テレワーク (リモートワーク) によるコミュニケーションの課題とは? 対策を徹底解説
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コロナによる環境変化の影響でテレワーク (リモートワーク) が日本全体で進んできています。
テレワークになって働きやすくなったという声も多く、従業員がテレワークを求める声は大きいものの、一方で企業としてはいかにマネジメントするのかという課題もあります。
本記事ではテレワークの抱える課題についてまとめていきたいと思います。
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テレワーク (リモートワーク) 導入の目指す姿と課題とは何か?
企業が成長していくために、今求められている企業と個人の在り方は、「One for All , All for Oneの実現」だとリンクアンドモチベーションは考えています。
「One for All , All for One」とは、個人が働きがいやワークライフバランスといった「能率」を担保しながらも、企業側も生産性の向上や業績の向上といった「効率」を同時実現する考えを指し、個人と企業が双方にとって良好な関係を築けている状態のことを指します。
「One for All , All for One」が実現出来ているか確かめる1つの指標に、「エンゲージメント」という概念があります。「エンゲージメント」とは、企業と個人の「愛着度、信頼度」といった関係性を示したもので、現在多くの企業で経営指標として取り入れられているものです。
リンクアンドモチベーションもエンゲージメントスコアを採用し、「One for All , All for One」の度合いを確認しています。
(参考:株式会社リンクアンドモチベーション エンゲージメントとは)
テレワークが進む中で企業経営は今どうなっているのか。現状としては従業員のワークライフバランスの実現が進み、「One」の充足が進んでいる状況といえます。
従業員としては、働きやすさを担保出来るテレワークを続けていきたいという流れが加速しているものの、企業の業績や生産性は下がっており、企業側の課題意識や危機感は高まってきているというのが現状です。
(参考:流通ニュース「テレワーク/「コミュニケーションが難しい」45.9%、電話対応などに課題」)
テレワークでOne for All , All for Oneを実現するための課題は3点、考えられます。
①テレワークによってエンゲージメントが下がったのではなく、
元々マネジメントが機能していなかっただけなので、マネジメントを強化すること
②リモートワークによってコミュニケーションの量と質が変化しているため、
適切なコミュニケーションを取ること
③エンゲージメントが上がったのか下がったのか、判断が出来ないため、適切に効果測定を行うこと
今回は①と②に焦点を絞って、説明していきます。
(参考)テレワークの活用で働き方改革を!導入事例やポイントを解説
テレワーク (リモートワーク) 導入によるコミュニケーションの重要性とは?
上記でも述べたように、テレワークにおいてマネジメントの強化と適切なコミュニケーションを取ることが求められています。
強い組織を創る上では、組織成立3要件(共通の目的・協働意思・コミュニケーション)を満たすことが必要だと、経営学者チェスターバーナードは説明しています。
(C.I.バーナード 『経営者の役割 (経営名著シリーズ 2) 』、ダイヤモンド社 、1968/8/1)
仮に、共通の目的と協働意思があってもコミュニケーションが担保されていないと、組織運営は上手くいかず、テレワーク下においては放っておくとコミュニケーション量が著しく減ってしまうため、意図的にコミュニケーションを設計することが大切になります。
テレワーク (リモートワーク) で生じるコミュニケーションの変化と実際に起きている問題
コミュニケーションには量と質の2つが存在します。
それぞれ、テレワーク環境下において量は減少、質は変化しました。
・量の減少について
コミュニケーション量の減少は、経営―管理職―現場といった縦のコミュニケーションも、関連部署間といった横のコミュニケーションもどちらも減少傾向になります。
普段であれば意識せずとも働いている状態が見えており、何気なく声を掛けられたものの、テレワークになると働きぶりが見えなくなるうえ、意図しないとコミュニケーションも取れないため、コミュニケーションは減少します。
・質の変化について
テレワーク下になり、何気ないコミュニケーションが減ったため、業務上のコミュニケーションが中心になり、業績にまつわるフォーマルな集まりが多く、業務以外のコミュニケーションを取ることが減りました。
弊社では、マネジメントには「事業×組織」「経営×現場」の4つのタイプがあると定義していますが、テレワーク下では、「事業」面のコミュニケーションが増え、戦略やPDCAのコミュニケーションが中心となるため、気付いたときにはメンバーのエンゲージメントが下がってしまっているケースは多いです。
具体的には、
- 例① 孤独になる
- 例② 相手の表情や感情がわかりづらくコミュニケーション難易度が高い
- 例③ ずっと緊張状態が続くため、息抜きが出来ない
といった状態に陥ってしまっているケースです。
結果として、上司に相談することが億劫になってしまったり緊張状態が続いてしまったりすることで、生産性やモチベーションの低下を招いてしまっていると考えられます。
▼心理的安全性に関する記事はこちら
テレワーク (リモートワーク) のコミュニケーションの変化への解決策とは?
テレワーク下のコミュニケーションにおいて意識するべきポイントは2点です。
①オフラインと変わらないくらいのコミュニケーション量の担保
②単なるコミュニケーションではなく、意図したコミュニケーション設計
特に、どんな質のコミュニケーションを取るかという観点で行くと、その内容は従業員の期待を把握することが重要になります。テレワークにおいて、従業員が求める期待の高い項目は以下の内容です。
事業:業界動向・競合動向・ノウハウ伝授
組織:部署の使命明示・部下への支援行動
従業員はテレワーク下において少なからず、会社・上司・職場に対して危機感や不安を感じているケースが多いので、安心感を醸成してあげるコミュニケーションを取ることが重要になります。
そのためには、具体的に以下のような施策を打つことが有効です。
- 情報を発信する門戸を開く
- グループチャットの設計
- ノンバーバルの見られ方を変える
上記、コミュニケーション設計を行いながら全員がリモート初心者の気持ちで「創り上げる」意識を持つことで少しずつ、テレワークコミュニケーションの齟齬が薄まっていきます。
終わりに
テレワークは、上手に推進することでエンゲージメント向上にも繋がり、「One for All , All for One」を実現するチャンスにもなりうる可能性があります。
普段のマネジメントと大きく変わるわけではなく、従業員の期待を正確に把握し会社の方針とすり合わせを行っていく中で組織創りは進んでいくため、変に意識しすぎずに従業員の状況に合わせたコミュニケーションを取っていきましょう。
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