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伊藤邦雄教授、経済産業省 島津裕紀氏 「人的資本経営」の実践に向けて 〜人材版伊藤レポート2.0を経営のpowerへ〜「HR Transformation Summit 2022」レポート

人的資本経営への注目がますます高まっている一方で、多くの企業が「どのように実践すればいいのか分からない」といった悩みを抱えているのが現状です。そこでこの度、人的資本経営の実践に際して第一線でご活躍されている方にご登壇いただき、それぞれの立場から情報と知見を共有する「HR Transformation Summit 2022」を開催しました。「Keynote Speech 1」では、一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏と、経済産業省 経済産業政策局の島津裕紀氏にご登壇いただき、「人的資本経営の実践に向けて」というテーマでトークディスカッションをおこないました。

【イベント実施日】
2022年7月20日

【スピーカー】
・一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤 邦雄 氏
・経済産業省 経済産業政策局 島津 裕紀 氏
・株式会社リンクアンドモチベーション モチベーションエンジニアリング研究所 上席研究員 林 幸弘

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人的資本経営元年、日本企業はどんなアクションをしていくべきか?

リンクアンドモチベーション 林:まず、なぜ「HR Transformation Summit 2022」というカンファレンスを開催したのかについてお伝えします。2022年は「人的資本経営元年」と位置付けられています。人的資本経営や人的資本開示に対する気運が高まっており、国を挙げて日本企業の経営を変革していくチャンスだと考えています。

これをブームに終わらせることなく、人事や経営が変革を起こすことができれば、本当に日本が変わっていくきっかけになるはずです。そのために、具体的にどのようなアクションをしていけばいいのかということを、産・学・官という、それぞれの立ち位置から議論するカンファレンスとして「HR Transformation Summit 2022」を企画させていただきました。

人的資本経営を実践していくうえでの根本課題を直視するとともに、未来志向で何ができるのかを対話していければと思います。さらに、垣根を越えた場作りによって相互触発を生み出していくきっかけにできればと考えています。

それでは早速ですが、伊藤先生よりプレゼンテーションをお願いいたします。


無形資産投資競争において世界に劣後する日本企業

一橋大学 伊藤氏:近年、人的資本経営というテーマが至るところで語られるようになりましたが、実際に今、企業価値が無形資産で決定されていることは紛れもない事実です。米国のS&P500における「市場価値の構成要素」に関するデータをご覧ください。

企業価値に占める資産を有形資産と無形資産に分けて示していますが、時代が進むにつれ、企業価値の大半は無形資産によって占められるようになっていることが分かります。もう一つ、米国企業の「有形・無形資産に対する投資」に関するデータがあります。

 

米国企業の無形資産投資率と有形資産投資率が時系列で示されていますが、有形資産投資率(オレンジの折れ線)は時代とともに下がっているのに対し、無形資産投資率(青の折れ線)は右肩上がりで、1993年あたりで逆転していることが分かります。

このような大きな流れのなかで、残念ながら、日本企業は無形資産投資競争において世界に劣後してしまいました。私が以前、衝撃を受けたエピソードをご紹介します。当時の、サムスンの李健熙(イ・ゴンヒ)会長が三洋電機の井植会長に、「三洋電機は人材にどのぐらいのお金をかけていますか?」と聞いたことがありました。井植さんが言いよどんでいる間に、イ・ゴンヒさんは「サムスンは研究開発と同じぐらい、人材にお金をかけていますよ」と言ったんです。

人材投資の金額をR&D投資の金額と比べる日本企業は、現在でもほとんどないのではないでしょうか。しかし、サムスンは違いました。後のサムスンの成長は、人材への投資がもたらした結果だと言っても過言ではないでしょう。

日本でも、長い間「人は大事だ」と言われてきましたが、その言葉にふさわしい行動をとっていた企業は少なかったように思います。その理由は様々ですが、メンバーシップ型雇用が長く続いたことで、ある種の楽観主義が働き、社員が離職することに対する危機感が薄くなっていたことが考えられます。また、OJTが分かりやすい例ですが、「仕事が人を育てる」という手なり文化もありました。しかし、VUCAの時代において、この考え方では人は育たず、様々なところでほころびが出てきています。

振り返ってみても、日本では人材を「資源」と捉え、「管理」の対象としてきた企業がほとんどでした。「人は大事だ」と言いながら、社員のやりがいやWell-beingに丁寧に向き合ってきた企業は少なかったのではないでしょうか。結果として、社員の自律性・自立性も削がれていきました。残念なことですが、米国ギャラップ社がおこなった従業員エンゲージメント調査では、日本は139ヶ国中132位という最下位に近い位置に留まっています。

人材版伊藤レポートでは、人材を「人的資源」ではなく、「人的資本」と呼んでいます。というのも、人材は適切な環境を提供すれば価値を伸ばしますし、そうでなければ価値が縮んでしまうからです。成果をあげるために、人材という「資源(コスト)」を最小限にするという考え方ではなく、人材を投資対象である「資本」として捉え、一人ひとりの人材が活きる環境を提供することで最大のアウトカムを引き出すという発想に転換しなければいけません。

人事部門はもう調整型人事から脱却し、価値を創造する人事部門に変わっていくべきタイミングが来ています。そして、会社と人材との間で「選び・選ばれる関係」を構築していくことが重要です。

日本を救う道は、人的資本経営を徹底的に実践することです。各企業が人的資本投資をおこない、一方で人的資本に関する情報開示をする。この2つが好循環で回っていくよう、産・学・官が連携して取り組んでいきたいと思っています。


まず着手すべきなのは、経営戦略と人材戦略を連動させるための取り組み

リンクアンドモチベーション 林:続いて、島津様のプレゼンテーションをお願いいたします。

経済産業省 島津氏:本日は「人的資本経営という変革への道筋」というタイトルでお話しさせていただきます。まず、米国の労働市場におけるデータをご紹介します。



これは「米国における自発的失業者」の統計ですが、2021年末に、ひと月あたりの離職者数が452万人という例を見ない水準になったことが話題になりました。これには様々な要因がありますが、コロナ禍の影響は大きいものがあります。米国に限らず世界共通の動きとして、コロナ禍をきっかけに個人が「なぜ自分は働くのか?」ということを見つめ直し、会社や働き方を選び直す動きが活発になっています。

もう一つ、世界で共通して見られる動きとして「脱炭素」の潮流があります。脱炭素化が進むことで、今後、産業転換が起こると言われていますが、雇用に関しても、新たに「雇用を創出する分野」と「雇用を喪失する分野」が生まれると言われています。

このような状況のなか、人的資本に対する投資家の関心も高まっており、次のスライドのように様々な主体が人的資本投資に関する情報開示のフレームワークを提案したり、規制を導入したりしています。

また、岸田政権も「人的資本への投資」を成長戦略の中核に位置付けており、今年2022年5月、ロンドンのギルドホールでおこなわれた岸田総理の基調講演でも、人的資本投資について言及されています。しかしながら、企業の人材投資をGDP比で国際比較したとき、日本は低い水準にあるうえ、年々下がっています。また、投資家と企業の意識にギャップがあることも見逃せません。

「中長期的な投資・財務戦略において重視すべきもの」を投資家と企業に聞いたところ、「人材投資」と回答した投資家が67%であったのに対し、企業は32%にとどまっています。また、「株主還元」と回答した投資家は20%でしたが、企業は41%と高く出ています。このあたりは、両者の意識合わせの余地があるところではないでしょうか。

こうしたなかで今、関係省庁が連携して「人への投資」を促進していますが、やはり「実践」と「開示」の両輪で進めることが重要です。そのため、実践と開示で担当を分けながら様々な施策を進めています。

このスライドでは、人的資本経営の「実践」に関することを赤字で、「開示」に関することを青字で示していますが、2020年の人材版伊藤レポート以降、人的資本経営の実践と開示のための政策ツールは充実してきています。ぜひ企業のみなさまは、このようなツールを活用しながら人的資本経営を実践していただければと思います。働き手と会社の関係は、閉鎖的な関係から「選び・選ばれる関係」に変わっていくのだろうとも思っています。

人材版伊藤レポートでは「経営戦略と連動した人材戦略を」と謳っていますが、連動させるためには、経営陣の意識を変えていく必要があります。これまでの「人的資源を管理する」という考え方から、「人的資本に投資して価値を創造する」という考え方に変えていかなければいけません。

また、今回の人材版伊藤レポート2.0は、企業が具体的な取り組みをする際のアイデアの引き出しになるようにまとめています。網羅的に多くの取り組みを並べているため、「結局、何がいちばん重要なのですか?」という質問をいただくことも多々あります。繰り返しになりますが、もっとも重要なのは「経営戦略と人材戦略を連動させるための取り組み」です。「多くのことはできない」「何から手を付けていいのか分からない」というみなさまは、ぜひここから始めていただきたいと思います。


「人的資本への投資」という国全体の動きに各企業をどのように巻き込むのか?

リンクアンドモチベーション 林:続いて、トークディスカッションに移ってまいります。1つ目のクエスチョンとして用意させていただいたのが、「人的資本への投資という国全体の動きに各企業をどのように巻き込むのか?」という質問です。島津様、いかがでしょうか。

経済産業省 島津氏:人的資本経営に関する政策ツールは充実してきました。実践のためのアイデアの引き出しとして人材版伊藤レポート2.0が公表されましたし、人的資本開示に関する参考指針も整ってきています。あとは、いかに各企業が行動に移していくかというところになりますが、やはり大事なのは「腹落ち」することだと思います。「人的資本経営をすることで、どのように企業価値に結びつくのか?」という腹落ちですね。

その意味で、腹落ちする一つのヒントになり得るのが、内閣官房の非財務情報可視化研究会の資料にある「ROIC逆ツリー」ではないかと思います。

(出所) 内閣官房 非財務情報可視化研究会(第6回)配付資料

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/wgkaisai/hizaimu_dai6/siryou1.pdf ​​​​​​​

今日は私の資料の中には含めませんでしたが、ここで紹介されている図は、人的資本経営が、売上高や利益率といった投資家が重視する財務的なパフォーマンス、ひいては企業価値向上にどのようなロジックで貢献しているのかということを考える際のイメージとして示されているものです。この図自体はあくまで一例であり、人的資本経営がどのような経路で財務的なインパクトに結びつくかは企業によって当然多様となりますが、自社の人的資本への投資がどのように経営のパフォーマンスの向上に結びついていくのか、考えて頂く際のヒントになるかと思います。

「経営戦略と人材戦略の連動」が各企業で難しい理由は何か?

リンクアンドモチベーション 林:2つ目の質問が「経営戦略と人材戦略の連動が各企業で難しい理由は何か?」というものです。伊藤先生、いかがでしょうか。

一橋大学 伊藤氏:「経営戦略と人材戦略は、当然連動している」という企業でも、レンズを近づけてみると、連動できていない不都合な現実を数多く発見することになるものです。ですから、まずは「自社の経営戦略と人材戦略が本当に連動しているのか?」ということを点検していただきたいと思います。

うまく連動できている会社の一つの特徴が、「本社部門が縦割りになっていない会社」「サイロ化していない会社」です。経営戦略に携わっている経営企画部門と、人材戦略に携わっている人事部門が日頃から密にコミュニケーションをとっている会社は、やはり連動の度合いが高いですね。

今後はますます、人事部門のみなさんが経営企画部門、場合によっては財務部門のみなさんとコミュニケーションを深めることが大事になってきます。たとえば、中期経営計画を策定するときも、最初から経営企画部門と人事部門が入って進めるのが良いと思います。従来、中期経営計画は経営企画が中心となって作成し、計画ができてから人事に展開するという形が通常でしたが、そうではなく、最初から人事部門も入っていくのです。中期経営計画に盛り込む経営戦略について、「どのような人材戦略によって実現度合いを高めていこうか?」ということを、早い段階から話し合ってほしいと思います。

経済産業省 島津氏:人材版伊藤レポート2.0の実践事例集のなかで、「経営戦略と人材戦略の連動は双方向性である」とおっしゃっている会社があります。私はこの「双方向性」がキーになると考えています。

たとえば、「事業領域を転換する」「新しい事業に進出する」といった経営戦略を立案するのであれば、それにともない「どのような人材戦略が必要になるのか?」というポイントも入ってくるべきですし、なおかつそれが双方向の視点で捉えられていることが重要になってきます。

一橋大学 伊藤氏:今日は、人事部門の方も多く視聴されていると思いますが、みなさんは、自社の経営戦略を深く理解していますでしょうか。もっと言うなら、自社の経営戦略を深く理解していなくても「人事をやれている感」を持っていないでしょうか。もしそうだとするなら、当然、経営戦略と人材戦略の連動度合いは低いはずです。

連動度合いを高めるためには、人事部門が、自社の経営戦略を深く理解していることが大前提です。そのうえで「いかに経営戦略を実現するのか?」を考えれば、基本は人が実践するわけなので、必然的に「どのような人材をどのように配置するのか?」「どのように人材を育成し、どのようなスキルを習得させるべきか?」といった議論になるはずです。

人事部門のなかで議論していただくことも大事ですし、経営戦略部門や財務部門との議論を活発にしていただく必要もあります。あるいは、最近であればサステナビリティ部門と議論することも重要です。

パーパス経営実践に向けていかに従業員の「共感」を生み出すのか?

リンクアンドモチベーション 林:続いての質問が「パーパス経営実践に向けていかに従業員の共感を生み出すのか?」というものです。伊藤先生、いかがでしょうか。

一橋大学 伊藤氏:ほとんどの日本企業が、素晴らしい経営理念やパーパスを持っています。そのなかで、反省しなければいけないのは、経営者と社員が、また社員同士が、経営理念・パーパスの背景や目指すものについてあまり対話をしてこなかったことです。何となく同調圧力的に、「パーパスを作ったからみんなやってください」というスタンスの会社が多かったのではないでしょうか。

パーパスを作るときも、経営者と社員が一緒になって、パーパスに込める思いや狙いについて対話をしなければいけません。パーパスを作るということは、ある意味、対話の始まりです。ぜひ様々な部門、階層で対話を進めてほしいと思います。このプロセスなくして、従業員の共感が生まれることはありません。

会社のパーパスと一人ひとりの従業員のパーパスは、最初は距離があるケースも多いでしょう。しかし、対話を重ねることでだんだんと距離が縮まり、それが重なり合ってきたときに共感が生まれるのだと思います。その共感が「もっと良い会社にしていこう」という変革のムーブメントにつながっていくはずです。

「人的資本経営」が広まっていくためのキードライバーは何か?

リンクアンドモチベーション 林:続いての質問が「人的資本経営が広まっていくためのキードライバーは何か?」というものです。島津様、いかがでしょうか。

経済産業省 島津氏:大きく2つあると思っています。一つは、経営者ないしは経営陣の意識の変化です。もう一つは、人事部門が自分たちをどのように自己認識していくのかということです。そのうえで、「事業部門との関係において役割を変える必要があるのか?」ということに思いを巡らせることができるかどうかが、2つ目のキードライバーになると思っています。

経営者、経営陣の意識の変化というのは、ひと言で言えば「CHRO」の役割を理解したうえで、ポジションとして置けるかどうかです。CHROの役割は、従来の人事部長が果たしてきた役割とは大きく異なります。経営者の目線で人事を経営戦略と結び付けることに責任を負う人であり、人材に関するKPIの結果責任を負うポジションです。CHROを会社のなかに置けるかどうかは、非常に重要なポイントになると思います。

人事部門の役割という点に関しては、人事部門と事業部門の間で「どちらが企業価値全体を見ているのか?」「どちらが事業価値全体を高めるのか?」ということが曖昧になっていると、人事部門の役割を再定義するのは難しいと思っています。

たとえば、経営人材の育成、パーパスの策定、企業文化の浸透といった取り組みは、企業価値全体の最大化を目的とするものです。このように全社レベルで繰り返しおこなうべきものは、今後、人事部門が取り組む必要性が増してくるでしょう。

一方で、事業価値の最大化に関しては、事業部門側でより人事の責任を負っていく方向に向かうのではないかと思っています。現場でつぶさに人事を見ている人のほうが「事業戦略と人材戦略をどのように連動させていくべきか?」を深く考えられるため、人事部門はそこに伴走していくという役割変化が起きてくるのではないでしょうか。

「人的資本経営」において日本が世界に貢献できることは何か?

リンクアンドモチベーション 林:続いての質問が「人的資本経営において日本が世界に貢献できることは何か?」というものです。伊藤先生、いかがでしょうか。

一橋大学 伊藤氏:メンバーシップ型雇用は、長きにわたって日本で続いてきた雇用スタイルです。これを仮に「モデル1.0」とします。今、日本ではジョブ型雇用に関して様々な議論が交わされていますが、ジョブ型雇用を欧米型として「モデル2.0」としましょう。

このモデル2.0をそのまま日本企業に移植しようとしてもフィットせず、おそらく定着しないのではないかと思っています。ジョブ型雇用は、「こういう新規事業をやりますよ」となったとき、それにふさわしい経験・スキルを持った人をリクルートしてきます。しかし、「この事業は位置付けが低くなりました」となったら、そのジョブ型で入ってきた人は会社を去っていくわけです。

自由にジョブの入れ替えができることは、欧米ではメリットと言えるのかもしれませんが、日本にはフィットしませんし、やるべきではないと思っています。そう考えると、日本企業は「モデル3.0」を模索していく必要があるのではないでしょうか。

人材版伊藤レポートでも謳っていますが、従業員の「リスキル」を経営の重要なテーマと位置付けるとともに、メンバーシップ型雇用の良いところを残しながら、ジョブ型雇用の良いところを取り入れてモデル3.0を構築していくんです。その結果、「こういう形で人的資本経営を実践できるんだね」ということを日本発信で世界に訴えていけたら、すごく良いなと思いますね。

人的資本経営を実践していくことでどんな社会を実現できるのか?

リンクアンドモチベーション 林:最後の質問が「人的資本経営を実践していくことでどんな社会を実現できるのか?」というものです。島津様、いかがでしょうか。

経済産業省 島津氏:人材版伊藤レポートでは、人的資本経営という企業変革を通して、日本社会で働く個人の能力が十二分に発揮されるようになることを期待しています。

日本社会の一部に根強く残っている画一的な雇用システムから解放され、社会全体として個人のキャリアがますます多様化していく。そうすると、これまで閉鎖的だった日本の労働市場が開かれて、グローバルにシームレスな環境が形成されていく。そんな未来を実現できたらいいなと思っています。

一橋大学 伊藤氏:個人が自己投資をして自分自身の価値を高めることを、会社が、あるいは社会が支援するような未来が訪れることを期待しています。

今、人的資本経営を推進することで何を実現したいのかと言えば、「会社がエキサイティングな場になり、真の意味で会社を楽しめる社会を作ること」です。それが社員、あるいは社会のみなさんのWell-beingに貢献していくことになると思っています。


産・学・官の垣根を越え、相互触発しながら人的資本経営を推進する

リンクアンドモチベーション 林:本日は、お二方から貴重なお話をいただきました。産・学・官の垣根を越え、相互触発しながら人的資本経営を推進し、おもしろい日本にしていきたいなと、あらためて強い思いを持ちました。最後にお二方からひと言ずつ頂戴して、トークディスカッションを終了させていただきたいと思います。

経済産業省 島津氏:人的資本経営元年と言われる2022年、日本全体で大きな動きが出る年になれば良いなと思っています。経済産業省としても人材版伊藤レポートの公表で終わりではなく、必要な施策を積極的に検討してまいりますので、これからもよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

一橋大学 伊藤氏:人的資本経営を進めるにあたり、まずは人材版伊藤レポートを知っていただきたいと思いますし、知らない人がいたら、知っていただけるよう、ぜひお声がけください。知った後は、深く理解することです。表層だけ舐めても変化は生まれませんので、ぜひ深く理解していただきたいと思います。そして、深く理解したら実践し、変革を起こしてください。

そのときに忘れてはいけないのが、「何かを変えることで、どんな未来につながるのか?」という大きな絵姿を描くことです。ぜひ、経営者のみなさんと社員のみなさんが絵姿を共有しながら、人的資本経営を徹底実装していただきたいと思います。本日はありがとうございました。

リンクアンドモチベーション 林:以上をもちまして、本日のトークディスカッションは終了とさせていただきます。ご登壇いただいたお二方、そして視聴者のみなさま、ありがとうございました。

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