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【前編】ベストモチベーションカンパニーアワード2022(大手)レポート SBCメディカルグループ 経営理念「究極の三方良し」を徹底して浸透させることでエンゲージメント向上を実現

「ベストモチベーションカンパニーアワード」は、リンクアンドモチベーションが毎年開催している、エンゲージメントスコア(社員の会社に対する共感度合いを表す指数)が高い企業を表彰するイベントです。

2022年度も「大手企業部門」「中堅・成長ベンチャー部門」の2部門制で表彰をおこないました。今年度、「大手企業部門」受賞企業のなかでも、特にエンゲージメントスコアが高く、かつこれまでのスコアの変化度合いが大きい2社をゲストにお招きしてトークセッションを開催。SBCメディカルグループから人事部長の峠ヶかおり氏と、東京海上日動火災保険株式会社から人事企画部長の守山聡氏にご登壇いただき、「モチベーションカンパニーづくりの秘訣とは」をテーマにお話しいただきました。

【イベント実施日】
2022年3月10日

【スピーカープロフィール】
・SBCメディカルグループ 人事部長 峠ヶ かおり 氏
・東京海上日動火災保険株式会社 人事企画部長 守山 聡 氏
・株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役社長 坂下 英樹

【モデレーター】
・株式会社リンクアンドモチベーション 近藤 俊弥

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組織の急拡大により、スタッフの目的意識にばらつきが生じていた

リンクアンドモチベーション 近藤:はじめに、ご登壇いただくSBCメディカルグループ様より簡単に会社紹介をいただければと思います。峠ヶ様、お願いします。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:私ども、SBCメディカルグループは湘南美容クリニックという美容外科、美容皮膚科、歯科などを中心に国内外に114院のクリニックを展開している医療グループでございます。美容クリニックとしては日本一の規模になりますが、今後、世界一お客様の多い医療グループを目指して事業を推進しております。創業は2000年で、間もなく22年目を迎える若い企業ではありますが、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

リンクアンドモチベーション 近藤:では、モチベーションクラウドを導入した背景、ないしはエンゲージメントに注力し始めたきっかけをお伺いできますでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:弊社では、普段から様々な指標を数値化して目標を定め、ゴールから逆算するという行動指針を徹底しています。弊社は「究極の三方良しを実現する」という経営理念を掲げ、お客様、社会、スタッフに向き合っているのですが、お客様に関してはNPS(※)を指標にして、一流のサービスを提供しているリッツ・カールトンと同じスコアを目指すという明確な目標を持っています。

※NPS:Net Promoter Scoreの略で、顧客ロイヤルティを測る指標のこと

一方で、エンゲージメントに関しては、様々な取り組みをおこなっていたものの明確な指標がありませんでした。そこで、エンゲージメントを測る指標としてモチベーションクラウドを導入させていただいたという流れがあります。

導入当時は、弊社が急拡大している真っ最中で、スタッフの目的意識にばらつきが生じ始めていた時期でした。2019年は1年間で25院ものクリニックが増え、スタッフは1,500名から4,500名になり、入社年次の浅い社員の比率が上がってきました。同時にお客様も増えていましたので、技術教育や接客、施術に追われてしまって、それまで濃く・深く浸透していた理念が薄まってきたというのが、導入当時の背景としてありました。

発信や勉強会を通して会社の考え方を浸透させた

リンクアンドモチベーション 近藤:では、本題に入っていきたいと思います。エンゲージメント向上に向けた取り組みについて、ご紹介いただけますでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:我々がこだわったのは発信です。実は、エンゲージメントスコアが一度、ガクッと落ちてしまうタイミングがありました。そのときは、ちょうど消費税が増税されたタイミングで、弊社は駆け込み需要の恩恵を受けたのですが、当然その翌月は反動が出てきます。代表の相川は毎月月初にスタッフにメッセージを送っているのですが、そのときは、いつものようなスタッフを鼓舞するような内容ではなく、増税の反動について触れていました。

すると、スタッフが不安を覚え、直後におこなわれたサーベイでも会社基盤に関するスコアが低下し、全体のスコアも下がってしまったんです。このときは、トップメッセージの影響力に驚かされましたが、同時に、ポジティブな発信だったら逆の現象を起こすことができるはずだという気付きも得られました。ですから、それ以来、発信にはこだわって取り組んでいます。

医療業界である弊社はドクターを中心とした組織なので、まずドクターを巻き込むために、エンゲージメントをリードする「エンゲージメントドクター」というポジションを設け、エンゲージメントドクターからの発信をおこないました。また、「ES係」を設置して、ESとエンゲージメントの違いを学ぶ勉強会や理念についてディスカッションする理念勉強会、「うちの会社はこういうことをやっているんだよ」という会社領域に関する説明会などをおこなっています。加えて、エンゲージメントスコアが低いクリニックには個別の訪問もしています。

リンクアンドモチベーション 近藤:ありがとうございます。「ES係」というキーワードがありましたが、ES係の方は各院にいらっしゃるのでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:そうですね。ES係は役職者が務めるわけではなく、職種を問わず、スタッフのなかから選ばれています。ES係の取り組みは各院に任せているのですが、朝礼をしているクリニックがあったり、勉強会をおこなっているクリニックがあったりと様々です。

エンゲージメントの向上が生産性の向上につながった

リンクアンドモチベーション 近藤:非常にチームワークが良く、スピーディーに仕事をされていると感じたのですが、これができるポイントはどんなところにあるのでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:美容クリニックには、ものすごくたくさんのメニューがあります。たとえば、二重術だけでも5~6種類あり、スタッフは施術方法をすべて覚えなければいけません。奈良院は1日に90~150人ものお客様がいらっしゃる医院で、ドクターは1日に15件くらいのオペをしています。ドクターは部屋から部屋へ移動し、その間ナースは準備をして、カウンセラーはお見積もりやお会計、お見送りやお出迎えをするなど、スタッフ同士がインカムを使いながら複雑なローテーションを回しています。

奈良院の院長はこの時間を1秒でも縮めるというスピード感を求めていましたので、チームワークは非常に重要でした。それを実現するために技術や知識の習得はもちろん、様々なことに耳を傾けて、奈良院のあのようなチームワークができあがっていったのだと思います。前提として、普段の人間関係ができていないとイラッとしてしまうときもあるじゃないですか。そういった要素を徹底して削ぎ落とした、SBCのなかでも究極のチームが奈良院だと思っています。

経営理念である「究極の三方良し」がスタッフに浸透している

リンクアンドモチベーション 近藤:各現場にES係のような責任者を置くことはできると思いますが、「やらされ感」から形骸化してしまうことも少なくないと思います。そうならないように工夫していることはありますか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:経営理念である「究極の三方良し」を徹底していますので、スタッフ一人ひとりがCS、ES、そして社会をおろそかにしてはいけないというプライオリティを自覚できていると思います。スタッフ同士の普段の会話のなかからも、「これは、三方良しになってないよね」といった話が自然と出てきますし、行動指針について話したり、そういったことが当たり前におこなわれる組織状態になっています。

リンクアンドモチベーション 坂下:三方良しって意外と難しくて、効率を追求するのってどちらかと言うと自社都合だったりするわけです。それでも、CSとES、どちらかを大事にするのではなく、両方大事にして両立されているのが素晴らしいなと思いました。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:ありがとうございます。そこに関しては「先客後利」というのも弊社が大事にしている言葉です。まずお客様を大事にすること、そうすれば利益は後から付いてくるという考え方も根付いていると思います。

世界一を目指し、技術・知識を磨き続けられる人材を育成する

リンクアンドモチベーション 近藤:最後の質問になりますが、今後の展望と、そこに向けた組織的なテーマについてお伺いしたいと思います。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:弊社は、日本一の美容クリニック数を誇る会社ではありますが、目指しているのは、世界一お客様の多い医療グループです。そこに向けてステップアップしていく際には、新事業の創出や多角化が進むと思っています。そうなると、今我々が集中して勉強している医療の他にも、新しい技術・知識が必要になってくるはずです。一人ひとりのスタッフの成長が会社の成長につながると確信して、医療以外のところでも技術・知識を磨き続けられる人材の育成が大きなテーマになっていくと考えています。

そのためには、エンゲージメントの向上が欠かせません。小さなことからですが、ES係の活動は引き続き重要だと考えています。今は一般社員がES係に就いていますが、役職者に比べて一般社員は横のつながりがつくりにくいので、今後は横方向で情報提供・情報交換が促進されるような場を設けようと思っています。これにより、良い取り組みがスムーズに共有され、各院・各組織が自立してES活動を進められるようにしていきたいですね。

リンクアンドモチベーション 近藤:ありがとうございます。いくつかご質問をいただいておりますので、紹介させていただきます。「エンゲージメントの低い組織に介入していく際は、嫌がられることもあると思います。そのときに注意しているポイントがありましたら教えてください」というご質問をいただいています。峠ヶ様、いかがでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:先日、ちょうどエンゲージメントの低いクリニックを訪問してきました。エンゲージメントスコアで言うとCだったでしょうか。組織偏差値は40点台のクリニックです。そのときに私が心がけているのは、まず「説教をしに来たのではない」というお話をさせていただいて、悲観することはないといった寄り添いから始めています。最初はみんな構えていますので、リラックスしてフラットに話せる状態をつくるようにしています。

また、何人かのスタッフと話をするなかで、「この人は特にクリニックを良くしたいと思っている」というスタッフを探すようにしています。そして、そのスタッフに対して組織改善のヒントを与えてくるのが、私のやり方です。実際に、ちょっとしたきっかけを与えるだけで組織が変わるケースは多々あります。

リンクアンドモチベーション 近藤:「具体的にどのような体制でエンゲージメント向上の取り組みをしているのですか?」というご質問もいただいています。こちらはいかがでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:私どもの場合、先ほども申し上げましたとおり、各院にES係がいます。各院におけるESの責任者は院長や主任なのですが、牽引役になるのがES係です。クリニックの規模に合わせて1~2名のES係を置いて、エンゲージメントの向上に努めてもらっています。

リンクアンドモチベーション 近藤:ありがとうございます。「研修というキーワードが出てきましたが、実際にどのような研修をしているのですか?」というご質問もいただいています。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:弊社の場合、入社した初日・2日目に半日かけて理念研修をおこなっています。また、弊社は理念のなかに15個の行動指針があるのですが、月に1回、理念勉強会という形で行動指針についての理解を深めています。

チェックリストの運用もしています。「こういう行動をするといいよね」というチェックリストがあり、チェックリストに関する勉強会もマネジャーや主任向けにおこなっています。その他、年に1~2回、全国の主任が集まる会議でエンゲージメントの勉強会をおこなったり、各種の動画コンテンツなど、結構たくさんの研修メニューがありますね。

リンクアンドモチベーション 近藤:ありがとうございました。


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