言が多いメンバーと少ないメンバーの差が出やすいため、全員が均等に参加できる工夫が欠かせません。また、目的やテーマが曖昧だと雑談に終始してしまうおそれがあります。場のルールを明確にしたうえで、対話を深める問いを適切に投げかけるファシリテーターの役割が重要になります。
⑤講座形式
講座形式のチームビルディング研修は、チームづくりに必要な考え方やスキルを体系的に学ぶことを目的とした研修です。体験型の研修と異なり、理論やフレームワークを中心に学ぶことで、チームビルディングに対する共通言語や判断基準をチーム内に定着させます。特に、リーダーや管理職がチーム運営の土台を学ぶ場として有効です。
●プログラムの例
・チームビルディングの基礎理論
チームの成長段階や関係性の質、心理的安全性など、チームづくりの基本を学びます。基礎理論を理解することで、自チームの現状を客観的に捉えられるようになります。
・コミュニケーション・マネジメント講座
メンバーの意見を引き出す問いかけや対話の進め方、フィードバックの方法などを学びます。日常のマネジメントに直結する内容です。
・ケーススタディ
実際の職場を想定した事例をもとに、「メンバーとどう関わるべきか?」を考えます。知識を行動に結びつける訓練として効果的です。
●向いているチーム
・チームビルディングの基本を体系的に学びたいチーム
・リーダーのマネジメント力を強化したいチーム
●ポイント・注意点
講座形式のチームビルディング研修は、学びを実務にどう生かすかを考える時間を設けることが重要です。ディスカッションや振り返りを組み合わせることで、より理解が深まり、行動変容につながりやすくなります。
チームビルディング研修を実施するメリット
チームビルディング研修の大きなメリットとしては、「メンバー間の相互理解が深まる」「コミュニケーションが活性化する」「信頼関係と一体感が高まる」「心理的安全性が向上する」「チームのパフォーマンスが向上する」の5点が挙げられます。
メンバー間の相互理解が深まる
チームビルディング研修のメリットの一つが、メンバー間の相互理解を深められることです。日常業務では、自分の業務や役割に基づいたやり取りが中心になり、他のメンバーの価値観や考え方、仕事に対するスタンスを理解する機会は多くありません。そのため、「なぜその意見が出てくるのか分からない」「考え方が合わない」といったすれ違いも生まれやすくなります。
このような課題に効果的なのが、対話形式やゲーム形式のチームビルディング研修です。対話形式のチームビルディング研修は、業務から一歩離れて意見や思いを言語化することで、各メンバーの価値観や判断の背景を共有できます。ゲーム形式のチームビルディング研修は、共同作業を通じて行動特性を把握できるため、各メンバーの強みや考え方を理解するきっかけになります。
業務上の立場や先入観を外して相手を知ることで、単なる情報共有では得られない深い相互理解が生まれ、協力しやすい関係性を構築できるのは、チームビルディング研修の大きな利点だと言えるでしょう。
コミュニケーションが活性化する
チームビルディング研修のメリットとして、コミュニケーションが活性化することも挙げられます。日常業務では、どうしても必要最低限の情報共有や結論重視のやり取りが中心になるため、「相談しづらい」「意見を言いにくい」などと感じることは少なくありません。
その結果、情報伝達の遅れや認識のズレが生じ、業務効率やチームの雰囲気に悪影響を及ぼすことがあります。
このような課題に効果的なのが、ゲーム形式やアウトドア形式、対話形式のチームビルディング研修です。ゲーム形式・アウトドア形式のチームビルディング研修では、共通の体験を通じて自然な会話が生まれるため、普段あまり話さないメンバー同士でも距離を縮めることができます。
対話形式のチームビルディング研修では、意図的に発言の機会が設けられるため、一部のメンバーに偏らず、全員がコミュニケーションに参加しやすくなります。
チームビルディング研修によってコミュニケーションが活性化したチームは、業務における情報共有がスムーズになり、ちょっとした疑問や違和感を早期に共有・解決できるようになります。
信頼関係と一体感が高まる
チームビルディング研修のメリットの一つが、メンバー間の信頼関係や一体感を高められることです。日常業務では、それぞれが自分の業務に集中するあまり、チームとしての「つながり」を実感しにくくなることがあります。
その結果、「困っていても頼りづらい」「チームとしてまとまっていない」といった状態に陥りやすくなります。
このような課題に効果的なのが、アウトドア形式や合宿形式、ゲーム形式のチームビルディング研修です。研修で共同作業をしたり、非日常的な体験を共有したりすることで、自然と助け合いや声かけが生まれるようになります。また、成功や失敗を共有することは「同じチームで取り組んでいる」という意識を強くします。
チームビルディング研修によってメンバー間の信頼関係が醸成されると、お互いに支え合う関係が生まれ、連携がスムーズになり、チームとしての一体感が高まります。
心理的安全性が向上する
チームビルディング研修のメリットとして見逃せないのが、心理的安全性が向上することです。心理的安全性とは、立場や経験に関係なく、自分の意見や疑問、失敗を安心して共有できる状態のことを言います。
チームによっては、「周囲に否定されるのではないか」「評価が下がるのではないか」といった不安からメンバーが発言を控えてしまうことがあります。その結果、課題やリスクが表面化せず、問題が深刻化するケースも少なくありません。
こうした課題に効果的なのが、対話形式やゲーム形式、合宿形式のチームビルディング研修です。対話形式のチームビルディング研修では、お互いの考えを尊重して聴く姿勢を学ぶことができ、安心して発言できる土壌が育まれます。
ゲーム形式・合宿形式のチームビルディング研修では、失敗や試行錯誤を共有する場面が多く生まれ、「失敗しても大丈夫」という共通認識をチーム内に醸成しやすくなります。
チームビルディング研修によって心理的安全性が高まると、変化にも柔軟に対応できるようになり、持続的に成長するチームの基盤が整います。
チームのパフォーマンスが向上する
チームビルディング研修の最終的な成果として期待されるのが、チーム全体のパフォーマンスが向上することです。個々のメンバーがどれだけ優れたスキルを有していても、連携が取れていなければチームとして成果を最大化することはできません。
情報共有の不足や認識のズレ、協力意識の低さは、業務の停滞やミスの原因となり、チームの生産性低下を招きます。
このような課題に効果的なのが、合宿形式や対話形式、講座形式を組み合わせたチームビルディング研修です。合宿形式の研修では、集中的にチームの課題や目標を共有することで方向性がそろい、対話形式の研修では意思決定や連携の質が高まります。また、講座形式の研修で理論や考え方を学ぶことで、行動に再現性が生まれ、日常業務に生かしやすくなります。
チームビルディング研修を通じて、相互理解や信頼関係、心理的安全性が高まると、一人ひとりのメンバーが主体的に行動するようになり、安定的に成果を出せるチームへと生まれ変わります。
チームビルディング研修を実施する際のポイント
チームビルディング研修の効果を高めるためには、「目的を明確にする」「ファシリテーションの質を担保する」「振り返りの時間を設ける」という3点を徹底することが重要です。
目的を明確にする
チームビルディング研修を成功させるうえでもっとも重要なのが、研修の目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま実施すると、参加者に、単なるイベントやレクリエーションとして受け取られてしまう可能性があります。
そうなると、「楽しかった」で終わってしまい、業務での行動変容は期待できません。
チームビルディング研修を企画する際は、「相互理解を深めたい」「コミュニケーションを活性化したい」「チームの方向性をそろえたい」など、解決したい課題や実現したい状態を明確にすることが重要です。目的が定まれば、適切なプログラム・形式を選びやすくなります。
加えて、参加者に事前に目的を共有することも欠かせません。研修の狙いや期待する成果を理解したうえで参加することで、研修での学びを現場での行動変容につなげやすくなります。
ファシリテーションの質を担保する
チームビルディング研修の成果を大きく左右するのが、ファシリテーションの質です。適切なファシリテーションができていないと、たとえば、発言力のある一部のメンバーが中心になり、他のメンバーは受け身に回るなど、偏りが生まれてしまいます。
また、議論の目的や論点が整理されないまま進行すると、話題が拡散し、「結局何が言いたかったのか分からない」「雑談で終わってしまった」ということにもなりかねません。これでは、研修で得た学びを業務に生かすことはできません。
ファシリテーターの役割は、全員が安心して参加できる場をつくり、発言の偏りを調整しながら対話を深めることにあります。さらに、研修をその場限りの体験で終わらせず、「学んだことをどのように業務に生かすのか」を言語化することが重要です。
チームビルディング研修には、適切な問いかけと振り返りを通じて参加者の気づきを促し、行動変容へと導くファシリテーターの存在が不可欠です。
振り返りの時間を設ける
チームビルディング研修を一過性の取り組みで終わらせないためには、研修後に振り返りの時間を設けることが重要です。研修で得た気づきや学びも、言語化しなければ時間とともに薄れてしまいます。
そのため、研修後には「何に気づいたのか」「チームとして何を変えたいのか」といった点を整理する時間を設けましょう。
次に、整理した気づきを具体的な行動に落とし込みます。たとえば、コミュニケーション不足が課題だと分かった場合には、「定例会議で全員が一度は発言する」「雑談の時間を意識的につくる」といった行動が考えられます。
相談しづらい雰囲気が課題であれば、1on1の実施や声かけのルール化などを検討するのがいいでしょう。
さらに、研修から一定期間を置いた後に再度振り返りの機会を設け、実践状況を確認することで行動の定着を促すことができます。
チームビルディング研修の選び方
チームビルディング研修を選ぶ際に重要なのは、「どの研修が流行っているか」ではなく、「自社や自チームの課題に合っているか」です。課題が、関係性の改善なのか、コミュニケーションの活性化なのか、あるいはリーダー層のマネジメント力強化なのかによって、最適な研修プログラムや研修形式は変わってきます。
当然のことですが、目的にフィットしない研修を選んでしまうと期待した効果は得られません。
チームビルディング研修を選ぶ前提として、自社・自チームの課題を整理しておきましょう。具体的には、次のようなポイントを明確にすることが重要です。
・チーム内でどのような問題が起きているのか
・その問題の原因はどこにあると考えられるか
・研修後、チームをどのような状態にしたいのか
・理想の状態を実現するために、どのような行動変容を促したいのか
チームビルディング研修を実施するなら外部研修サービスの活用もおすすめ
チームビルディング研修を実施する際は、外部の研修サービスの活用も検討してみましょう。内製で企画・運営することも可能ですが、専門的な知見やファシリテーションの経験が不足していると、研修が形骸化したり、期待した効果を得られなかったりするケースもあります。
外部の研修サービスを活用する最大のメリットは、客観的な視点から自社やチームの課題を整理し、目的に合った研修プログラムを設計してもらえる点にあります。
研修当日は、豊富な実績と専門性を備えたファシリテーターが進行してくれるので、社内の力関係や慣例に左右されることなく、全員が安心して参加できる場をつくることができます。その結果、研修の効果をより高めることが可能です。
また、研修の設計から実施、振り返りまでを一貫して任せられるので、担当者の負担軽減にもつながります。
チームビルディング研修の実施事例
チームビルディング研修の事例をご紹介します。チームビルディング研修は、実施すれば効果が出るものではなく、目的設定やプログラム設計次第で成果に大きな差が生まれます。チームの課題や対象者に合った研修を設計することが重要です。
事例1:ゲーム形式+対話形式(半日)
●目的
同一部門内におけるコミュニケーションの偏りや認識のズレを解消し、メンバー間の相互理解と信頼関係を高める。立場や役割の違いを越えて安心して意見を交わせる状態をつくり、日常業務における連携力と主体性の向上につなげる。
●対象者
同一部門に所属するメンバー約20名(一般社員・リーダー層混在)
●プログラムの形式・内容
本研修は、ゲーム形式と対話形式を組み合わせて実施する。前半では、タワーづくりやコンセンサスゲームなどの体験を通じて、メンバー間の役割分担やコミュニケーションの特徴を可視化する。後半では、体験を振り返りながら対話をおこない、各メンバーの強みや価値観、期待することを共有する。最後に、研修で得た気づきを業務にどう生かすかを整理し、チームとしての行動指針を明確にする。
●タイムテーブル
13:00〜13:20 オリエンテーション・目的共有
13:20〜14:30 体験ワーク
14:30〜14:40 休憩
14:40〜16:00 振り返り・対話型ワーク
16:00〜16:40 業務への落とし込み・行動整理
16:40〜17:00 まとめ・共有
事例2:合宿形式
●目的
新任管理職および次世代リーダー候補が、成果を出すチームづくりの考え方を体系的に学び、リーダーとしての関わり方を見直すことを目的とする。日常業務から離れた環境での体験・対話を通じて、チームの関係性の質を高めるマネジメントスキルの定着を図る。
●対象者
新任管理職、次世代リーダー候補(10〜15名)
●プログラムの形式・内容
本研修は合宿形式で実施し、講義・対話・体験を組み合わせた複合型プログラムとする。1日目はチームビルディングの基本概念や心理的安全性について理解を深めたうえで、ケーススタディや対話型ワークをおこない、リーダーとしての課題を言語化する。2日目は、チーム運営を想定したシミュレーションワークと振り返りを通じて、自身の行動の改善点と今後の実践アクションを明確にする。
●タイムテーブル
【1日目】
13:00〜14:00 オリエンテーション・講義
14:00〜17:30 ケーススタディ・対話型ワーク
【2日目】
9:00〜11:00 チーム運営シミュレーション
11:00〜12:00 振り返り・行動計画策定
よくある質問
チームビルディング研修の費用はいくらかかりますか?
チームビルディング研修の費用は、研修の時間や参加人数のほか、外部の研修サービスを活用するかどうかによって大きく変わってきます。社内で実施する場合は数万円程度から可能ですが、外部の研修サービスを活用する場合は半日で20万円~50万円程度、1日~合宿型では50万円~150万円程度が目安となります。プログラムのカスタマイズやファシリテーターの人数、会場費や宿泊費などによっても変動するため、予算を整理したうえで見積もりを取ることが重要です。
チームビルディング研修はどのような企業・チームに向いていますか?
チームビルディング研修は、メンバー間の連携やコミュニケーションに課題を感じている企業・チームに向いています。チーム結成直後で関係性が浅い場合や、部署間・世代間の認識のズレが生じている場合などは特に効果的です。また、リモートワークの増加によってコミュニケーションが減っているチームや、「自分の仕事はきちんとするけど、周囲のメンバーの仕事には無関心」など、一体感や協力姿勢が不足しているチームにも適しています。
チームビルディング研修はオンラインでも実施できますか?
はい、チームビルディング研修はオンラインでも実施可能です。たとえば、対話形式のワークショップであれば、Web会議ツールのブレイクアウト機能を活用することで、少人数での意見交換や相互理解を促すことができます。拠点が分散している企業や在宅勤務が多いチームにとって、オンラインでのチームビルディング研修は有効な手法だと言えるでしょう。
一方で、身体を使った体験型プログラムには不向きで、偶発的なコミュニケーションが生まれにくいという側面もあります。
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まとめ
チームビルディング研修は、メンバー間の相互理解や信頼関係を深め、チームとして安定的に成果を出すために不可欠な取り組みです。研修を成功させるためには、自社やチームの目的・課題に応じてプログラムを選定し、適切なファシリテーションと振り返りをおこなうことが重要です。外部の研修サービスを活用すれば、専門的な知見や高度なファシリテーションを取り入れることができ、研修効果をさらに高めることができるでしょう。




