組織診断・組織サーベイツールで生産性向上や
離職率低下を実現!導入時のポイント、事例を紹介

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昨今「組織診断」「組織サーベイ」という言葉を頻繁に聞くようになりました。「組織診断」「組織サーベイ」とは、何のために、どのように行なうのか...。

本記事では「組織診断」「組織サーベイ」の目的や内容を種類別に解説し、実際に行う際のポイント、および事例をまとめていきたいと思います。

なぜ今、組織診断/組織サーベイツールが必要なのか

これまでの企業経営においては、PLやBSといった事業に関する明確な指標はありましたが、組織に関する確かな指標といったものはありませんでした。

しかし現代の経済において、「ハードからソフト」「モノからコト」へと価値が映っていく中では、単純なオペレーションをこなすのではなく、多様な個々人の強みを活かし合い、組織として価値を生み出してくことがより一層求められます。

また、今後一層の労働人口の減少が見込まれる中では、優秀な人材の確保や生産性向上はどの企業でも避けられない課題となっています。そこでは、勘や経験に頼る組織マネジメントではなく、再現性×実行性の高い組織マネジメントが求められます。

そのために、組織診断・組織サーベイといったものを活用しながら、確かな指標をもとにデータを集め、自社の事業理念や戦略にあった組織づくりを進めることが重要なのです。

組織診断・組織サーベイツールとは

企業が、従業員の離職対策や働きやすい組織作り、モチベーション向上を目的に、組織における現状や理想像、またそのギャップから問題点を可視化し、適切な施策を選定するための調査するアンケートツールのことを指します。

労働力人口の減少や採用競争が激しくなっていることを背景に、これらを活用した組織作りに力を入れる企業が増えています。

組織診断・組織サーベイツールの種類と各目的
~項目量と頻度で区別するto~

「センサス」

「センサス」とは、アンケート項目が多い一方で、実施頻度が少ないタイプのサーベイを指します。様々な項目や角度から調査を行い、幅広くかつ根幹の課題を発見します。アンケートの設問数が多くなるため従業員の負担は増えてしまいますが、それだけ多くのデータを集めることができ、組織において幅広く状態が可視化されることや問題の原因を深く特定しやすくなります。

「パルスサーベイ」

「パルスサーベイ」とは、アンケート項目が少ない一方で、実施頻度が多いタイプのサーベイを指します。「週に1回」「隔週に1回」など短い期間で繰り返し簡易的な調査をし、定点観測を行います。人事や集計担当者が毎回集計や分析をするというよりも、重点項目に関する変化をモニタリングしたり、何か問題が発生した際にすぐに気づき、即座に対策するために行ないます。

組織診断・組織サーベイツールの種類と各目的
~測定内容で区別すると~

従業員満足度サーベイ

従業員が、働いている会社をどのように認識・評価しているかという従業員の満足度を数値化して組織の状況を把握します。かつては待遇面に関するものが多くありましたが、昨今では職場環境、上司のマネジメントなど様々な観点で組織の状況を可視化・数値化するようになってきました。一方で、従業員満足度はあくまで「今の環境や待遇に満足しているかどうか」の指標ですので、従業員個人が組織に貢献したいという気持ちを持っているかどうかを測ることはできません。もし今より条件のいい企業があれば転職してしまう可能性はありますし、もしも「楽して働く」ことを重視している従業員がいれば、パフォーマンスを上げることは難しくなります。

ロイヤリティーサーベイ

従業員が会社にどの程度忠誠心や愛着を持っているか(ロイヤリティ)を数値化して組織の状況を把握します。eNPS℠¹(Employee Net Promoter Score)と呼ばれる指標で数値化されることが多いです。ロイヤルティの高さは、従業員がどれほど組織の方針に従うかという尺度で測ることができ、組織が従業員を従える縦の関係性を前提としています。従業員個人の志向性と組織の方針が一致していなかったり、入社を意思決定した時の組織の方針が入社後に変わったりしても、ロイヤルティが高ければ「組織の方針に従おう」と定年まで勤め続けます。一方で、その組織の方針が社会的によくないものであっても従ってしまう、というリスクも考えられます。

エンゲージメントサーベイ

従業員と会社がお互いに貢献し成長できる関係になっているか(エンゲージメント)を数値化して組織の状況を把握します。終身雇用制度が崩れ、人材の流動性が増してきた現代社会において、従業員と会社が選び合い、貢献し合う状態の実現を目指します。ES(Engagement Score)と呼ばれる指標で数値化されることが多いです。エンゲージメントが高い状態とは、「従業員が自ら組織に貢献しようと、意志を持って業務に打ち込んでいる」状態といえます。エンゲージメントを高めることで、離職率の低下や、パフォーマンス向上などが期待できます。離職率を下げられれば、組織としてのスキルレベルを保った業務の安定的な遂行を期待でき、また、パフォーマンス向上は、アウトプットの質/量や顧客満足度の改善にも結びつき、業績の向上にもつながります。

組織診断ツール・組織サーベイの選定ポイントとは?

その①相対化できるか:傾向や状態を相対化でき、明確に把握できる指標を用いる

組織診断や組織サーベイを調査すると、「自社内で比較してなんとなくの傾向や状態が分かる」だけで終わりがちですが、「要はどう対応すべきなのか」までが見えてくることが重要になります。数値を出すだけだと、状況がなんとなくでしか分からず、結果として改善が行われない、という落とし穴に落ちてしまいます。他社と比較して改善を行うことはあまり意味がありませんが、過去の知見をもとに「要は何が起きていて」「どのように対応すべきなのか」が明確になる指標が用いられていることが重要になります。

その②課題が特定できるか:着手する課題を特定し、重要度の高い施策から取り組む

組織診断や組織サーベイで「満足度」だけを調査すると、「不満に応える」だけで終わってしまいます。満足度の低いものには、「従業員が満たされていない」ものに加えて、「従業員にとって興味がない」ものも多く含まれます。また、満足度の低いものから対処すると結果的に、会社としての方向性や優先順位を見失う、という落とし穴に落ちてしまいます。期待度と満足度の二軸をもとに優先順位を確認し、会社として目指したい方向性を踏まえて、戦略的に対応していていけるようなツールを用いることが重要になります。

その③施策の方向性が見えるか:課題に応じた解決策で対応する

組織診断や組織サーベイの結果が出た後に、現場に改善を促すと、「何を考えたらいいか分からない」という状況に陥りがちですが、大事なのは「まずアクションを起していく」ということです。ただ、診断結果から自由に考えるように促してしまうと、「そもそもこの項目でいいのか」「本当にこのアクションでいいのか」と現場の管理職が悩み、結果として改善が始まるまでに時間がかかる(忘れ去られてしまう)、という落とし穴に落ちてしまいます。改善しやすく、効果が感じられそうなアクションにまず取り組むことが重要なため、事業特性や組織のフェーズに応じた幅広い知見を元に、改善の方向性に合わせた簡単なアクションプランの提示がされるものがオススメです。

その④適切にモニタリングできるか:現場での行動を促進し、確認する

組織診断や組織サーベイを用いて組織改善をする際には、変化の測定までに時間がかかってしまい、結果が忘れられたり、効果が検証しづらいことが起きがちです。しかし大事なのは、アクションを検証し、PDCAサイクルを回していくことです。半年や1年に1回の診断だけだと、「アクションプランが実行されないまま放置される」「実行したとしても他の要素もあって検証できない」という状況に陥り、組織改善の実感も得られないため、さらにアクションが実行されない、という落とし穴に落ちてしまいます。組織全体を把握する精密検査だけではなく、特定の項目に絞って、月次や週次で組織改善の進捗を把握し、効果を検証しながらアクションを進める仕組みが重要になります。

(参考:組織診断・組織サーベイとは何か

エンゲージメントサーベイとしてのモチベーションクラウドについて

モチベーションクラウドのご紹介

モチベーションクラウドは特に、先ほど述べた「センサス」×「エンゲージメントサーベイ」に値します。労働市場の自由化やジョブ型への移行といった時代の変化をふまえた上で、「魅力的な個人を惹きつける組織づくり」や「個性が活かされる生産性の高い組織づくり」を目的とします。

特徴としては、会社や職場といった「組織」や上司の「マネジメント」に対する認識を把握し、「何をすれば生産性が高まるか」を見える化できることです。これまで勘や経験によって改善してきたマネジメントを、課題の見える化や施策の効果測定という側面でアシストすることができます。

また、組織改善を目的とおいているため、これまでの調査よりも多岐に活用することができ、人事のみならず経営企画や現場の管理職が主管を担うことが多い施策となっています。(※指定した重点項目に関するパルスサーベイを併用し、短サイクルで組織改善のPDCAを回すことも可能です)

(参考:組織診断・組織サーベイとは何か

モチベーションクラウドによる生産性向上、離職率低下事例

生産性向上と離職率低下につながった事例①「共通目的喪失症」の打開

ある会社では、経理や人事・総務を担うバックオフィス系の部署は、顧客に会うこともなく、貢献感を感じられずモチベーションが低下していました。そこで部署ビジョンとして、「自分たちにとってお客様は誰なのか?」「自分たちにしかできない役割は何なのか?」等を言語化して掲げました。「“関わる全ての人”がお客様であり、”現場が商売に専念できる状態をつくる”ことこそ自分たちの役割である…」やるべきことを明確にし、共通の目的として定めたのです。

結果として、従業員のモチベーションおよび生産性は目に見えて上がり、半年後のサーベイでは、理念戦略に関する項目と判断行動に関する項目の満足度がそれぞれ1ポイント近く、全体スコアも22ポイントも上がり、大幅に改善されました。

(参考:佐竹食品・U&S 代表取締役社長 梅原一嘉氏 
“高いエンゲージメントによって業績が上がる”という好循環をつくる)

生産性向上と離職率低下につながった事例①「長期視点欠落症」「組織ルール不足症」の打開

ある会社では、会社がスケールしていくタイミングで、ビジョン・ミッション・バリューの再策定や浸透強化を行ないました。それは競合がひしめき合う労働市場の中で打ち出すメッセージとなり、共感性やモチベーションの高い人材の確保へと繋がりました。

また、半期に1回、全員の成果目標の内容を公開し、経営陣からミドルマネージャー、現場に至るまで、どのように目標が連鎖しているのかを分かるようにした「ミッションツリー」というものも作りました。それらを評価制度とも紐づけることで、上下左右の役割分担や、従業員の日々の判断基準への理解、そして評価への納得感も高まりました。

(参考:ラクスルが乗り越えた6つの組織の壁~「業務過多疲弊症」「長期視点欠落症」「組織ルール不足症」~)

公開日:2016.10.30

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