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離職を防ぐ!日本企業の平均離職率と労働環境改善の重要性を解説


目次[非表示]

  1. 1.離職とは? 離職率とは?
  2. 2.日本における離職の現実
  3. 3.企業が離職率を下げるメリットとは?
  4. 4.離職率が高くなる原因とは?
  5. 5.離職率を改善する方法
  6. 6.離職率を下げるためのポイントとは?
  7. 7.まとめ

労働人口の減少、人材の流動化が叫ばれるようになって久しい昨今。自社の離職率をむやみに上げないことは、あらゆる企業にとって重要な課題の一つです。

現在の日本企業における平均的な離職率はどの程度なのでしょうか? また、離職率を上げないためには、労働環境をどのように改善すべきなのでしょうか?

今回は、離職率が高くなる原因や離職率を下げる方法などについて解説していきます。

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離職とは? 離職率とは?

離職とは、自己都合退職や会社都合退職、解雇などの理由によって会社との間に雇用関係がなくなり、従業員が会社から離れることを言います。離職率は、ある企業でどのくらいの従業員が離職したかの割合を示す数値のことで、企業の働きやすさを測る指標として用いられることもあります。

離職率の算出方法は公的機関や企業によって異なりますが、一定期間に退職した人数を、起算日に在籍していた人数で割って求めるのが一般的です。たとえば、3年前の4月1日に50人の新入社員が入社し、現在までに5人が退職していれば、離職率は10%ということになります。

日本における離職の現実

日本企業における離職率の平均値、および新卒採用をして3年以内の離職率について見ていきましょう。

■日本企業の平均離職率

厚生労働省が作成した「入職と離職の推移」によると、日本企業全体を対象とした離職率の平均値は、2018年が14.6%、2019年が15.6%、2020年が14.2%となっています。過去3年間では、約15%の従業員が何らかの理由で離職していることが分かります。

■新卒採用の3年以内離職率

新卒採用の従業員(大卒)の3年以内の離職率に絞ると、2016年卒入社が32.0%、2017年卒入社が32.8%、2018年卒入社が31.2%となっています。従業員全体の離職率よりも高い数値になっていることが分かります。
※参考:入職と離職の推移|厚生労働省​​​​​​​

■日本で離職率が注目される背景

近年、多くの日本企業が離職率を改善するために様々な取り組みをしています。これにはどのような背景があるのでしょうか?

かつての日本企業は「終身雇用」を前提とした仕組みで運営されており、正社員は定年まで同じ企業で勤めあげるのが当たり前でした。しかし、近年は働き方が多様化しており、より自分らしく働ける職場を求めて転職を繰り返す人が増えています。

少子高齢化にともなう労働人口の減少によって、ただでさえ労働力の確保が難しくなっているなか、優秀な人材がどんどん転職してしまうのが現状です。このような背景から、近年は多くの企業が離職率に着目し、離職率を下げるための取り組みに注力しているのです。

■離職率だけでは企業の良し悪しを判断できない

離職率は、企業の働きやすさを測る一つの指標になりますが、離職率だけで企業の良し悪しを判断することはできません。なぜなら、離職率は採用人数や業界規模、業界の特性などによって大きく左右されるからです。

ただし、離職の際に語られる退職理由は、自社が抱える課題を知る大きな手掛かりとなります。離職率の改善を図りたいなら、退職理由の分析は不可欠です。

企業が離職率を下げるメリットとは?

離職率を低く抑えることで、企業は以下のようなメリットを享受できます。

採用コストを抑えられる

従業員が離職したらその穴を埋めるための採用活動が必要になり、決して少なくないコストがかかります。離職率を下げることができれば、このような採用コストも低く抑えられます。

■ノウハウの流失を防止できる

離職した従業員が、在籍中に得たノウハウを外部に流出させることも考えられます。従業員の離職を防ぐことができれば、貴重なノウハウを流出させず自社の発展に活かすことができます。

長期的な事業戦略を立てやすくなる

離職率が低く人材が定着していれば、将来の見通しを立てやすくなります。長期的な事業戦略を立てるうえでも、適材適所に人材を配置することが可能です。

離職率が高くなる原因とは?

離職率が高くなる原因としてよく言われるのが以下の点です。

■従業員が評価や待遇に満足できていない

従業員が評価や報酬などの待遇に満足できていないと、自分をより高く評価してくれそうな企業や、より良い待遇で働ける企業に転職したいと考えるようになります。

職場の人間関係がうまくいっていない

「ハラスメントが横行している」「コミュニケーションが取りづらい」「上司との相性が悪い」といった職場環境は、従業員が転職を考える大きな動機になり得ます。

教育・フォロー体制が不十分

「研修が充実していない」「育成担当者が頼りにならない」「フォロー体制が不十分」といった職場環境では、従業員はキャリア形成に不安を覚えて転職を検討するようになります。

■理想とするワークライフバランスを叶えにくい

「有給が取りづらい」「子育てや介護との両立が難しい」「プライベートの時間が少ない」といった職場環境では、従業員は理想とするワークライフバランスを叶えるために転職を検討するようになります。

離職率を改善する方法

離職率を改善するためには、以下のような方法が考えられます。

■適正な評価をして、適正な報酬を与える

一人ひとりの従業員の貢献度に見合った評価をして、適正な報酬を与えることができれば、従業員はモチベーションを維持しやすくなります。報酬を決定する際は、業界全体や競合他社の給与水準を考慮することも大切です。

■コミュニケーションを活性化させる

他の従業員と信頼関係が築かれていて、困ったときに何でも話せる相手がいるなど、社内の人間関係は従業員にとって非常に重要な要素になります。コミュニケーションを活性化させ、風通しの良い環境をつくることができれば離職率の改善が期待できるでしょう。

■ワークライフバランスを尊重する

従業員のワークライフバランスを大切にすることで、離職率が改善することもあります。休暇が取りやすく、プライベートとの両立がしやすい環境は従業員の満足度を高め、「この会社で働き続けたい」と思える大きな要素になります。

しかし、これらの不満を解消するための施策を講じても「一つ不満を潰しても次から次へと不満が出る」「アンケートを取ることで、逆に多くの期待を生んでしまい『対応してくれない』という不満を生む」「結局、本当に辞めたい人の特定には至らない」など、様々なリスクも発生し、結果、離職率は変わらなかったり、最悪の場合は離職率が増えるリスクもはらんでいます。

離職率を下げるためのポイントとは?

■不満理由の解消と、貢献理由の創造

では、離職率を下げるためにはどんなポイントがあるのでしょうか?それは、組織に対する「不満理由の解消」だけでなく、「貢献理由の創造」が必要なのです。

「不満理由の解消」としては、先の一般的な対策でも紹介したように、社員が明確に感じている不満に対して対策を打つことです。例えば、給与を上げたり、働き方を見直すなどが分かりやすい例です。

しかし、その対策が講じられた後に、社員がどんな風に感じるかというと「給料や働き方が改善されて良かった!。もっと良い条件の会社があれば転職しよう」と思う人も少なくはありません。

そこで大切になるのが「貢献理由の創造」です。すなわち、社員が今の会社で働き続けるための、理由づくりを創ることを指します。

例えば、仕事の面白さや魅力をしっかり発信したり、会社が世の中に与えている意義・意味をきちんと伝えていくことで、「たしかに給料は少し低いけど、それ以上に、面白い仕事が出来て、意義深い目的に向かって働けている。この会社で、もっと頑張ろう!」という意欲向上にも繋がるケースが多くあります。

上記の例は、フレデリック・ハーズバーグが提唱した『二要因理論』に基づくものです。これは、人事労務管理に必要な要素を、「動機付け要因」と「衛生要因」の2種類に分けて考えるべきだとする理論です。

給与や福利厚生といった「衛生要因」と、達成や承認といった「動機付け要因」は、どちらか一方だけ満たせばよいというわけではなく、衛生要因における問題を解決した上で、動機付け要因を満たす必要がある、としています。

※衛生要因:制度待遇・施設環境など。欠如すると不満になるが、向上させ続けても、エンゲージメントがプラスになるわけではない

※動機付け要因:仕事の達成感・仲間の魅力など。衛生要因が欠如していると積み上がらないが、向上させ続けるほど エンゲージメントが高まるもの。

■人が組織に帰属する4つの要因

またリンクアンドモチベーションでは、人が組織に帰属するのには、下記のPhilosophy (目標の魅力)、Profession (活動の魅力)、People (組織の魅力)、Privilege (条件の魅力)の4つの要因があると考えています。

そのため、貢献理由を創造するにあたり、どの要素を組織の魅力とするか考える必要があるというわけです。

早期離職の原因と、その対策について触れてきましたが、企業はどのように戦略的に離職率を低下させていけば良いのでしょうか。

そのためには、組織に求める項目の“期待度”と“満足度”を把握しながら、戦略的に「不満理由の解消」と「貢献理由の創造」を行うことが重要です。


上記はリンクアンドモチベーションが開発した国内初の組織改善クラウドサービス「モチベ―ションクラウド」に搭載されている診断技術「エンゲージメントサーベイ」の「期待度」と「満足度」の2軸で回答結果を整理したマトリックス(4eyes® Windows)です。

社員のワークモチベーションは多様化し続けており、社員が会社や職場に期待する要素は多岐に渡ります。そのため、これからの企業経営においては、こうした多様なワークモチベーションの状態を把握し、束ねていく必要があります。

しかし、従来の社員調査のように「満足度」のみのヒアリングでは社員が何を求めているのか把握することができず、具体的な打ち手を設定することは困難でした。

当技術では、社会心理学を下敷きに、社員のエンゲージメントに大きく影響する16の要素に基づいた網羅的な設問項目を用いて、「満足度」に加えて「期待度」をヒアリングすることで、会社と社員の関係性を明らかにしています。

社員の回答結果を「期待度」と「満足度」の2軸で整理することで、社員エンゲージメント状態を可視化、数値化することが可能となります。

上記の図でいう左上「組織の弱み」が「不満理由の解消」領域となり、プロットされたどの項目を不満理由として解消するのか決める必要があります。

また、右上の「組織の強み」にプロットされた項目の中から、どの項目を貢献理由として創造していくか決めて実行していく必要があります。

このように、離職を減らすためには、従業員が求めているものと、会社として提供できることをすり合わせていき、期待と満足のギャップを減らしていくことで、従業員の会社への帰属意識を高めていくことが効果的です。

まとめ

優秀な人材の確保がますます難しくなる今後、離職に歯止めをかけることが企業の命運を左右すると言っても過言ではありません。職場環境、労働環境を見直して、離職率の改善に努めましょう。

​​​​​​​

N.E
N.E
【プロフィール】 リンクアンドモチベーショングループ新卒入社。 以降、モチベーションクラウドのカスタマーサポートとして、 主に大手企業の支援に従事。

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