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【後編】ベストモチベーションカンパニーアワード2022(中堅・成長ベンチャー)レポート 株式会社ノースサンド 人間力で勝負するコンサル会社として社員のエンゲージメント向上は必須

「ベストモチベーションカンパニーアワード」は、リンクアンドモチベーションが毎年開催している、エンゲージメントスコア(社員の会社に対する共感度合いを表す指数)が高い企業を表彰するイベントです。

2022年度も「大手企業部門」「中堅・成長ベンチャー企業部門」の2部門制で表彰をおこないました。今年度、「中堅・成長ベンチャー企業部門」受賞企業のなかでも、特にエンゲージメントスコアが高く、かつこれまでのスコアの変化度合いが大きい2社をゲストにお招きしてトークセッションを開催。株式会社ジリオン、代表取締役社長の吉田裕司氏と、株式会社ノースサンド、代表取締役社長の前田知紘氏にご登壇いただき、「エンゲージメント向上の秘訣」をテーマにお話しいただきました。

【イベント実施日】
2022年3月10日

【スピーカー】
・株式会社ジリオン 代表取締役社長 吉田 裕司 氏
・株式会社ノースサンド 代表取締役社長 前田 知紘 氏
・株式会社リンクアンドモチベーション 常務執行役員 川内 正直

【モデレーター】
・株式会社リンクアンドモチベーション 田中 允樹

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人間力を最大の強みにするコンサルティング会社、株式会社ノースサンド

リンクアンドモチベーション 田中:続いてご登壇いただく株式会社ノースサンド様について、私から代表の前田様のご経歴、および会社の概要を紹介させていただきます。

前田様は、システムエンジニアやITコンサルタントとして働かれた後、2015年にコンサルティング会社、株式会社ノースサンドを設立されました。ビジネスコンサルティングはもちろん、ITコンサルティングや新規事業の立ち上げなども支援されており、ここ数年で急成長を遂げている企業様です。

ノースサンド様のこれまでのエンゲージメントスコアと従業員数の推移をスライドでご紹介します。

直近1年間で従業員数が50名ほど増えていますが、エンゲージメントスコアはかなり高い水準を維持されています。

人間力を競争力に変えるべく、エンゲージメント向上に注力

リンクアンドモチベーション 田中:はじめに、ノースサンド様がエンゲージメント向上に注力した背景ですが、「競争が激化するコンサル業界の中で人間力が優位性になるから」というアンサーをいただいています。この点について詳しくお伺いできますか。

ノースサンド 前田氏:コンサル業界では、スキルを重視するというのが一般的な考え方ですが、今のコンサル業界は大手から我々のようなベンチャー企業までがしのぎを削っている状況です。そのなかで、どうやって差別化できるのか、どうやって付加価値をもたらすことができるのかと考えたときに、やはり我々が出せるのは人間的な力じゃないかなと思ったんです。社員の人間力を競争力に変えていこうということで、社員のエンゲージメント向上に注力するようになりました。

社員の士気を上げるには、自社のファンになってもらうことが大事

リンクアンドモチベーション 田中:組織づくりにおいて、「ノースサンドのファンを社内に増やすこと」にこだわっていると伺いました。この点についても詳しくご説明いただいてよろしいでしょうか。

ノースサンド 前田氏:私が組織運営においてもっとも重要だと思っているのが、社員の士気を上げることです。会社でも部署でも小さい単位のチームでも、士気を上げることは重要です。士気を上げるためには、何か「こうやるぞ」と言ったときに、一人ひとりの社員がそれを自分ごととして捉えられるようになっていなければいけません。

そのためには、やはり社員が会社のことを好きであることが大切です。社内に「ノースサンドが大好きだ」というファンを増やしていければ、何事も自分の責任で考え、「こうしたら良くなるのではないか」といった改善提案もどんどん生まれてくると思っています。

リンクアンドモチベーション 田中:コンサルティングファームの場合、「士気とかファンとか面倒くさい」と感じる方もいそうですが、そのようなことはありませんか。

ノースサンド 前田氏:我々は2019年に「8 Rules」という理念を制定しました。それまでは、とにかくスキルを高めれば勝てるんだという考えの社員もいましたが、理念を確立してからは、たとえば「ファンを増やしていこう」というようなことを言ったときに、それに共感してくれる社員が増えてきたなと思っています。

リンクアンドモチベーション 田中:「8 Rules」というキーワードが出てきましたが、詳しくご説明いただいてもよろしいでしょうか。

ノースサンド 前田氏:「8 Rules」というのは、ノースサンドが大切にしている8個のルールのことです。内容はスキルに寄ったものではなく、当たり前のことを当たり前に言っているだけなのですが、これが完璧にできている社員は私も含めていないと思っています。ですから、みんなで意識していこうという意味で「8 Rules」を掲げています。

「8 Rules」の内容は、前職で私が現場に出ていたときに重要だなと思っていたことです。我々はコンサルティング会社ですから、やはりスキルは不可欠です。スキルをベースにして、そこに付加価値を乗せていくためには、「8 Rules」にあるような人間的な力を高めていく必要があると考えて明文化したという流れがあります。

社員の交流や共有、成長を促す様々な取り組み

リンクアンドモチベーション 田中:具体的な取り組みの一つとして、「オフィスへのこだわり」を挙げていただきました。クライアント常駐の仕事なので、社員が帰ってきたくなるようなオフィスをつくったと伺っています。

ノースサンド 前田氏:昨年(2021年)の12月、コロナ禍のなかでオフィスを移転しました。社員が帰ってきたくなるというのも一つありますが、コロナ禍でお互いが会って話をする機会が減っていたので、社員が交流しやすく、働きやすい環境をつくるのが大きな目的でした。リモートワークがしやすいオフィスをつくり、社員がオフィスにリモートワークをしに来て、そこで交流を図ってもらいたかったというのが大きいですね。

リンクアンドモチベーション 田中:「現場コマーシャル」という取り組みは、社内YouTubeのようなイメージでしょうか。

ノースサンド 前田氏:コンサルティング会社ですから、現場が違えば、社員同士が顔を合わせる機会は少なくなっていきます。「あそこの現場って、どんな仕事をしているんだろう」ということを、全社員に共有するために始めたのが現場コマーシャルです。月に1回の全社員集会で現場コマーシャルを流しているのですが、それを見て「次は、あそこの現場にアサインして欲しい」というような希望も出せるようにしています。

リンクアンドモチベーション 田中:「ナレッジヘルプ」は、自分のノウハウを全社員にオープンに共有する仕組みだと伺っていますが、コンサルティングファームのプレイヤーの場合、嫌がる人もいるのではないでしょうか。

ノースサンド 前田氏ナレッジヘルプも、私が前職で感じた「なんか違うな」をベースにした取り組みです。コンサルティング会社では、やはり自分のノウハウが給与につながるという傾向が強いので、外に出さないのが普通だと思います。ですが、あえてノウハウを共有させることで、「個人でノウハウを高めることが価値じゃない」「弊社の価値は人間力なんだ」ということを浸透させる狙いもありました。

「こういうプロジェクトでお客さんからこういうことを聞かれているのですが、誰か経験のある人はいませんか?」ということを気軽に発信できて、それに対してみんなが手を挙げて様々な情報を共有するような、非常にオープンな場になっていると思います。

リンクアンドモチベーション 田中:クエスト制度」についても、ご説明をいただいてよろしいでしょうか。

ノースサンド 前田氏:簡単に言えば、クエスト制度は社内のクラウドソーシング制度で、お客さん業務ではなくて社内の業務が対象になっています。たとえば、「全社員集会の資料をつくるのを手伝ってください」という募集をかけ、誰かがそれに手を挙げて参画するという形です。現場とは違ったスキルや経験を習得することで、成長の機会にしてもらいたいという狙いがあります。

理念の制定がターニングポイントとなり、売上で昨対163%を実現

リンクアンドモチベーション 田中:取り組みの成果として、売上が昨対で163%という結果が出ています。また、従業員数が137%増でありながら、離職率は4.8%と低い水準になっています。やはり、エンゲージメントが高い状態だと業績向上や組織改善につながりやすいという実感はありますか。

ノースサンド 前田氏:以前は離職率が高い時期もありましたが、2019年に理念を制定したことで基盤ができ、そこからは組織がブレないと言うか、崩れないようになりました。ですから、社員がどんどん増えてきても、まったく影響はないと思っています。実は、2021年に入社した社員が一人も退職していないんですね。これは、コンサル業界においては非常に珍しいことだと思っています。

リンクアンドモチベーション 田中:ありがとうございます。お時間になってしまいましたので、川内さんからもコメントをいただいてよろしいでしょうか。

リンクアンドモチベーション 川内:ジリオン様とノースサンド様、両社に共通しているのが、自社らしさやこだわりをしっかり言語化して発信していらっしゃる点だなと感じました。採用の場面では、この言語化が尖れば尖るほど自社に合った人材が寄ってきますし、逆に言えば、合わないなと思う人は別の会社に行きます。それが結果的に、高いエンゲージメントや事業成果につながっているんだろうなと思いました。

リンクアンドモチベーション 田中:ありがとうございます。最後に、お二方から今後の展望も含めたメッセージをいただけますでしょうか。

ジリオン 吉田氏:僕らがこれからも変わらずに取り組むことは、スタッフの成長や市場価値の向上です。今日、前田さんのお話を聞いていて、「いいな」と思うものがたくさんありましたので、参考にしてどんどん取り入れていきたいなと思います。CSとESの両方で日本一を取りたいなという思いも新たにしましたので、またアワードに選ばれるよう、みんなで一生懸命やっていきたいと思います。本日はありがとうございました。

ノースサンド 前田氏:弊社には、「世界をデザインする」というビジョンがあります。デザインというのは、世の中にない新しい価値を提供するということで、新しい価値というのは、我々が提供している人間力を武器にしたコンサルティングサービスです。これを実現できるよう、日々コツコツとエンゲージメントを高める活動を続けながら、世の中にカッコいい会社をどんどん増やしていきたいなと思っています。来年はアワードで1位を取れるように、社員一丸となって頑張っていきます。本日はありがとうございました。

リンクアンドモチベーション 田中:お二方、どうもありがとうございました。以上をもちまして、トークセッションは終了とさせていただきます。

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