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働きがいとは? SDGsでも着目される働きがいの意味や業績向上にも寄与する取組みとは?

「働き方改革」で日本の労働環境は大きな変化を遂げていますが、コロナ禍でテレワークなども普及する中、時間に縛られる働き方から成果ややりがいを基準とした働き方に切り替える「働きがい改革」が経団連のテーマとしても掲げられています。
過剰労働の制約が主だった「働き方改革」から、個々人のキャリアに沿った「働きがい改革」への変更によって、どのような変化が生まれるのでしょうか。

働きがいとは?

▷働きがいについて

働きがいの定義とは何でしょうか。
「働きがいがある」状態とは、会社と個人が相互に信頼しており、個人が自らの意思で前向きに仕事をしている状態を表します。「働きがい」は、「働き甲斐」に変換することもでき、この「甲斐」には「○○する値打ち」という意味があります。
つまり、働き甲斐の有無は「その会社で働くだけの値打ちがあるかどうか」とも解釈できるのです。この「値打ち」の有無や基準は個人の志向性によるところが大きいため、一概に会社のどの要素が働き甲斐に直結するのかは、明確ではありません。

▷SDGsでも注目されている

外務省によると、SDGsとは「Sustainable Development Goals websiteの略称であり、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標」と説明されています。17のゴール・169のターゲットから成り立つこの目標は、「働き甲斐」についても言及しています。
それが8番目の目標である「働き甲斐も経済成長も」です。この項目の1つのゴールに「2030年までに、若い人たちや障害がある人たち、男性も女性も、働きがいのある人間らしい仕事をできるようにする。そして、同じ仕事に対しては、同じだけの給料が支払われるようにする。」が設定されているため、昨今「働きがい」に対する注目や施策が増えてきました。

▷「働きがい」と「働きやすさ」の違い

「働きがい」と「働きやすさ」の違いは何でしょうか。
先述のように、「働きがい」は「自らの意思で仕事ができている」状態を示しますが、その要因は社会貢献をしている実感であったり、承認欲求が満たされるであったりと人それぞれです。しかしいづれも個人の内的から生まれるものが要因となっています。
反対に、「働きやすさ」は外的要因によって左右されます。具体的には、施設環境や福利厚生の満足度・納得感などです。

厚生労働省の2014年の調査によれば「働きやすさ」よりも「働きがい」が高い場合に、仕事に対する意欲や定着に対して高い効果が得られると結果が出ています。
(参考)https://www.mhlw.go.jp/chushoukigyou_kaizen/investigation/report.pdf


▷学問的な定義による「働きがい」

ハーズバーグの二要因理論はご存知でしょうか。こちらはアメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した、職務における満足と不満足を引き起こす要因を調査した理論です。この理論によると、人間が職務に対して満足するときの要因と、不満足の時の要因は下記のように別であるとされています。

〇職務の満足・・・自己肯定感を感じる時、何かを達成したとき、何かの責任を全うできた時など、仕事に対する要素(動機付け要因)が要因となっている。(マズローの「自己実現欲求」にあてはまる)
〇職務の不満足・・・給与が低い、人間関係が悪い、会社の方針に納得がいかない、など仕事ではなく、衛生的な要素が要因となっている。(マズローの「生理的欲求」に当てはまる)

上記のように職務に満足する時と不満足の時の要因はそれぞれ別であるため、どれほど施設環境を改善したとしても、「不満足」→「満足」に移行することは難しく、あくまで「不満足度」を減少させることしかできません。

そのため、もともと職務に対して不満足な人が多い企業であれば、
①まず衛生的な要素を改善し、②その後個々人の動機付け要因にアプローチする
といったステップを踏むことで満足度向上が見込めます。

この理論を先ほどの「働きがい」と「働きやすさ」に当てはめると、「働きがい=動機付け要因」、「働きやすさ=衛生的要因」と分類できます。
したがって、厚生労働省の調査結果のように、「働きやすさ」よりも「働きがい」にアプローチする方が会社への愛着心醸成においては効果的です。

従業員エンゲージメントと働きがいについて

▷従業員エンゲージメントとは

「会社への愛着心」は「従業員エンゲージメント」で測ることが可能です。

上記図のように、従業員エンゲージメントとは従業員と企業の相互理解・相思相愛度合いを意味し、「目標の魅力」「活動の魅力」「組織の魅力」「待遇の魅力」の4つの要素から構成されています。

▷従業員エンゲージメントと働きがいの違いについて

従業員エンゲージメントが企業と従業員の結びつき度合いを表すのに対し、働きがいは従業員が意志を持ちモチベーション高く働けている状態を表します。働きがいをもつ従業員を増やすためには、前提従業員エンゲージメントの高い組織である必要がありますが、この二つは同義ではないので注意です。

働きがいを高めるメリット

では、実際働きがいを高めるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
厚生労働省の調査では以下のような結果が出ており、大きく2つのメリットがあることが伺えます。

▷業績向上

働きがい、つまり貢献欲求や自己肯定感等が満たされる環境ですと、従業員は会社で「もっと貢献したい」「もっと活躍したい」欲求が醸成され、自ら率先して業務に取り組むようになります。このようなモチベーションの高い状態になることで従来よりも業務の生産性があがり、業績向上が見込めます。


▷人材の定着率向上

「今の会社でずっと働き続けたいか」という厚生労働省のアンケートに対し、「働きがいがある」と回答した人の郡で肯定的な意見が多く見受けられます。


また、以下の図は内閣府が実施した初職の離職理由調査です。


圧倒的に「仕事が自分に合わなかったため」という理由が多くなっています。
各人へ仕事に対しての動機付けや、モチベーション向上施策によって仕事内容への納得感や満足度の醸成がされ、働きがいへと繋げることが可能となります。その結果、人員の定着化にも繋げることができます。

働きがいが重要視される背景

働きがいがここまで重要視される背景には、SDGsの背景の他にはどういった環境の変化があるのでしょうか。

▷事業環境の変化

企業を取り巻く環境は日々変化しており、その一つにVUCA時代(※V=不安定性、U=不確実性、C=複雑性、A=あいまい性)の到来が挙げられます。つまり複雑性が増している世の中でいかにスピーディーで最適な経営判断や商品開発ができるか、が重要になっていると考えられます。従来よりも、従業員の自考自動な行動がより必要となるため、働きがい創出による従業員の主体的な行動が重要です。


▷労働市場の変化

少子高齢化により労働人口が減少している日本ですが、それに加え最近では「働き方の多様性」や「プライベートの充実」を重要する傾向が強まっています。そのため、以前のような大量採用は難しくなり、既存の社員の定着率が重要になってきています。社員定着のためにも、働きがいを創出し、従業員の「ずっとこの会社で働きたい」を醸成することが重要です。

▷社会的制約の増大によるマネジメント難易度の高まり

(1)働き方改革による労働時間の制限
労働時間の制限により、今まで「人」の体力・気力に頼っていたところも、今後はいかに効率的かつ生産性高く人材を活用するかが重要となってきます。指示した仕事を実行する、かつそのモニタリングを行う管理的な制度ではかかるコストで生産性向上は見込めません。
働きがい創出によって、自主的に行動できる社員をいかに育成できるかに今後の会社の成長がかかっているともいえるでしょう。

(2)コロナ禍の本格的なリモートワーク導入
昨今の事情によるリモートワーク導入により、必然と物理的距離が出来てしまうため、各個人の状況や頑張りが見えづらくなります。そのため、自宅という環境下でもいかにパフォーマンス高く仕事できるかが課題となり、社員の自主性に任せられない状況下では管理コストが膨らみます。管理コストをいかに削減できるかを考える前に重要なのは「いかに管理しなくてもよい組織をつくるか」という点です。そういった意味でも自ら「これを達成したい」「これによって組織に貢献したい」の醸成が必要です。

働きがいを高めるための具体的な施策

▷会社への帰属意識の向上

リンクアンドモチベーションでは、企業が人を惹きつける「企業の魅力因子4P」というものがあります。この4Pとは以下4つのことを示しています。

①Philosophy( 理念・目的)
②Profession(仕事・事業)
③People(人材・風土)
④Privilege(特権・待遇)

社会心理学の考えに基づいて定められているこちらの4点が満たされると、人はその企業を魅力的に感じ、働くモチベーションが高まります。従業員のモチベーション向上において金銭的な報酬はもちろん重要ですが、実際従業員が求めているのは金銭的な報酬だけではありません。組織へ貢献できた高揚感や、誇りのもてる事業内容、そして周囲から感謝されることで得られる自己肯定感なども求めている報酬の1つです。弊社ではこれらを「意味報酬」とよんでおり、今後の成熟したマーケットにおいては「金銭報酬」と「意味報酬」の両立がさらに重要になってくるでしょう。


▷上司からのキャリアマネジメント強化

マズローの欲求階層説を参考にすると、社員の「承認欲求」や「自己実現の欲求」を満たすことがモチベーションを高め、 生産的な行動を促すことに繋がると考えられます。 特に、「社員のキャリア」を会社の方針に沿った設計と社員の主体的な運用を促すことは効果的です。 会社としてそれぞれに求める役割、能力を定義して個人のキャリアステップを相互了解の元で描き適切に評価することで、 社員は会社の方針と個人の目指す姿への繋がりを感じ「認められた」「自分の成長に繋がっている」という実感をもって働くことができます。
(参照:https://solution.lmi.ne.jp/column/archives/5890


▷職場内の連携度の向上

働きがいを向上させるには、個人の育成よりも組織として何かを達成する成功体験を積み、高揚感を醸成することが重要かつ効率的です。
組織をうまく機能させるには、バーナード理論で提唱されている「組織成立の3要素」に沿って考えることが有効です。
それぞれの要素に関して記載しますが、いずれも一度だけ行うだけでは効果は薄いからこそ、繰り返し働きかけることが重要です。

共通の目的:ビジョンを明確にする

チームには目的やビジョンが必ず必要です。チームビルディングを行う際にはまずはビジョンに立ち返り、全員で認識を揃えることを意識しましょう。当たり前のように思えるビジョンだったとしても、具体的に解釈をしたり、それぞれのモチベーションを確認すると、別々の方向を向いていることが多くあります。
上位組織があるのであれば、その上位組織のビジョンを自組織に落とし込んだビジョンを確認し、その実践度合いを確認するKPIを設定して、それぞれの役割に落とし込みましょう。

協働意思:ビジョンを共有し共感を募る

チームのビジョンに対しては、頭での理解だけではなく、心での共感が重要です。個々人のキャリアビジョンや、チームとしての共通体験をベースに、共感を募り、それぞれが「やりたい」と思う意志をまずは引き出しましょう。
ビジョンや理念を伝えるだけでは、メンバーが共感し、自分ごと化することが難しいことも多くあります。共感の前提となる、ひとりひとりのビジョンの醸成も意識するとより共感が募りやすくなります。

コミュニケーション:前提を踏まえて調整を続ける

共通の目的があり、協働意思が醸成されたとしても、動き出したチームには必ずズレが生じます。メンバーそれぞれの価値観や背景をお互いに受け入れられるまで共有すると共に、チームが動き出した際にはズレが大きくならないようにこまめにコミュニケーションをとることが重要になります。
それぞれの役割に固執しすぎると連携に支障をきたしてしまうため、相手の立場に立って考え、組織全体の成果に繋がる行動をすり合わせることが重要になります。
(参照:チームビルディングとは?チームの協働関係を築きパフォーマンスを向上させるための方法とは?https://docs.google.com/document/d/1WTB82vQcL6sjGU3Z1t0WFgvSPnkyPBPcBzrMYRsA1OU/edit)

働きがいとエンゲージメントの向上による組織改善事例

日本ユニシス様では、2013年より「働きがいのある会社、メリハリ・公平感ある評価と処遇」を目指し人事制度の改定を進めてきました。人事制度の改定後は、旧制度から大きく変化したことによる従業員のモチベーション状態を把握するためエンゲージメントサーベイを導入し、エンゲージメント向上に向けての施策を進めてきました。

さらに2018年~2020年の中期経営計画では経営の重点施策として 「風土改革」を掲げ、エンゲージメントサーベイのスコアを「企業風土の変革度合いを測る指標」と位置づけ、エンゲージメントサーベイの結果に基づいた現場改善を続けることで、業績向上が実現しています。先述したような人材の定着化や業績向上のためには、今後さらに「働きがい」や「エンゲージメント」といった要素が重要になってきます。その両輪を改善していくことで、このVUCA時代にも強い組織を創っていくことを強くおすすめいたします。

まとめ

経団連も重視している、働き方改革のその先の、「働きがい改革」。
働き方の多様性が促進されている中、より個人が能動的に仕事に取り組む意思・意欲があるかといった要素は、今後の企業活動を継続する上でも重要な要素となってきます。現状の組織状態はいかがでしょうか。働きがい改革を進めるにあたり、まずは現状の組織状態の把握から始めましょう。弊社のモチベーションクラウドは、6,620社、157万人の実績を持つ組織のモノサシ「エンゲージメントスコア」で、組織状態を定量化・可視化し、See・Plan・Do・Check&Actionのサイクルを回します。


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