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組織改善が業績向上に繋がる? 対策ポイントや取組事例について

「組織改善」の目的は事業成長を実現することです。組織改善のメリットや「従業員エンゲージメント」の考え方、組織改善に成功した企業事例をお伝えします。

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テレワーク(リモートワーク)環境下で抱える組織課題とは?

2020年4月7日に、コロナ禍を原因として7都道府県に対して緊急事態宣言が発令されて以降、全国的に「リモートワーク」という言葉が広がり、今や珍しいものではなくなりました。

これまでの生活様式・仕事様式の変化を余儀なくされる中で、生じる組織課題に各社が適応する努力を続けています。リモートワーク環境下で生じる課題は多岐に渡ります。いくつか取り上げて簡単に概要を説明していきます。

・社員の意思疎通が困難

物理的距離が離れることで社員同士のコミュニケーション機会は減っているのは周知の通りかと思います。WEB会議のシステムを活用して会議やミーティングは可能ですが、雑談や細かな相談などの機会は絶対的に減少し、仕事の中で感じる繋がりや信頼関係を築くことは難しくなっています。

多くの社員が「チームで成果を生み出すことの達成感」は感じ辛く、孤立感やコミュニケーションでのストレスを感じやすくなる可能性があります。

・会社の戦略が現場で実行されない

例えば、「メラビアンの法則」では、人が相手から情報を受け取る際には「言語情報(話の内容)」:「聴覚情報(声のトーンやスピードなど)」:「視覚情報(表情やジェスチャーなど)」=7%:38%:55%の割合で影響度があると言われています。

これまではオフラインの場で直接・対面で共有してきた「会社としての目指す姿」や「定めた戦略」への納得感をオンラインのチャットツールでの会話、WEB会議というコミュニケーション方法の変化が起こっている現在では生み出しづらくなっています。

・離職が止まらない

上記のように社員が自身の仕事の意義や目的、社内での所属や連帯感が薄まりやすくなっていることに加えて、リモートワークで感じる働き方の自由度の実感が生まれていることや自身の生活やキャリアに対する不安が大きくなっていることから「会社への帰属意識」は低下して結果として離職のリスクも増大しています。

・組織の生産性が高まらない

リモートワークによる通勤・移動時間の短縮をメリットに感じている方は多いのは事実です。ただ、「リモートワークにシフトすれば生産性が高まる」ことは上記を踏まえると一概に言えないと考えられます。

他にも、「実際に業務をしている様子を見る機会が減り、人事評価がし辛い」、「業務に十分な設備が整わないことでストレスを感じる」などリモート環境下で表面化する組織課題は多様化しています。

言い換えると、企業に対する「社員のニーズ」が多様化していると言えます。

「組織改善」とは?

では、その「多様化する社員のニーズ」に全て答えることが「組織課題」を解決し、仕事へのモチベーションを上げるのでしょうか。

会社のヒト、モノ、カネといった資源には限りがあるものです。社員のニーズに答え続けると結果として会社としての利益の喪失、組織の疲弊を引き起こす可能性があります。

更に言えば、そもそも全てのことに答える、あえて強い言葉に言い換えると「社員の声を聞き、ご機嫌を取ること」は社員のモチベーションを上げることに効果的ではありません。

「組織の課題」を解決し、「組織改善」をすることの目的はあくまで「事業の成長」です。この目的から外れると結果的に社員の雇用を守ることはできず、会社として目指す姿への到達は遅れてしまいます。

「従業員のことを考えずに成果のみを追い求める」ことはもちろん、「従業員の声を受け入れ続ける」ことでも「組織改善」とその先にある「事業の成長」には至らず、大切なのは「従業員エンゲージメント」を向上することです。

組織改善に有効な考え方「従業員エンゲージメント」とは?

従業員エンゲージメントとは

「従業員エンゲージメント」、「エンプロイーエンゲージメント」など「エンゲージメント」という言葉は最近よく耳にするようになったかと思います。

一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)会長の中西氏も2019年12月に2020年1月に公表する春季労使交渉に向けた経営側の方針として、「エンゲージメント」向上の重要性を打ち出す旨を記者会見にて発表し、更に注目を浴びるようになりました。

「従業員エンゲージメント」とは「会社と従業員の相思相度合い」と言えます。会社の方針にどの程度社員が共感し、「会社への愛着」や「仕事への情熱」を感じられているかを表現したものです。

ここで重要なのは、「従業員エンゲージメントは会社満足度とは異なる」ということです。

下図のように、
・「従業員満足度」は社員の満足感を生み出すために、主に制度待遇の面で会社から社員にどれだけ提供できていることがあるかを見るもの

・「従業員エンゲージメント」は社員の貢献意欲を引き出すために、「社員が会社に対して求めていること」を網羅的に把握して「期待していること」を会社から提供できているかを見るもの

という違いがあります。

「従業員満足度」を高めようとしたとしても、提供していることが「社員が期待していること」とズレている場合は結果として「組織改善」には繋がらずに業績が上がらない可能性があります。

一方、「社員の期待していること」を把握した上で適切な手を打つことで「従業員エンゲージメント」を高めることは「組織改善」に繋がり、社員の業績に直結する行動を促します。(下図参照)

なお、エンゲージメントスコア、エンゲージメントレーティングとは以下を指します。
・エンゲージメントスコア:弊社の6,620社のデータベースから算出できる会社の「エンゲージメント」状態を示す偏差値
・エンゲージメントレーティング:エンゲージメントスコアを元に11段階のランクとして出したもの

従業員エンゲージメントを高めるメリット

「従業員エンゲージメント」が業績に直結するのには、細かく言及すると主に下記のようなことに効果があるためです。

 ■生産性向上 

「社員の期待していること」を把握し、それに対応したことを会社から提供する事で「会社の方針」と「社員の意向」のミスマッチを縮減することができます。「会社への帰属意識」が高まり、上図のように「従業員エンゲージメント」が高まるのに比例して離職率は低下する事が分かっています。

一般的に、「100人の企業で離職率が1%改善する(年間での離職率が1人減る)場合、最大で営業利益率が最大0.5%改善する」と言われています。

■戦略実行度の向上

これまでの内容からも見えるように、もちろん「従業員エンゲージメント」が低い場合にはどれだけ素晴らしく、整った戦略を経営者が創り上げたとしても管理職・マネジャーの理解度は浅くなり、現場ではほとんど実践されない、習慣化されず業績に繋がらないということが起こります。


上図のように、「管理職・マネジャーの戦略理解度」、「現場での戦略実行度」に「従業員エンゲージメント」が大きく影響します。

※参考:エンゲージメントとは

組織改善に成功した企業事例

これまで「従業員エンゲージメント」を高める「組織改善」が事業成長に与える影響についてお伝えしてきました。実際に弊社のお客様で「従業員エンゲージメント」を元にした「組織改善」の事例をご紹介します。

■A社(IT企業)

【課題】

急成長ベンチャー企業として上場を果たした同社は、成長の過程で立ちはだかった組織の壁を乗り越えて現在に至りました。ただ、その過程ではあらゆる組織課題に直面していました。

急激に事業を成長させていく中で、「事業の勝ちパターンを見つけ、拡大成長する企業」、「既存事業で立てた利益を元に、事業を多角化させる企業」に現れる組織課題が混在しており、「業績は向上しているはずなのに、人がどんどん辞めていく」、「何から手を付けていいのか分からない」という状態に陥っていました。

その中で、弊社のサービスである「モチベーションクラウド」をご導入いただき、組織改善に着手しました。


モチベーションクラウド」とは、社会心理学を元に「社員が会社や上司、職場に対して求める項目」を網羅的に取得する組織サーベイを通して、「従業員エンゲージメント」のスコアを算出する組織診断ツールです。

冒頭に記載した通り、「従業員満足度」と大きく異なる点は、「社員の会社に期待すること」と、「社員が会社に満足していること」を可視化できるところです。

そのため、この組織サーベイを実施する事で「自社の強み」と「自社の弱み」を把握することができます。A社もこの組織サーベイを通して、着手する組織課題の「優先順位」を見極めた上で組織改善に取り組みました。

【対応策】

①理念共有会の実施
全従業員が一同に集まり、半日間かけて自社の理念やその意図や背景、今後注力していくことを明確にしました。A社は「目の前の業務のことしか見えず、業務が過多に感じられ疲弊する」という急成長企業に良く見られる課題が出ていました。

理念共有会を半年に1回必ず実施することで、「今、目の前のこと」ではなく、「未来、お客様のこと」を考えられる組織に変わっていきました。

②理念と紐づいた評価制度構築
理念を体現したメンバーが評価される仕組みを構築しました。A社では「評価基準が上司によってバラバラで納得感が無い」「理念が大切なのは分かったが、それを体現しても評価や給料への反映が無い」といった課題が出ていました。

そこで階層ごとに期待する理念の発揮行動を明確にし、評価基準に組み込みました。組織ルールが明確になったことで仕組みへの納得感が高まり、現場が主体的に行動する風土に変わっていきました。

③選抜メンバーへの育成投資
今後の経営ボードを期待するミドルマネジャーを選抜し、その方々に注力した育成を行いました。具体的には下記4つのマネジメントビジョンマネジメント」「戦略マネジメント」「PDCAマネジメント」「メンバーマネジメント」を体系的に理解し、現場で実践できるようになるトレーニングを1年間かけて実施しました。

A社では事業面の拡大に伴い、中途入社者が多数入社していました。そのため、これまでと異なるレベルでのマネジメントが求められていました。1年間かけてマネジメントレベルを向上させた結果、掲げた理念が現場に伝わり、具体的な行動にまで落とし込むことができるようになりました。

上記のようなストーリーを描き、着実に実行してきました。その結果、多くの組織課題を乗り越え、事業を成長させることに成功しました。引き続き「モチベーションクラウド」による組織サーベイを組織改善の効果検証としてご活用頂いています。

■B社(小売業)

【課題】

先代から事業を継承し、社長のその商売センスで売上を伸ばしてきました。しかし、規模が拡大し人員も増加している中で「現場の社員とスムーズにコミュニケーションが取れなくなる」、「目の前のことをこなす事が先行し、お客様のことを考えたサービスが提供できなくなる」など「ある程度成熟した企業に起こる組織課題」が顕著になり、掲げている姿から遠くなっていきました。


また、優秀な人材を獲得するために募集時の給与を業界水準よりも高く設定しても定着せずにコストが残ってしまうことも続きました。

そのため、個人の力ではなくチームの力を強めることに注力し始めました。そのスタートとしてA社と同様に「モチベーションクラウド」による組織サーベイで組織改善に取り組み始めました。

【対応策】

①エンゲージメントランクに応じた店舗ごとの対応
エンゲージメントランクによって店舗ごとに対応を変えていきました。B社は小売業で店舗ごとに組織状態が大きく異なっていました。そのため、例えばAランクであれば店舗ごとの改善に任せました。

一方、Dランクであれば社長・役員で該当店舗の店長との面談、ならびに店舗メンバーの異動も含めて検討します。ランクに応じた適切な打ち手を打つことで効率よく店舗ごとの状況を改善していきました。

②全社総会の実施
年に一度全社員が集まる全社総会を実施し、理念の意味を再度共有したり理念を体現した店舗を表彰するようにしました。B社では、社長は経営において理念を最も重視しているにも関わらず、組織サーベイの結果では「従業員は理念を期待していない(=理念の重要性が伝わっていない)」という結果が出ていました。

全社総会を実施することで全店舗の売上が1日ストップするため、約1億円の売上が無くなるというリスクがありますが、その年に過去最高益を実現しました。その翌年以降も継続して実施しています。

【参考資料のご紹介】
モチベーションクラウドの具体的な機能や得られる効果が分かる資料「3分でわかるモチベーションクラウド」はこちらからダウンロードいただけます。

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終わりに

リモートワーク環境下で「社員の会社へのニーズ」は更に多様化しています。そのような環境下で、従来の「従業員満足度」のみを見て施策実行をしてみても、組織改善には繋がりにくいものです。

一方で、「従業員の期待」も捉えた「従業員エンゲージメント」向上の取組みは、業績を始めとして数々の好影響があることが証明されています。「事業成長」を目的とし、「組織サーベイ」による組織診断を行い、組織課題の優先順位を付けることで効果的な組織改善に繋がると考えます。

このような考えの元、「従業員エンゲージメント」向上に取り組んで頂ければと思います。

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稲冨 健太
稲冨 健太

【プロフィール】 名古屋大学大学院卒業後、新卒で入社。 入社後一貫して、幅広い業種の中堅企業・ベンチャー企業の組織コンサルティングに従事。 モチベーションクラウドの活用と理念策定・浸透、人事制度、採用戦略、幹部育成などのコンサルティングにより、多くの企業の組織変革に導く。 2020年からはモチベーションクラウドのカスタマーエクスペリエンス向上の開発、部署内のマネジメントも担う。

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