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サステナビリティ経営とは?注目の背景や取り組むメリット、企業事例を解説

現代社会において、企業は経済的価値の追求だけでなく、環境保全や社会貢献も重視する「サステナビリティ経営」が求められています。

これは、地球規模の環境問題や社会課題の深刻化、ステークホルダーからの意識の高まりを背景に、企業の長期的な成長と社会の持続可能性を両立させる経営戦略として注目を集めています。

目次[非表示]

  1. 1.サステナビリティ経営とは何?
  2. 2.SDGs経営・ESG経営・CSRとの違い
  3. 3.サステナビリティ経営が注目されている背景
  4. 4.サステナビリティ経営がもたらす4つのメリット
  5. 5.GRIスタンダートとは?
  6. 6.「サステナビリティ報告書」とは?
  7. 7.サステナビリティ経営を実現するためには?
  8. 8.サステナビリティ経営に取り組んでいる企業事例2選
  9. 9.人材育成に関することなら「株式会社リンクアンドモチベーション」
  10. 10.まとめ

サステナビリティ経営とは何?

テーマ

目的

主な取り組み
経済

長期的な収益確保と持続的な成長

財務の健全化、技術革新、新規事業、サプライチェーンの効率化

環境

環境保全と資源の持続可能な利用

温室効果ガス削減、再エネ活用、水資源節約、廃棄物削減、生物多様性保全

社会

ステークホルダーとの信頼関係構築と社会貢献

安全衛生、人権尊重、多様性推進、地域貢献、公正な取引

経済に関するテーマとは

経済に関するテーマとは、企業が長期的に安定した収益を確保し、持続的な成長を実現するための取り組みです。具体的には、健全な財務状況の維持、革新的な技術や製品の開発、新規事業の創出、効率的なサプライチェーンの構築などが挙げられます。

これにより、企業は競争力を高め、市場の変化に対応しながら、経済的価値を創造し続けることができます。

環境に関するテーマとは

環境に関するテーマとは、地球環境の保全と資源の持続可能な利用を目指す取り組みです。具体的には、温室効果ガス排出量の削減、再生可能エネルギーの活用、水資源の節約、廃棄物削減とリサイクル、生物多様性の保全などが挙げられます。

企業は、事業活動における環境負荷を最小限に抑え、地球環境との共生を図る必要があります。

社会に関するテーマとは

社会に関するテーマとは、従業員、顧客、地域社会など、あらゆるステークホルダーとの良好な関係を構築し、社会全体の持続可能な発展に貢献する取り組みです。具体的には、従業員の安全と健康の確保、人権尊重、多様性の推進、地域社会への貢献、公正な取引などが挙げられます。

企業は、社会の一員としての責任を果たし、信頼される存在となることが求められます。

SDGs経営・ESG経営・CSRとの違い

サステナビリティ経営と近い概念として、「SDGs経営」と「ESG経営」があります。それぞれ、サステナビリティ経営とどのような違いがあるのでしょうか。詳しく各々の特徴や内容を比較してみましょう。

SDGs経営との違い

サステナビリティ経営は、企業が長期的な視点で経済、環境、社会の3つの側面を統合的に捉え、持続可能な発展を目指す経営手法です。

一方、SDGs経営は、2030年までに達成すべき国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)を企業活動に取り込み、その達成に貢献することを目指す経営です。

SDGsの17の目標と169のターゲットを企業戦略や事業活動に落とし込み、具体的な目標を設定し、その進捗を測定・開示することで、社会課題解決への貢献度を高めます。

サステナビリティ経営の概要とは?注目の背景や取り組むメリット、企業事例を解説 | 組織改善ならモチベーションクラウド

(出典:外務省「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」)

ESG経営との違い

ESG経営は、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素に焦点を当て、企業価値の向上と持続的な成長を追求します。

特に、投資家や金融機関が企業を評価する際の重要な指標として注目されており、ESG評価の高い企業は、資金調達や株価上昇などのメリットを享受できる可能性があります。

つまり、サステナビリティ経営は、より広範な視点から持続可能な社会への貢献を目指すのに対し、ESG経営は、投資家や市場からの評価向上を重視し、企業価値向上に繋がる具体的な取り組みを重視する傾向があります。

サステナビリティ経営が注目されている背景

サステナビリティ経営とは?注目の背景や取り組むメリット、企業事例を解説​​​​​​​

サステナビリティ経営が注目されている背景には、地球規模の環境問題の深刻化、社会意識の変化、そして企業を取り巻くステークホルダーからの圧力増大があります。

気候変動や資源枯渇など、地球環境への負荷は限界に近づいており、持続可能な社会の実現が喫緊の課題となっています。同時に、消費者や投資家は、企業の環境・社会への配慮を重視するようになり、持続可能性を考慮しない企業は、市場からの支持を失うリスクが高まっています。

また、国際的な枠組みであるSDGs(持続可能な開発目標)の採択や、ESG投資の拡大も、企業のサステナビリティ経営への取り組みを後押ししています。SDGsは、貧困や飢餓、気候変動など、地球規模の課題解決に向けた共通目標であり、企業もその達成に貢献することが期待されています。

サステナビリティ経営がもたらす4つのメリット

企業価値の向上と長期的な成長

サステナビリティ経営は、短期的な利益追求だけでなく、長期的な視点で企業価値を高めることに繋がります。環境や社会への配慮は、企業のブランドイメージ向上に貢献し、顧客からの信頼獲得や、優秀な人材の確保に繋がります。

また、ESG投資の拡大に伴い、ESG評価の高い企業は投資家からの資金調達や、株価上昇などのメリットを享受できる可能性が高まります。さらに、サステナビリティ経営は、新たな事業機会の創出や、イノベーション促進にも繋がり、企業の持続的な成長を支えます。

リスク管理と事業継続性の強化

気候変動や資源枯渇、社会情勢の変化など、企業を取り巻くリスクは多様化・複雑化しています。サステナビリティ経営は、これらのリスクを早期に特定し、適切な対策を講じることで、事業継続性を強化します。

例えば、再生可能エネルギーの導入や、サプライチェーンにおける環境・社会リスクの管理は、将来的なコスト削減や、供給網の安定化に貢献します。また、従業員の健康や安全への配慮は、生産性向上や、離職率低下に繋がり、企業の安定的な運営を支えます。

ステークホルダーとの良好な関係構築

サステナビリティ経営は、顧客、従業員、株主、地域社会など、様々なステークホルダーとの信頼関係を構築し、企業の持続的な発展を支えます。環境や社会への貢献は、企業の社会的責任を果たすだけでなく、ステークホルダーからの共感や支持を得ることに繋がります。

また、ステークホルダーとの積極的な対話を通じて、企業は新たなニーズや課題を把握し、より良い製品やサービスの開発、社会貢献活動の推進に繋げることができます。

従業員のエンゲージメント向上と組織活性化

サステナビリティ経営は、従業員のエンゲージメント向上と組織活性化にも貢献します。企業の社会的責任を果たす活動への参加や、環境・社会問題への貢献は、従業員のモチベーション向上や、帰属意識を高める効果があります。

また、多様性やインクルージョンを重視する企業文化は、従業員の創造性や革新性を刺激し、組織全体の活性化に繋がります。従業員のエンゲージメント向上は、生産性向上や、離職率低下にも繋がり、企業の競争力強化に貢献します。

GRIスタンダートとは?

出典:
サステナビリティ経営とは?取り組む意義やSDGsとの違い | 記事一覧 | 法人のお客さま | PERSOL(パーソル)グループ

GRIスタンダード(Global Reporting Initiative Standards)は、企業や団体がサステナビリティ(持続可能性)に関する情報を外部に報告するための国際的なガイドラインです。特に、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)といったESG情報の開示を求められる昨今において、信頼性と透明性のある情報開示を実現するための基準として注目されています。

GRIスタンダードは、以下のように大きく3つのカテゴリーに分かれて構成されています。

① GRIユニバーサルスタンダード
全ての組織が報告に使用すべき共通の内容を定めている基準です。組織の概要、報告の原則、ガバナンス、倫理、ステークホルダーとの関係、報告対象期間などが含まれます。報告の信頼性や比較可能性を高める上での土台となる部分です。

② GRIセクター・スタンダード
業種ごとに特有の影響や課題に焦点を当てた基準で、例えば石油・ガス、農業、金融など、特定業界に適した開示項目を示しています。業界ごとの社会的・環境的な影響をより明確に報告できるのが特徴です。

③ GRIトピックスタンダード
環境(気候変動、水資源、廃棄物など)、社会(労働慣行、人権、顧客対応など)、経済(経済的影響、腐敗防止など)といった具体的なテーマごとに求められる情報をまとめた基準です。企業が重要と特定した項目(マテリアリティ)に基づき、選択して使用します。

GRIスタンダードの採用により、企業はサステナビリティ報告書の国際的な整合性を保つことができ、投資家や消費者からの信頼を高めることが可能になります。2021年には改訂が行われ、より実務的かつ柔軟な運用ができるように進化しています。

「サステナビリティ報告書」とは?

サステナビリティ報告書(Sustainability Report)とは、企業や団体が環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に関する取り組みやその成果、課題について、ステークホルダーに対して開示する報告書です。

近年では、企業の財務情報だけではなく、非財務情報の開示が強く求められるようになっており、特にESG投資やSDGs(持続可能な開発目標)に関心を持つ投資家や消費者にとって、サステナビリティ報告書は重要な情報源となっています。

この報告書は、企業が「社会や地球環境にどのような影響を与えているか」、あるいは「持続可能な社会に貢献するためにどのような責任を果たしているか」といった側面を明らかにすることを目的としています。

従来はCSR(企業の社会的責任)報告書と呼ばれることもありましたが、近年では環境負荷の軽減や人権尊重、ダイバーシティの推進など、多岐にわたるテーマを包括的に扱う「サステナビリティ報告書」として発展しています。

サステナビリティ経営を実現するためには?

サステナビリティ経営を実現するためには、企業が社会課題を起点にビジネスモデルや経営基盤を変革し、社会的価値と経済的価値の両立を図ることが求められます。以下の3つのポイントが挙げられます。

・経営変革ストーリーの策定
・社会課題起点での既存事業変革、新規事業開発
・経営基盤の変革

経営変革ストーリーの策定

サステナビリティ経営の導入において最も重要な初期段階は、企業が社会全体の持続可能性への貢献を目指す明確なビジョンを策定し、その理想像を具体的な経営戦略の中核に据えることです。

このビジョンは、単なる標語ではなく、企業の長期的な成長と社会的な責任を両立させるための羅針盤となるべきです。

次に、企業は事業活動が影響を与える可能性のある多岐にわたる社会課題の中から、自社の事業特性や強み、事業領域と深く関連する重要な課題群(マテリアリティ)を特定するプロセスが不可欠となります。

この特定においては、環境問題、社会的不平等、ガバナンスの課題など、広範な視点から検討を行う必要があります。

特定されたマテリアリティに対しては、具体的な方針、定量的な目標、そして達成に向けた実行計画を策定します。これらの目標設定は、短期的な視点だけでなく、中長期的な視点も踏まえ、持続可能な社会の実現に貢献するものであることが求められます。

社会課題起点での既存事業変革、新規事業開発

サステナビリティ経営の実現は、単に環境や社会への配慮を示すだけでなく、企業価値の持続的な向上に不可欠な要素となっています。

既存のビジネスモデルやオペレーションを抜本的に見直し、サプライチェーン全体における環境負荷の低減、資源の効率的な利用、労働環境の改善などを推進することが求められます。

具体的には、再生可能エネルギーの導入、省エネルギー技術の活用、廃棄物の削減、リサイクルの推進などが挙げられます。また、深刻化する社会課題の解決に貢献する新たな事業の創出は、企業の成長戦略の中核をなすべきです。

気候変動対策、貧困や格差の是正、健康的な生活の実現といった社会のニーズに応える製品やサービスを開発することで、新たな市場を開拓し、顧客ロイヤルティを高めることができます。

例えば、再生可能エネルギー関連事業、環境に配慮した製品開発、高齢者や障がい者向けのサービス提供などが考えられます。

経営基盤の変革

サステナビリティ経営を揺るぎないものとするためには、従来の経営のあり方を抜本的に見直し、変革を推し進めることが急務となります。

具体的には、環境、社会、ガバナンス(ESG)といった非財務情報が、企業の財務状況や中長期的な業績にどのような影響を与えるのかを詳細に分析し、その結果を経営戦略や個々の事業戦略に明確に組み込む必要があります。

さらに、この変革を実効性のあるものにするためには、人材育成、組織構造の再編、日々の業務プロセス(オペレーション)の見直し、そして経営管理の仕組み全体の再構築が不可欠です。

サステナビリティ経営を理解し、推進できる人材の育成、部門間の連携を強化する組織体制の構築、環境負荷低減や社会的課題解決に貢献するオペレーションの確立、そしてこれらの活動を適切に管理・評価する経営管理システムの導入が求められます。

サステナビリティ経営に取り組んでいる企業事例2選

実際にサステナビリティ経営に取り組んでいる企業には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、実際にサステナビリティ経営に取り組んでいる企業の事例を2つご紹介します。他社の取り組み内容をもとに、自社での取り組みを考えてみましょう。

パタゴニア

アウトドア用品メーカーのパタゴニアは、1973年の創業以来、環境保護活動に積極的に取り組み、サステナビリティ経営のパイオニアとして世界中で高い評価を得ています。

同社は、製品の製造過程における環境負荷を可能な限り最小限に抑えることを重要視し、リサイクル素材の積極的な使用や、フェアトレード認証を受けた原料の調達を徹底しています。これにより、資源の有効活用と労働者の権利保護を同時に実現しています。

さらに、パタゴニアは製品の長寿命化にも注力しており、独自の修理サービス「ウォーン・ウェア」を提供しています。このサービスでは、顧客が所有する製品の修理や補修を行い、製品の使用期間を延ばすことで、廃棄物の削減に大きく貢献しています。

ユニリーバ

日用品・食品メーカーのユニリーバは、持続可能な社会の実現を目指し、「サステナブル・リビング・プラン」という包括的な戦略を掲げています。この計画は、サステナビリティを企業活動の中核に据え、環境保護、社会貢献、経済成長の調和を図ることを目的としています。

ユニリーバは、この戦略に基づき、製品の環境負荷低減、消費者の健康と衛生状態の改善、そして生活水準の向上という三つの主要な目標を設定し、具体的かつ革新的な取り組みを積極的に推進しています。

例えば、環境保護の観点からは、プラスチック包装材の使用量削減に注力し、リサイクル可能な素材の採用や、詰め替え製品の拡充などを進めています。また、事業活動における再生可能エネルギーの利用を拡大し、温室効果ガスの排出削減にも取り組んでいます。

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まとめ

サステナビリティ経営は、企業が経済・環境・社会の3つの側面を統合的に考慮し、持続可能な社会の実現に貢献しながら、自社の競争力強化や企業価値向上を目指す経営手法です。

企業は、環境負荷低減、人権尊重、地域貢献など、様々な取り組みを通じて、ステークホルダーからの信頼を獲得し、長期的な成長を実現することができます。

サステナビリティ経営は、企業の持続可能性だけでなく、地球全体の未来を左右する重要な取り組みと言えるでしょう。

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執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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