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HR techとは?サービスを展開している企業について徹底解説!

HR Techとは?

HR Techという言葉、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

HR Techとは、“HR (Human Resource) × Technology“を意味する造語です。クラウドやビッグデータ解析、人工知能(AI)など、最先端のIT関連技術を使って、採用・育成・評価・配置などの人事関連業務を行う手法のことを指します。

(出典:日本の人事部 HR Techとは 第1回 「HR Techのトレンド」|『日本の人事部 HRテクノロジー』

この新しいテクノロジーの到来は、採用やタレントマネジメント、リーダー育成、評価、給与計算、業務改善など幅広い領域に及び、人事業務のあり方を大きく変えると言われています。

本稿は、これらが企業活動に起こす具体的な変化から、国内外での代表的なサービス紹介まで幅広く解説しており、「HR Techとはなにか」を一通り把握できる記事となっています。

なぜHR Techが今注目されているのか

■人事の重要性が高まっている

企業は、商品市場においては「顧客」から、また労働市場においては「従業員」からという2つの市場から選ばれなければいけないと言われています。これは日本の産業が製造業からサービス業中心の産業に変化したことにより発生しているものです。

何故今HR Techが注目されているのかを語る前に、まずは商品市場、労働市場それぞれの変化を踏まえ、人事の重要性が高まっている背景を説明していきます。

背景①:商品市場の変化

現在、日本全体のGDPの75パーセントを、第三次産業つまりはサービス業が占めています。

サービス業では人材がもたらす商品サービスへの影響が大きい為、商品市場で事業を成功させ、顧客から選ばれる存在になるためには、労働市場で従業員から選ばれる必要があります。

背景②:労働市場の変化

労働市場においても変化が起きています。下記に示している通り、転職者比率は年々増加しており、企業にとって従業員に選ばれ続けることの難易度は高まっています。

(出典:総務省統計局 増加傾向が続く転職者の状況 ~ 2019 年の転職者数は過去最多 ~

これらの環境変化に合わせて、各社毎の人事戦略が必要になってきており、人事の重要度は高まっているのです。

■HR Techによる効率性、戦略性の向上が期待されている

人事の重要性が高まっている一方で、人事業務は数多くの非効率な作業に溢れており、人事担当者は効果的な人事戦略を考える余裕が無いのが現状です。

HR Techを導入することにより、業務の効率化やデータ活用による戦略性の向上を期待することができます。

■アメリカと日本のHRTech投資額の差は大きい

(出典:”Venture Capital Funding Frenzy Over HR Technology on Record Pace”. workforce.)

HR Techが人事にとって効果的であると期待される一方で、日本のHR Tech市場はアメリカ市場と比較をするとまだまだ非常に小さいと言えます。

ただ、日本でもHR Techに対する注目度は年々上がってきているため、先んじてHR Techの活用が進むアメリカの影響も受けつつ、日本のHR Tech市場は今後も更に拡大していくと考えられています。

したがって、ここからは、先行しているアメリカでのHR Tech事例も踏まえながら、私たちが活用するべきHR Techの具体的な内容について説明していきます。

HR Techのメリット・期待効果とは?

それでは、具体的にHR Techのメリットは何なのか、3つに分けて説明していきます。

■人事業務のデータ化・一元管理が可能になる

例えば採用業務を例にとると、人事は、応募者の管理から選考プロセスの状況把握、面接評価の管理等、様々な情報を管理する必要があります。

そこに採用管理システムを導入すると、採用に関わる全ての情報をシステムに一極集中させることができ、タスク管理や、社内の情報連携の効率化を図ることができます。

■ワークフローの効率化に繋がる

有給申請のやり取りを想像してください。従業員は休みを取りたいたびに上司のハンコをもらい、有給申請書類として人事に提出し、人事は提出された書類に1つ1つ目を通し承認作業を行う。

この業務が全てシステム上で可能になったら、これまでかかっていた膨大な時間を大幅に削減されます。人事は削減された時間を使い、人事戦略の立案や実行等、より重要な業務をすることができます。

■データを基にした分析精度の向上

従業員の配置業務は人事にとって重要な仕事です。人事は従業員1人1人の評価や、入社時期、これまでの異動履歴、上司との関係性等を考慮し、どうしたら事業成果が最大化される配置になるか考える必要があります。

タレントマネジメントシステムと呼ばれる人材管理のシステムは、このような従業員に関する情報をデータ化し、適材適所に向けた示唆を与えてくれます。

HR Techによるデータ活用が進むと、感覚や経験に頼らない、より戦略的な業務の実行をシステムが手助けしてくれます。

HR Techのサービスを展開する会社事例とは?

■HR Techサービスの全体像について

具体的なHR Techのサービスについて1つずつ細かく紹介する前に、まずはどのような領域が存在するのか、その全体像について説明していきます。

ここでは、従業員の入社前・入社後に大きく分類し、それぞれ必要な業務とサービスについて分類しています。概要を下記に紹介します。

◆入社前(採用時)HR Techサービス

・応募

人材を採用する上で、最初のステップとなる人材の「応募」段階での業務を支援するサービスです。具体的には、候補者を募る為の求人掲載系のサービスや、候補者の管理ができるサービスがあります。

・選出

「応募」の次のステップとなる、人材の「選出」段階での業務を支援するサービスです。採用候補者について、一定の条件で絞り込んでくれるスクリーニング系のサービスや、人材の採用が決まってから入社後の活躍までを支援するエントリーマネジメント系のサービスがあります。

◆入社後(既存社員向け)HR Techサービス

・人材育成

人材が会社で活躍する為の、スキル獲得や学習機会を支援するサービスです。人材の入社後のサポートをするオンボーディング系のサービスや、中長期のキャリア支援、経営幹部の育成の支援等様々なサービスがあります。

・組織開発

人材育成が個人に目を向けたサービスだったのに対し、組織開発は会社全体や部署毎等、組織としての力を最大化させる為のサービスです。

組織内で活躍した社員を称賛/表彰するツールや、組織内のコミュニケーション状況を分析するツール、社員に組織に関するアンケートを行う従業員調査等に分類されます。

・管理

人事の業務の中でも労務、勤怠、給与などの管理業務に関わるサービスです。勤怠状況を記録できるシステムや、給与や福利厚生の管理や支援するサービス等、多数のサービスが存在します。

これらの各領域ごとに、便利なHR Techのサービスを提供する会社が数多く存在します。ここでは、それぞれの領域ごとに、代表的なサービスを1つずつ紹介していきましょう。

■Manatal:入社前(採用時)×応募

ManatalはATS(Applicant tracking system)と呼ばれる採用管理のシステムで、現在世界100カ国以上の企業で導入されています。

このサービスでは、各候補者が採用プロセス全体でどの段階にいるのかを、履歴書等のデータと共に一元管理することができます。また、AIを活用し、採用条件にあった候補者を見つける事もできます。

Manatalを活用することにより、採用における進捗管理が効率的に実行できるだけではなく、データを活用した、戦略的な採用活動が可能になります。

(参照:AI Recruitment Software | Leading Applicant Tracking System

■TestGorilla:入社前(採用時)×選出

TestGorillaは、候補者の選考段階において使用できるスクリーニングテストの設定から結果分析まで行うことのできるシステムです。テスト内容は、性格診断や言語テスト、ソフトウェアスキルテスト等様々あり、企業の採用条件にあったテストの設定をすることができます。

このサービスを使用することにより、選考段階での業務効率化が可能になることはもちろんのこと、面接官によるバイアスを減らし、より企業と候補者の適切なマッチングを期待することができます。

(参照:Pre-Employment Screening Tests and Assessments | TestGorilla

■Cornerstone:入社後(既存社員向け)×人材育成

Cornerstoneは、世界7,500万人以上のユーザーが活用している、従業員の学習管理を中心とした人材管理システムです。

日本国内にも支社があり、日立製作所やリコーをはじめ、日本企業からも数多く導入されています。

このサービスでは、従業員のスキル獲得を中心に、評価やキャリア形成といった、人材育成全般の業務のサポートが可能です。一貫した人材管理が可能なため、中長期視点での人材の育成や配置業務に活かすことができます。

(参照:コーナーストーンオンデマンド|人材管理プラットフォーム

■モチベーションクラウド:入社後(既存社員向け)×組織開発

モチベーションクラウドは、リンクアンドモチベーションが提供する組織開発のシステムです。

導入実績7,680社、194万人以上という国内最大級のデータベースによる精度の高い組織診断と、コンサルタントの併走による実行力のある改善が可能です。

組織診断から課題に対するアクションの進捗管理がシステム上で行える為、継続的な組織の改善を期待することができます。

(参照:組織改善クラウド|モチベーションクラウド

■onpay:入社後(既存社員向け)×管理

onpayは給与管理から健康保険、福利厚生等の業務をサポートする、労務管理のシステムです。30年以上の実績があり、特に多くの中小企業への導入実績があります。

給与や税金を自動で計算し、給与の支払いや納税の実行が行えるだけではなく、労災保険の手続き等も行うことができる為、人事は労務業務にかかる時間を大幅に削減することができます。

(参照:Online Payroll +HR That Small Businesses love|OnPay

■Workday:入社後(既存社員向け)×プラットフォーム

Workdayは人事と財務の情報が統合されたシステムです。人材の採用から退職までのあらゆるデータと財務情報を管理し、システム上での計画、実行、分析まで行うことができることが魅力です。

2005年の創業以来、急速に顧客数を伸ばし、現在はフォーチュン50の60%、フォーチュン500の40%が導入しており、国内でも株式会社日立製作所や株式会社ファーストリテイリング等が導入しています。

(参照:デジタルトランスフォーメーションの基盤となるエンタープライズ|workdays

    東洋経済オンライン 「ワークデイ」が有名企業に注目される理由

自社にあったHR Techの活用を

人材獲得/人材活用の難易度が増している中で、HR Techは人事の仕事を効率化するだけではなく、より効果的な人事戦略の策定、実行を手助けしてくれます。

あらゆる領域のHR Techサービスがある中で、今後人事は自社に最適なHR Techの導入、活用が求められるでしょう。まずは自社の課題を明らかにし、どんな目的でHR Techを導入するのか検討してみてはいかがでしょうか。

LM編集部
LM編集部

理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。

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