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SBCメディカルグループ 急拡大してもエンゲージメントが向上し続ける、現場の“自立的”改善 ベストモチベーションカンパニーアワード2024(大手)レポート

「ベストモチベーションカンパニーアワード」は、リンクアンドモチベーションが毎年開催している、エンゲージメントスコア(従業員エンゲージメントの指標)が高い企業を表彰するイベントです。
 
2024年度も「大手企業部門」「中堅・成長ベンチャー企業部門」の2部門制で表彰をおこないました。「大手企業部門」受賞企業の中から、2社をゲストにお招きしてトークセッションを開催。1位を受賞されたSBCメディカルグループからは人事部長の峠ヶかおり氏にご登壇いただき、「急拡大の中でも毎年エンゲージメントが向上し続ける現場の自立的改善の秘訣とは」をテーマにお話しいただきました。

【イベント実施日】
2024年3月22日

【スピーカープロフィール】
・SBCメディカルグループ 人事部長 峠ヶ かおり 氏

【モデレーター】
・株式会社リンクアンドモチベーション コンサルタント 松木 翔彦


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組織が大きくなるにつれて、価値観への意識が希薄に

リンクアンドモチベーション 松木:まずは、御社をご紹介いただけますでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:私どもSBCメディカルグループは、湘南美容クリニックという名称で全国に207院(2024年3月現在)を展開し、美容医療を中心とした総合医療サービスを提供している企業です。

リンクアンドモチベーション 松木:ありがとうございます。ここからは、これまでの取り組みの軌跡をご紹介いたします。SBCメディカルグループ様がエンゲージメント向上の取り組みを始められたのが2018年でした。
エンゲージメント・レーティング(※)は、一時BBまで下がったこともありました。しかし、2021年の1月から右肩上がりに改善を続け、今ではAAAを維持しています。改めて、素晴らしい成果ですね。

※エンゲージメントの状態をDD〜AAAの11段階で評価した指標

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:はい、社員が一丸となって取り組んでいるおかげです。とても嬉しく思っています。

リンクアンドモチベーション 松木:従業員数が増え続ける中でも、エンゲージメントが向上し続けているのは素晴らしいですね。実は2022年の3月に開催した「ベストモチベーションカンパニーアワード2022」のトークセッションにもご登壇いただきました。そこからの2年間でどのような取り組みをされてきたのか、今日は詳しくお伺いしたいと思います。
まず一つ目の質問です。当時、従業員数が急増する中で、人事部としてどのような課題を感じていましたか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:まず、私たちは「究極の三方良し」を価値観として大切にしています。お客様良し、スタッフ良し、社会良し、の三つを意味するのですが、その中で、当初はスタッフ良しに関して実態を確認できる指標を持っていませんでした。そこで2018年にモチベーションクラウドを導入しました。毎年、従業員が700人、800人、1,000人と増える中で、経営理念である『究極の三方良しを実現する』が浸透しづらくなってきている状態でした。
創業当初は、代表の相川を中心に強固なマネジメントや理念・ビジョンの浸透が行われていました。しかし、従業員数が増える中で価値観への認識や意識が希薄になっている組織状態でした。

リンクアンドモチベーション 松木:当時、すでに全国に100以上の店舗があったと思います。その中で現場をサポートするのは難しかったのではないでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:そうですね。弊社の場合、現場の運営はマネジャが担っており、そのため当時はエンゲージメント向上も人事部が直接干渉することなく、現場任せの状態でした。

「エンゲージメント委員会」による牽引と離職率の改善

リンクアンドモチベーション 松木:そう考えると、現場でエンゲージメント向上の取り組みを推進する人たちを増やすこと、あるいは、峠ヶさんと同じ思いや熱量、スキルを持った方々を増やしていくことが大事だったのではないでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:その通りです。私たち人事部だけでは、できることに限界があります。そこで、エンゲージメント向上を強力に推進するため、「エンゲージメント委員会」を発足させました。エンゲージメント委員会は、様々な現場の有志スタッフ6〜7名が集まり、全クリニックのエンゲージメント改善活動を担当する組織です。どうやったらエンゲージメントを高められるかについて、徹底的に話し合っています。

リンクアンドモチベーション 松木: それが2021年1月ですね。その後、離職率も下がってきていますが、どのような状況だったのでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:エンゲージメント向上に注力する一方で、当時は離職率の高さが課題でした。スタッフが増える中で、色々なことが行き届かなかったのだと思います。最初はエンゲージメント向上に取り組めば、離職率はすぐに下がると思っていました。ですが、グラフを見て分かる通り結果は後からついてきたと感じます。
 
様々な取り組みを行いましたが、「エンゲージメント委員会」を中心に、エンゲージメント向上の仲間を増やすことに取り組んだのが良かったと思います。

現場主導でエンゲージメントスコアを向上させる仕組みづくり

リンクアンドモチベーション 松木:委員会のメンバーは変えているのですか?

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:はい。委員会は半年に一度、様々なメンバーで編成し直しています。ある年は各クリニックのエンゲージメント係を中心に構成したり、ある年は役職者を中心にしたりと、試行錯誤しました。結果として、様々な階層の声を聞いて、それぞれの課題に寄り添うことができたので、良かったと感じています。

現エンゲージメント委員会は人事が主導しなくとも自立できると考え、委員会をエリアマネジャー(複数のクリニックを統括するマネジャー)で構成し、委員会のメンバーが主体的に運営しています。

リンクアンドモチベーション 松木:エンゲージメント委員会の発想は素晴らしいですね。半年ごとの入れ替わりによって、エンゲージメント向上の仲間づくりが進んだのだと思います。委員会とは別に、各クリニックで「エンゲージメント係」も決めているようですね。どのように決めているのですか?

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:エンゲージメント係は、各クリニックのエンゲージメント改善活動を担当する役割です。クリニックを良くするために重要な役割の一つだと考えています。任命については、各クリニックに任せています。手挙げ制のクリニックもありますし、役職者から「挑戦してみないか」と声をかけることもあります。


エンゲージメント向上の目的に立ち返るきっかけ作り

リンクアンドモチベーション 松木:人事部としてエンゲージメントスコアが低い現場に実際に足を運ばれていたとのことですが、お伺いしてもよろしいでしょうか。また、その際に意識していたこと、心掛けていたことはありますか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:はい。エンゲージメント向上の仲間を増やしていくため、私たちは現場に出向くことを重視しています。私自身も当時エンゲージメント状態が低い下位10クリニックに実際に足を運んで、スタッフの声を聞きました。そうすることで、現場にフィットしたエンゲージメント向上に取り組めたと思います。

この時意識していたことですが、まず「人事部長」として現場に行くと、構えられてしまうことが多かったです。スコアが低いこともわかっているので、「峠ヶさんが来た!」と身構えられることがありました。そのため、まずは怖い存在ではないということと、私たちの目的がエンゲージメントを上げることであることを伝えました。

また、私たちはマネジメントに口出しをするのではなく、客観的に「エンゲージメント」という考え方や、その重要性を明るく伝えることを意識しました。スタッフの皆さんが、自身の考え方次第で、組織が良くなっていくと感じてもらえるように心掛けました。

リンクアンドモチベーション 松木:今のお話は、エンゲージメントやマネジメントの重要性にも触れられてたと思いますが、それらを具体的にどのように捉えていますか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:先ほどもご説明した通り、現在のエンゲージメント委員会はエリアマネジャーによって構成されています。これにより、マネジャーたちはエンゲージメントスコアを見ながら、組織の課題やチームの人間関係について深く議論するようになりました。エンゲージメント向上は、会社とスタッフが同じ方向を向いて「良くしたい」という気持ちを高めるものです。

この考え方を伝えることで、客観的にスコアを見ながら改善に取り組む話し合いができるようになりました。

リンクアンドモチベーション 松木:ありがとうございます。一つ一つ現場に足を運び、現場の方々とすり合わせ続けられたのですね。

また、人事評価にエンゲージメントスコアを反映させているとのことですが、こちらについてもお伺いできますでしょうか。その取り組みにはリスクも伴うと思いますが、いかがでしょうか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:はい、2022年に人事評価にエンゲージメントスコアを反映しました。おっしゃる通り、確かにリスクはあります。そのため、様々な検討を経て、人事評価への反映は役職者以上に限定しました。一般社員に反映させると、自分の評価を上げるためにエンゲージメントスコアを操作する可能性があるためです。これにより、本当に言いたいことを言えなくなってしまうリスクを避けています。一般社員にはスコアを反映せず、上司やクリニックの状態を良くしていくために、遠慮なく発信できるようにしました。

この取り組みによって、役職者が真剣にエンゲージメント向上に取り組むことが評価に反映され、結果としてエンゲージメントスコアも着実に向上していきました。それが売上にもつながることがわかってきたので、取り組み自体への理解も進んでいきました。

リンクアンドモチベーション 松木: ありがとうございます。エンゲージメント向上の目的について、最初から現場のスタッフと意思疎通はできていましたか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:確かに、最初は「なぜ・何のためにエンゲージメントを上げるのか」という質問がありました。しかし、「三方良し」が私たちのビジネスの成功の鍵だと現場のスタッフは理解しています。お客様に最適なサービスを提供するためには、スタッフが働きがいを持つ必要があります。その状態でなければ、売上もついてきません。この認識を現場のスタッフが持っていたため、説明を繰り返すことでエンゲージメントを上げる意味を見出してくれました。

エリアマネジャーにエンゲージメント向上を任せられた秘訣

リンクアンドモチベーション 松木:スタッフの皆さんが自ら意味を見出せたのは素晴らしいですね。「究極の三方良し」からブレずに、すべてをそこに接続させてきたことが重要だと感じました。

エリアマネジャーによるエンゲージメント委員会は2023年の夏に発足したそうですが、現場にアプローチを任せる際に工夫したことはありますか。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:エリアマネジャーからスタッフに伝える際には、方法だけでなく目的を伝えることを意識するように伝えました。一般社員、役職者、医師、看護師、現場スタッフ、本部スタッフとそれぞれに対して伝え方を工夫する必要があります。立場の違いに合わせて、刺さる言葉を選び続けて、相手が腑に落ちていることを確認してから進めるように意識していました。

エンゲージメント向上の成果と展望

リンクアンドモチベーション 松木:ありがとうございます。では、これまでの取り組みの成果を教えてください。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:まず、ベストモチベーションカンパニーアワードで2年連続1位という素晴らしい成果があります。また、スコアが低いクリニックに多くの工数を割いていた状況から、各クリニックが自走できる状態になりました。そのため、接遇の改善や技術を向上させたりなど、「究極の三方良し」のうち、『顧客良し』に向き合う時間をさらに作れるようになりました。

リンクアンドモチベーション 松木:最後に、これからの展望を教えていただきたいです。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:SBCメディカルグループは、美容医療をコアに展開してきましたが、例えばスキー場を取得して美容リゾートを作ったり、医療系の大学を取得して医療人を輩出したりと、様々な展望を持っています。上場も視野に入れ、仲間も増やし続けています。ただ、今後どんなにスタッフが増えたとしても、「究極の三方良し」を新しい仲間にも浸透させていきたいです。

リンクアンドモチベーション 松木:ありがとうございます。最後に、皆さんへのアドバイスをお願いします。

SBCメディカルグループ 峠ヶ氏:たとえエンゲージメントが高くても、普段の業務ではなかなか感じづらいかもしれません。私たちも常にAAAだと思えている訳ではなく、実はCなんじゃないかと感じる日もあります。だからこそ、サーベイをきっかけに振り返り、やっぱり良い組織だな、良い会社だなと思えるように働きかけ続けることが大切だと考えています。人事部の皆さまには、社員が自社の良さを常に感じられるようエンゲージメント向上に取り組み続けていただけたらと思います。

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