
プロパーとは?意味やプロパー社員の特徴を解説
目次[非表示]
- 1.プロパーとは?ビジネスにおける意味
- 2. プロパー社員とは?他の社員との違いとは?
- 3. プロパー社員の特徴
- 4.まとめ
ビジネスシーンでよく使われる言葉の一つに「プロパー社員」というものがあります。これは、英語の「プロパー(proper)」に「社員」を付けた和製英語ですが、いくつかの異なる意味を持っているため、正確に理解できていない人もいるかもしれません。今回は、プロパー社員の意味や特徴について解説していきます。
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プロパーとは?ビジネスにおける意味
プロパーとは、「適切な」「本来の」「ふさわしい」といった意味を持つ英語の「proper」を元にした言葉です。日本のビジネスシーンでプロパーという言葉が登場する場合のほとんどは、「プロパー社員」という使われ方をします。
プロパー社員とは?他の社員との違いとは?
プロパー社員という言葉には、大きく3つの意味があります。1つ目が、中途社員に対する「新卒社員」の意味、2つ目が、派遣社員や契約社員などの非正規社員に対する「正社員」の意味、そして3つ目が出向社員や協力会社の社員に対する「自社社員」の意味です。プロパー社員という言葉が、この3つのうちどの意味で使われているのかは企業によって変わってきますし、文脈によっても変わってきます。
■プロパー社員と中途社員の違い
中途社員と区別する意図で、新卒入社の生え抜き社員をプロパー社員と呼ぶことがあります。職場などでプロパー社員と言ったら、多くの場合、新卒社員を意味するようです。新卒採用は日本独自の文化なので、「プロパー社員 = 新卒社員」という意味が通じるのも日本だけです。たとえば、外資系企業の面接などで「御社ではプロパー社員の割合はどのくらいですか?」と質問しても、意味は通じないと考えておいたほうが良いでしょう。
■プロパー社員と非正規社員の違い
非正規雇用の社員と区別する意図で、正規雇用の社員(正社員)をプロパー社員と呼ぶこともあります。派遣社員や契約社員、アルバイトやパートなどと区別するような文脈でプロパー社員という言葉が使われたら、正規雇用の社員のことを指していると考えましょう。この場合は雇用形態に注目しているため、新卒入社でも中途入社でも正社員であればプロパー社員ということになります。
■プロパー社員と協力会社社員の違い
他社の社員と区別する意図で、自社で雇用されている社員のことをプロパー社員と呼ぶこともあります。協力会社など外部の社員や、関連会社からの出向社員と区別するような文脈でプロパー社員という言葉が使われたら、自社社員のことを指していると考えましょう。この場合は雇用元に注目しているため、新卒・中途にかかわらず、また正規雇用・非正規雇用にかかわらず、自社と雇用契約のあるスタッフならプロパー社員ということになります。
なお、この場合、プロパー社員側が自らのことをプロパー社員と称するケースは稀で、たとえば、業務委託の社員が客先常駐をしているシーンなどで、客先の社員のことをプロパー社員と呼んだりするのが一般的です。
プロパー社員の特徴
上述のとおり、プロパー社員には3つの意味がありますが、多くの場合は「新卒社員」の意味で使われます。「プロパー社員 = 新卒社員」という前提で、プロパー社員の特徴についてご説明します。
■プロパー社員は愛社精神が強い
プロパー社員にとって自社は、社会人として一から育ててもらった場所であり、理念やビジョンに親しみながら仕事をしてきた場所です。プロパー社員は、勤続年数が長くなるほど会社への帰属意識が高まっていき、中途社員に比べて愛社精神が強い傾向にあります。それゆえ、自社の歴史や実績、商品やサービスにも強い誇りを持っています。また、会社からの評価を重視し、会社の方針に従順な社員が多いのもプロパー社員の特徴です。
■プロパー社員は給料などの待遇面で優遇されやすい
プロパー社員は、給料などの待遇面で優遇されやすい傾向にあります。経営層のなかには、中途社員より生え抜きの新卒社員を可愛がる人も少なくありませんし、年功序列の会社であれば、新卒で入社したプロパー社員は勤続年数とともに順調に昇給・昇格をしていきます。
■プロパー社員は自社のことを熟知している
プロパー社員は、会社に入社してすぐに新入社員研修を受けます。新入社員研修では、会社の理念やビジョン、歴史はもちろん、事業内容や商品の特徴などを徹底的に教え込まれます。それ以降も、実務経験を積んだり定期的に研修を受けたりして理解を深めていくため、プロパー社員は自社のことを知り尽くしています。中途社員に比べて商品知識が豊富なのはもちろん、社内の人間関係やパワーバランス、不文律などを熟知しているのもプロパー社員の特徴です。
■プロパー社員は視野が狭く柔軟性に欠ける傾向がある
新卒で入社したプロパー社員は一つの会社で育っているため、自社の方針や考え方に染まりきっている人も少なくありません。そのため、自社のやり方に疑問を持たず、常に自社基準で物事を判断する傾向にあります。中途社員から見ると「視野が狭い」「柔軟性がない」と感じることもあるようです。
■プロパー社員は保守的で変化を嫌う傾向がある
新卒で入社したプロパー社員は他社のことを知りません。そのため、保守的な人が多く、会社の方針や伝統を変えるのを嫌う傾向にあります。中途社員が新しい方法を提案したとしても、「前例がないから・・・」「うちの会社的にはちょっと・・・」といった理由で受け入れないケースが多いようです。
■プロパー社員は中途社員との間に摩擦が生まれやすい
新卒の同期入社者の間には、強固な連帯感があります。年齢が同じで、初めて社会人になったときから「同じ釜の飯」を食べている間柄なので、プロパー社員同士の絆は自然と強くなるものです。
それ自体は悪いことではありませんが、プロパー社員同士の関係性が強すぎて中途社員が馴染みにくいという会社も少なくありません。また、中途社員との間に摩擦が生まれやすく、それが円滑な業務に支障をきたしてしまうこともあります。
ただ、こういった摩擦が発生した際に、問題を「プロパー社員」または「プロパー社員以外の社員」に帰着させては、問題はスムーズに解決しません。
問題は「人」ではなく、「人」と「人」の「間」における信頼不足や信頼崩壊から起こることが多くあります。組織の問題を「人」個人に帰着させるのではなく、人と人との「間」にあると考え、関係性を改善することが重要です。
まとめ
プロパー社員には新卒入社者ならではの良い面もありますが、他社を知らないことが弱みになってしまったり、中途社員との間に摩擦が生じてしまったりするケースも少なくありません。とはいえ、人材不足の昨今、プロパー社員は会社を支える貴重な存在です。
会社としては、プロパー社員の特性や問題点を理解したうえで、中途社員も含め、働きやすい環境づくりをしていく必要があります。プロパー社員と中途社員のシナジーを生み出すことができれば、会社にとって大きな競争力になるはずです。