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働きがいとはどういう意味?メリットや具体例、高める方法などを解説


目次[非表示]

  1. 1.働きがいとは?
  2. 2.働きがいをつくる3つの要素
  3. 3.働きがいが重要視される背景
  4. 4.働きがいを高めることのメリット
  5. 5.働きがいを高める方法【施策7選】
  6. 6.働きがいのある会社・職場の特徴
  7. 7.働きがいとエンゲージメントの向上による組織改善事例
  8. 8.働きがいのある会社づくりの取り組み事例
  9. 9.働きがいに関するよくある質問

「働き方改革」で日本の労働環境は大きな変化を遂げていますが、コロナ禍でテレワークなども普及する中、時間に縛られる働き方から成果ややりがいを基準とした働き方に切り替える「働きがい改革」が経団連のテーマとしても掲げられています。

過剰労働の制約が主だった「働き方改革」から、個々人のキャリアに沿った「働きがい改革」への変更によって、どのような変化が生まれるのでしょうか。

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働きがいとは?

▷働きがいの定義と言葉の意味

「働きがい」とは、仕事に対して充実感や満足感を感じることを指します。これは個人の成長、達成感、仕事の意義、職場での関係性など、多岐にわたる要素から成り立っています。

個々人にとっての働きがいは異なり、それぞれが仕事に求める価値や目標に大きく影響されます。また、職場環境や企業文化、リーダーシップのスタイルも、働きがいを感じる上で重要な役割を果たします。

▷「働きがい」と「働きやすさ」の違いとは

「働きがい」と「働きやすさ」の違いは何でしょうか。

先述のように、「働きがい」は「自らの意思で仕事ができている」状態を示しますが、その要因は社会貢献をしている実感であったり、承認欲求が満たされるであったりと人それぞれです。しかしいずれも個人の内的から生まれるものが要因となっています。

反対に、「働きやすさ」は外的要因によって左右されます。具体的には、施設環境や福利厚生の満足度・納得感などです。

厚生労働省の2014年の調査によれば「働きやすさ」よりも「働きがい」が高い場合に、仕事に対する意欲や定着に対して高い効果が得られると結果が出ています。
(参考:厚生労働省職業安定局 働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査 報告書

▼職業環境に関する記事はこちら
働きやすい職場環境とは?特徴や作るためのポイント、成功企業事例をご紹介

▷「働きがい」と「やりがい」の違いとは

働きがいとやりがいは、仕事に対する意欲を高めるために重要な要素の2つです。働きがいとは、仕事自体から得られる報酬や認知、自己成長などの感覚です。一方、やりがいとは、仕事が社会的に重要であると感じること、または自己実現のために仕事をすることによって得られる感覚です。

仕事のやりがいは、重要な意味を持ちますが、それだけでは十分ではありません。例えば、やりがいのある仕事でも、報酬が低く、労働環境が悪い場合、仕事に対する意欲が減退する可能性があります。また、やりがいのある仕事でも、仕事自体がストレスや不安を引き起こす場合、健康や幸福感に悪影響を与える可能性があります。そのため、働きがいや報酬、労働環境なども重要な要素であることは言うまでもありません。

▷学問的な定義による「働きがい」

ハーズバーグの二要因理論はご存知でしょうか。こちらはアメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した、職務における満足と不満足を引き起こす要因を調査した理論です。

この理論によると、人間が職務に対して満足するときの要因と、不満足の時の要因は下記のように別であるとされています。

〇職務の満足・・・自己肯定感を感じる時、何かを達成したとき、何かの責任を全うできた時など、仕事に対する要素(動機付け要因)が要因となっている。(マズローの「自己実現欲求」にあてはまる)
〇職務の不満足・・・給与が低い、人間関係が悪い、会社の方針に納得がいかない、など仕事ではなく、衛生的な要素が要因となっている。(マズローの「生理的欲求」に当てはまる)

上記のように職務に満足する時と不満足の時の要因はそれぞれ別であるため、どれほど施設環境を改善したとしても、「不満足」→「満足」に移行することは難しく、あくまで「不満足度」を減少させることしかできません。

そのため、もともと職務に対して不満足な人が多い企業であれば、
①まず衛生的な要素を改善し、②その後個々人の動機付け要因にアプローチする
といったステップを踏むことで満足度向上が見込めます。

この理論を先ほどの「働きがい」と「働きやすさ」に当てはめると、「働きがい=動機付け要因」、「働きやすさ=衛生的要因」と分類できます。

したがって、厚生労働省の調査結果のように、「働きやすさ」よりも「働きがい」にアプローチする方が会社への愛着心醸成においては効果的です。

続いては、働きがいの向上により期待できる業績向上人材の定着(離職率の改善)といったメリットについて、その理由とともに説明します。

▼働きがいのある会社・組織のつくり方:チームマネジメント編

  働きがいのある会社・組織のつくり方:チームマネジメント編|組織改善ならモチベーションクラウド 株式会社リンクアンドモチベーション

働きがいをつくる3つの要素

世界約100ヶ国で従業員意識調査をおこない、「働きがいのある会社」認定・ランキングを発表しているGreat Place to Work(GPTW)は、「働きがいのある会社」について以下の3つの基本要件を定義しています。 (1)マネジメントに対する信頼(信用、尊敬、公正) (2)仕事に対する誇り (3)仲間との連帯感 それぞれ簡単に解説していきましょう。

▷マネジメントに対する信頼(信用・尊重・公正)

従業員が働きがいを得るうえで、マネジメントに対する信頼は重要な要素です。マネジメントに対する信頼には、経営者や上司に対する尊敬の気持ちや、理念やビジョン・運営方針などに対する共感度合い、社内制度やシステムに対する信頼度、評価や処遇に関する公正さなどが含まれます。このようなマネジメントに対する信頼がなければ、たとえ今の仕事内容に満足していても、働きがいは半減してしまうでしょう。「マネジャーの発言が理念・ビジョンとリンクしているか?」「昇進・昇格の基準は公平か?」「納得感のある評価制度になっているか?」といったことをあらためて見直し、従業員の信頼を向上させていきましょう。

▷仕事に対する誇り

日常的に携わっている業務へのやりがいや意義を実感できていれば、自然と働きがいも高まっていきます。つまり、従業員に「いかに自分の仕事に誇りを持ってもらえるか?」が重要だということです。自分の仕事に誇りを持ってもらうための大前提になるのが、企業理念が浸透していることです。自分が所属する会社が「何を目指しているのか?」「何のために存在しているのか?」といったことが明確に示されており、従業員がそれに共感していれば、日々の仕事に誇りを持ち、働きがいを実感することができるでしょう。また、顧客の声から自分の仕事の社会的意義を感じられるケースも多いため、顧客の声を従業員にフィードバックすることも重要です。

▷仲間との連帯感

どんなにモチベーションが高い従業員がいても、それがごく一部だったらどうなるでしょうか。上司がしらけていたり、同僚が愚痴ばかりこぼしたりしていたら、その従業員の働きがいも阻害されてしまうでしょう。一方で、多くの従業員が高いモチベーションを持ち、みなが協力して目標を目指している組織に身を置いていると、「同じ志の仲間がたくさんいる」という連帯感から、働きがいも高まっていきます。つまり、従業員に働きがいを実感してもらうためには、組織全体の風土改革が不可欠だということです。連帯感の醸成という意味では、全員で協力しなければ達成できないような目標設定をするのも有効です。

▼従業員のモチベーションについて詳しくはこちら
従業員のモチベーションを管理するポイントとは?組織におけるモチベーションの必要性から解説!

働きがいが重要視される背景

働きがいがここまで重要視される背景には、SDGsの背景の他にはどういった環境の変化があるのでしょうか。

▷事業環境の変化

企業を取り巻く環境は日々変化しており、その一つにVUCA時代(※V=不安定性、U=不確実性、C=複雑性、A=あいまい性)の到来が挙げられます。 つまり複雑性が増している世の中でいかにスピーディーで最適な経営判断や商品開発ができるか、が重要になっていると考えられます。 従来よりも、従業員の自考自動な行動がより必要となるため、働きがい創出による従業員の主体的な行動が重要です。

▷労働市場の変化

少子高齢化により労働人口が減少している日本ですが、それに加え最近では「働き方の多様性」や「プライベートの充実」を重要する傾向が強まっています。 そのため、以前のような大量採用は難しくなり、既存の社員の定着率が重要になってきています。社員定着のためにも、働きがいを創出し、従業員の「ずっとこの会社で働きたい」を醸成することが重要です。

また、その中で顧客満足度だけではなく従業員満足度も重要視されています。従業員満足度の向上と働きがいの創出には深い関係があるでしょう。

▼ワークライフバランスに関する記事はこちら
ワークライフバランスとは? 誤解されがちな定義や、メリット、実現に向けた対策について解説

▼従業員満足度について詳しくはこちら
従業員満足度(ES)とは?満足度を向上させる方法や理由・事例を紹介

▷SDGsでも注目されている

外務省によると、SDGsとは「Sustainable Development Goals websiteの略称であり、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標」と説明されています。 17のゴール・169のターゲットから成り立つこの目標は、「働き甲斐」についても言及しています。それが8番目の目標である「働き甲斐も経済成長も」です。 この項目の1つのゴールに「2030年までに、若い人たちや障害がある人たち、男性も女性も、働きがいのある人間らしい仕事をできるようにする。そして、同じ仕事に対しては、同じだけの給料が支払われるようにする。」が設定されているため、昨今「働きがい」に対する注目や施策が増えてきました。

働きがいを高めることのメリット

では、実際働きがいを高めるとどのようなメリットがあるのでしょうか。 厚生労働省の調査では以下のような結果が出ており、大きく2つのメリットがあることが伺えます。

▷業績向上

働きがい、つまり貢献欲求や自己肯定感等が満たされる環境ですと、従業員は会社で「もっと貢献したい」「もっと活躍したい」欲求が醸成され、自ら率先して業務に取り組むようになります。 このようなモチベーションの高い状態になることで従来よりも業務の生産性があがり、業績向上が見込めます。

▷人材の定着率向上

「今の会社でずっと働き続けたいか」という厚生労働省のアンケートに対し、「働きがいがある」と回答した人の群で肯定的な意見が多く見受けられます。 また、以下の図は内閣府が実施した初職の離職理由調査です。 圧倒的に「仕事が自分に合わなかったため」という理由が多くなっています。 各人へ仕事に対しての動機付けや、モチベーション向上施策によって仕事内容への納得感や満足度の醸成がされ、働きがいへと繋げることが可能となります。 その結果、人員の定着化にも繋げることができます。

▷アイデアの創出

働きがいがある職場では、従業員がポジティブな気持ちで主体的に働いています。一人ひとりが「会社や事業に貢献するためにはどうすればいいのか?」と考えながら働いているため、提案やアイデアが生まれやすくなります。従業員同士のコミュニケーションも活発になるため、そこからアイデアがブラッシュアップされ、事業やビジネスに採用される例も少なくありません。

▷新しい事業・技術が生まれる

働きがいを高めることで、新しい事業・技術が生まれるということも、メリットとして挙げられます。働きがいが高まると、新しいことに挑戦する意欲が高まり、それまでとは異なる行動が生まれやすくなるでしょう。

▷個々のスキルアップ

働きがいを感じている従業員は、仕事に対する向上心が旺盛で、常により良い成果を求めて試行錯誤をしています。「苦手な○○のスキルを高めたい」「もっとできることを増やして会社に貢献したい」といった気持ちから、自主的に知識・スキルの習得に努める従業員も増えてきます。個々の従業員がスキルアップすれば、当然全体のレベルも底上げされるため、より競争力のある組織へと成長を遂げることができるでしょう。 ▼働きがいのある会社・組織のつくり方:チームマネジメント編

  働きがいのある会社・組織のつくり方:チームマネジメント編|組織改善ならモチベーションクラウド 株式会社リンクアンドモチベーション

▷社会的制約の増大によるマネジメント難易度の高まり

(1)働き方改革による労働時間の制限
労働時間の制限により、今まで「人」の体力・気力に頼っていたところも、今後はいかに効率的かつ生産性高く人材を活用するかが重要となってきます。指示した仕事を実行する、かつそのモニタリングを行う管理的な制度ではかかるコストで生産性向上は見込めません。 働きがい創出によって、自主的に行動できる社員をいかに育成できるかに今後の会社の成長がかかっているともいえるでしょう。

(2)コロナ禍の本格的なリモートワーク導入
昨今の事情によるリモートワーク導入により、必然と物理的距離が出来てしまうため、各個人の状況や頑張りが見えづらくなります。そのため、自宅という環境下でもいかにパフォーマンス高く仕事できるかが課題となり、社員の自主性に任せられない状況下では管理コストが膨らみます。 管理コストをいかに削減できるかを考える前に重要なのは「いかに管理しなくてもよい組織をつくるか」という点です。 そういった意味でも自ら「これを達成したい」「これによって組織に貢献したい」の醸成が必要です。

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働きがいを高める方法【施策7選】

▷会社への帰属意識の向上

リンクアンドモチベーションでは、企業が人を惹きつける「企業の魅力因子4P」というものがあります。この4Pとは以下4つのことを示しています。

①Philosophy( 理念・目的)
②Profession(仕事・事業)
③People(人材・風土)
④Privilege(特権・待遇)

社会心理学の考えに基づいて定められているこちらの4点が満たされると、人はその企業を魅力的に感じ、働くモチベーションが高まります。従業員のモチベーション向上において金銭的な報酬はもちろん重要ですが、実際従業員が求めているのは金銭的な報酬だけではありません。

組織へ貢献できた高揚感や、誇りのもてる事業内容、そして周囲から感謝されることで得られる自己肯定感なども求めている報酬の1つです。

弊社ではこれらを「意味報酬」とよんでおり、今後の成熟したマーケットにおいては「金銭報酬」と「意味報酬」の両立がさらに重要になってくるでしょう。

(参考)モチベーションとは何か?維持する方法やメリット、ビジネスでのマネジメント成功事例について解説

▼帰属意識に関する記事はこちら
帰属意識とは?低くなる原因と対処方法を解説

▷上司からのキャリアマネジメント強化

マズローの欲求階層説を参考にすると、社員の「承認欲求」や「自己実現の欲求」を満たすことがモチベーションを高め、 生産的な行動を促すことに繋がると考えられます。 特に、「社員のキャリア」を会社の方針に沿った設計と社員の主体的な運用を促すことは効果的です。

会社としてそれぞれに求める役割、能力を定義して個人のキャリアステップを相互了解の元で描き適切に評価することで、 社員は会社の方針と個人の目指す姿への繋がりを感じ「認められた」「自分の成長に繋がっている」という実感をもって働くことができます。
(参照:モチベーションとは?代表的な理論とマネジメントのコツ

▷職場内の連携度の向上

働きがいを向上させるには、個人の育成よりも組織として何かを達成する成功体験を積み、高揚感を醸成することが重要かつ効率的です。

組織をうまく機能させるには、バーナード理論で提唱されている「組織成立の3要素」に沿って考えることが有効です。

それぞれの要素に関して記載しますが、いずれも一度だけ行うだけでは効果は薄いからこそ、繰り返し働きかけることが重要です。

共通の目的:ビジョンを明確にする

チームには目的やビジョンが必ず必要です。チームビルディングを行う際にはまずはビジョンに立ち返り、全員で認識を揃えることを意識しましょう。

当たり前のように思えるビジョンだったとしても、具体的に解釈をしたり、それぞれのモチベーションを確認すると、別々の方向を向いていることが多くあります。

上位組織があるのであれば、その上位組織のビジョンを自組織に落とし込んだビジョンを確認し、その実践度合いを確認するKPIを設定して、それぞれの役割に落とし込みましょう。

協働意思:ビジョンを共有し共感を募る

チームのビジョンに対しては、頭での理解だけではなく、心での共感が重要です。個々人のキャリアビジョンや、チームとしての共通体験をベースに、共感を募り、それぞれが「やりたい」と思う意志をまずは引き出しましょう。

ビジョンや理念を伝えるだけでは、メンバーが共感し、自分ごと化することが難しいことも多くあります。共感の前提となる、ひとりひとりのビジョンの醸成も意識するとより共感が募りやすくなります。

コミュニケーション:前提を踏まえて調整を続ける

共通の目的があり、協働意思が醸成されたとしても、動き出したチームには必ずズレが生じます。メンバーそれぞれの価値観や背景をお互いに受け入れられるまで共有すると共に、チームが動き出した際にはズレが大きくならないようにこまめにコミュニケーションをとることが重要になります。

それぞれの役割に固執しすぎると連携に支障をきたしてしまうため、相手の立場に立って考え、組織全体の成果に繋がる行動をすり合わせることが重要になります。
(参照:チームビルディングとは?チームの協働関係を築きパフォーマンスを向上させるための方法とは?

【参考資料のご紹介】
日本をけん引する4企業が【働きがいのある会社・組織】の作り方を語る!資料はこちら


▷目標設定がしやすい環境の整備も重要

目標を設定することは、働きがいを高めるために非常に重要な要素です。従業員が自身で目標を設定することで、仕事に取り組む意欲が高まります。そのため、組織が従業員が自身で目標を設定しやすい環境を整備することは、働きがいを高める上で非常に重要です。

また、目標達成に向けてサポートすることも重要です。これには、フィードバックやアドバイスなどが含まれます。従業員が目標を達成するために必要な支援を提供することで、従業員は仕事に取り組む意欲が高まり、自己成長や達成感を得ることができます。


▷適正な評価制度の整備

働きがいを高めるためには、適正な評価制度の整備が不可欠です。評価制度は、従業員の業務遂行能力、貢献度、および行動様式を公正かつ透明な方法で評価することを目的とします。

評価の基準を明確にし、従業員が自己評価を行い、その上で上司と面談を行うことで、双方向のコミュニケーションを確立します。また、継続的なフィードバックとキャリア開発の機会を提供することで、従業員のモチベーションを維持し、自己実現への道をサポートします。

▷福利厚生・労働環境の見直し

従業員の働きがいを高めるためには、福利厚生と労働環境の見直しが重要です。福利厚生は、健康管理、退職金制度、休暇制度、育児・介護休暇など、従業員の生活の質を向上させるためのものです。

これらの制度を充実させることで、従業員のワークライフバランスをサポートし、ストレス軽減に繋がります。また、労働環境については、オフィスの快適性の向上、柔軟な勤務体系の導入、リモートワークの促進などが考えられます。

▷従業員エンゲージメントの向上

最後に、働きがいを向上させるうえで重要になってくる要素の一つとして従業員エンゲージメントがあげられます。従業員エンゲージメントとは従業員と企業の相思相愛度合いを意味し、「目標の魅力」「活動の魅力」「組織の魅力」「待遇の魅力」の4つの要素から構成されています。

従業員が働きがいを持つためには、組織や会社と一体感を感じられることが大切です。従って、従業員エンゲージメントの向上によって従業員の働きがいも向上することが期待できます。

▼従業員エンゲージメントについて詳しくはこちら
「エンゲージメントとは?ビジネスにおける意味や必要性、向上させるメリット・方法を解説」

働きがいのある会社・職場の特徴

働きやすい環境が整っている

働きがいは、仕事の意義ややりがいだけに左右されるものではありません。自分の仕事にどれだけ意義を感じていても、長時間残業や休日出勤が常態化していたり、有給休暇を取得しにくかったりする企業では働きがいを感じにくくなるはずです。働きがいを実感できるかどうかは、「働きやすい環境があるか?」ということが重要な要素の一つになります。労働時間が適切で、気兼ねなく有給休暇を取得できるのはもちろん、産休・育休や時短勤務、テレワークやフレックスタイムなどの制度によって柔軟な働き方が推進されており、従業員がワークライフバランスを大切にできる会社ほど、働きがいが高まるものです。

事業が安定している

働きがいのある会社の共通点として、事業が安定していることが挙げられます。経営が不安定で先行きが見通せない企業では、従業員が不安を抱えながら働くことになるため、働きがいを実感するのは難しいでしょう。特に、事業が不安定な会社ほど賃金が上がりにくく長時間労働に陥りがちなので、その意味でも働きがいが損なわれやすくなります。事業が安定している会社であれば従業員も安心してチャレンジできるため、働きがいが高まりやすく、それが会社への貢献意欲にもつながります。

公正な評価によって報酬が与えられている

従業員が働きがいを感じている会社では、公正な評価がおこなわれ、一人ひとりの従業員に見合った報酬が与えられているものです。人事評価制度の公平性が欠けていたり、評価者の力量が不足していたりしていると、従業員は「この会社では正しく評価してもらえない・・・」「頑張っても報われない・・・」といった落胆から働きがいを失ってしまいます。働きがいのある会社にするためには、人事評価制度を見直し、公平感・納得感の高い仕組みを整えることが不可欠です。

理念・ビジョンが浸透している

働きがいのある会社では、従業員が自社の理念・ビジョンを理解・共感しているものです。会社の考えや方向性に共感していれば仕事の意義を感じることができますし、進むべき道が明確になるので、従業員は働きがいを実感しながら主体的に仕事に取り組むことができるでしょう。一方で、働きがいのない会社は、そもそも理念やビジョンが存在しないケースもありますし、存在していても従業員に浸透していない会社がほとんどです。そのような会社では、従業員は与えられた仕事をこなすだけになりがちで、働きがいを感じるのも難しくなります。

自由に意見を言える環境がある

働きがいのある職場は風通しが良く、誰もが気兼ねなく自分の意見を言える環境があります。年次や役職、立場にかかわらず、自由に意見やアイデアを出し合える環境があれば、従業員は「自分が尊重されていること」を実感でき、働きがいを得られるだけでなく、組織に対する忠誠心も高まります。職場の風通しが悪いと感じているのであれば、まずはコミュニケーションの量を増やし、従業員の意見を吸い上げる仕組みを整えるのが良いでしょう。

成長を支援する仕組みがある

従業員が成長を実感できることは、働きがいのある会社の条件の一つだと言えるでしょう。研修を充実させたり資格手当を設けたりと、スキルアップやキャリアアップを支援している会社では、従業員は意欲的に自己研鑽をすることができます。また、働きがいのある会社は若手にも積極的にチャンスを与えています。責任のある仕事やビッグプロジェクトから得た経験によって成長が促されれば、若手社員はより大きな働きがいを感じられるようになるでしょう。

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働きがいとエンゲージメントの向上による組織改善事例

日本ユニシス様では、2013年より「働きがいのある会社、メリハリ・公平感ある評価と処遇」を目指し人事制度の改定を進めてきました。

人事制度の改定後は、旧制度から大きく変化したことによる従業員のモチベーション状態を把握するためエンゲージメントサーベイを導入し、エンゲージメント向上に向けての施策を進めてきました。

さらに2018年~2020年の中期経営計画では経営の重点施策として 「風土改革」を掲げ、エンゲージメントサーベイのスコアを「企業風土の変革度合いを測る指標」と位置づけ、エンゲージメントサーベイの結果に基づいた現場改善を続けることで、業績向上が実現しています。

先述したような人材の定着化や業績向上のためには、今後さらに「働きがい」や「エンゲージメント」といった要素が重要になってきます。

その両輪を改善していくことで、このVUCA時代にも強い組織を創っていくことを強くおすすめいたします。

▼【帰属意識】に関する記事はこちら
「帰属意識」の意味とは?帰属意識を高めエンゲージメント向上に寄与するポイントとは?

働きがいのある会社づくりの取り組み事例

Great Place to Work Institute Japan(GPTWジャパン)が発表した2023年版日本における「働きがいのある会社」ランキングに選ばれた企業をピックアップして、働きがいのある会社づくりの具体例をご紹介します。

※参考:2023年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング|働きがいのある会社研究所(Great Place to Work Institute Japan)

https://hatarakigai.info/ranking/japan/2023.html

シスコシステムズ

シスコシステムズは、大企業部門で1位に輝いた働きがいのある会社です。「すべての人にインクルーシブな未来を実現する」という同社のパーパスにあるとおり、多様なメンバー全員の働きがいが高いレベルにあることが評価されました。特に評価が高かった「働きがいポイント」が以下の3点です。

・仕事に行くことが楽しみである
・経営・管理者層は気軽に話せる
・経営・管理者層は適切に人材配置をしている

シスコシステムズが働きがいを高めるためにおこなったのが「3か年成長戦略 Project Moonshot」です。このプロジェクトでは、約50名の有志チームが日々の業務の垣根を越え、働きがい向上施策に取り組むもの。2022年は、以下のような数多くの取り組みがおこなわれました。

①視野を広げ、キャリア自律を促すMentoring/Shadowingプログラム
②生産性向上のため、会議やチャットをせず、自身の業務のための時間を一斉にとる「Focus hours」
③対話の質を高めるための「聴く」教育
④互いに認め合うための全社推薦・投票による表彰

コンカー

コンカーは、中規模部門で1位に輝いた働きがいのある会社です。同社は「働きがいを高めることは経営戦略である」という考えのもと、ビジョンやコアバリューとつながりのある数多くのオリジナル施策を実施しています。特に評価が高かった「働きがいポイント」が以下の3点です。

・仕事に行くことが楽しみである
・安心して働ける環境がある
・経営・管理者層は適切に人材配置をしている

コンカーが、個の成長を促すとともに働きがいを高めるために取り組んだのが「フィードバックし合う文化」という施策です。部下、上司、同僚、他部門、すべての関係を対象にした全方位型のスタイルで、課題や改善すべき点を伝える「ギャップフィードバック」と、長所や努力を認める「ポジティブフィードバック」を実施。耳の痛い話も成長へ転化させる能力(コーチャビリティ)を向上させ、組織内のフィードバック浸透を推進しました。

リクルートホールディングス

リクルートホールディングスは、従業員の育成と働きがいの向上に取り組んでいることで、高い生産性と顧客満足度を実現しています。

同社は、従業員に対して研修プログラムを導入しており、社員がスキルアップや自己成長に取り組める環境を整備しています。また、従業員の意見を反映した制度や働きやすい環境整備も積極的に行っており、従業員のモチベーション向上にもつながっています。

さらに、従業員の働きがいの向上にも注力しています。従業員が自分の仕事にやりがいを感じられるように、組織内でのキャリアパスや評価制度の明確化、社員同士のコミュニケーション促進、また福利厚生の充実など、様々な取り組みを行っています。これらの取り組みによって、従業員は会社に忠誠心を持ち、モチベーションが高まります。その結果、生産性の向上や顧客満足度の向上につながっています。

野村総合研究所

株式会社野村総合研究所は、従業員が自己実現を実現しやすい環境を実現するため、キャリアパスの明確化や働き方改革の推進に注力しています。

同社は、従業員が持つ能力を最大限に引き出すため、積極的に研修や社外講演会などのイベントを開催しており、従業員たちは自分自身のスキルアップに注力できる環境を提供しています。

これにより、従業員の能力向上に貢献し、より高度な業務をこなすことができるようになります。また、同社は、従業員の意見を取り入れることで、業務プロセスの改善にも取り組んでいます。従業員が自分たちの意見を言いやすい環境が整っているため、ミスを防ぐことができ、より効率的な業務の実現につながっています。

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まとめ

経団連も重視している、働き方改革のその先の、「働きがい改革」。

働き方の多様性が促進されている中、より個人が能動的に仕事に取り組む意思・意欲があるかといった要素は、今後の企業活動を継続する上でも重要な要素となってきます。現状の組織状態はいかがでしょうか。

働きがい改革を進めるにあたり、まずは現状の組織状態の把握から始めましょう。弊社のモチベーションクラウドは、10,060社、310万人の実績を持つ組織のモノサシ「エンゲージメントスコア」で、組織状態を定量化・可視化し、See・Plan・Do・Check&Actionのサイクルを回します。

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働きがいに関するよくある質問

Q:ディーセントワークとは?

ディーセントワーク(英語:decent work)とは、「働きがいのある人間らしい仕事」のことです。具体的には「自由、公平、安全と、人間としての尊厳を条件とした、すべての人のための生産的な仕事」のことで、2009年に国際労働機関(ILO)総会において提案された考え方です。なお、英語の「decent」には、「きちんとした」「まともな」「適正な」といった意味があります。

日本におけるディーセントワークは、2012年3月に厚生労働省が公表した「ディーセントワークと企業経営に関する調査研究事業報告書」のなかで、以下の4点に整理されています。

  1. 働く機会があり、持続可能な生計に足る収入が得られること
  2. 労働三権などの働く上での権利が確保され、職場で発言が行いやすく、それが認められること
  3. 家庭生活と職業生活が両立でき、安全な職場環境や雇用保険、医療・年金制度などのセーフティネットが確保され、自己の鍛錬もできること
  4. 公正な扱い、男女平等な扱いを受けること

※参考:ディーセントワークと企業経営に関する調査研究事業|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/decentwork.html

Q:ジョブ・クラフティングとは?

ジョブ・クラフティング(英語:Job Crafting)とは、一人ひとりの従業員が主体的に仕事に対する認知や行動を修正していくことで、退屈な「やらされ仕事」を「やりがいのある仕事」へと変容させる手法のことを言います。米国・イェール大学経営大学院のエイミー・レズネスキー准教授と、ミシガン大学のジェーン・E・ダットン教授が提唱した考え方であり、近年、従業員の働きがい生み出す手法として注目されています。やらされ仕事をやりがいのある仕事へと変容させることで、従業員は仕事から満足感や自己効力感を得ることができ、組織としても従業員エンゲージメントが高まることによる生産性や定着率の向上が期待できます。


執筆者:林 優里香
執筆者:林 優里香
【プロフィール】 新卒でリンクアンドモチベーション入社。 以降、一貫して大手企業向けクラウド事業に従事。 現在、幅広い西日本企業のクラウド運用をサポート。

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