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株式会社パルディア 客観的な評価に向き合わなければ理想は実現できない

店頭プロモーション、店頭キャンペーンの企画・制作・運営を展開する株式会社パルディア。2020年5月に実施したモチベーションクラウドによる組織診断サーベイでは、従業員の会社への共感度合いを示す指標であるエンゲージメントスコアが69.1、ランクは最高のAAAを獲得されています。

しかし、十数年前の組織診断サーベイでは、サーベイ実施中の企業の中で最下位のスコアを記録。離職が相次ぐなど、組織状態は芳しくない状態でした。しかしそれ以来、代表取締役の中沢氏は決して諦めることなく組織変革に取り組まれ、現在のエンゲージメントの高い組織創りに成功されました。中沢氏に、これまでの組織変革の歩みを伺います。


【プロフィール】
株式会社パルディア 代表取締役 中沢敦 氏

【インタビュアー/ライター】
株式会社リンクアンドモチベーション 沖田慧祐、小笠原有希

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離職の増加が組織に向き合うきっかけに

リンクアンドモチベーション 小笠原:本日はインタビューの機会をいただきまして誠にありがとうございます。

今でこそ、組織の偏差値であるエンゲージメントスコアは69.1、レーティングは最高ランクのAAAを獲得されていらっしゃいますが、これまでに多くの困難を乗り越えてこられたとお伺いしています。

ただ、そういった組織の課題にそもそも関心を持っていない、もしくは課題を感じていてもなかなか乗り越えられないという経営者の方も多くいらっしゃいます。もともと中沢さんが組織の課題を強く認識するようになったきっかけはなんだったんですか?

パルディア 中沢氏:1996年に創業して、ちょうど10年目を迎えた2006年ごろ、中途で6人を採用したら、半年で全員辞めてしまったことがあったんです。自分自身が思い描いている理想の組織と現実に大きなギャップを感じ、何か変えなくてはいけないという危機感がありました。

その時に偶然打ち合わせで会ったのが、高校同期であるリンクアンドモチベーション社長の坂下さんです。それがきっかけで、組織診断サーベイをまず実施してみることにしたのが、組織に向き合い始めた最初のきっかけですね。

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会社は“中沢商店”状態だった

パルディア 中沢氏:初めて取ってみた組織診断サーベイの結果は、なんと当時のサーベイ実施中の企業の中でも最下位のスコア。これが当時の結果なんですが、各項目の満足度が5点満点で1点代ばかりです。 

思い返してみると、2006年当時のパルディアは、経営者と従業員の信頼関係がなく、共通のゴールに向けて働けていない状態でした。私の役割も、経営者というより“中沢商店”の営業マン。私が自分で営業して、従業員はそれをサポートするという役割になってしまっていたんです。

そのような状態だったので、採用でも機能補充のための採用しかできていませんでした。高いお金をかけて採用広告を出すんだから、絶対に誰か採らなきゃもったいないと言って無理に採ることもあったぐらいです。

でも当時、リンクアンドモチベーション社長だった坂下さんに離職が多いことについて相談したところ、「経営者として、自責の意識が足りない」「言い訳が多い」「マネジメントの軸が全然ない」と、かなり厳しく言ってもらったんです。そのアドバイスは当時の僕にはすごく響きましたね。そこから改めて一念発起し、組織変革に向き合いはじめました。

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経営陣の360度評価の結果はボロボロ、理念に立ち返るきっかけに

パルディア 中沢氏:組織診断サーベイの結果を受けて最初に取り組んだのは、経営陣の360度評価サーベイでした。やはり組織を変えるには、まずトップから変わらなければいけないということで、僕ともう一人の役員が360度評価サーベイを受けることから始めたんですが、それはもうボロボロで。

しかも、そのサーベイ結果をもって、リンクアンドモチベーションさんが実施する他社との合同研修に参加したんです。他社の人たちにボロボロのサーベイ結果を見せるわけですから、プライドがズタズタでした。自分なりにプライドを持って働いていましたし、しんどい創業期を乗り越えて10年間会社経営をやってきた自負がありましたから。かなりつらい数日間でしたね。 

ただこの経験が、1から組織を考えるヒントになりました。まず、形骸化していた理念やビジョンを再構築して、組織の共通のゴールを定めることから始めました。

そしてその理念、ビジョンに応じた組織の組織図を作り直し、さらにその時はまだ評価制度もなかったので、新たに作りました。振り返ると、そこでようやく会社の基礎ができあがったという感じですね。

そこから組織変革を進めて、組織状態は普通くらいにはなったんです。ただ、今度はその“普通くらい”を脱することができない停滞期に入り、サーベイ結果は上がったり下がったりを繰り返していました。

それは、組織だけではなく、事業の問題もあったと思うんです。組織だけ良くしようとしても上手くいかなくて、事業と組織を両輪で回していかなくてはならない。ここ3,4年で業績が良くなってきて、組織も変革し続けて、ようやく本当に組織状態が良いと言えるようになってきたと思います。

株式会社パルディア


もう一度理念経営に立ち返った

リンクアンドモチベーション 小笠原:そんな中、2020年からモチベーションクラウドを導入されていますが、導入を決めたのはなぜなんですか?

パルディア 中沢氏:改めて、理念経営に力を入れたいと思ったんです。会社の雰囲気や社員の動きを見ていると、理念の体現がまだ弱かった。ここ数年ちゃんと理念に基づいた経営ができていなかったのでは振り返りました。

周りの経営者仲間を見ていると、成長している企業は理念経営ができていると肌で感じていたこともあり、もう一度理念経営に立ち返ろうと決めたんです。

2019年11月には、理念経営を本当に実現するために、熱海でマネージャー幹部合宿もやりました。幹部陣も、理念と現実の仕事にギャップがあると感じていたからです。

リンクアンドモチベーションの方にコーチとして来ていただいて、理念浸透に向けた課題や、理念そのものについて激しく議論したんです。

結論、もう1度理念とビジョンを見直した方が良いとなり、理念作成プロジェクトをスタートさせました。2カ月くらいかけ、新たな理念『ひとり一人の「わくわく」を世界に』と新たなビジョン『NO.1 プロモーションテックカンパニー』を掲げました。

モチベーションクラウドは単発のサーベイと違い、継続的に組織状態を確かめられる「組織の通信簿」ですよね。体重計乗らなければ痩せられないのと一緒で、掲げた理念の実現に向けて、継続的に組織状態をチェックすることが大事だと思っています。

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コロナ禍、社員に安心してもらうための取り組みで逆にスコアは上昇

リンクアンドモチベーション 小笠原:現在の組織の状態はいかがですか?

パルディア 中沢氏:2020年5月の結果は、おかげさまで、エンゲージメントスコアが69.1、ランクは最高のAAAになりました。5月はまさにコロナ禍の真っ只中だったので、エンゲージメントスコアは落ちるかと思っていたのですが、テレワークに伴って新しい取り組みを始めたことで、むしろ組織状態がよくなったようです。

やったことは例えば、全社員が集まるミーティングを3ヶ月に一回から毎週1回に増やすことですね。やはりテレワークで皆が不安を感じていると思ったんです。

そこでは、全社員を対象に、順番に「わくわくした仕事」や「成長を実感できた仕事」についてプレゼンテーションをしてもらい、最後は、私を含めた幹部陣が、ここ数年で自社がやってきたことを振り返り、社員に向けて話しました。

こういった取り組みを丁寧に行った結果、改めて理念の大事さが伝わったのではと思いますし、人が増えてきていた中だったので、ひとり一人がどんな仕事をやってきたのかや、どんな葛藤があったのかを共有する、相互理解の場にもなりました。

リアルだと全員で集まるのはなかなか難しいのですが、テレワークでやりやすくなったのがむしろ良かったですね。

また、クオーターごとには、行動指針が体現できていたメンバーを表彰するアワードも開始しました。来年1月の経営計画発表会の時には、年間アワードの表彰と、内定者のご両親をお呼びしての就職披露宴も実施するつもりです。ご両親にも経営計画発表やアワード表彰を見ていただいて、安心して子供を会社に送り出してほしいですから。

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理想と現実のギャップがエネルギー源

リンクアンドモチベーション 沖田:組織診断サーベイ結果に向き合うことも、自分が変わり続けることも大変なことだと思いますが、中沢さんが変われたのはなぜなんですか?

パルディア 中沢氏:組織診断サーベイは組織の通信簿。自分の胸を刺すようなものです。ですが、客観的な評価に向き合わなくては、自分の理想を実現することはできません。

新しい時代をつくりたいとか、人の心を動かせるメディアを作りたいという創業時からの理想と、今の自分と会社の姿にギャップがあるんです。このギャップを自覚しているからこそ、自分が自分自身と会社を変えていかなくてはだめだと強く思えます。

これからは、より理想像には近づくため、労働集約型でやってきた事業から脱却して、新しいことにチャレンジしていきたいです。だから厳しい結果にも向き合うようにしているし、会社として変化を恐れないようにしています。

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若者が憧れる企業を目指して

リンクアンドモチベーション 小笠原:今後、どのような組織を目指していきたいですか?

パルディア 中沢氏:理念浸透は今後も継続していきますが、さらにマネジャーの育成にも力を入れていきたいですね。従業員数、中でも若手が増えてきているので、マネジメントを強化したいです。上司向けの360度評価サーベイを活用して育成することも考えています。

現在事業を多角化していているのですが、2028年までに10個のナンバーワン事業と10人の社長を創ることを目標に掲げています。マネジャーとしてだけでなく、経営者としても育成したいと思っています。

最終的な理想は、パルディアを私が学生だったとしたら、絶対に入りたいと思えるような企業にすることです。もし今自分が学生だったら、ベンチャーで自分の実力を試してみたいと思うはずです。

ベンチャーの中でも、絶対この会社なら入りたいと思えるような会社をあらゆる観点から創っていきたいです。

リンクアンドモチベーション 沖田・小笠原:本日は貴重なお話、ありがとうございました。

株式会社パルディア

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