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インクルージョンとは?ダイバーシティとの違いや企業事例について解説


目次[非表示]

  1. 1.インクルージョンとは?
  2. 2.インクルージョンが普及した背景
  3. 3.日本におけるインクルージョン
  4. 4.インクルージョンとダイバーシティとの違い
  5. 5.インクルージョン導入のメリット
  6. 6.インクルージョン導入を進める流れ
  7. 7.インクルージョン導入実現のポイント
  8. 8.インクルージョン導入企業事例
  9. 9.記事まとめ
  10. 10.インクルージョンに関するよくある質問

皆さんは、「インクルージョン」というワードにどのような印象を持たれるでしょうか?

「ダイバーシティ」と並び、近年ますます活用される頻度が高まっているのが「インクルージョン」という考え方です。経営においてますます重要になっているこの考え方を、一緒に紐解いていきましょう。

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インクルージョンとは?

インクルージョンとは?

「インクルージョン」とは、企業内の人々が互いに個性を認め、個々人が能力を発揮して活躍できている状態を指します。 インクルージョン(inclusion)の語源は英語の「包括」「包含」という単語です。 では、いったい何を「包括」「包含」するのでしょうか?

インクルージョンの対象は人の属性です。

ひとえに会社員と言っても、我々には様々な属性があります。例えば男性・女性といった「性別」。日本人、外国人といった「国籍」。

どのような性的嗜好があるかという「LGBT」という区分もありますし、障害のある無し、介護対象の有無など企業にはあらゆる属性の人間が集まっています。

これらの多様性を単に「違い」という言葉で片づけるのではなく、互いの特徴を認め合ったうえで、一体感を持って働くことが出来れば企業にとっても大きなメリットがあると言えます。

単一的な属性だけで出したアイデアはどうしても幅が狭くなってしまいますし、何より自社の顧客やパートナーなど、それこそ多様な人材と関わることが求められるため、企業にとっては「多様性を活かす」ことが事業面においても無視できない事象であると言えるでしょう。

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インクルージョンはなぜ重要?

現在、商品市場(商品サービスを通した需要と供給の市場)においては第三次産業、すなわち「サービス業」の比率が年々高まっています。

また、サービス業には「ソフト化(無形サービスの比率が向上している)」「短サイクル化(サービスの流行り廃りが激しく、常に安泰でいることが難しい)」という2点の特徴があるため、選ばれる難易度がますます高まっていると言えるでしょう。

そのような競争環境の中で、単一的なモノカルチャーだけで勝負するのは限界があります。性別だけを取り上げても、男性にしか思いつかない視点、女性だからこそ説得力がある事案など、多様な人材を活かすことが出来れば、それ即ち事業において幅の広い活動に繋がることになります。

また、組織においても互いの個性を活かすことでより相互触発が多い活性化した組織になるでしょう。

また、労働市場(人材採用・定着における需要と供給の市場)においても「多様化(金銭や地位だけではなく、働く上で大切にしたい価値観が人によって異なること)」「流動化(1つの会社に留まるのではなく、最も自分の価値観に沿った会社に移ろいやすくなったこと)」等の変化が起きています。

つまり企業と個人の関係性が「相互拘束関係=縛り合う関係」から「相互選択関係=選び合う関係」へと変化してきているということです。

多様な人材を受け入れる器がある、更にはその多様性を尊重し、事業や組織の発展に繋げている企業は、ますます「選ばれていく企業」になると言えるのではないでしょうか。

インクルージョンが普及した背景

インクルージョンという概念が注目されるようになった背景として、「ソーシャル・エクスクルージョン」という社会課題があります。1970〜80年代のヨーロッパでは、社会の誰もが享受できるはずのサービス・機会・権利を、格差や差別によって特定の人が受けられないソーシャル・エクスクルージョン(社会的排除)が社会課題となっていました。この課題を解決するため、誰もが社会に参加する機会を有する「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」という考え方にシフトしていきます。それ以降、教育やビジネスの分野にもインクルージョン(包摂)の概念が広まっていきました。

日本におけるインクルージョン

日本でインクルージョンの概念が最初に取り入れられたのは教育分野で、「インクルーシブ教育」という考え方が注目されました。インクルーシブ教育とは、障害者が精神的・身体的な能力を可能な限り発達させ、自由な社会に参加することを可能にするという目的のもと、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みのことを言います。たとえば、日本における障害児教育は、障害のある子どもとそれ以外の子どもを隔てて教育するエクスクルージョンの状態から、すべての子どもを受け入れて個々に最適化するインクルーシブ教育へと転換されていきました。

インクルージョンとダイバーシティとの違い

ダイバーシティとは?

インクルージョンよりも前に、組織人事の領域では「ダイバーシティ」という概念が浸透しました。皆様一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

「ダイバーシティ」には「多様なバックグランドを持つ個人が組織の中にいる」という意味があります。また、それを更に発展させて、「個々人のバックグランドを認め、シナジーに繋げている」段階まで昇華させているのが「インクルージョン」というイメージです。


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ダイバーシティとの違い

「外国人比率を高めよう」「女性管理職比率を高めよう」

「我々は障がい者を積極的に雇用しています」と実績を作ることに終始してしまうことがあるのですが、それだけでは「個性を認め合い、個性が活かせている状態」と言う事は出来ません。

例えば、仮に外国人比率が高まったとしてもその方の国際的バックグラウンドを周囲が理解し、活かせる業務環境を整える事をしなければそれは無意味になってしまうでしょう。

また、昨今では「女性の管理職比率を高める」事を意識し過ぎるあまり、本来管理職に必要なスキルやマインドが培われていないままに昇格をさせてしまい、結果として本人にも部下にも大きなブレーキがかかってしまうようなケースもあります。 

このことからも、組織というのは「能力をもった個人の集まり」という概念だけでは説明がつかないものであるといえます。

アメリカの経営学者のチェスター・バーナードも、組織が成立する要件は「共通の目的」「協働意思」「コミュニケーション」であると説いています。

従業員の多様性(ダイバーシティ)を追求することだけに躍起になるのでは無く、従業員の個性を理解し、認め、活かし合う環境創りやマネジメントこそがインクルージョンには必要不可欠な要素です。

そのような背景も合ってか、近年では「ダイバーシティ&インクルージョン」という一括りの概念で語られることも非常に多くなってきています。

インクルージョン導入のメリット

■インクルージョン導入のメリット

インクルージョンを上手く活用している企業には多くのメリットがあります。また、社内でインクルージョンを推進するにあたっても「メリット」を伝える事で社員からの理解を得やすくなります。以下のメリットはぜひ理解しておいてください。

「従業員のエンゲージメント向上(生産性の向上)」

多様な人材の個性を認め、活かすという企業の姿勢が会社への従業員エンゲージメントを高める事に繋がります。個々の個性を認めた上で、その個性をチーム貢献に活かしててもらう環境ができれば、一人一人の従業員の生産性のさらなる向上が期待できます。

「離職率の改善」

あらゆる個性が活躍できる職場であればあるほど、その職場の魅力も大きく増加します。従って、従業員に選ばれ続ける会社となり離職率は改善するでしょう。

「人材獲得競争でのアドバンテージ」

個々人の多様性を認め、活かすことが出来ている企業には多くの応募者が関心を持ちます。実際に口コミデータサイトでも「働き方の多様性」「個性や能力の発揮」を軸に就職先を決める層は増えてきており、採用においても大きなアドバンテージがあると言えるでしょう。

「企業イメージの向上」

インクルージョンの取り組みが行われることで、企業のイメージが向上することがあります。

まず、多様性を尊重する姿勢を示すことによって、企業の社会的責任を果たすことができます。また、多様な人々が働くことができる環境を作ることで、企業の人材の多様性が高まり、意見やアイデアの幅が広がります。これによって、企業がより創造的であることを証明することができます。

さらに、インクルージョンの取り組みが行われることで、顧客に対してもポジティブなイメージを与えることができます。多様な顧客に対して、企業が彼らのニーズを理解し、尊重することができることを証明することができます。顧客は、自分たちが尊重されている企業に支持を寄せることが多いため、企業のイメージが向上することが期待できます。

「新規事業やイノベーションの創出」

インクルージョンの取り組みによって、新規事業やイノベーションの創出ができることがあります。多様な背景や価値観を持った人々が集まり、アイデアを出し合うことで、従来の枠組みにとらわれない新しい視点や発想が生まれることがあります。

また、異なる文化や言語を持つ人々が集まることで、グローバルな視野を持ち、海外市場での展開など、新たなビジネスチャンスを発見することができるかもしれません。

企業がインクルージョンの取り組みを行うことで、新しい事業展開やイノベーションの発掘が可能となり、企業の成長につながる可能性があります。

インクルージョン導入を進める流れ

インクルージョンを進める際には、心理学者であるクルト・レヴィンが提唱する組織変革の3ステップに沿うことをおすすめします。この理論では、人や組織の変化をスムーズに生み出すためには、以下の3つのステップを踏むことが重要であると提唱されています。

インクルージョン

(参考:組織変革の3ステップ)

これに則ると、インクルージョンを進める際には、以下のような流れがあると考えられます。

Unfreeze:インクルージョンの取り組みを進めるためには、まず従来の考え方や枠組みを見直す必要があります。そのためには、組織全体でインクルージョンの重要性やメリットについて共通認識を持つ必要があります。 具体的には、インクルージョンによって、様々なバックグラウンドや文化を持つ人々が参加しやすくなり、組織内でのアイデアや知見の幅が広がることが期待できます。また、ダイバーシティを尊重し、人材の多様性を受け入れることで、企業の社会的責任を果たすこともできます。

Change:次に、インクルージョンの取り組みを実際に行うための変化を起こす必要があります。たとえば、採用プロセスや業務の進め方などを見直し、多様な背景や価値観を持った人々が参加しやすい環境を整えることが必要です。 さらに、従業員や社外の人々がオープンに意見を交換できるような場を設けることで、より多様性に富んだ意見やアイデアが生まれることが期待できます。また、インクルージョンのためのトレーニングや教育プログラムを導入することで、個人レベルでもインクルージョンの意識を高めることができます。

Refreeze:最後に、変化が根付いた組織文化を確立する必要があります。インクルージョンの取り組みを当たり前のこととして受け入れ、定着させることで、組織の中で多様性が尊重され、誰もが参加しやすい環境が維持されるようになります。 具体的には、インクルージョンを企業文化の一環として位置づけ、社員がそれを自然と行動に移すようにすることが大切です。また、多様性を尊重する姿勢を社内外に発信し、組織として社会に貢献していくことも必要です。

インクルージョン導入実現のポイント

インクルージョン導入のポイント

インクルージョンの導入実現に向けたポイントには以下のようなものがあります。

「ゴールイメージの伝達」

なぜ自社でインクルージョンを導入すべきと決めたのか、いつまでに実現を目指すのか、どのような状態になれば導入が実現出来たと判断するのか。

ゴールイメージを明確に伝える事で、経営陣にとっても従業員にとっても具体的かつ測定可能なものとしてインクルージョンを認知してもらう事が出来ます。

何より「多様な人材が互いを認め合い、一体感を持っている状態」が自社で言うならどのような状態なのか?を全員が理解出来る状態を創ってからスタートする事で、プロジェクトの成功確率が高まります。

「自社の現状把握」

多様な人材活用が出来ているかどうか、自社で働く上で自信の個性を発揮できている感覚があるか、その他特定の属性が不利的に感じているシーンが日常的に起きていないか?など自社のインクルージョン推進度合いを理解することが重要です。

自組織を変革するためのファーストステップとしてまずは診断をすることが不可欠です。

インクルージョンに特化した面談の実施や、アンケート調査も事前に実施しておくことで、より効果的な打ち手を打つことが出来るでしょう。

「定期的な進捗共有」

導入後はインクルージョンの責任者から、導入計画に向けた進捗を発信する事で前進感を感じてもらいやすくなります。

導入後の従業員の声を共有する、進従業員満足度調査(特に多様な人材活用、個性の発揮、働き方に関する項目を見ておけると良いです)の変化を共有する、離職率や採用成果、業績などの生じた変化を見せる化する事で従業員の関心を高め続けるようにしていきましょう。

■インクルージョン導入のデメリット

「過去慣性からの反発」

これまで単一属性(モノカルチャー)での経営期間が長いほど、新たな属性を受け入れる際に感情的な抵抗が生じる事があります。 性別、国籍、年齢、障害有無などは「個性」や「タイプの違い」に過ぎず、その個性を活かすことが企業経営にとって重要度の高い事項である事を伝え続けることが必要です。 「制度・ルールの整備」 妊娠した女性や、障害を持っている方などが自らの個性を活かす環境を用意する為には制度やルールの整備が必要になります。新たにルールを制定する際の設計期間、それを社内に浸透させるための説明や取り組み期間を予め見込んでおく必要があるでしょう。

また、アンケートや満足度調査などで実際のインクルージョンの浸透がどの程度まで進んでいるのかを確認する仕組みも必要です。

インクルージョン導入の注意点

「数字ゲームに陥らない」 

例えば女性管理職比率を高めたいからといって、基準に満たない人材を管理職に登用する、外国人比率を高めたいからといって基準に満たない人材を自社に迎え入れる、など数値の改善を目的にした活動にならないように注意しましょう。

特に登用や採用などは自社のあるべき基準を明確にした上で現状の課題を議論し、そこに向けた対策を練る事が大切です。


「経営陣がコミットする状態を創る」

自社にインクルージョンを導入する背景の伝達、その実行促進、改善行動の推進などは経営陣の協力無しでは決して進み得ない事案です。

自社の人的資源を最大限に引き出す事が経営における重要事項であり、その為の有効な手段としてのインクルージョン。その認知を持って経営陣の積極的な関与を促すようにしていきましょう。

インクルージョン導入企業事例

先駆けて欧米にて浸透してきた「インクルージョン」の概念ですが、既に日本でもその概念を取り入れている企業があります。ここでは実際の企業名と共に、その取り組み内容を紹介していきます。

未来工業

岐阜県に本社を置く未来工業は「日本一社員がしあわせな会社」としてその名を馳せています。

創業者の山田昭男氏は常々『100の力を持っている人間は100の力のなかでベストを尽くしてくれればいいし、50しか力のない人間は、その50のなかでベストを尽くしてくれればいい』という考えのもと、査定においては社員同士を比較するのではなく、その個人が、自分の持っている力に対してどうだったのかを見ています。

「自らの個性や能力、特徴に対してベストを尽くしているのか、手を抜いていないか」を見るという考え方が、より個々人の個性を伸ばす分化を創っていると言えるでしょう。

採用では、『未来工業が好きだ』と思ってくれているかどうかを重視していますが、「まずお互いわかり合うこと。自分がどういう人間かわかってもらって、相手がどういう人間かを知ること。まずそれが第一歩。そこにはじっくり時間をかけていい」という考え方から、入社後もお互いを信じ合い、認め合える組織を創るために相互理解の時間を多く確保しています。

他にも「社員を信じ、任せる」というポリシーのもと「報連相禁止」というユニークなルールも設置しています。
自分の頭で考えて、自分の好きにやるのが最も効果の出る方法として、上長からの指示や命令に従って業務を推進するのではなく、個々人の個性や考え方、ペースを尊重した上での経営を行っています。

日本的な「家族的経営」に近いモデルですが、「インクルージョン」の文化が培われている企業の一例だと言えるでしょう。

日立製作所

日立制作所では、多様な人材の活躍支援やワーク・ライフ・マネジメントなどダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを推進するため専門の部署を設置しています。

「アドバイザリー・コミッティ」および「推進協議会」と呼ばれるその組織では、ダイバーシティ&インクルージョンにおける経営方針の徹底、具体的な活動に関する意見交換やベストプラクティスの共有など半年に1度のスパンで開催しています。

併せて、グループ各社や各事業所でもそれぞれの課題・実態に応じてダイバーシティ&インクルージョンを推進し、女性活躍支援をはじめとするプロジェクトを複数設置し、各職場の課題に応じた取り組みを強化しています。
また、ジェンダー平等の実現をグループ共通の課題として位置づけ、「グローバル女性サミット」をはじめ、グループ全体での取り組みも行う、労働組合とも定期的な意見交換を行う、など非常に積極的な動きを取っている企業だと言えるでしょう。

サイバーエージェント

メガベンチャーであるサイバーエージェント社も、インクルージョンの推進、及び実績を出している企業の1つです。

この企業の最大の特徴は「年齢」「社歴」に関わらず、子会社社長や執行役員のポストへと抜擢を続けるカルチャーや、CHOの曽山氏の書籍「強みを活かす」にも説明がありますが、「個々人の強みフォーカス」でキャリアをプランニングし、異動などの環境整備を行なっています。

各階層に対して個々人の強みを自己認知させる研修はもちろん、相互の強みを共有する事によるチームビルディング、並びに上司が部下の強みを十二分に理解した上での新たなキャリアの提示などが組織施策のラインナップに並び、定期的に開催されています。

個々人の個性を伸ばし、活用することでクリエイティブなカルチャーを育み、新規事業の創出などの事業成長に接続している企業だと言えるでしょう。

記事まとめ

いかがだったでしょうか?個々人の個性や価値観がますます前面に押し出されていく時代。だからこそ、その多様性を認め、活かし、自社の経営の原動力にしているような企業、すなわち「インクルージョン」が出来ているかどうかの判断はこれからの経営課題のメインストリームに入ってくるでしょう。

これからの時代、「あらゆる人材を活かせる企業」は「あらゆる人材から選ばれる企業」に他ならないのではないでしょうか。今回の記事が皆様のインクルージョン実現に向けた一助になれば幸いです。

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インクルージョンに関するよくある質問

Q:「インクルーシブ・リーダーシップ」とは?

インクルーシブ・リーダーシップとは、一人ひとりが持つリーダーとしての能力を引き出しながら、組織全体の力を向上させるリーダーシップのことを言います。特定のリーダーが上意下達でチームを率いる形ではなく、各々のメンバーが自主性を発揮しながら持てる力を横に広げ、周囲を巻き込んで組織全体としての成果を生み出していくリーダーシップです。

Q:「ソーシャル・インクルージョン」とは?

ソーシャル・インクルージョンとは、すべての人が社会に参画する機会を持ち、共に生きていくという考え方で、「社会的包摂」と訳されます。障害者や高齢者、外国人など、社会的に弱い立場の人々を排除するのではなく、社会の一員として包み込み、支え合おうとする考え方です。日本においては、2000年12月に厚生省がまとめた「社会的な擁護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会報告書」においてソーシャル・インクルージョンが提唱され、以降、教育分野を中心に広がりを見せています。

Q:ノーマライゼーションとインクルージョンの違いとは?

ノーマライゼーションは、障害者と健常者の差異の存在を提示し、それを普通(ノーマル)にするよう努めることで社会から差別や排除をなくしていこうとする考え方です。ノーマライゼーションが社会から排除されている障害者を対象にしているのに対し、インクルージョンは障害者に限定せず、社会から排除されているすべての人が対象になります。差異の存在を重視せず、包み込むことで多様性を受け入れるのがインクルージョンの特徴です。


執筆者:坂上 進一郎
執筆者:坂上 進一郎
【プロフィール】 2010年リンクアンドモチベーション入社。 大手、中堅・スタートアップ企業などあらゆる規模のコンサルティングに従事。 「理念策定・浸透」「採用戦略構築」などを主な領域としながら、 のべ200社を超える企業のエンゲージメント経営支援の経験を持つ。

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