エンゲージメントスコアとは?意味やメリット、高める方法を解説
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▼各種業界ごとのエンゲージメントスコアと特長とは?
企業がより生産的であるためには、従業員のモチベーションや生産性を向上させることが不可欠です。そこで注目されているのが「エンゲージメントスコア」です。エンゲージメントスコアとは、従業員が企業のビジョンや目標に共感し、業務に取り組む意欲や生産性が高いことを示す指標です。
エンゲージメントスコアを効果的に高め、生産性や定着率を向上させるためには、その基本を知っておくことが不可欠です。本記事では、そんなエンゲージメントスコアについて基本的な内容や高める方法などをご紹介します。
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エンゲージメントスコアとは
エンゲージメントスコアとは、会社と従業員の間の相互理解度合いや相思相愛度合いを定量化したものです。
エンゲージメントスコアを活用することで、会社と従業員の間の関係性の状態を定量的に把握することができ、必要な対策を考えて実行することができるようになります。
特に、近年は企業を取り巻く環境が激しく変化する時代になっており、環境の変化に対応することができる強い組織をつくることが求められています。その中で、自社の状態を適切に把握するとともに、目指す組織をつくるために必要なアクションをスピーディーに実行することができるかどうかで、企業の成長可否が決まるようになっています。
そのため、エンゲージメントスコアの活用はますます注目されています。ここからは、そんなエンゲージメントスコアについて、そもそも「エンゲージメント」とはどのような意味であるのかからご紹介します。
エンゲージメントとは
エンゲージメントとは、「つながり」や「関係性」を意味する言葉です。広告に対するエンゲージメントや、婚約の際のエンゲージメントリングなど、様々なシーンでエンゲージメントという言葉は活用されています。
エンゲージメントは、複数の対象の間にある関係性にフォーカスした言葉であるため、企業活動においては、特に会社と従業員、上司と部下、職場のメンバー同士の間の関係性を表す言葉として用いられています。
そもそも組織は複数の人間がお互いに関係し合って成立しているものであるため、個々人が独立した存在として捉えるのではなく、それぞれの関係性に注目することで、より組織に対する理解を深めることができるでしょう。
エンゲージメントの解釈の仕方には様々なものがありますが、ここでは「関係性」というキーワードを覚えておくと良いでしょう。
エンゲージメントスコアとは
エンゲージメントスコアは、従業員のモチベーションや生産性、忠誠心など、企業にとって非常に重要な指標の1つです。
従業員が企業に対してどの程度強い情熱や関心を持っているかを測定するもので、定期的なアンケート調査やフィードバックを通じて測定されます。エンゲージメントスコアが高い企業は、従業員の士気や生産性が高く、高いパフォーマンスを維持しやすくなります。
エンゲージメントスコアは、従業員の満足度や忠誠心に関する指標とは異なります。エンゲージメントは、従業員が企業に対してどの程度情熱的に取り組めるかを測定するもので、従業員が企業のビジョンや目標に共感し、積極的に参加できるかどうかを示します。
高いエンゲージメントスコアを維持するためには、従業員とのコミュニケーションやフィードバック、福利厚生の改善など、様々な取り組みが必要です。特に、従業員が自分たちの意見やアイデアを表明できる環境を整えることが重要です。また、従業員が業務に取り組む上で必要なリソースやサポートを提供することも、エンゲージメントスコアを高めるために欠かせません。
エンゲージメントスコアと従業員満足度の違い
エンゲージメントスコアとともによく用いられる言葉として、従業員満足度があります。多くの企業が従業員満足度調査を実施して、アンケートなどで会社に対する満足度を把握しようとしています。
よく似たものに見えるエンゲージメントスコアと従業員満足度ですが、厳密には異なるものです。エンゲージメントスコアは、会社と従業員の間にある関係性、相互理解度合い、相思相愛度合いに注目しているものです。その要素として、「理念や目標への共感性」や「事業や仕事に感じる魅力」、「人や風土の良さ」、「特権や待遇に対する納得感」といった様々なものがあり、それらを総合的に評価したものがエンゲージメントスコアとして算出されます。
一方で、従業員満足度は、従業員が会社に対してどの程度満足しているのかについて注目したものです。その要素として、「給与」や「福利厚生」、「職場の施設環境」など、「特権や待遇」に関するものが多く挙げられます。
▼各種業界ごとのエンゲージメントスコアと特長とは?
エンゲージメントスコアの注目背景
では、なぜエンゲージメントスコアが注目されているのでしょうか。その注目の背景や理由について、詳しくご紹介します。
企業を取り巻く環境の変化
近年、エンゲージメントスコアが注目される背景や理由には、商品市場や労働市場の変化が激しくなっていることが挙げられます。
まず、商品市場においては、新しい商品やサービスの開発が重要視されるようになっています。そのため、企業は常に、顧客のニーズに合わせた新しいアイデアを出し続ける必要があります。このような状況下で、エンゲージメントスコアを高めることで、従業員のモチベーションや生産性を向上させ、新しいアイデアを生み出すことが、企業の競争力を高めるために欠かせません。
一方、労働市場においては、優秀な人材を確保することがますます難しくなっています。そのため、企業は従業員のモチベーションや生産性を向上させ、既存の従業員の能力を高め、生産性を向上させることが求められます。エンゲージメントスコアは、従業員のモチベーションや生産性を向上させるための指標として注目されています。エンゲージメントスコアが高い組織では、従業員が仕事に対して感じる意義ややりがいなども強くなる傾向があり、そのような組織は従業員や求職者から魅力的に映りやすいと言えます。
以上のように、商品市場や労働市場の変化が激しくなっている現代社会において、エンゲージメントスコアは、企業が競争力を高め、従業員のモチベーションや生産性を向上させるために欠かせない指標の1つとなっています。
人的資本経営の広がり
近年、企業が人的資本経営に注目するようになってきました。人的資本とは、従業員の知識やスキル、経験、モチベーションなど、企業が持つ人材に関する資産のことを指します。
人的資本を有効に活用することで、企業の競争力を高め、成長につなげることができます。そのため、エンゲージメントスコアのような指標を用いて、従業員のモチベーションや生産性を測定し、有効に活用することが求められています。
人的資本経営への注目も、エンゲージメントスコアが注目される理由の1つとして挙げることができます。人的資本を有効に活用することで、企業の競争力を高め、成長につなげることができます。
また、人的資本経営は経済産業省が公表している「人材版伊藤レポート2.0」でもその重要性が言及されています。これは、企業経営の良し悪しを測る指標として、人的資本経営がどの程度進んでいるかといったことが盛り込まれるようになっていることを示しています。
そのため、「流行り」というだけではなく、企業が社会的な評価を受けてサポートを得られるようにするためには、人的資本経営への取り組みが重要になっていると言えます。
人的資本経営の取り組み度合いや成果を分かりやすく示すとともに、取り組みを促進するためには、エンゲージメントスコアが大変有効であり、この面からもエンゲージメントスコアへの注目が高まっています。
エンゲージメントスコアのメリット
エンゲージメントスコアを活用することで、多くのメリットを得ることができます。ここでは、代表的なメリットについていくつかご紹介します。
生産性が向上する
エンゲージメントスコアが高い従業員は、自分たちの仕事にやりがいを感じ、より生産的に働く傾向があります。そのため、エンゲージメントスコアを向上させることで、従業員の生産性を向上させることができます。
また、エンゲージメントスコアが低い従業員は、仕事に対するモチベーションが低くなり、業務に対する不満やストレスがたまりがちです。これにより、業務品質の低下や退職率の上昇など、会社全体の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、エンゲージメントスコアを向上させることは、企業にとって非常に重要な課題のひとつです。具体的には、社員の意見を積極的に聞き、改善策を実施することで、従業員の満足度を高めることができます。また、定期的に社員とのコミュニケーションを図り、職場環境を改善することも重要です。これらの取り組みにより、エンゲージメントスコアを向上させ、従業員の生産性を向上させることができます。
離職率が低下する
エンゲージメントスコアが高い企業は、従業員の定着率が高くなる傾向があります。そのため、エンゲージメントスコアを向上させることで、従業員の離職率を低下させることができます。
エンゲージメントスコアが低い従業員は、仕事に対するモチベーションが低くなり、業務に対する不満やストレスがたまりがちです。これにより、退職率の上昇など、会社全体の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、従業員のエンゲージメントを向上させることは、従業員の離職率を低下させ、企業の業績を向上させるために非常に重要な課題であると言えます。
具体的には、社員の意見を積極的に聞き、改善策を実施することで、従業員の満足度を高めることができます。また、定期的に社員とのコミュニケーションを図り、職場環境を改善することも重要です。これらの取り組みにより、エンゲージメントスコアを向上させ、従業員のモチベーションや生産性を向上させることができます。その結果、従業員の定着率が高まり、離職率が低下すると考えられます。
ブランディングにつながる
エンゲージメントスコアが高い企業は、従業員のモチベーションや生産性が高くなるため、高品質な製品やサービスを提供することができます。このような企業は、顧客からの信頼を得ることができ、良好な評判を築くことができます。また、エンゲージメントスコアが高いことは、従業員が企業に対して強い関心を持っていることを示し、外部からの評価も高くなる傾向があります。
さらに、社員が企業の文化や価値観に共感し、自らが後押ししていることを周囲にアピールすることができます。これにより、企業のブランドイメージをより広く浸透させることができます。
エンゲージメントスコアが高い風土、文化は他社には模倣しづらいものであるため、企業の唯一性を高め、ブランディングにつながると言えるでしょう。
エンゲージメントスコアを高める方法
エンゲージメントスコアを高めるためには、以下のような方法があります。
- エンゲージメントスコアの項目を把握
- 理念を浸透させる
- 育成体系を整備する
- 人事評価制度を改善する
⓵エンゲージメントスコアの項目を把握
エンゲージメントスコアを高めるためには、まずはエンゲージメントスコアがどのような項目で構成されているのかを知ることが大切です。
モチベーションクラウドでは、「目標の魅力」「活動の魅力」「組織の魅力」「待遇の魅力」の4つの要素を盛り込み、「会社」「上司」「職場」の3つの観点、16の領域で設問を構成し、それぞれの項目に対して、「期待度」と「満足度」を測ります。
下記の図のように、「期待度」と「満足度」の二軸でマトリクスにし、従業員が会社や職場に何を求めていて、何に満足しているかを把握することで、取り組む課題の優先順位を効果的に決定することができるのです。
「会社基盤」会社の顧客基盤や財務状況が安定しているか
「理念戦略」会社の理念や戦略目標が社内で共有されているか
「事業内容」会社の営んでいる事業に社会的影響力や将来性があるか
「仕事内容」仕事を通じて貢献感や自己成長を感じられるか
「組織風土」社内に一体感があり、革新的・創造的な風土があるか
「人的資源」社内の人材が魅力的か
「施設環境」働く環境に適した施設設備やスペースがあるか
「制度待遇」評価や報酬、教育などの制度に納得感があるか
続いて、「上司」に関する質問項目は以下の通りです。
「情報提供」部署の方針や役割分担など、上司が適切に部下に情報を伝達しているか
「情報収集」部下のコンデションや業務上の課題など、部下の状況を解像度高く理解出来ているか
「判断行動」率先垂範して基準を提示する姿勢や、素早い意思決定など、判断軸が明確になっている行動が取れているか
「支援行動」部下の意見を傾聴する、能力面の不足を補うためのサポートをするなど、上司が適切に部下を支援しているか
最後に、「職場」に関する質問項目は以下の通りです。
「外部適応」顧客のニーズを理解した上で、クオリティ高く価値を提供出来ているかどうか
「内部統合」目標が全員にしっかり共有されていたり、職場内で一体感を持って働いているかどうか
「変革活動」未来に向けての新たな提案が飛び交っているなど、常に変化をし続けているかどうか
「継承活動」職場の歴史や経緯が共有されていたり、成功事例や失敗事例の共有がされているかどうか
網羅的な質問項目によって得られたデータは、正確な課題の特定と効果的な打ち手の実施に繋がります。「聞きたい事だけを聞く」のではなく「あらゆる角度から聞く」事を大切にしていきましょう。
②理念を浸透させる
企業の理念やビジョンを社員に浸透させることは、企業と社員の双方にとって非常に重要です。理念やビジョンが明確に共有されることで、社員は企業の目的や目標に向かって一丸となって取り組むことができます。さらに、社員は自分たちが担う役割を理解し、自己実現につなげることもできます。
理念やビジョンを社員に浸透させるには、企業が積極的に取り組む必要があります。具体的には、社員に対して理念やビジョンを説明し、その意義や重要性を伝えることが必要です。また、社員が理念やビジョンに共感するためには、企業が社会的責任を果たしていることが求められます。つまり、企業は社会的な課題に取り組み、社会の発展に貢献することで、社員の信頼を得ることができます。
③育成体系を整備する
育成体系を整備することで、社員のスキルアップやキャリアアップを支援することができます。このような取り組みは、社員が自己成長を実感し、やりがいのある仕事に取り組むことを促し、結果として生産性の向上につながります。また、具体的には、社員の能力や適性に合わせた研修プログラムを提供することで、専門性を高めることができます。さらに、キャリアアップに向けたキャリアパスを示すことで、社員の将来設計に対する不安を軽減し、組織との共感を深めることができます。また、社員が自己成長を実感できる仕組みを整備することで、モチベーションの向上にもつながります。
④人事評価制度を改善する
人事評価制度を改善することは、社員のモチベーションや生産性を大幅に向上させることができます。今日のビジネス環境では、従業員のモチベーションを維持し、生産性を向上させることが重要です。
そのため、評価基準を明確にし、公正かつ客観的な評価を行うことで、社員は自身のパフォーマンスについて正確に理解することができ、自己成長に繋がるようなアドバイスを提供することができます。さらに、定期的なフィードバックを提供することで、社員は自分の成長を追跡し、必要に応じて方向転換することができます。
▼各種業界ごとのエンゲージメントスコアと特長とは?
エンゲージメントスコアの計測方法
実際にエンゲージメントスコアを計測するには、いくつかの方法があります。ここでは、一般的な計測方法についてご紹介します。
エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイは、従業員のエンゲージメントを測定するために実施される調査です。エンゲージメントサーベイの目的は、従業員が仕事に対してどの程度の興味を持っているか、どの程度の貢献意欲があるか、どの程度の忠誠心を持っているかなど、従業員のエンゲージメントに関する情報を収集することです。
エンゲージメントサーベイは、一般的に定期的に実施され、従業員のエンゲージメントの変化を把握することができます。また、従業員へのフィードバックを収集し、改善点を見つけることができます。エンゲージメントサーベイの結果を分析し、従業員のエンゲージメントを向上させるための施策を実施することが重要です。
パルスサーベイ
パルスサーベイは、従業員のエンゲージメントを短期的に測定するために実施される調査です。従業員が仕事に対してどの程度の興味を持っているか、どの程度の貢献意欲があるか、どの程度の忠誠心を持っているかなど、従業員のエンゲージメントに関する情報を収集することができます。
パルスサーベイは、エンゲージメントサーベイと比較して短期間で実施されるため、より頻繁に実施することができます。また、パルスサーベイの結果を迅速に分析し、改善点を見つけることができます。ただし、パルスサーベイは、従業員のエンゲージメントの変化を把握することが難しいため、エンゲージメントサーベイと併用することが推奨されます。
従業員サーベイ
従業員サーベイは、従業員が職場環境や労働条件などについてどの程度満足しているかを測定するために実施される調査です。従業員の意見を収集することで、職場環境の改善点を見つけることができます。
従業員サーベイは、エンゲージメントサーベイやパルスサーベイとは異なり、職場環境や福利厚生、コミュニケーションなど、従業員が職場でどのような状況にあるかを調査するものです。従業員サーベイは、従業員の意見やアイデアを収集することで、企業が職場環境を改善するための具体的な施策を検討することができます。
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ここまでエンゲージメントスコアの意味やメリット、高める方法等をご紹介しました。
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まとめ
エンゲージメントスコアとは、会社と従業員の間の関係性や相思相愛度合いを表す指標であり、従業員のモチベーションや生産性に大きく影響します。エンゲージメントスコアは、従業員が企業のビジョンや目標に共感し、業務に取り組む意欲や生産性が高いことを示します。エンゲージメントスコアを向上させるためには、従業員とのコミュニケーションやフィードバック、福利厚生の改善、給与や労働条件の改善など、様々な取り組みが必要です。