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仕事のやる気を出すには?やる気のない社員の特徴と対処法をご紹介


目次[非表示]

  1. 1.仕事の「やる気」の正体は?
  2. 2.やる気のない社員の特徴とは
  3. 3.社員のやる気が低下する要因
  4. 4.やる気のない社員への対応方法とは
  5. 5.記事まとめ

「やらなきゃいけないとは思うけど、なんかやる気がおきないなぁ」「やりたいと思っていたけど、だんだんやる気が失せてきた」など、日々そんなことを思うことはありませんか?

ダイバーシティという言葉が流通する昨今、人々のモチベーションも多様化しています。ある人は誰かから褒められることでやる気が湧いたり、ある人は自らやる気を高めることが出来たり、その方法も様々です。

今回はやる気のメカニズムを明らかにし、自分自身や周囲のメンバーのやる気=モチベーション向上に向けた対応方法などをご紹介します。

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仕事の「やる気」の正体は?

心理学ではやる気のことを「モチベーション」と表現します。

「モチベーション」とは「人が何かをする際の動機付け」という説明がされますが、この 「動機付け」については「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類に分けられます。

■外発的動機付け:外部からの働きかけによって生まれる動機

例えば、親が子どもに「テストで100点を取ったらお小遣いをあげるよ」と言うのは外発的動機付けです。 また企業においては、営業インセンティブによる行動促進やポストを与える事を目的とした役割委任など、外部からの報酬を元にした動機付けがこれに当たります。

■内発的動機付け:人の内面的な要因によって生まれる動機

外発的動機付けに対し、その人が持っている興味関心を元にするのが内発的動機付けです。「将来、医者になりたいから勉強するぞ!」というような行動が生まれるのは内発的動機付けによるものです。

企業においても、自分がキャリアの中で成し遂げたい事と繋がっている会社の目標があることや 自分の仕事自体に誇りを持っている事は内発的動機付けに当たります。

■仕事にやる気のある社員の割合

米国のギャラップ社が実施している、組織エンゲージメントを測るツール「エンゲージメント・サーベイ」の調査によると、日本企業はエンゲージメントの高い「熱意あふれる社員」の割合が6%で調査した139カ国中132位と最下位レベルでした。

※参考:leIdeal leaders 米国ギャラップ社「熱意あふれる社員」の割合調査

各国の社会情勢や労働環境も異なるため、単純比較することはできませんが、それでも日本は世界最低水準にとどまっており、改善すべきポイントがあるといえます。

やる気のない社員の特徴とは

ではやる気のない社員とはどんな特徴が挙げられるのでしょうか。

■最低限のことしかやらない

「できるだけ労力を使わず、最低限の仕事しかやりたがらない」というものがあります。例えば、「割り振られた以外の仕事はしない」「あえて時間をかけてゆっくり作業する」「新しい仕事を頼まれても断る」といった行動をするケースが見受けられます。

■仕事がいい加減でミスが多い

仕事への集中力が欠け、ミスや問題行動を頻繁に起こしてしまうのも特徴です。

例えば「仕事を依頼されても、期日に間に合わないことが多い」「仕事の進め方が雑で、成果物のクオリティに欠陥があることが多い」「何かしらの言い訳をして、遅刻や欠席を繰り返す」などの行動が挙げられます。

■他責的な言動をする

仕事に対する責任感が薄く、周囲の協働者や環境に責任転嫁してしまのも特徴です。例えば「失敗を指摘されても、すぐに同僚・上司・部下のせいにする」「何かにつけて会社の風土や組織編成について愚痴をいう」などの行動が挙げられます。

▼【帰属意識】に関する記事はこちら
「帰属意識」の意味とは?帰属意識を高めエンゲージメント向上に寄与するポイントとは?

社員のやる気が低下する要因

では、上記のような社員の行動を引き起こす要因にはどんなものがあるのでしょうか。

その説明に入る前に、やる気=モチベーションにおける様々な理論をご紹介します。これらの理論を元にすることで、社員のモチベーションの把握やその原因と対策を考えることができます。

<マズローの欲求階層説>

心理学者のアブラハム・マズローは、「人間は自己実現に向かって成長する生きものである」という仮説の元に人間の欲求を下記のような5段階で整理しました。

1つの欲求が満たされることで1つ上の欲求を満たすような基本的な心理行動を表現しています。

「生理的欲求」:生きていくために必要な基本的欲求
「安全欲求」:生活をする上で安全な(病気や事故のない)状態への欲求
「社会的欲求」:集団への帰属意識や愛情を求める欲求
「承認欲求」:他者から尊敬されたり、自分の行動を認められたいという欲求
「自己実現欲求」:自分のありたい姿に対して可能性の探求や創造性の発揮を求める欲求

尚、第1~第3段階までが「外発的動機付け(モチベーション)」、第4~第5階層までが「内発的動機付け(モチベーション)」と言われています。

<ハーズバーグの二要因論>

フレデリック・ハーズバーグという心理学者が提唱した理論です。 人が仕事に対して「満足だ」と感じる要因と「不満足だ」と感じる要因に分けられるというものです。

この理論で大切なのは、「満足と不満足は互いに影響するものではなく、それぞれ独立している」という事です。 言い換えると、「人生で満足している事が増えると、不満が減る」というわけではなく、不満を感じる要因を無くしたとしても、満足には繋がらないという主張です。

ハーズバーグは「不満足を招く要因」を「衛生要因」、「満足を招く要因」を「動機付け要因」と定義しました。

上図の通り、衛生要因である給与や人間関係については「提供されて当たり前」だと感じており、これを満たし続けても満足には繋がりにくい事が分かります。

一方で、仕事の内容や会社から認められる事は「動機付け要因」であり、モチベーションに繋がりやすいと言えます。

先述したマズローの欲求階層と比較すると、下位の欲求である安全の欲求、所属や愛の欲求は「満たすことは大切だが、 それだけでは満足には至らない」とも言え、承認欲求や自己実現の欲求を満たすことが満足に繋がると考えられます。

これらの理論を踏まえ、現代の様々な企業で起こっているやる気低下の要因は何でしょうか。その例をいくつかご紹介します。

■低下の要因①:承認欲求が満たされていない

他者から尊敬されたり、自分の行動を認められる事が少なく、承認欲求が欠乏している事が要因として挙げられます。

承認欲求を満たすためには「存在・行動・結果の承認」の3つが有効ですが、自分の行動や結果が組織からなかなか承認されず、存在意義を見失っていては、やる気も出ないでしょう。

■低下の要因②:働く意味や目的を見失っている

初めて仕事に就いた時は明確な目標や未来像などを描いたりしますが、長く仕事を続けているうちに「理想」と「現実」のギャップに苦しみ、どこかでその目標を見失い、やる気の低下を引き起こす要因になります。

■低下の要因③:達成感や成長実感がない

1つの仕事を長く続けているとノウハウが身に付き、当初に比べ格段に仕事効率が上がります。その結果、仕事を短時間で終えられたり、高いクオリティでできるようになります。

しかし、仕事に慣れるということは仕事を終えた際の「達成感」が薄れ、いつの間にか単なる「作業化」が進みます。このように日々の仕事がマンネリ化すると、仕事に対してのモチベーションも下がってしまうのです。

やる気のない社員への対応方法とは

それではやる気のない社員へは、周囲はどんな働きかけをしていくと良いのでしょうか。

やる気=モチベーションの高さは「目標の魅力(やりたい)」×「達成可能性(やれそう)」×「危機感(やらなきゃ)」 で構成されていると考えられています。

例えば「すごくやりたいと思うし(目標の魅力あり)、必要性も感じている(危機感あり)けど、保有スキルが乏しく何から始めればいいかわからない(達成可能性なし)」というように、 3つのうちどれか1つでも欠けていると人は行動を起こしません。そのため、3つのバランスが大切だという考え方です。

簡単にそれぞれの高め方のポイントをご紹介します。

■「目標の魅力」を高める

目標の魅力を高めるポイントは「ラダー効果」です。ラダーとは日本語で「はしご」の意味で、ラダー効果とは物事を抽象化(抽象のはしごを上る)して伝えることによってモチベーションを高める技術です。

日々の業務を依頼する際には業務を行っている背景や、その仕事を通じて成し遂げられることなど、物事の水準を上げて、業務を意味付けした上で任せる事が必要です。

■「危機感」を高める

危機感を高めるポイントは「コミットメント効果」です。ここでのポイントは「自分で決めたことに対する一貫性を働かせる」ことです。

人間は「思想」「感情」「行動」の間に一定の食い違いしか許容できません。そのため、ひとたび自分が決定を下したり、ある立場を取ったりすると、自分の中での「一貫性」を保とうとする圧力がかかります。

目標達成をすぐに諦めようとしたり、目標を与えられても今一歩やる気が出なかったりするメンバーに対しては「周囲からどのように見られたいか」などを問いかけ、目標に強くコミットする状況を創り出す事がポイントです。

■「達成可能性」を高める

達成可能性を高めるポイントは「マイルストーン効果」です。マイルストーンとは小目標のことです。達成可能性を高めるためには、目標達成までの道のりを明確にすることが重要です。

大きな目標を掲げ、「目標」そのものの魅力を高めることも大事ですが、その目標達成までのプロセスが切られていないと「実現できそうにない」とメンバーが諦めてしまうこともあります。

マイルストーン設定の際には「成果」だけでなく「実行」したかどうかで測れる指標を設ける、ということがポイントです。

▼自己効力感に関する記事はこちら
自己効力感とは?3つのタイプや高めるための方法、自己肯定感との違いも解説

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記事まとめ

いかがでしたでしょうか。最後は「やる気のない社員への周囲の対応方法」としてご紹介しましたが、今まさに「自分自身がやる気が低下している」という方もいらっしゃるかもしれません。

今回の記事を通じて、なぜ自分がやる気が出ないのかを正しく分析し、なにがやる気の低下につながっているのか、その原因を考え自ら高める事も重要です。是非、今の自分に適切な対策は何かを考えてみてはいかがでしょうか。

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執筆者:野々山 果純
執筆者:野々山 果純
【プロフィール】 リンクアンドモチベーション入社。 秘書、社内広報、PRなどに従事した後 部門人事にて育成体系の構築を進めると共に中途採用責任者を歴任。 現在は、モチベーションクラウドのカスタマーサポート部門の責任者として プロダクトやサービス改善に努める。

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