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ESG経営とは? 取り入れるメリットや人事として企業価値を高めるポイントとは?

「ESG」というワードはご存知でしょうか。見慣れない方もいるかもしれませんが、現在世界中で「ESG」が重要視されています。これは企業においても重視しているか否かでその企業価値が左右される可能性があります。本記事では、そもそも「ESG」とは何か?どう経営に取り込むのか?についてご紹介します。

ESGとは?

まずは、「ESG」と、「ESG経営」とは何かについて見ていきましょう。

ESGについて

「ESG」とは、
・Environment(環境)
 自然環境に対して配慮すること。
・Social(社会)
 社会への影響を考えること。
・Governance(管理体制)
 企業経営における管理の仕方のこと。
の頭文字を取ったものです。
2008年のリーマンショックの頃から、「ESG投資」という言葉で徐々に広まり始めました。

ESG経営とは?

「ESG経営」とは、文字通り上記の項目を考慮した経営を行う事です。例えば、
・生産やサービス提供における環境汚染を防止する
・労働環境や、人材の多様性に対する配慮を行う
・社内外における情報の開示を行い、経営の透明性を上げる
というような、これまで主に注目されてきた売上、利益率のような財務以外の事に力を注ぐ経営の方針です。

SDGsとESGの違い

ESGと近いものでSDGsがあります。SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で、「持続可能な開発目標」という意味です。
こちらは2015年に国連サミットで採択され、国連加盟国が2030年までに達成する事を合意した共有の指標です。
同じものに思えますが、ESGが「企業や団体が目指す中長期的な目標」であるのに対し、SDGsは「国家や個々人が解決したい問題」であり、成り立ちが異なります。
ただ、17個あるSDGsの目標・項目とESGは関連しているため、相互にその中での活動が影響を及ぼすものでもあるでしょう。

ESG経営の取組みによるメリット

では、ESG経営を行う事で具体的に企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。企業にとってESG経営がどのような影響を及ぼすのかについてご紹介します。

資本市場における評価向上

企業は常に資本市場、つまりは企業運営に対する資金を提供する人々から評価を受けています。
高度経済成長期の頃までは目に見えるP/L、B/Sという財務情報で評価をされてきました。しかし、2008年のリーマンショックの当時は「今見える財務情報」を基準にした投資で多くの投資家は苦しみました。
ESGの説明でも触れましたが、そこで「この企業はどれくらい成長するポテンシャルがあるのか?」というような非財務的な情報を重要視する流れが生まれたのです。
ESG経営(特にGovernance)に注力している企業は、経営資源を活かして成長できる見込みがあるという評価をされやすくなります。

ブランド力強化

更にブランド力の強化が挙げられます。
消費者のニーズや労働者の価値観はこれまでより多様性が増しています。情報化社会の爆発的な推進により、ESGのような世界共通の指標は誰でも認知する事ができる状況でもあります。
ESG経営を行う事で、「この会社は自社の利益のためだけではなく、社会に貢献仕様としているんだな」という様に消費者、労働者が感じる企業価値も向上していきます。

経営リスクの軽減

そしてそれに付随して経営リスクの軽減にもなるでしょう。
上記のようにこれまで以上に社会通念としてESGが浸透していく事を考えるとそれを無視した企業活動は大きな不評を買ってしまう可能性があります。
今では主に製造業では当たり前のようにISO基準を満たしていますが、その背景には社会全体での環境問題に対する関心が高まったことがあります。
これと同様に、「この企業は信頼できない」というレッテルを貼られてしまうリスクを軽減する事にも繋がると言えるでしょう。

ESG経営が拡大している背景

これまでESGとは何か、ESG経営のメリットについてご紹介してきました。
そもそも、ESG経営が現在拡大している背景には「社会で何となく大事にされてきている」というだけではなく、「ESG経営が企業成長に効果的である」という事が分かってきたことも挙げられます。
経済産業省の伊藤レポート(https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/kigyo_kachi_kojo/pdf/20200930_1.pdf)
でも触れられていますが、特にSocialの要因への取り組み度合いが高い企業は株価パフォーマンスも高いというデータが出ています。ESGへの取り組みは「経営におけるコスト」ではなく「企業の競争優位性を向上させる投資」である事が分かったため、ESG経営が拡大していると言えます。

ESG経営において人事が貢献できること

では、実際にESG経営の実現に向けてどのようなことができるでしょうか。
ここでは主に、人事部、人事に関わる方が何ができるかについて触れていきます。

多様性の活用

ひとつは人材の多様性を活用する取り組みが挙げられます。ある一定の規範はもちろん必要ですが、それと共に多様な価値観・人材をどのように企業全体の価値として活かすかが重要です。
SDGsの10番目の目標にもありますが、不平等さ、格差をできるだけ感じさせないための取り組みが求められます。

労働安全性

労働者の安全を確保する事も人事が大きく貢献できる部分です。現場は短期目線になってしまい、経営はつぶさに現場の動向を見続ける事は難しいものです。
そのため、その間にある人事がしっかりと事故や不正の起こらない体制を設計・推進する事が大切です。

人材育成による働きがい創出

SDGsの8番目の目標にも「働きがいも経済成長も」とあり、これは企業価値の向上においても影響が大きい部分です。企業利益のためだけに人材を扱っていると捉えられてしまう事は、これまで以上にその情報や評価が広まっていきます。
逆に言えば、社員のキャリア形成、会社の中での働きがいの創出は選ばれる企業である事に直結してそれは結果として利益に繋がるでしょう。

積極的な情報開示

そしてそのような非財務的な情報(人材育成への投資金額や、研修の充実度合いなど)を積極的に開示することは、主に求職者から「この会社は従業員を大切にしている」という評価につながります。これは人材の拡充に効果的な取り組みとなります。広報機能を持つ部署とも連携が必要な場合があるかもしれませんが、人事側での取り組みを公開する事で会社としての大きな成長を後押しできる事になるでしょう。

SDGs目標にもある”働きがい”を高めるポイントとは?

ここまでESG経営とSDGsを絡めて、今後企業が注目・評価されるポイントをご紹介してきました。
その中でも特に「働きがい」がある会社は毎年ランキングが発表され、注目されています。
ここからは、その「働きがい」を高めるポイントについてまとめます。

働きがいとは?

モチベーション、エンゲージメントなどのワードと共に「働きがい」という言葉は広く認知され、重要視されています。
働きがいとは、「この会社のために自分の能力を発揮したい」「ここで自分のキャリアを実現させたい」という様に社員が会社の中で「この会社にいることは自分にとって価値がある」と感じる事と言えます。

会社への帰属意識の向上

働きがいを高めるためには、「社員が会社に何を求めているのか、何に魅力を感じているか」を把握することが重要です。社会心理学では、人は組織に対して魅力を感じる要素として「4つのP」があると言われています。



上図のように
・Philosophy:目標の魅力
・Profession:仕事の魅力
・People:人や風土の魅力
・Privilege:待遇の魅力
という分け方が出来ます。
社員が何に期待していて、会社として何を提供できているのかをこの枠組みで整理・優先順位付けをしてみると良いでしょう。

上司からのキャリアマネジメント強化

社員にとって、「上司は仕事の指示だけ飛ばしてくる存在」と感じられると働きがいは感じづらくなります。特に、上記の「People:人や風土の魅力」が関係するのですが、定期的な上司と部下の間でのキャリア面談機会を設けたり、上司からの指示の中で部下のキャリアへのメリットに触れるなどを行う事で「この人と一緒に働くと自分のためになる!」と実感してもらう事が期待できます。
直属の上司による業務のみではなくキャリアマネジメントが強化できるサポートは現場社員の働きがい創出に大変効果的です。

職場内の連携度の向上

上司からのキャリアマネジメントのような「上下」での取り組みと共に、「左右」での取り組みもあります。例えば、仕事で関連する人同士の相互理解を深めたり、連携の体制を整える事は業務スピードを向上させると共に、チーム・所属組織への帰属意識を高めることができます。
「同じ職場だけど、全然あの人の事知らないな・・・」のようなことは往々にしてあるものです。
しかし、ちょっとした対話の機会を設けることで連帯感が増すでしょう。

働きがいを高めエンゲージメント向上に成功した事例

実際に、「働きがい」を高める事で事業成長とエンゲージメントの向上に成功した事例をご紹介します。
日本ユニシス株式会社は1958年に設立したシステムインテグレーション企業です。
IT業界は市場の変化が早く、競争も激しい業界であり同社も「このままでは会社の存続が難しい」という危機感を抱く状況でした。そこで、同社は「事業の縮小や撤廃」ではなく、「既存の事業を元に新たな領域に挑戦する」事で成長を目指しました。
経営のみで推進するのではなく、社員と一緒に「風土改革」、具体的には「組織・人財改革」「働き方改革」「ダイバーシティ推進」そして「業務プロセス・制度改革」を推進していきました。
事業目標はもちろんですが、ここで同社は「エンゲージメント」をKGIのひとつとして設定し、「いかに社員が働きがいを感じられているか」を重視しました。
全社約8,000人を対象にしたエンゲージメントサーベイ(https://www.motivation-cloud.com/)の実施や、その結果を受けて特定部門を対象に業務改革実践ワークショップを行うなど「働きがい」創出への多くの取り組みを実行しました。
その結果、エンゲージメントスコアと業績は連動して向上、生産性も30%程という劇的な変化を成し遂げました。
あくまで一例であり、継続的な取り組みの結果ではありますが「社員一人一人の働きがい」創出が「会社への貢献意欲」を高め、大きな企業変革に繋がった好例と言えるでしょう。
(詳しい内容はこちら:https://www.motivation-cloud.com/hr2048/10564/)

まとめ

ESG、SDGsのような指標への取り組みは今後企業の評価に大きく関わることになります。
その中でも、「働きがい」の創出に取り組むことは企業価値を高める事に影響します。
社員が何を通じて「働きがい」を感じるのかを把握し、効果的に充実させる事が重要です。

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