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エンゲージメントサーベイとは?実施する目的やメリット、具体的な質問事項を解説

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目次[非表示]

  1. 1.エンゲージメントサーベイとは
  2. 2.エンゲージメントサーベイの目的とは
  3. 3.エンゲージメントサーベイに期待できる効果
  4. 4.エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査等との違い
  5. 5.エンゲージメントサーベイを実施する際の注意点
  6. 6.アンケート調査で従業員エンゲージメントを調べる方法
  7. 7.アンケート調査分析の際のポイント
  8. 8.エンゲージメントサーベイの質問項目
  9. 9.エンゲージメントサーベイで成功した事例
  10. 10.エンゲージメントサーベイの導入ステップ
  11. 11.エンゲージメントサーベイツールの選び方とは?
  12. 12.記事まとめ
  13. 13.エンゲージメントサーベイに関するよくある質問

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エンゲージメントサーベイとは

エンゲージメントサーベイとは、従業員のモチベーションや会社に対する愛着心、忠誠心などを測定するためにおこなうアンケート調査のことです。

エンゲージメントサーベイとは

エンゲージメントサーベイとは、従業員の視点からみた「会社とのつながりの強さ」を数値化して把握し改善するための調査ツールで、従業員が会社や仕事に対してどれだけポジティブな感情を持っているのかを測定することができます。

会社と従業員とのつながりの強さを、一般的には「従業員エンゲージメント」と呼びます。
エンゲージメントサーベイとは、従業員のモチベーションや会社に対する愛着心、忠誠心などを数値化して把握し改善するため調査ツールです。

従業員が会社に対してどのくらい愛着や関心を持っているか、仕事に対してどの程度、やりがいや意義を感じているかを想定することができます。

エンゲージメントサーベイの目的とは

エンゲージメントサーベイとは、従業員が自社や自社商品・サービスに対して「どのような感情を持っているか?」「どの程度、愛着を抱いているか?」といったことを調査するためのサーベイです。

では、企業と従業員が相互に歩み寄りエンゲージメントが高い状態を創るために必要な情報とは何でしょうか。それが下記2点であり、エンゲージメントサーベイを実施することで得ることができます。

■現状のエンゲージメント状態

もしあなたがダイエットをしたい場合、まず初めに取る行動は体重計に乗り、現状何kgなのか、BMIはいくつなのか等を把握することだと思います。組織の改善や変革においても、プロセスは同じで、エンゲージメントを高めるためには現状を把握する必要があります。

■課題の優先順位

現状のエンゲージメント状態を把握した上で必要なのは、「一番優先順位の高い課題は何か」を知ることです。先程のダイエットの例でいくと、「引き締まったお腹が理想なのに、お腹周りの皮下脂肪が多いと診断された」のであれば、一番優先すべきはお腹のトレーニングになるはずです。

同様に組織でも「従業員が何に期待をしているのか、何に不満や課題を持っているのか」を可視化することによって、優先順位の高い課題は何なのかを把握・選定することができます。

要約すると、エンゲージメントサーベイのメリットは、「現状や課題の可視化を通して組織の診断ができる」ことです。

▼サーベイに関する記事はこちら
サーベイとは?リサーチとの違いや種類、メリットを紹介!

■従業員の離職を防止する

エンゲージメントサーベイの目的の一つが、従業員の離職率を低下させることです。エンゲージメントが高い組織では、従業員が会社に対して愛着を持っているため、離職率が低くなる傾向があります。逆に、エンゲージメントが低い組織では、従業員と会社の結び付きが弱いため、離職率も高くなりがちです。エンゲージメントサーベイを実施することで従業員の不満や組織課題を抽出し、適切な対策によってエンゲージメント向上を図ることができれば、離職率の低減につながります。

■人事施策に活用する

サーベイで得られたデータを人事施策に活用することも、エンゲージメントサーベイの目的の一つです。エンゲージメントサーベイを実施することで、隠れた課題を可視化することができます。たとえば、サーベイのデータからコミュニケーションに問題があることが分かったのであれば、コミュニケーション改善のための人事施策を講じることができます。たとえば、従業員のワークライフバランスに問題があることが分かったのであれば、柔軟な働き方を導入するなどの人事施策を講じることができます。このように、サーベイから得られたデータは人事施策を講じるにあたって従業な情報になります。

▼リンクアンドモチベーションのエンゲージメントサーベイ「モチベーションクラウド」はこちら
モチベーションクラウドサービス資料

エンゲージメントサーベイに期待できる効果

エンゲージメントサーベイで組織の診断をし、その結果を起点に課題への対策を打つことで組織のエンゲージメント状態を向上させることが可能となります。

では、具体的に「エンゲージメントが高い」とどのような効果を組織にもたらすのでしょうか。先述した「業績向上」の裏側には、大きく下記4点が存在しています。

■効果①:生産性向上

エンゲージメントが向上すると労働生産性が高まります。これは、組織の目的と個人の目的や願望が合致することで、従業員がより仕事に対して主体的になり、その結果、仕事の成果創出に繋がることが背景にあります。

例えば、「指示されたから仕事をする」よりも「自己の成長のためにもやってみたいから仕事をする」と捉える方が、更に「もっと成長したいから、今やっている仕事をもっとよりよくできないか」と捉える方が自発的に改善策を探求できます。

そのような意識は企業と個人の結びつき、つまり「従業員エンゲージメント」が高いからこそ芽生えるものです。

リンクアンドモチベーションでも「エンプロイーエンゲージメントサーベイ」のデータを活用し、慶應義塾大学 大学院経営管理研究科/ビジネス・スクール 岩本研究室との共同研究にて分析しました。

参照:「エンゲージメントと企業業績」に関する研究結果を公開

生産性を向上 に関する記事はこちら
生産性を向上させるためのポイントとは?生産性向上のためのポイントや事例を解説

■効果②:退職率抑制

従業員が退職する際の主な理由は何でしょうか?2017年の行政の調査では以下の結果となっています。

※参照:内閣府 平成30年度版 子供・若者白書「特集 就労などに関する若者の意識」2018年

しかし大切なのは、これらの理由の背景にある根本原因を掴むことだと考えます。

例えば、「仕事が合わない」という理由において「合わない」と感じたのはあくまで結果で、そのように感じる過程において以下のような事象が発生していた可能性が考えられます。

  • 上司からのサポートが少なくタスクがこなせなくなり、自己肯定感が低くなってしまった
  • 仕事の意義や目的が分からず、モチベーションが下がってしまった
  • 内部での情報連携がされておらず、課題解決の達成可能性を感じなくなってしまった

理由の裏側にはいくつもの要素が掛け合わさって存在しています。そして結果として、「仕事が合わなかった」という表面的な理由で退職に繋がるのだと考えます。

細かな項目で診断ができるエンゲージメントサーベイを実施することで、表面的な課題ではなく潜在的な課題(根本原因)が抽出でき、それに対する施策が行えるので、結果退職率の抑制に繋がっていきます。

■効果③:戦略実行度の向上

エンゲージメントサーベイでは、上層部からの戦略や意思がどれほど現場に伝わっているのか、また現場でのコミュニケーション状態はどうなっているのかも可視化することができます。この分野を把握・改善することで、「ささやけば伝わる組織」を創ることができます。

具体例として、日頃からコミュニケーション量が少なく業務の目的を部下が理解できていない組織の場合、上司の「この資料を作成しておいて」という指示だけではアウトプット内容が期待のものとズレる事象が発生しやすくなります。

しかし、互いに目的や実現したいことの認識がすりあっている状態であると、曖昧な指示であったとしても期待していたアウトプットが出てくるため、行動スピードが上がります。その結果として、戦略実行度の向上に繋がるのです。

■効果④:顧客満足度の追求

組織のエンゲージメントが向上すると、組織と個人の結びつきが強くなる、つまり従業員の会社への愛着や貢献意欲が高まります。

あなたがもしダイエットのために通っているジムのスタッフから、「ぜひお友達も紹介してください!」と頼まれたとしても、特にジムへの愛着がなければ熱心にはならないでしょう。

しかし、そのジムのスタッフがとても親切で、あなた自身がジムに対し愛着を持っている場合には、友達に熱心にその魅力を伝え、ジムへの新規入会者数に貢献すると思います。

組織でも同様に、従業員自身が所属している組織や取り扱っている商品サービスへの愛着が強ければ、それを顧客に「もっとこの魅力を伝えたい」「より良い提案がしたい」という組織への貢献欲求が高まり、結果顧客満足度の追求に繋がるのです。

以上のように、エンゲージメントサーベイをうまく活用することで、「従業員エンゲージメント」を向上させることができ、結果的に組織にさまざまな良い効果を与えることができます。

次章からは、エンゲージメントサーベイと混同しやすい「従業員満足度調査」と、「エンゲージメントサーベイ」との違いについて詳しく見ていきましょう。

【参考資料のご紹介】
エンゲージメントサーベイで、陥りがちな3つの罠と、活用に向けた具体的なポイントを解説

▼従業員エンゲージメント向上が企業経営にもたらす効果をデータでさらに詳しく解説!

従業員エンゲージメントと企業経営

エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査等との違い

ここでは、エンゲージメントサーベイとよく行われている従業員満足度調査の違いについて述べていきます。

■エンゲージメントサーベイとは、組織と個人の間の問題を可視化する診断ツール

先述している通り、エンゲージメントサーベイは組織と個人の結びつきを強化するために現状や課題を可視化する組織診断ツールです。

  • 状況が変化しやすい昨今の事情を踏まえ、現在の組織状態を確認したい
  • 最近離職率が高まっているので、対策を打ちたい
  • 経営からのメッセージが現場まで届いているのか分からない

等のお悩みをお持ちの方は、エンゲージメントサーベイを推奨します。

■従業員満足度調査とは、会社の制度等に対する満足度調査のこと

会社の制度や待遇が変化すると、それに満足できない従業員は会社を去るという選択をします。そのような退職を防ぐために実施するのが、従業員満足度調査だと考えます。

エンゲージメントは業績に相関関係があることに対して、従業員満足度調査では証明されていません。そのために組織変革というよりも、

  • 打った施策に対する従業員の満足度はどうか
  • 制度や待遇の見直しをする際に現状の満足度はどうか

等を把握する際に活用できるツールとなっています。

▼従業員満足度調査に関する記事はこちら
従業員満足度調査(ES調査)とは?効果的な実施目的や方法、従業員エンゲージメントの違いとは?

■その他の手法:パルスサーベイ・eNPSなど

その他の調査方法として、「パルスサーベイ」と呼ばれるものもあります。

パルスサーベイはサーベイの設問の一部を切り取って実施する簡易版サーベイです。エンゲージメントサーベイを健康診断としたときに、パルスサーベイは体温計のような位置づけで、特に重視したい項目に対して定期的に経過を観察する目的で使用されています。

そのため、パルスサーベイのみでの組織変革は難しく、エンゲージメントサーベイとセットで実施されることが一般的です。

最後に、NPSという調査に関しても紹介します。

こちらは従業員のロイヤリティを測る目的があり、「あなたは自社の商品サービスを、家族や親しい知り合いにどの程度勧めたいと思いますか?」という形式で問うサーベイとなっています。

組織全体の結果、というよりも個々人のサーベイ結果を基に、対策や戦略を立てるために活用されることが一般的です。

具体的には、ハイパフォーマーの離職防止のためにハイパフォーマーのNPSスコアがいくらなのかを確認したり、リファラル採用のためにNPSスコアの高い社員を採用担当として起用する、といった活用です。

エンゲージメントサーベイを実施する際の注意点

エンゲージメントサーベイを実施する際に、押さえておくべき観点が幾つかあります。それを以下に紹介していきます。

■注意点①従業員の理解を得る

エンゲージメントサーベイを回答するのはあくまで従業員1人1人になりますので、従業員の理解が追い付いていない場合は正しい回答結果が得られない可能性があります。そのため「なぜサーベイを実施するのか」「回答にどのような手順が必要なのか」「回答結果をどのようにフィードバックしていくのか」などを事前に周知することが重要です。

上記の内容はメールでの伝達だと理解が追い付かないことが多く、新たにサーベイを取る場合には事前説明会を実施するなど場を設けることが有効です。
仮に複数回実施している場合であれば、作業感が出ないように管理監督者が都度サーベイを取ることの意味や個々人に対してのメリットを伝えることが大切です。

■注意点②不利益にならないことを事前に周知

サーベイの回答結果を基に組織の現状把握や今後の対策立案に繋げますので、言わずもがなデータ内容は今後の経営活動に大きな影響を及ぼします。

しかしながら、「自分の評価に繋がるのではないか」「回答者が特定されるのではないか」等の懸念があると、伝えたいメッセージがあったとしてもそれを回答上で表現することを躊躇してしまう場合があります。(5段階評価で言うと、真ん中の3を選ぶなど)

そのため「回答結果をどのように扱うのか」を回答者である従業員に丁寧に伝えることが重要です。
具体的には「評価への直接的な反映をしないこと」「回答者を特定したアプローチはしないこと」「結果は組織の現状把握と、今後の経営方針の参考にする目的で活用すること」などは都度伝えておけると良いでしょう。
加えて、「回答結果の受け止め方や今後の対応方針」を都度フィードバックすることも大切です。回答しただけで結果や改善テーマなどが発表されない場合は「何のために回答したのか」「思わしくない結果だから伝達してもらえないのではないか」等の不安な気持ちが膨らんでいきます。
そのため、どのような結果であろうと「今回の結果をどう受け止めたのか」「今後どのような改善テーマで組織運営を進めていくのか」を回答した側が理解できる状態を創っていきましょう。

アンケート調査で従業員エンゲージメントを調べる方法

■従業員エンゲージメントの指標

下記の図のように、従業員エンゲージメントとは従業員と企業の相互理解・相思相愛度合いを意味し、「目標の魅力」「活動の魅力」「組織の魅力」「待遇の魅力」の4つの要素から構成されています。

従業員エンゲージメント


従業員が期待するものは、納得感のある給与や最先端の設備などという「待遇の魅力」もあれば、商品サービスや仕事のやりがいなどの「活動の魅力」、

経営陣の魅力や風通しの良い風土などの「組織の魅力」もあれば、明確な企業理念やブランドなどの「目標の魅力」など、多種多様な時代です。

これらの要素を踏まえて、測定する必要があります。

■アンケート調査で行うメリット

従業員エンゲージメントを測定する手段として最も多く用いられるのはアンケート調査です。実施に際してのハードルが低いこともあり、月1回から半年に1回程度の頻度で行われるケースが多いようです。

またコンピューターによるアンケート調査「パルスサーベイ(意識調査)」は、比較的手軽に実施できるため、日課としているところもあります。

手軽にできることや、「無記名」で回答をしてもらうことで、より企業や職場に対して従業員の「本音」が引き出せることが一番のメリットといえるでしょう。

■アンケート作成のポイント

リンクアンドモチベーションが提供する、従業員エンゲージメントを把握し向上させるためのツール「モチベーションクラウド」では、

7,680社、194万人の実績を持つ組織のモノサシ「エンゲージメントスコア」で、組織状態を定量化・可視化し、See・Plan・Do・Check&Actionのサイクルを回すことで、組織の問題を解決する国内初の組織改善クラウドです。

モチベーションクラウドでは、先ほど紹介した4つの要素を盛り込み、「会社」「上司」「職場」の3つの観点、16の領域で設問を構成し、それぞれの項目に対して、「期待度」と「満足度」を測ります。

下記の図のように、「期待度」と「満足度」の二軸でマトリクスにし、従業員が会社や職場に何を求めていて、何に満足しているかを把握することで、取り組む課題の優先順位を効果的に決定することができるのです。

モチベーションクラウド

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モチベーションクラウドの具体的な機能や得られる効果が分かる資料「3分でわかるモチベーションクラウド」はこちらからダウンロードいただけます。

3分でわかる


アンケート調査分析の際のポイント

従業員エンゲージメントのアンケート調査分析における注意点は、相関関係と因果関係を区別することです。

■相関関係

広辞苑では「一方が他方との関係を離れては意味をなさないようなものの間の関係」とあります。つまり「AとBの事柄になんらかの関連性があるもの」を指します。

■因果関係

広辞苑では「原因とそれによって生ずる結果との関係」とあります。つまり「原因とそれによって生ずる結果との関係」を指します。

上記の理解を深めるために、下記の関係性を例に考えてみましょう。

▼長時間労働をする社員は、昇進する
▼昇進する社員は、長時間労働をする

これは、相関関係と言えます。

一方で・・・

▼長時間労働をする社員は、従業員エンゲージメントが高い
▼従業員エンゲージメントが高い者は、長時間労働をする

これが相関関係にあるとすれば、従業員エンゲージメントを高めるために「ひたすら長時間労働を強いれば良い」という結論に至ります。

相関関係を因果関係であるかのようにしてしまうのは、間違った対策につながります。分析する際には、従業員エンゲージメントとその他の事象との関係性を正しく区別することが必要なのです。

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エンゲージメントサーベイの質問項目

では、具体的にどのような質問項目でエンゲージメントサーベイを見ていくのが良いのでしょうか?以下で説明をしていきます。

■設計における考え方

質問項目を設計する上で大切なことは、「組織改善に繋がる情報が十分に集まるかどうか」です。

例えば「組織風土に関することのみを聞く」「従業員の心身の調子のみを聞く」などピンポイントでの質問を行った場合、その項目に関する現状把握のみに留まってしまいます。だからこそ、「網羅的」に組織状態を把握できる質問項目の設計が重要だと言えます。

■質問項目の具体例

例えばリンクアンドモチベーションでは以下のように「会社」「上司」「職場」の3つの大項目で網羅性を担保しながら、サーベイの質問設計をしています。

まず、「会社」に関する質問は以下の通りです。

「会社基盤」会社の顧客基盤や財務状況が安定しているか
「理念戦略」会社の理念や戦略目標が社内で共有されているか
「事業内容」会社の営んでいる事業に社会的影響力や将来性があるか
「仕事内容」仕事を通じて貢献感や自己成長を感じられるか
「組織風土」社内に一体感があり、革新的・創造的な風土があるか
「人的資源」社内の人材が魅力的か
「施設環境」働く環境に適した施設設備やスペースがあるか
「制度待遇」評価や報酬、教育などの制度に納得感があるか

続いて、「上司」に関する質問項目は以下の通りです。

「情報提供」部署の方針や役割分担など、上司が適切に部下に情報を伝達しているか
「情報収集」部下のコンデションや業務上の課題など、部下の状況を解像度高く理解出来ているか
「判断行動」率先垂範して基準を提示する姿勢や、素早い意思決定など、判断軸が明確になっている行動が取れているか
「支援行動」部下の意見を傾聴する、能力面の不足を補うためのサポートをするなど、上司が適切に部下を支援しているか

最後に、「職場」に関する質問項目は以下の通りです。

「外部適応」顧客のニーズを理解した上で、クオリティ高く価値を提供出来ているかどうか
内部統合」目標が全員にしっかり共有されていたり、職場内で一体感を持って働いているかどうか
「変革活動」未来に向けての新たな提案が飛び交っているなど、常に変化をし続けているかどうか
「継承活動」職場の歴史や経緯が共有されていたり、成功事例や失敗事例の共有がされているかどうか

網羅的な質問項目によって得られたデータは、正確な課題の特定と効果的な打ち手の実施に繋がります。「聞きたい事だけを聞く」のではなく「あらゆる角度から聞く」事を大切にしていきましょう。

エンゲージメントサーベイで成功した事例

エンゲージメントサーベイを導入した事例をここでご紹介します。

■事例①東京海上日動火災保険株式会社様

導入背景:
・俯瞰的に組織状況を把握し、改善できる仕組みを作りたい
・エンゲージメント向上に向け、優先的に取り組むべき組織課題を明らかにし、取り組みの実効性を上げたい
・複雑かつ手作業の多い既存の社員意識調査から脱却したい

効果:
・期待度と満足度をどちらも測ることで、優先的に取り組むべき課題が明らかになった
・組織改善のPDSサイクルをスピーディーに回せるようになった

東京海上日動火災保険様は、1879年に創業された日本最初の保険会社「東京海上保険」からスタートし、全国に200以上の拠点を有する国内最大の損害保険会社です。

「保険業」という、形のない商品を取り扱う事業をしている上で、事業を支えるのは結局のところ「人」であり、社員一人ひとりの働きがいが労働生産性や持続的な企業成長に直結するという確信を持っていた東京海上日動火災保険株式会社様。

労働市場の変化し、社員の多様性の増加、さらにコロナ禍によるリモートワークも進んだことで現場のマネジメントが難化したことから、

エンゲージメント向上に向けて、マネージャーの個々の力量や経験に依存するのではなく、より俯瞰的に組織状態を把握し、改善できる仕組みが必要だと感じてモチベーションクラウドの導入を決断いただきました。

モチベーションクラウドでは、期待度と満足度の両面から従業員の思いを測ることで、本当に重要な課題を抽出できることがメリットでした。例えば、「これが課題ではないか」とこれまで仮説を立てていた項目が、実際は社員の期待度が低く、解決する優先度が低いとわかりました。今後もデータをどんどん蓄積させて、分析の精度を高めることも期待できます。

また、以前の調査はお客様独自のシステムだったため、手作業による複雑な作業が多く、現場への結果の展開にもかなり時間がかかってしまっていました。モチベーションクラウドは使いやすく、調査後すぐに結果が出せるため、調査のスピード感向上やかける工数の削減が可能になりました。

経営陣の皆様はエンゲージメント向上を重要視しており、このサーベイを通じて何を実現していこうとしているのか、トップから全社に対して発信し、視界を共有しようと働きかけれており、経営陣からの注目度も高い取り組みとなっています。

▼詳しくはこちら
企業成長に直結する「エンゲージメント」向上のため、組織のPDSサイクルを回す

  東京海上日動火災保険株式会社様 企業成長に直結する「エンゲージメント」 向上のため、組織のPDSサイクルを回す 株式会社リンクアンドモチベーション

■事例②ハウステンボス株式会社様

導入背景:
・カリスマ経営から組織経営への転換を図りたい
・自社の組織状態を他社と比較し、世の中での立ち位置や課題を知りたい
・現場の管理職が自立して組織改善サイクルを回せるようになってほしい

効果:
・認識できていなかった組織状態や課題が明らかになった
・現場の管理職が改善に向けたアクションプランを進められるようになった

組織力や組織状態について自社のポジショニングを知りたかったというのが、ハウステンボス株式会社様がモチベーションクラウドを導入された最大の理由でした。

実際に導入してみて、価値を感じていただいた点は、コンサルタントからのアドバイスでした。最初のサーベイを実施した後、「全体の偏差値 (エンゲージメントスコア) が50に達していないときは、階層別に改善施策をおこなったほうが良い」というアドバイスがありました。具体的には、偏差値が47だった課長クラスを、まず50に引き上げましょうという戦略です。創業依頼20年間一貫して組織変革に向き合う、リンクアンドモチベーションだからこそできる、的確なアドバイスでした。

改善フェーズでは、サーベイの結果を受けて、現場では目標や戦略を描いてアクションを実行。具体的には「戦略サマリーシート」というものを作成し、ひと月単位でアクションプランと実績を記入して運用していく方法を取られています。今回は階層別のアクションであるため、課長クラスを軸に置き、どのようなアクションによって改善していくかを月単位で落とし込んでいるところです。

給料が高くて、休みが多くても、社員の幸福度が低い会社もたくさんあります。ハウステンボス株式会社様は、給料や休みを重視するのはもちろんのこと、社員の「精神的報酬」を高める経営を目指されています。

これからの時代、「社員が誇りを持って働けているか」「社員が幸せを感じられているのか」といったことは、会社にとって重要な指標であり、この指標が高い会社のほうが業績も良くなるはずです。モチベーションクラウドを活用しながら、社員の幸せを大切にすることで業績が上がるんだということを証明していく、という挑戦に挑まれています。

▼詳しくはこちら
社員の幸せを大切にすることで業績が上がることを、身をもって証明したい

  ハウステンボス株式会社様 社員の幸せを大切にすることで業績が上がることを、身をもって証明したい 株式会社リンクアンドモチベーション

■事例③株式会社SUBARU様

導入背景:
・激しい環境変化に対応するため、マネジメントスタイルを変えていく必要がある
・人材確保が難しい時代の中、労働市場から選ばれる会社になりたい
・販売現場という最前線で頑張ってくれているスタッフのエンゲージメントを向上させることで、お客様に提供する価値を高めていきたい

効果:
・期待度と満足度の2軸によって課題に優先順位を付けられ、何から改善すべきかが明確になった
・モチベーションクラウドを導入した販売会社のうち、95%の会社でエンゲージメントスコアが向上した

創業以来、自動車事業を中核とし、近年では、運転支援システム「アイサイト」の開発や、次世代のプラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム」の導入など、「安心と愉しさ」を追求した新しいチャレンジを続けている、株式会社SUBARU様。

導入の主な背景として、事業者メーカー側が販売目標や施策を事細かに設定し、販売会社はその達成に向けて動くという、事業環境が厳しかった時期には適していた過去のマネジメントスタイルから脱却し、各スタッフの主体性を引き出すようなマネジメントスタイルに転換をしたいというものがありました。

モチベーションクラウドを導入し、最初に目指したのは、「会社と従業員間のエンゲージメントを高める」ことでした。「うちの会社、信頼できそうだな」とか、「もっと会社を良くするためにちょっと頑張ってみよう」というように思ってもらえるよう、会社とスタッフの関係性を改善し、強固なものにすること、その結果、お客様の期待を上回るような価値を提供できれば、お客様から評価をいただけます。そして、それがスタッフの励みになり、さらに優れたパフォーマンスへとつながっていく──。このような好循環を生み出す起点が、エンゲージメントでした。

学術的背景に基づいた、組織状態を測る細かな設問設計に加え、期待度と満足度を図ることができるため、課題に優先順位をつけ、着実に取り組んだことが結果に結びつきました。

直近のサーベイでは、モチベーションクラウドを導入した販売会社のうち、95%の会社でエンゲージメントスコアが向上するという嬉しい結果になりました。なかには、AAA(トリプルエー)のエンゲージメントレーティング(※)を出している飛び抜けた販売会社も出現。課題を明らかにし、しっかりと取り組みにまでブレイクダウンして計画的に取り組んだことで結果がついてきました。

※エンゲージメントレーティングはエンゲージメントスコアを11段階で格付けしたものです。AAAは11段階中、最上位のレーティングです。

今後は、このムーブメントをいかに全国に波及させていくかが次なるステップです。

▼詳しくはこちら

スタッフからもお客様からも愛されるSUBARUになるために



エンゲージメントサーベイの導入ステップ

エンゲージメントサーベイの実施を決めた際、どのようなステップで進めていけばよいのでしょうか。以下にその流れを説明していきます。

 ■ステップ①活用目的の定義

運営側の中で「活用目的」を固めましょう。何のためにサーベイを実施するのか、会社の目指す姿や課題は何で、何を解決・実現するための材料として従業員の声を吸い上げるのかの共通見解が取れていることが、一連の活動をスムーズに進めることに繋がります。

 ■ステップ②オペレーションフローの確立 

サーベイ実施の具体的な日時、未回答者への対応方針、サーベイ結果の議論や従業員へのフィードバックタイミングなど、「サーベイに関するイベントの日時や担当者」を確定し、滞りなく実施が出来るようにしていきます。

■ステップ➂調査対象従業員への説明

サーベイ実施前に従業員の理解促進を行うことが、正しいデータの取得にも繋がります。前述した通り、事前に説明会を設けるなども有効な施策です。

■ステップ④サーベイの実施・分析・結果フィードバック 

サーベイを取得し、内容結果を基に組織課題や今後の対応方針を固めていきます。固まり次第、従業員へのフィードバックを通して具体的なアクションに移行していきます。

会社と従業員のコミュニケーション機会として、結果フィードバックの際にも従業員からの質問に回答できるようなフローを組んでおくことが好ましいです。

■ステップ⑤エンゲージメントサーベイを繰り返し行う

エンゲージメントは時間とともに変動するものです。
新たな組織課題をキャッチするためにも、組織状態の改善度合いを把握するためにも、定期的にエンゲージメントサーベイをおこなうことが重要です。

定期的にエンゲージメントサーベイをおこなうことで、問題が深刻化する前に対策を講じることができるほか、エンゲージメントの変化を追跡することで組織の傾向を捉えやすくなります。

そのため、特に優先度の高い課題にフォーカスして改善プロセスを進められるようになります。

エンゲージメントサーベイツールの選び方とは?

一概にエンゲージメントサーベイといっても、数多くのサービスが提供されています。もちろん自社の活用目的に合ったものを活用するのが良いのですが、選ぶ際には幾つかの観点を押さえておけると良いでしょう。以下にその観点を説明していきます。

 ■選び方①自分たちの知りたいことが把握できるか

自社の現状把握や対策立案に活用する目的で導入するはずですので、「自分たちの知りたいことが把握できるか」は初めに押さえておきたいポイントです。

サーベイの質問項目が自社の課題を捉えるに適した内容かどうか、網羅性が担保されているかどうかなどをチェックしておけると良いでしょう。

また、質問形式も「定量質問」「定性質問」と異なる切り口から聞くことも可能です。

(定量質問に関しては満足度を数段階の数値で表現する形式、定性質問に関してはフリーで会社側が設問内容を設計できる形式)どちらの形式でも質問することが可能かの確認も含め、判断が出来ると良いでしょう。

モチベーションクラウドは、「定量質問」「定性質問」の両方のカスタマイズが可能です。導入時、どのカスタマイズが自社にとって最適かをコンサルタントとともに決めることができ、導入後も途中で自由に変更することが可能です。

また、モチベーションクラウドでは期待度と満足度の2軸でのアンケート調査が可能というメリットもあります。

■選び方②調査設計に信頼性、再現性があるか

データベースの充足も信頼性という意味では重要です。データベースの充実度が高ければ、同業界と比較してどうかなど多面的な比較が精度高くできます。

設問に関しても「網羅的である」と従業員の方が感じたり、「この質問をする意味」を理解出来る質問であることが回答へのモチベーションにも繋がります。そのため質問設計の意図や設計の背景や学術的理論の裏付けなど再現性があり説得力がある内容が好ましいと言えます。

リンクアンドモチベーションは20年間以上にわたる2,000社以上のサービス提供実績を有しており、 当社研究機関であるモチベーションエンジニアリング研究所は、慶應義塾大学 大学院経営管理研究科/ビジネス・スクール 岩本研究室と共同で研究を進めています。

また、「エンゲージメントと企業業績」に関する研究モチベーションクラウドで用いられる「エンゲージメントスコア」は、8,740社、237万人の実績を誇る組織の統一指標です。この点で、データベースの信用性は業界内でも極めて高いといえるでしょう。

分析の面でも、モチベーションクラウドでは他社比較・項目比較・属性比較など、さまざまな角度からの分析が可能です。

組織の診断・改善のサイクルを回す、【モチベーションクラウド】がわかる動画はこちら

  無料デモ|組織改善ならモチベーションクラウド 国内初!組織改善クラウドのサービス内容を動画にまとめました! この動画を見ると、サーベイの機能概要(パルス機能など)、組織改善サポート内容、オンラインサポートコンテンツが分かります。 株式会社リンクアンドモチベーション

記事まとめ

いかがでしたでしょうか?昨今、様々なエンゲージメントサーベイが各社からリリースされています。各社それぞれの特徴がありますが、弊社リンクアンドモチベーションが提供するエンゲージメントサーベイは、「期待度」と「満足度」のマトリクスによって組織を診断します。

それにより「従業員が期待しているのに不満を抱えているところはどこなのか」が明確になるため課題の優先順位をつけることが可能となります。

また、エンゲージメントサーベイの実施と併せて、コンサルタントの分析や結果共有会等のサービスを一連のフローとして提供しているため、「診断」と「変革」のサイクルを回しながら組織改善が実現できます。

ご興味をお持ちの方は、こちらもご参照ください。

従業員エンゲージメントを可視化・改善するモチベーションクラウドはこちら

エンゲージメントサーベイに関するよくある質問

Q.エンゲージメントサーベイとは?

エンゲージメントサーベイとは、文字どおり、組織のエンゲージメントを評価するためにおこなうアンケート調査のことで、従業員のモチベーションや会社に対する愛着心、会社とのつながりの強さなどを可視化するものです。

通常、エンゲージメントサーベイは匿名でおこなわれ、従業員は設問に回答したり、自分の意見をコメントしたりします。会社はサーベイのデータから従業員の不満や要望、組織課題を抽出し、改善を図ることでエンゲージメントを高めていきます。

Q.エンゲージメントサーベイの目的とは?

エンゲージメントサーベイの目的は一つではありませんが、大きな目的は組織の見えない課題を可視化することです。

エンゲージメントサーベイは、職場の環境や人間関係、労働条件や仕事内容、キャリア形成や働きがい、モチベーションなど多様な設問から様々なデータを得ることができます。

サーベイで得たデータを分析することで特異な傾向やパターンが浮かび上がることがあり、組織の見えない課題を抽出するのに役立ちます。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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