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チャレンジし続けることで店舗としてのスタンダードが上がり、もっと高みを目指せる組織へ

株式会社フレスタ フレスタ東原店

店長 西部 一郎 氏

事業内容

スーパーマーケットを中心とした小売業

部署の業務内容

広島市安佐南区東原にある大型店。2022年2月にリニューアルオープン

業種

小売

企業規模

2001名~ (4803名/2023年9月時点)

部署規模

101名~300名 (116名/2023年9月時点)

取り組んだ組織課題

変革活動(業務の改善活動に課題)

内部統合(目標達成意欲に課題)

約1年間でのエンゲージメント

スコアの変遷

60.0 ⇨ 62.5

抱えていた
課題

  • コロナ禍に加え、競合店の新規出店による競争の激化があり、現状のままでは売上が低下することが懸念されていた。

  • スタッフがこれまでの経験則だけで判断し、新しいチャレンジに対して「どうせ無理だ」とあきらめてしまう傾向があった。

改善のための
アクション

  • スタッフのチャレンジを促すため、全部門で毎週「チャレンジ売り場」をつくり、チャレンジを承認する文化を醸成した。

  • 店舗全体が一つのチームであることを伝え続けた。

  • マネジャーや各部門の中心スタッフが「結節点」となり、店長と同じ思いで発信した。

得られた
成果

  • 売上は前年比121.5%、客数は前年比111.5%、一人当たりの売上高は前年比101.9%と、目標を大幅に達成した。

  • 次々に新しいチャレンジをしようという意欲が生まれ、店舗の基準が高まった。

  • 売り場が活気づき、お客様や求職者、本部からも褒められるようになった。

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自分の経験則だけで判断して、やる前からあきらめてしまっていた

「抱えていた課題」

西部氏:フレスタ東原店は約20年間、安佐南区東原で営業を続けているスーパーマーケットです。近年はコロナ禍に加え、競合店の新規出店による競争の激化があり、現状のままでは売上が低下することが懸念されていました。また、開業20年の店舗ということもあり設備の老朽化が進み、従業員にも余計な負担がかかっていました。そのため、ハードを刷新するとともに戦い方を変えていこうと、2022年2月のリニューアルオープンに至ったという背景があります。

従業員に関しては、開業当初から働いてくれているパートタイマー (スマイル社員) が多く、先日、11名が「勤続20年」の表彰を受けました。正社員と比べてもパートタイマーさんは長く働いてくれる方が多く、そのようなスタッフが大黒柱となってお店を支えてくれています。

一方で、別の見方をすると、長年働いているがゆえに固定観念が強い傾向も見て取れました。たとえば、「この商品を売り出してみよう」という話になったときでも、ベテランのスタッフほど、「その商品はどうせ何個くらいしか売れないよ」「前も売れなかったから今回も難しいよ」というように、自分のなかにある経験則だけで判断して、あきらめてしまうような傾向がありました。「これ以上、上にはいけない」「どうせ無理だろう」というように経験則から上限のラインを引いてしまっていたので、そのような固定観念は崩し、あきらめがちな組織風土を変えていかなければと思っていました。

また、ここ数年はコロナ禍による売上不振から販売意欲が低下し、本来持っている力を出し切れていないスタッフも増えていたように思います。

チャレンジを促すため、失敗しても挑戦するプロセスを重視した

「改善のためのアクション」

西部氏:前提として、店舗全体の柱になるような方針がなかったので、「お客様をワクワクさせるお店をつくる」という方針を掲げました。この方針をもとにスタッフとベクトル合わせをしていったのが、今回の取り組みのベースです。

具体的におこなった取り組みの一つが、「104週MD (マーチャンダイジング) 」です。スーパーマーケットは1年間 (52週) で毎週売り場を変える「52週MD」が一般的ですが、「104週MD」はその倍なので、つまり、一般的なスーパーマーケットの2倍の頻度で売り場を変えていきましょうという取り組みです。

お客様は毎日お買い物にいらっしゃるので、いつも代わり映えのしない売り場だと「つまらない」と感じてしまいます。お客様に、常にワクワクした新鮮な気持ちでお買い物をお楽しみいただくためには変化が必要です。僕自身も、数字を伸ばすためには大きなきっかけが必要だと感じており、ちょうどリニューアルも控えていたので、全部門で本気で「104週MD」にチャレンジすることにしました。

もちろん、売り場を変えるということは、現場のスタッフの作業が増えることになります。僕が「104週MDで売り場をどんどん変えていこう」と言っても、人員を増やせるわけではないので、今いるスタッフの負担が増えてしまいます。ですから、当初は反対意見もありましたが、地道にディスカッションを重ねて少しずつ理解を得ていきました。僕もいくつかの店舗に赴任してきましたが、東原店はもともと明るく素直なスタッフが多く、打ったら響くのでやりがいはありました。

もう一つ、全部門で毎週「チャレンジ売り場」をつくるようにしました。これは、スタッフの挑戦意欲を促すことを狙った取り組みです。毎週日曜日に、翌々週に取り組む販売計画ミーティングをおこない、約10人の部門リーダーとチャレンジ売り場について話し合います。その際、僕は「販売計画がこれまでの固定概念を覆すようなチャレンジングな計画になっているか?」を重視しました。同時に、チャレンジを褒めることを心がけ、失敗しても思い切りチャレンジするプロセスを重視しました。加えて、他店舗の事例や競合店の事例も含め、成功事例を積極的に共有するようにしました。

僕が常々、大切だと思っているのが「楽しむこと」です。自分たちが楽しくないと、そういう雰囲気がお客様にも伝わってしまいます。お客様に楽しんでいただける売り場づくりや商品提供をしていくためには、まず自分たちが楽しく仕事をしていなければいけません。ですから、たとえばお店に掲示する販促物にスタッフの写真を入れるなど、スタッフもお客様もクスッと笑えるようなアイデアを取り入れたりしています。スタッフが「これおもしろいね」「これ売れるかもね」というように楽しみながら売り場をつくっていると、お客様も喜んでくれるものです。ですから、とにかく楽しむことを大切にしています。

あとは基本的なことですが、店舗全体が一つのチームだという意識です。スーパーマーケットは部門ごとの縦割り組織になりがちで、特に大きな店舗ほどその傾向は顕著です。縦割りの傾向が強くなると、同じスーパーマーケットで働いているという意識が希薄になり、「自分はこの部門で働いているから、他の部門のことは関係ない」というように分断が生まれてしまいます。こうなると良いサービスは提供できないので、常々「お店全体で一つのチームなんだ」ということは伝えてきました。

それぞれの部門での仕事を優先するのは当然ですが、休憩室の掃除や買い物かごの整理など、誰でもできる仕事は部門に関係なく、みんなで協力しておこなうべきです。レジを打てない人がレジを手伝う必要はありませんが、誰でもできることはみんなで協力し合う姿勢を徹底してきました。

今回の組織改善の取り組みにおいて、モチベーションクラウドも有効に活用しています。サーベイをおこなって単に組織状態を把握するだけでなく、毎回のサーベイの後に他店の店長と集まってお互いの取り組みを共有し合ったり、アドバイスし合ったりしています。他の店長の話を聞いていると、「こういうコミュニケーションの取り方もあるんだな」「うちの店でも実践してみようかな」など、参考になるポイントがたくさんあります。サーベイの結果をもとに店長同士でディスカッションする時間は、僕にとってすごく有意義な時間になっていますね。

チャレンジし続けることで、「当たり前」の基準が上がっていった

「組織の変化ともたらされた成果」

西部氏:リニューアルオープン後は、業績が順調に伸びていきました。具体的な数値で言うと、売上は前年比121.5%、客数は前年比111.5%、一人当たりの売上高は前年比101.9%と、大幅に目標を達成することができました。

大きな成果だなと感じるのは、チャレンジングな販売計画を続けることでチャレンジすることが大きな壁ではなくなり、店舗としての「スタンダード」が上がったことです。チャレンジし続けることで、「もうこのレベルじゃ満足できない」というように、みんなが考える「当たり前」の基準が上がっていきました。

また、褒める文化が醸成されたことで、失敗しても次々に新しいチャレンジをしようという姿勢が生まれてきました。スタッフから「こういうことをやりたい」という意見・提案がどんどん出てくるようになり、自ら売り込みたい商品を見つけてチャレンジ売り場をプレゼンしてくれるようになりました。その結果、お客様を飽きさせない活気ある売り場づくりが継続できていると思います。一定数のお客様から、「毎日おもしろいことをやってるね」というような声をもらっていますので、お客様にも楽しげに映っているのかなと思います。ちなみに、求人面接でも志望動機を聞くと、「お店の雰囲気が良いから」と言ってくれる人が増えました。

褒めるという点では、特に本部から褒められた経験が大きかったと思います。リニューアルオープンしてからしばらくの間、本部の経営陣がお店に来ることが多かったのですが、「今日もようやっとるね」などと直接スタッフに声をかけてくれたので、一層モチベーションが高まったように思います。

販売計画に関しても、少しずつ計画の精度が高まっていき、スタッフは成功体験を重ねることができています。このような成功体験の積み重ねが、かつての固定観念を覆し、モチベーションアップやポジティブ思考につながっているのだと思います。

リニューアルオープン後、売上が高い水準で推移しているのは、もちろん現場のスタッフの頑張りがあったからこそですが、僕にとってはマネジャーの存在も大きいものでした。僕が赴任してから二人のマネジャーと一緒に仕事をしてきましたが、二人とも僕の思いに共感してくれて、僕がいないところでも同じ思いを持って仕事をしてくれました。今、約100人のスタッフがいるのですが、僕が「1対100」で発信するのと、「1対50」「1対50」の半分で発信するのとでは伝わり方が全然違います。

マネジャーだけでなく、各部門に大黒柱になってくれるスタッフがいます。その人たちが僕の思いを汲み、「結節点」として各部門をまとめてくれたのも大きかったですね。

生産性を高めながら、より楽しくお客様に向き合えるお店へ

「今後の展望」

西部氏:今、スタッフは目一杯頑張ってくれていますので、今期はそこにプラスアルファするというよりは、引き算をしながらスマートに仕事ができるような形を目指していきたいと思っています。

様々な競合店が進出してきて、外部環境が大きく変わっているのが現状です。このような変化に合わせて、僕たちも柔軟に変わっていかなければいけません。今回の取り組みによって、変化を恐れずにチャレンジする風土が醸成されてきたと思いますので、今後はムダを削ぎ落として生産性を高めながら、より楽しくお客様に向き合えるお店づくりをしていきたいなと思います。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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