「事業内容」
岡田氏:コミックスマートは、セプテーニグループの新規事業として2013年に設立された会社で、マンガコンテンツ事業を展開しています。
事業は大きく4つから成り立っており、1つ目がタレントマネジメント事業。マンガ家を発掘して、育成及びマネジメントをしています。
マンガ家の皆さまがより良い作品を作れるように環境整備をしたり、編集担当者がマンガ家と二人三脚で作品づくりをしています。
2つ目にIP開発、つまり作品やキャラクターのプロデュースをしています。そして3つ目に、作品を読者に届ける場所として、「GANMA!」というマンガアプリを通じたプラットフォーム運営をしています。
「GANMA!」の利用ユーザーは1,500万ダウンロード突破し、順調に成長を続けています。 (2021年3月時点)。そこから4つ目として、マンガ以外にもコンテンツを立体的に拡張させるソリューション及びライツ事業をしています。
マンガやアニメを活用した企業へのマーケティング支援やアニメなどの映像化や単行本を出したり、電子書籍を配信したり、グッズ化といった展開などですね。
ビジネスモデルとしては、IP創出のプラットフォーマーを志向しており、デジタル専門の出版社に近い位置づけかと捉えています。
現在も多くのマンガサービスが市場に存在しますが、私たちのようにマンガ家の発掘からライツ展開までワンストップでおこなっている“デジタルファーストなコンテンツ純正メーカー”のプレーヤーは、実は珍しいんです。
「モチベーションクラウド導入の背景」
岡田氏:事業のステージが変わり、それに比例して組織が徐々に大きくなってきたことで、組織に課題感を持つようになりました。
現在は9期目なのですが、4期くらいまでは良いコンテンツを作ること、GANMA!というプラットフォームをより良くすることにフォーカスして事業活動を行ってきまして、その中で、マンガ家の方々への育成などに多く投資をしてきました。
リンクアンドモチベーションさんは今までたくさんの企業を支援をしてきたコンサルティング会社なので、組織改善の引き出しが絶対にあるだろうなと思い、その知見に頼らせてもらいながら組織改善をしたほうが、改善スピードがグッと上がるだろうという感覚があったんです。
だからモチベーションクラウドの導入にこだわって、その想いを他の経営陣にも伝えました。事業を作るのは人なので、組織が健全な状態にならなければ事業の成長もないと考え、導入を決めました。「モチベーションクラウド導入前の課題」
岡田氏:組織の“縦の関係”と“横の関係”、両方に課題がありました。
“縦の関係”で言うと、階層間に距離があり、意思疎通がしにくくなってきたと感じました。
私からこういった施策をやろうと発信しても、メッセージが上手く伝わらず、足並みが揃いづらいなと感じるケースが度々ありました。部門責任者に伝わらなければ、その下のメンバーに浸透させることはできません。
「モチベーションクラウドを実施してわかったこと」
岡田氏:最初のエンゲージメントスコアは47.3で、レーティングはCCC(※)でした。組織に課題を感じていたので、これくらいの結果になったのは納得できました。「改善に向けた取り組み」
岡田氏:課題に対する解決策として、まずコミックスマートとして今後どこへ向かっていくのか、未来に向けた方向性をメンバーにしっかり指し示すようにしました。
短期だけではなく、中長期の戦略を全社会議や年に1回のキックオフなどの場で、繰り返し伝えるようにしたんです。
また、戦略策定のプロセスに部門責任者やメンバーを巻き込むようにしました。これまでは、私たち経営陣が事業戦略を立てて、部門責任者以下メンバーに降ろしていました。
でも、それでは戦略に対する納得を得られないと思い、まずは経営陣と近い立場の部門責任者にも戦略策定に参加してもらいましたが、かなり良い手応えを感じることができました。
徳永氏:私は人事として、メンバーに対し、細かく丁寧にコミュニケーションを取るようにしました。
なぜモチベーションクラウドを導入するのか、結果について会社がどう考えているのか、これからどうしていきたいのかなど、丁寧にコミュニケーションを図るようにしたんです。
会議の場では、取締役の岡田からメッセージを発信してもらいますが、私はその裏方として、岡田からどんな発信があれば納得と賛同を得られるかを考えて資料を作りました。
作った資料は定期的にリンクアンドモチベーションのカスタマーサクセスの担当者の方にもお見せして、意見交換をさせていただいたりもしましたね。
メンバーに、モチベーションクラウドでわかった自社の組織課題についても余すことなく伝えたことで、現状を変えなくてはいけないという当事者意識を持ってくれましたし、経営陣の本気度を感じてくれたと思います。
岡田氏:結果について「ここは都合が悪いので公開は控えよう」とすることも可能ではあります。ただ、悪いところを隠して、良いところだけ伝えるのは本質ではないと思ったので、課題も含めて現状をほぼストレートに伝えました。
今になって考えると、これまでは事業や組織のPDCAにおいて施策で上手くいかなかったことがうやむやになり、その状態のまま次の施策を進めていたりもしました。
でも、メンバーからすると、上手くいかなかったなら上手くいかなかったなりに結果を教えてほしいはずですよね。
今回、モチベーションクラウドを導入してわかったことを腹を割って伝えたことで、メンバーもすっきりしたのではないでしょうか。
徳永氏:モチベーションクラウドを導入したことで、経営陣の意識が変わったのも大きかったと思います。モチベーションクラウド導入前は、経営陣の意識も、「エンゲージメントスコアでは経営改善は行えない」という考えだったと思います。
ですが、サーベイ結果を見て、数字全体を俯瞰して、「これは変わらなくてはいけない」と意識が変わった印象があります。
佐藤から部門責任者、そして全社向けにメッセージを伝えたり、経営会議の場でもサーベイや1on1の結果をレビューするようになりました。
「取り組みによる組織の変化」
岡田氏:約半年後のサーベイでは、エンゲージメントスコアが59.4、レーティングがA (※11段階中、上から3番目) にまで改善しました。
今までやれていなかったことに向き合った半年だったので、上がっているのではと思っていましたが、想像以上にスコアに反映されていて正直驚きました
まさに課題として感じていた会社方針に対する納得感などの項目が改善したことで、結果として全体的なスコアも上がっていたので、施策の効果が出たと思っています。
組織状態が可視化されたことや、取り組みによってエンゲージメントスコアが上がったことで、部門長やメンバー自身の組織に対する注目度合いも明らかに上がりました。
そんな思いが派生したからか、今度、ミドルレイヤー向けの能力開発プログラムをやろうとしているのですが、そこに対して入社年次やレイヤー関係なく多くのメンバーが前のめりに手を上げてくれるようになりました。
自分たちが変わらなくてはという想いが強くなったからだと思います。
以前は私と徳永の二人で組織を良くしていこうという状態でしたが、今は部門長やミドルレイヤーを中心に、同じ目線で組織を良くしていこうする仲間が増えてきて嬉しいです。
今後は会社全体で一枚岩になれるようにしていきたいですね。
ちなみに、つい先日実施した3回目のサーベイではさらにスコアが上昇し、エンゲージメントスコアが62.9、レーティングがAA (※11段階中、上から2番目) になりました。取り組みにより、組織変革が順調に進んでいます。
「モチベーションクラウドの価値」
岡田氏:カスタマーサクセスのサポートには非常に感謝しています。リンクアンドモチベーションの方は、皆さん本当にリスペクトできる優秀な方ばかりです。ありがたいのは、経営者である私と同じ目線に立って、寄り添っていただけるところです。いつも視座高くコミュニケーションをしていただいています。
また、リンクアンドモチベーションには組織変革のメソッドが豊富で、毎回ミーティングをさせていただく中でも、新しい気付きを得られています。本当に期待以上のサポートだと思っています。
徳永氏:モチベーションクラウドはツールとしても使いやすいです。属性ごとの傾向がボタン1つで見れるなど、感覚的に操作できるUIが良いですね。欲しいデータがすぐ出せるところはとても助かっています。
「今後に向けて」
岡田氏:各メンバーの主体性を尊重し、事業を推進していくようなボトムアップ式の組織づくりをしていきたいと思っています。そのために、メンバーの当事者意識を高める取り組みを継続的に行っていきたいです。
事業面では、やはりコンテンツを大ヒットさせたいですね。大ヒットさせられれば、「マンガ家を、子供達の憧れの職業にする」という当社のミッションに近づけると思っています。
徳永氏:エンタメの持つ力を信じて、日々活動しています。ミッションを実現するために事業成長があり、事業成長を実現するために組織を作るのだと思います。
モチベーションクラウドは、エンゲージメントスコアを上げるためのツールではなく、事業状態を踏まえ目指す組織状態を設計し、そこに向けた課題を解決するためのツールとして活用していくつもりです。