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ピーターの法則とは?原因や対策方法をわかりやすく解説


目次[非表示]

  1. 1.ピーターの法則とは何か
  2. 2.ピーターの法則が生じてしまう原因
  3. 3.ピーターの法則を回避するための対策方法
  4. 4.ピーターの法則と関連する法則
  5. 5.記事まとめ


皆様は、「ピーターの法則」をご存知でしょうか?ピーターの法則とは「活躍が認められて昇進したものの、次の役割では期待された活躍が出来ていない」状況を説明した内容です。

このような状況をそのままにしておくと、本人や周囲の人材のエンゲージメント低下、最悪の場合は企業の競争力低下・人材の流出などの結果に繋がってしまいます。

この記事では、「ピーターの法則」が発生する要因や回避方法を紹介していきますので、ぜひ皆様の組織マネジメントに活用してください。

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ピーターの法則とは何か

■ピーターの法則とは

ピーターの法則は、企業を始めとする組織集団における法則です。ピーターの法則の主張は以下になります。

・組織の中で、人は自身の能力の限界まで昇進する
・昇進した人材は高いレベルの仕事に従事することで、能力を無能化していく
・最終的には、組織全体が無能な人材集団と化してしまう

このように、ピーターの法則は従業員の昇進や昇進後におけるパフォーマンスについて述べています。

実際に企業活動においても、昇進後に期待されているようなパフォーマンスが出ず、組織全体が沈静化している状況は枚挙に暇がありません。

ですので、この法則の内容や対応策を理解することはとても重要です。

■ピーターの法則の特徴

この法則はアメリカの教育学者ローレンス・J・ピーターが提唱しました。

・無能な人は、今のポジションのままで留まる
・有能な人は、昇進後の高いレベルの仕事に従事する中で無能な人になる

上記のように、時間軸を長く見ると「組織の人間は全て無能になる」という理論です。

更には、組織はまだ無能化(能力の限界に到達)していない人たちによって進められ、機能していくという主張が述べられています。

では企業活動において昇進することで「無能になる」というのはどういう事でしょうか?それには幾つかのパターンがあります。例えば、プレイヤーで優秀な能力を示した人間が管理職になった場合、求められる能力が異なるために無力化すること。

また、仕事内容が同一だとしても求められる基準が引き上がり、活躍しなくなることもあるでしょう。仮に昇進後の立場で活躍したとしても、更に昇進すればいつかは活躍できない領域に到達します。

このように、「組織は最終的に無能化する」というのがピーターの法則の主張です。

ここからは、ピーターの法則が生じてしまう3つの原因と、その対策について詳しく説明していきます。

ピーターの法則が生じてしまう原因

それでは、ピーターの法則はなぜ生じてしまうのでしょうか?
その主な原因を一緒に見ていきましょう。

■「降格制度」が用意されていない

まず1つ目は、昇格した後に「降格」をする制度運用が出来ていない場合です。昇格した人が能力限界を迎えて無能化した場合、「人材を降格・排除するシステム」が必要になります。

降格により自身が能力発揮出来る役割に戻れば、その人間は有能な状態に戻ります。だからこそ、「降格がない」という状況は無能化の悪循環を加速させます。その場合は「無能な上司」はいつまでも現在の立場に居座り、組織に悪影響を及ぼします。

■役職ごとの要件定義がされていない

続いて2つ目は、「役職に求められる能力要件」が定義されてないが故に、不適切な昇進が生じてしまう事です。

役職別に「部長に必要な保有能力」「課長に必要なマインド内容」「役職に上がる際の目安となる実績」などが定義されていなければ、能力不足の人材を昇進させるリスクが高まるでしょう。

そもそも、昇進させる人間の目利きは非常に難易度が高いものです。

参考までに、以下は評価者がよく陥る「評価の落とし穴一覧」です。

「ハロー効果」「期末評価」「論理的誤認」「自己尺度評価」「中心化傾向」「寛大化/厳格化傾向」という6つのエラーが評価者には陥りやすいことを示したものです。人が人を評価することがいかに難しいかが分かるかと思います。

人間が人間を評価する以上、どれだけ注意しても昇進の際にエラーが生じる事はあり得ます。それを最小限に留める為にも、「役職ごとの人材要件」を明記する事で適切ではない昇進を最小限に留める事が大切です。

■育成の機会が提供されていない

仮に昇進後に無能化したとしたとしても、次の役割に必要な能力を獲得する事が出来れば無能な人材は「有能化」することになります。だからこそ、新たな役割に必要な能力向上の機会を提供する事が大切です。

役割に求められる観点の提供はもちろんの事、能力向上を行う為の研修の設置がこれにあたります。特に、マネジメントに関する能力は昇進によって初めて求められる場合も多いため、組織側が事前に学ぶ機会を用意することが重要となります。

加えて、その1つ上の役割の人材が能力獲得に向けてフォローをするなど、常日頃から能力向上に向けたサポート体制が構築されているかどうかはチェックしてみると良いでしょう。

【参考資料のご紹介】
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ピーターの法則を回避するための対策方法

それでは、ピーターの法則が顕在化してしまった、即ち「無能力化」した人材が現れた場合はどうすれば良いでしょうか?その場合は、先程の原因に即した以下の対応を行う事が有効です。それぞれ見ていきましょう。

■一度降格させる

そもそも無能化の可能性の高い人材を昇進させている場合、評価体制や降格条件の見直しが必要になります。「降格条件」を定めた上での昇進であれば、もし昇進後に期待したパフォーマンスが発揮されない場合は前の役割からやり直す事が可能です。

もちろん新たな役割に慣れるまでは、昇進後にパフォーマンスを出せない期間もあるでしょう。自社内でどの程度の期間まで「猶予期間」とすべきかか、その目安を持つ事も大切です。

仮に猶予期間を経ても無能化が続いている場合、降格を検討する事になります。

その際には、先んじて本人に降格のリスクを周知する事が大切です。急遽降格を言い渡されるとモチベーションダウンになりますが、猶予期間を設定し、それでも成果が出ない場合は、降格を実行するという合意を取ると良いでしょう。

また仮に降格を実行した場合、今後のキャリアプランや役割復帰の条件を併せて提示する事が重要です。仮にマネジメント適正のないプレイヤーであれば、スペシャリストとしてのキャリアパスを用意するのも1つの手段となります。

■役割ごとの人材要件を定義する

新たな役割に求められる要素や基準が明確でない場合、役割ごとに求められる要件を明確にする事が有効です。

以下の図はリンクアンドモチベーションが「マネジメント」に求められる要素を可視化したものになります。この図では、マネジメントに求められる要素を大きく4つに分類しています。



・ビジョンマネジメント

経営×組織に関するマネジメント領域です。
ビジョンの策定と浸透を行います。

・戦略マネジメント

経営×事業に関するマネジメント領域です。
全社戦略や事業戦略の立案を行います。

PDCAマネジメント

現場×事業に関するマネジメント領域です。
業務計画の策定や職場の問題解決を行います。

・メンバーマネジメント

現場×組織に関するマネジメント領域です。
メンバーの能力、意欲の向上を行います。

例えばマネジメントを担う役割に昇進させる際には、役割ごとに「どのマネジメント能力が必要か?」「どの程度の実績が必要か?」など観点と基準を明確にする事が大切です。それにより、そもそも昇進させるべき状態なのかが精緻に判断できるようになります。

また、昇進の際は「卒業形式(今の役割が出来ている場合、次のステージに上げる)」ではなく「入学形式(昇進後の役割を担える能力が身に付いた場合、次のステージに上げる)」を採択する事で、無能力化を予防する事に繋がります。

(参考)マネジメントとは?定義や役割・今後必要なスキルを解説

■能力向上の機会を提供する

役割定義が定まった後には、「役職ごとのスキルアップ」の機会を提供することが大切です。仕事内容に対する教育制度を整えることで、試行錯誤をして成果が出ないという事態を防ぐことが出来るでしょう。

また、人材が無能化に至る背景には昇進意欲の低下も一因になりえます。「学習性無力感」と言い、活躍できていない状態が継続すると、人は新たな目標への挑戦を避ける傾向にあります。

そのような人材の意欲を高め、有能化への一歩を踏み出すためにも企業側が能力向上や課題解決の支援をする機会を提供し、キャリアの停滞期を短縮することが大切です。

ピーターの法則と関連する法則

社会学にはピーターの法則と関連する法則が幾つかありますので、紹介します。

■ディルバートの法則

この法則はアメリカの漫画家であるスコット・アダムズが描いた「ディルバート」という漫画のキャラクターにちなみ、命名されています。

ディルバートの法則は「組織の損害を最小限にするため、あえて無能な人材を昇進させる」というものです。組織の運営を担っているのは組織の下部層の人材であり、上層部は生産性に関わらないからというのが主張です。

(生産性に寄与しない)無能な人材を管理職に就けることで、生産性を上げる他の社員の邪魔にならず、サービス品質の低下、顧客満足度の低下、周囲への悪影響などの害悪が少なくなるという話です。

有能な人材が昇進して無能になる「ピーターの法則」とは異なり、始めから無能であると評価されている人間を昇進させる(結果として無能化している)という所に違いがあります。

■パーキンソンの法則

こちらの法則は、政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱したものです。以下2つの法則がその内容になります。

第1の法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2の法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

第1の法則は、仕事の量が増えていないにもかかわらず、英国の役人の数が一定割合で増加していることから導き出された法則です。仮に役人の人数が増えても何かしらの仕事が新たに創りだされ、一人当たりの仕事量の減少に繋がらなかったことが分かっています。

第2の法則は、予算財源を常に使い切り、税負担が増加し続ける国家財政状況から導き出された法則です。「人は時間やお金などの資源を、使い切るまで使ってしまう」ことを意味しています。

自分の能力の限界まで出世を続けるピーターの法則と、時間や収入の限界まで使い来てしまうパーキンソンの法則は、切り口が違えど、人間の共通の性質を示していると言えるでしょう。

記事まとめ

いかがでしたでしょうか?「人は能力の限界まで昇進を続け、最終的には組織全体が無能力化する」というピーターの法則の原因と対策を理解した上で対策を練り、無能力化の回避を行うことが大切です。

昇進して影響力を発揮する立場になるからこそ、昇進準備や能力開発の機会提供、学習意欲の向上などあらゆる手を打つこと。

そのような仕組みの強化がっピーターの法則を打ち破り、組織エンゲージメントを下支えすることに繋がります。この記事が、皆様の会社運営の参考になったのであれば幸いです。

坂上 進一郎
坂上 進一郎
【プロフィール】 2010年リンクアンドモチベーション入社。 大手、中堅・スタートアップ企業などあらゆる規模のコンサルティングに従事。 「理念策定・浸透」「採用戦略構築」などを主な領域としながら、 のべ200社を超える企業のエンゲージメント経営支援の経験を持つ。

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