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インナーブランディングとは何か? 手法やポイントを徹底解説!

インナーブランディングとは?

インナーブランディングとは、自社の従業員に向けたブランディング活動です。具体的には自社の理念を従業員に理解してもらい、具体的な行動を起こし、新たな習慣を作っていくことです。「理念がただ額縁に飾られている」という企業もありますが、それを具体的な行動に落とし込むことが重要になります。

逆に、アウターブランディングという言葉もあります。これは消費者(顧客)に向けたブランディング活動です。自社の商品サービスに関するブランドイメージを作り、消費者に認知してもらう活動と言えます。

アウターブランディングに加え、インナーブランディングが昨今注目されています。インナーブランディングの目的や、それによって得られるメリットとは何なのでしょうか?

インナーブランディングの目的とは?

インナーブランディングの目的は「理念を会社全体に浸透することによって、従業員ひとりひとりの行動を変え、事業成果を生み出すこと」と考えています。多くの理念が「存在はするが、社員の行動が変わっていない。そのため成果に結びつかない」といった状況になっています。

企業運営において実現しなければならないことは「業績の向上」と「エンゲージメントの向上」です。理念に基づいて従業員ひとりひとりが行動を変えることによって、事業成果を創出することがインナーブランディングの目的です。

※エンゲージメントについては以下記事をご参考にしてください
エンゲージメントとは?意味やメリット、向上させる方法について


インナーブランディングを行うメリットとは?

インナーブランディングを行うことによって得られるメリットは大きく4点あります。
採用・育成・制度・風土といういわゆる組織施策それぞれにおいてメリットがあります。

①採用:理念によって他社との違いが明確になり、差別化された採用メッセージが発信できる
②育成:理念によって判断や行動の基準が揃い、成長の方向性が明確になる
③制度:理念によって明確な価値観(軸)ができ、その軸に沿った制度によって納得感を高められる
④風土:理念によって全社の方針が明確になり、一つの組織として目的で束なることができる

色々な組織施策がありますが、それらは全て理念が軸となり繋がっています。採用・育成・制度・風土とどれも悩まれる企業も多いですが、実はインナーブランディングが不十分であるという根本的な問題が見落とされているケースも散見されます。

インナーブランディングは、様々な組織施策への波及効果の大きい取り組みだと言えます。


インナーブランディングの実施手順

インナーブランディングは大きく2つのステップに分けて実施されます。

まずは【策定フェーズ】です。理念の中でも「ミッション」と「スタイル」を策定するケースが多いです。ミッションとは会社が目指す方向性です。会社が何のために存在するのかということを定めたものになります。また、スタイルとは従業員に求める思考・行動です。

ミッション実現に向けて日々の判断基準になってきます。まずはミッション・スタイルを策定することからスタートします。


次に、【浸透フェーズ】です。

策定した理念を従業員に対して落とし込みます。浸透フェーズはより細かく砕くと、共有⇒行動化⇒習慣化というステップになります。

従業員が理念を頭で理解しているだけでなく、理念に共感し、具体的な行動を起こし、最終的にはそれを意識しなくてもできるような習慣として行動できる状態がゴールです。

インナーブランディング実行時のポイント

【策定フェーズ】と【浸透フェーズ】のポイントに分けて解説したいと思います。

【策定フェーズ】のポイントは以下の3点です。

①差別性
多くの理念が事業成長に繋がる他社との違いを明確にできておらず他社でも言える理念になってしまっています。事業成長に繋がる他社との違いを明確にし、顧客価値が組み込まれた理念になっていることが重要です。

ミッション策定においては時間軸を入れて顧客価値を明確にし、スタイル策定においては顧客価値を届けるための行動を整理していきます。


②意義性
理念が意義を感じられるものになっておらず、従業員のモチベーションが上がらないといったケースも見られます。理念に明確に意義が盛り込まれており、従業員の働きがいにつながっていることが重要です。日々の業務が何に繋がっているのかを、従業員の特性に合わせて、意義を整理していきます。


③共感性
現場に理念の意図や背景が伝わっておらず、言葉だけが上滑りしてしまうこともあります。理念の意図や背景を伝えるストーリーがあることで、現場の共感を得られることが重要です。

共感されるストーリーをつくる上では、Why(なぜ?)/What(何を?)/How(どのように?)を接続して設計していきます。

また、【策定フェーズ】のポイントは以下の3点です。


①必要性
一方的に情報共有をしているだけになっており、受け手側の意欲が高まっていないケースが見られます。社員全員が当事者として理念の実現に向けて、意欲が高まっている状態を作りだすことが重要です。


②伝承性
ミッション・スタイルの内容を伝達しているものの、意図や判断基準までは伝えられていないケースも多く見られます。ミッション・スタイルの意図や判断基準まで伝えているため、受信側の行動が変革できていることが重要です。

ミッション・スタイルの意味を正しく理解し、魅力的に語ることができる「伝道師」を育成することがポイントです。

③継続性
浸透施策を実施すること自体がゴールになってしまい、振り返りや改善を行っていないケースも非常に多いです。

浸透施策の効果測定をする指標が入っており、浸透度合いが定量的に測定できていることが重要です。弊社でも効果測定をするための「組織のものさし」をご提供しています。詳細は以下より。

▶リンクアンドモチベーションが提供する「組織のものさし」はこちら

以上のような形で、【策定フェーズ】【浸透フェーズ】のポイントを踏まえ丁寧にインナーブランディングを行うことで、従業員の行動が変わり、事業成果につながります。

■佐竹食品株式会社・株式会社U&Sの理念浸透事例

【企業の概要】
・社名:佐竹食品株式会社・株式会社U&S(以下、佐竹食品)
・設立:1969年1月13日
・事業内容:①総合食料品スーパーマーケット「satake」の運営、
      ②生鮮特化型 業務スーパー「TAKENOKO」の運営
・従業員数:1,700名 (※パート・アルバイト800名含む) 
・本社:大阪府吹田市
・ビジョン:「日本一楽しいスーパー」


【課題】
佐竹食品は順調に従業員数と店舗数を伸ばしていました。150人規模までは、社長から見て顔と名前が一致していましたが、300人、400人と増えていく内に一致しなくなってしまいました。代々大切にしてきたはずの佐竹食品の考え方が薄まってきていました。


弊社組織診断ツールであるモチベーションクラウドで現状を把握したところ、「従業員が理念を期待していない(=従業員が理念を重要視していない)」という結果があらわれました。

そこで、インナーブランディングの【策定フェーズ】と【浸透フェーズ】の2つのステップを丁寧に踏み、理念の浸透を図ってきました。以下では、特に【浸透フェーズ】の取り組み内容についてご紹介します。

【取り組み内容】
①ありがとう総会
店舗を丸1日休みにして全従業員を集めた「ありがとう総会」を実施しました。従業員に理念の「必要性」を伝えることが目的です。

ありがとう総会の中で、なぜこの理念が出来上がったのか、どんな思いが込められているのか、これからはこういうことをしようと思っているんだ、ということを全従業員に伝えて行きました。

1日営業日を止めることによって1億円の売上が減りましたが、その月は過去最高益を出すことができました。理念を伝えていくことで、従業員ひとりひとりの行動に変化があらわれたためでした。


②部門ビジョンの策定
佐竹食品ではでは企業理念だけではなく、部門の理念も策定しています。理念を従業員にとってより身近なものにし、「継続的に」理念を意識してもらうためです。その中の一例として店舗ではなく本社部門の事例をご紹介します。

本社というのは経理や人事・総務を担う部署のため、店舗に立って接客することはまずありえません。そのため、接客を通じてモチベーションが上がる機会もほぼなく、ビジョンである「日本一楽しいスーパー」とは、実際にお客様にどれだけ喜んでいただけたかが主軸になってくるため、本社メンバーにとっては、ビジョンへの貢献感が実感しづらかったのです。

そこで以下のビジョンを策定しました。


そもそも本社にとってのお客様は誰なのか、根本的なところから考え始め、メンバー全員が納得できるビジョンにするため、できるだけ具体的なイメージが湧くものにしました。

「本社メンバーにとっては、関わる全ての人がお客様である」。そう定義することで、今まで曖昧だったビジョンがぐっと身近にイメージしやすくなりました。議論の末に辿り着いたビジョンが「現場が商売に専念できる状態をつくる」というものでした。

「日本一楽しいスーパー」を実現する現場を支えるために本社は何ができるのか。何をするべきなのか”というイメージが具体的になったことにより、本社にいてもビジョンに貢献できているという実感が持てるように変わりました。

引用元:
佐竹食品・U&S社長 梅原一嘉氏 「日本一楽しいスーパー」づくりの哲学【前編】
​​​​​​​佐竹食品・U&S社長 梅原一嘉氏 「日本一楽しいスーパー」づくりの哲学【後編】
佐竹食品・U&S 代表取締役社長 梅原一嘉氏 “高いエンゲージメントによって業績が上がる”という好循環をつくる

終わりに

理念に基づいて従業員ひとりひとりが行動を変えることによって、事業成果を創出することがインナーブランディングの目的です。事業成果に直結するすばらしい実績を出されています。

是非、【策定フェーズ】【浸透フェーズ】を丁寧に行い、インナーブランディングを実践していただければと思います。

百田 海渡
百田 海渡

【プロフィール】 リンクアンドモチベーション新卒入社。 以降、中堅・スタートアップ企業向けのコンサルティングに従事。 「理念策定・浸透」「人事制度構築」やモチベーションクラウドを活用した組織改善等、 IT系業界、小売業界を中心に数多くの企業様に貢献。

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