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株式会社サカイ引越センター

サーベイをきっかけに、従業員の「会社を良くしたい気持ち」にスイッチが入った

株式会社サカイ引越センター

常務取締役 山野 幹夫 氏
人事部 課長 (取材当時)

事業内容

引越運送、引越付帯サービス業務

業種 物流・運輸

企業規模

2001名~
導入規模 2001名~

期待

  • トップの意図していることが現場の従業員にきちんと伝わる組織にしたかった

  • 一人ひとりの従業員の力を最大化するために、従業員の考えや組織の状態を可視化したかった

  • 労働市場で人材を集める会社ではなく、求職者から選ばれる会社にしたかった

効果

  • 管理職を中心に「人を大事にしていこう」「人材レベルを上げていこう」という意識を持てるようになった

  • 諦めムードが払拭され、会社を良くするための意見があがってくるようになった

事例を生み出したプロダクト資料はこちら

「新生活応援企業」として引越を基軸とするサービスを提供

「事業および部署の概要」

山野氏:弊社は「新生活応援企業」として、みなさまが新しい生活をスタートする際にお役に立てる企業を目指し、引越を基軸とする様々なサービスを提供しています。

人事課長:私たち人事部の業務は人材を採用して教育すること、そして適正な評価・配置をすることで、一人ひとりの従業員が存分に活躍できる環境を用意することです。このような業務を通して、人材の定着を図っていくことが大きな使命であると思っています。

会社規模が拡大する反面、コミュニケーションが希薄になっていた

「モチベーションクラウド導入前に感じていた組織課題」

山野氏:これまでサカイ引越センターは創業当時の想いを引き継ぎ、家族のように一人ひとりの従業員を大切にして経営に取り組んできました。ですが、全国に多店舗展開するようになり、支社の数も200を超え、その良さが徐々に失われつつあることを感じていました。

人事課長:正社員だけでも6,000人を超える今、「こうしよう」と号令をかけても、すべての従業員には伝わりにくくなっているのが現状であり、トップの意図していることが現場の従業員にはまったく逆に伝わっているようなこともありました。ですから、再び「伝わる組織」を作っていかなければいけないという点は、大きな課題だったと思います。

山野氏:昔は、ストーブの上でおでんをつくってみんなで食べたり、会長が朝、おにぎりを作ってくれたりした時代もありました。「若いんだから食え」って言ってね。ただ、これっておでんとかおにぎりを食べさせることが目的ではなくて、コミュニケーションを図るためのツールだったと思うんです。

ですが、会社が大きくなってくるとこういったコミュニケーションは難しくなりますし、階層が増えてくればどうしても伝わりにくくなってきます。従来のやり方では限界が来ていたのかな、というのが率直なところです。

引越サービスは、最終的に「人」

「モチベーションクラウド導入の背景」

山野氏:どれだけ技術が発達しても、引越サービスは最終的には「人」です。ロボットやAIに引越はできません。結局は、人を大事にして、人を育てることがいちばん大切なんです。個々の従業員の考え方をきちんと把握し、一人ひとりの力を最大化することが基軸になります。そのときに、従業員の考えや組織の状態を可視化できると大きな助けになります。それが叶うツールということで、私はモチベーションクラウドにすごく魅力を感じました。

人事課長:労働市場で選ばれる会社になりたいという点も大きかったですね。選ばれる会社になるためには、今働いている従業員を大切にして、彼らのモチベーションを高めることが重要です。何をもって求職者に選ばれるかは時代によって変わるもので、私たちの時代は給料だったりしましたが、今は「従業員が生き生きと楽しそうに働いていること」といった声がインターンシップなどでもよく聞かれます。

もちろん楽しいだけではダメですが、今働いている従業員がミッションに向かい、苦労しながらも生き生きと働いている姿は求職者にとって決め手になるはずです。そういった組織を作っていきたいという思いも、モチベーションクラウドを導入した動機の一つになっています。

従業員の「会社を良くしていきたい気持ち」にスイッチが入った

「最初のサーベイを実施してみて」

人事課長:サーベイは「まさに」という結果が出て、驚きましたね。人事部としては当然、「この支社は定着率が伸びないな」「この支社は業績が落ちているな」といったことを踏まえて人事異動を考えたりしますが、そういった問題点がサーベイの結果にばっちり反映されていました。

もちろん、既にわかっている課題も一定数含まれていたのですが、何よりも組織の課題が数値で可視化されたことがすごく良かったです。数値化されることの良い点は、みんなに客観的な資料として問題意識を共有できることです。今までだったら「人事が勝手に言ってることだ」と片付けられてしまったかもしれませんが、可視化されたデータがあると違います。全員に問題意識が共有されるので、「みんなで解決しよう」という気運にもつながりやすいと思っています。

山野氏:サーベイはグループ会社でも実施しました。グループ会社のエンゲージメントスコア (※) は高くはありませんでした。それでも従業員の想いが可視化されたのは大きなことだと思っています。今までは、諦めムードの方がどちらかというと強かったのですが、サーベイをおこなったことで「こうしてほしい」「ああしてほしい」という声があがってきました。

サーベイをきっかけに、従業員のなかに眠っていた「会社を良くしていきたい気持ち」にスイッチが入ったのかなと。ある意味、スタートラインに立つことができた。そこはすごく良かったなと感じています。

※エンゲージメントスコアとは、社員の会社に対する共感度合いを表す指数です。

全員の目線が変化。あらためて「人を大事にしていこう」という意識を持てた

「モチベーションクラウドの価値」

人事課長:まだ1回しかサーベイをしておらず、具体的な成果はこれからだと思いますが、全員があらためて「人を大事にしていこう」「働くモチベーションを上げていこう」という意識を持てたのは良かったと思っています。

山野氏:そこはすごく大きいですよね。モチベーションクラウドの導入によってトリガーが引かれ、従業員の意識が変わりつつあることを感じています。今までは会社が「こうしましょう」と言うだけでしたが、サーベイでは各部門の従業員から「こうしたい」という意見が出てくるなど、目線に変化があったと思いますね。

みんな、会社を良くするために声をあげてくれるわけなので、当然コストがかかる提案もありますが、それ以上の価値があると思っています。従業員が生き生きと働く会社になれば、求人コストをかけずとも自然と人は集まってくるのではないでしょうか。重要なのは、今後もブレずに継続していくことであり、続けていけば組織が良くなるはずだという手応えは感じています。

あとは、成功体験を共有できるのも良いところだと思います。エンゲージメントレーティング (※) は、「AAA」の部門もあれば「DDD」の部門もあって、同じ社内でもこんなに差があるんだというのが正直なところです。ただ、「AAA」という成功体験があるわけなので、それを共有することができます。

もちろん、部門によって仕事内容も特徴も違うので、単純に「この部門を真似しなさい」という話ではありませんが、少なくとも「この部門はこういう取り組みをして成果が出ているよ」というように選択肢の一つとして共有することができます。それによってどんな変化が生まれるのかすごく楽しみですし、今は期待しかありませんね。

※エンゲージメントレーティングはエンゲージメントスコアを11段階で格付けしたものです。AAAは11段階中もっとも高いレーティングで、DDDは下から2番目のレーティングです。

管理職がメンバーとどうコミュニケーションを取ればよいのか、明確になった

「組織改善のための取り組み」

人事課長:当社の支社には店長がいて、主任がいて、その下に管理職の見習いとも言える「支社長付」という役職があります。1回目のサーベイで支社長付のエンゲージメントスコアが低かったので、全ブロックの支社長付と人事が1対1で面談をしたんです。

エンゲージメントが低い原因は給料かなと思っていたのですが、話を聞いてみるとそうではなく、「管理職として何を求められているか分からない」といった不満から、「もっと学びたい」という要望まで、いろんな話が聞かれました。それを店長に共有したところ、店長も支社長付と面談して、業務内容を変えることで業績が伸びたという事例がありました。

その後、店長をまとめる立場のブロック長にも共有したら、ブロック長にも行動変容が起きました。「こう変えていこうと思っています」や、「店長を集めてサーベイの資料を見せてもいいですか?」といった、想像以上に前向きな反応が多くて驚きました。

おそらく、ブロック長も「従業員とどうやってコミュニケーションを取ればいいのか」と悩んでいたのでしょう。昔は残業も多くありましたが、それゆえ従業員と接する時間も長く、コミュニケーションも活発でした。一方で今は、より効率的に働いていこうとしているなかで、従業員とコミュニケーションを取る時間が昔と比べるとものすごく短くなっています。

それゆえ、「従業員のことがよく分からない」という状況が、あちこちで起きていたんだと思います。サーベイの結果を見たときにブロック長にも多くの気付きがあったはずで、これを生かして組織を変えていきたいという気持ちになったのだと思います。

また、「バトルオブデスク」という取り組みもおこないました。これは、事務職の従業員を対象にしたプレゼンの全国大会です。目立たないけど会社の屋台骨として欠かせない事務職のみなさんに、もっと前向きに働いてもらいたいというのがバトルオブデスクの狙いでした。3人ひと組で会社に対する提案を考えてもらい、各地の予選を勝ち上がったチームが本社に集まって役員にプレゼンをするという施策です。ここで採用された提案は、実際に実行に移されます。

山野氏:良い提案がたくさん出てきたこともそうですが、私が嬉しかったのは、優勝チームのみんなが肩を抱き合って、涙を流して喜んでくれたことですね。見ているこちらが感動しました。

事務職のみなさんは、「私たちが会社に提案なんかしていいのかな」というような遠慮があったと思うんです。こういった取り組みを通して、少しずつですが従業員のモチベーションが上がっているのかなと感じています。バトルオブデスクを見ていて、いかに多くの従業員に自発的な姿勢で働いてもらえるかが重要だと痛感しました。

どうすればレーティング「A」を取れるのか、主体的に考える会社にしていきたい

「モチベーションクラウドで実現したいこと」

人事課長:「会社を良くするためにこういうことがしたい」という従業員を一人でも増やしていけるよう、モチベーションクラウドをうまく活用していきたいですね。

山野氏:会社として組織改革の本気度を示すために、IR資料の中にもエンゲージメントスコアの目標を記載し、投資家のみなさんにも、「労働市場から選ばれる会社へ」というメッセージを発信しています。

今回はエンゲージメントスコアの目標を「A」に設定しました。当社の創業者の言葉に、「目標を決めてから、どうやってやるかを考えるんだ」というものがあります。ですから、みんなが「Aという目標を達成するためにどうすればいいのか?」を考えてほしいと思っています。

もちろん目標達成のために全力を尽くすべきですが、仮に数値が下がっても、個人的には気にすることはないのかなと思っています。大切なのは目標に向かう過程であり、創業者が言うように「どうやってAにいくのか?」を考えるという事こそが、従業員にも会社にもプラスの効果をもたらしてくれるはずです。

全社員が一つにまとまれば、サカイは負けない

「今後に向けて」

山野氏:先ほど人事課長が申し上げたとおり、労働市場で「選ばれる会社」になっていかなければいけません。今はまだ、こちらから一生懸命求職者を振り向かせているのが現状だと思います。ですが、最終的には「絶対にサカイ引越センターに入りたいんだ」という会社にしていくのが私の大きな目標です。

人事課長:5年前に社長から、「これからのサカイ引越センターは特別なことをしなくても、一つにまとまっていけば勝てるんだ」と言われたのが印象に残っており、ずっとこの言葉が私の根底にあります。ですが、「一つにまとまる」というのが難しいんです。

当然、他社との競争はありますが、「ここに行こう」と目標を掲げたならば、全社員が同じ目標に向けてそれぞれの能力を発揮して進んでいける組織になれば絶対に勝っていけるはずです。簡単ではないことは分かっていますが、一つにまとまった組織をつくるのが私たちの仕事だと思っています。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

組織変革部署事例
八尾支社

エンゲージメント向上に努めることで過去最高のお客様評価を獲得し、前期比250%超の利益を創出

株式会社サカイ引越センター 八尾支社

ブロック長 兼 支社長 平尾 祐樹 氏
人事部 課長 (取材当時)

事業内容

引越運送、引越付帯サービス業務

部署の業務内容

大阪南ブロック7支社・2営業所内の一つとして、お客様への営業や引越サービスの提供を行う。

業種

物流・運輸

企業規模

2001名~

部署規模

31名~50名

取り組んだ組織課題

制度待遇

約1年間でのエンゲージメント

スコアの変遷

38.3 ⇨ 62.6

抱えていた
課題

  • 従業員に覇気がなく、職場が暗い雰囲気だった。

  • お客様アンケートの評価が低く、全社平均に満たない状況だった。

  • 管理者への信頼が薄く、不平不満が多かった。

改善のための
アクション

  • 上下の信頼関係を構築するために、部下の目を見て挨拶する、部下の成果をねぎらうといった基本的なコミュニケーションを徹底した。

  • 休暇を100%希望通りに取得できるよう調整するとともに、申請のフローを変えて有給休暇を取りやすい雰囲気を醸成した。

得られた
成果

  • お客様アンケートの評価が高まり、現場のお客様アンケートでは過去最高の評価を獲得できた。

  • 売上は昨対比104.5%で全国20位(203支社中)に、利益は昨対比253.4%で全国11位(203支社中)に上昇した。

事例を生み出したプロダクト資料はこちら

従業員の元気がなく、管理者に対する不満も多かった

「抱えていた課題」

平尾氏:私が八尾支社の支社長に就任したとき、職場の雰囲気は全体的に暗いと言うか、挨拶ひとつとっても元気がなく、従業員の表情にも覇気がありませんでした。私は八尾支社の前に5店舗ほどで支社長を務めていましたが、そのなかでもいちばん雰囲気は悪かったかもしれません。

管理者に対する信頼も薄く、様々な不平不満が聞かれました。業績こそ堅調でしたが、お客様アンケートの評価は低く、全社平均に満たない状態が続いていました。

また、基本的な決まりごとを守れていないのも気になった部分です。たとえば、現場の従業員であれば「シャツを出さない」「靴のかかとを踏まない」といったルールは守れていて当たり前なのですが、それができていない従業員もいました。

私は20年以上、サカイ引越センターで働いていますが、会社の規模に従業員のレベルが追い付いていないと感じることが多々ありました。会社は東証プライムに上場しており、年々規模が拡大し、世間から求められる事も大きくなっています。一方で、自分も含め従業員や組織のレベルが世間から期待されている基準に追いついていないままに、会社ばかりが大きくなっているのではないかと危機感を覚えていました。

このようなモヤモヤを感じていたので、従業員の声を聞きながら組織改革ができるモチベーションクラウドを導入したのは非常に良いことだと思いました。

人事課長:私も、平尾と同じような危機感がありました。私も支社長を務めていたことがあるのですが、業界内では、サカイ引越センターの支社長というだけで評価していただけることもありました。そのようなとき、ちょっとした「怖さ」を感じるんです。会社が成長しているからと言って、従業員が油断して停滞していたら、足元をすくわれかねないという危機感に似た怖さです。

ですから、私は常々、社外でも通用する人材を育てていかなければいけないと思っていました。そのためにも、モチベーションクラウドの導入は一つの大きなターニングポイントになったのではないかと思います。

平尾氏:モチベーションクラウドを導入して最初に実施したサーベイでは、八尾支社のエンゲージメントレーティング (※) が「DDD」という散々たる結果でした。全国の支社のうち、ワースト10に入っていたと記憶しています。組織状態は決して良くないとは思っていましたが、エンゲージメントスコアを突き付けられたとき、あらためて「こんなに悪いんだ・・・」と実感することになりました。

※エンゲージメントレーティングは、企業と従業員のエンゲージメント(相互理解・相思相愛度合い)を表す指標です。AAA〜DDの11段階でランク付けしており、「DDD」は下から2番目のレーティングです。

ですが、組織改革に向かう不安やプレッシャーはありませんでした。ここから良くなるしかないし、やるしかないという気持ちでしたね。絶対に変えられるという自負がありましたし、そのために私が八尾支社を任されたと思っていましたので、前向きに取り組むことができました。

基本的なコミュニケーションから、信頼関係やモチベーションを醸成

「改善のためのアクション」

平尾氏:最初に取り組んだのは、「ゴミが落ちていたら拾う」「シャツを出さない」「かかとを踏まない」といった当たり前のことです。やるべきことをきちんとやるということを、厳しさを持って意識付けていきました。

上下の信頼関係を構築するために、コミュニケーションの在り方も見直しました。特に、挨拶です。朝はバタバタしがちですが、どんなに忙しくてもパソコンを見ながらではなく、部下と目を合わせて挨拶することを管理者に求めました。そして、「おはよう」で終わるのではなく、「元気?」「○○はどう?」など、ひと言を添えてコミュニケーションを図るように心がけました。

特に若手の従業員は、上司や先輩に対して大なり小なり「関わってほしい」「見てほしい」という気持ちを持っています。実際に、挨拶するときにひと声かけるようにしたことで、みんないろいろ話してくれるようになりましたし、「気にかけてくれてありがとうございます」と言ってくれるスタッフもいました。

また、休みに関するルールも見直しました。特に現場の仕事は、忙しくなると精神的にも体力的にも相当な負荷がかかり、モチベーションが低い状態だとパフォーマンスも低下してしまいます。そうなると、サービスが安定せず、お客様満足度も下がってしまい、業績にも影響が出てきます。また、単純に仕事のスピードが遅くなれば従業員が帰るのも遅くなります。こうして、ストレスや不満を募らせていくという負のスパイラルに陥ってしまうんです。

過去の面談などで、休日や労働時間に対する不満からモチベーションが下がってしまう従業員が多いことは把握できていたので、そこから改善すべきだと考えました。

まず、休暇に関しては、管理者が調整して100%希望どおりに休んでもらうようにしました。有給休暇に関しては、申請フローを変更して、支社長ではなく主任に申請する形にしています。これも、休みたいときに気兼ねなく申請できるようにしたいという狙いがありました

また、「成果をあげても取り上げてもらえない」といった声も聞かれたので、管理者には必ず従業員の成果を拾い上げて、ねぎらいや感謝の言葉を伝えることを求めました。

もう一つ、設備の不備などのトラブルに即時対応することです。「報告しても動いてくれない」「後回しにされる」といった不満が出ていたので、報告があったら即時に業者を手配するなどして、早期解決に努めるようにしました。

お客様から過去最高の評価を獲得し、昨対比253%の利益を創出

「組織の変化ともたらされた成果」

平尾氏:初回のサーベイ以降はスコアが上がっていき、その効果としてお客様アンケートの評価も改善傾向に転じました。弊社のお客様アンケートは「良い」「普通」「悪い」の3段階評価で、「良い率」を重要な指標にしているのですが、現場のお客様アンケートの「良い率」は95.9%という過去最高の評価を獲得できました。営業のお客様アンケートも、以前は70%台だった「良い率」が80%を超えるようになり、受注件数も増加していきました。

業績数値としては、売上が前期(2020年度)比104.5%で、全国203の支社のなかで20位になりました。1年で10位ほど上昇しています。利益は前期比253.4%と大幅に伸長し、全国203の支社のなかで11位になりました。こちらは1年で80位以上の大幅な上昇です。

このように組織改善が業績アップにつながったのは、従業員のストレスや不満が減少し、モチベーションが高まることで仕事のパフォーマンスが向上した結果だと思います。もちろん、一人ひとりの従業員の頑張りのおかげですが、一方で、管理者の尽力も大きかったと思っています。

支社長になったばかりの頃、私は率先垂範することが正しいマネジメントだと思っており、自らのマンパワーを頼りに頑張っていました。それでうまくいった部分もありましたが、私が支社長を退いた後に業績が傾き、組織が崩れてしまった経験があります。そのとき、一人でやるのではなく、管理者全体を巻き込んでマネジメントしていく重要性を知りました。

八尾支社には、私以外に3人の管理者がいましたので、彼らを巻き込んで組織改革を進めていくために、支社長に就任したときに自分の思いを伝えたんです。「私は八尾支社をこういう店舗にしていきたいから、みんなでこうやっていこう」という話をしました。彼らが思いに共感してくれ、先頭に立って行動してくれたおかげで組織改革がうまく進んでいきました。今回の成果は、彼らが形にしたのだと思っています。

人事課長:組織改革の取り組みは、本社の人事部だけでいろいろやっても従業員には響きません。やはり、現場で従業員に向き合ってくれる方が不可欠であり、平尾さんのような支社長はとてもありがたい存在でした。

平尾さんも僕も真剣ですから、ときにはぶつかることもありましたが、今こうして笑って振り返ることができています。平尾さんみたいなリーダーが現場で組織改革を推進してくれるから、今の会社の価値があるのだと思っています。

創業者である会長の理念を大事に、もっと良い会社へ

「今後の展望」

平尾氏:私は、創業者の故・田島会長に大変お世話になりました。昔の話ですが、私は自分のマネジメントが原因のトラブルを起こしたことがありました。必死でやっていたがゆえに、当時は部下に対して厳しく指導していました。そんな私の指導に対して、直属の部下から「行き過ぎだ」「厳しすぎる」という声が上層部にあがったのです。当社はコンプライアンスに厳しい会社です。想いがあるからと言っても、こういった声が上がれば、管理者としてはマイナス評価です。ところがそのことで会長に呼ばれたとき「おまえ一生懸命やったんやろ?それだけやろ?」と優しく言ってもらったときは涙が止まりませんでした。

会長に救ってもらい、もう一度チャンスを頂いたおかげで、新たなチャレンジをし、今日まで頑張ってくることができました。ですから、やり方は変えても、会長の思いや理念を大事にして、それをみんなに浸透させて、もっと良い会社にしていきたいという思いはこれからも変わりません。

また、コロナ禍でメンバーが休んだことがあり、改めて人がいなければ事業は成り立たないと痛感しました。当社に入ってきてくれた人を育て、活躍できるようにしていくことは非常に重要です。

創業者が大切にしてきた思いや理念を伝えていくこと、人を育てること、これが当社の管理職が大切にすべき二本柱だと思っています。

八尾支社としては、エンゲージメントをもっと高め、人が定着し、人が人を呼んで増員拡大できる組織を目指していきます。従業員がやりがいを感じながら働き、より良いサービスを自ら追求できるようになれば、自ずとお客様にもより喜んでいただけるようになり、地域に愛される八尾支社になれると思っています。

また、私は大阪南ブロックのブロック長を兼務していますので、ブロック長として、大阪南ブロックを近畿でいちばんのブロックにしたいという思いがあります。業績面でも組織面でも模範になるようなブロックにして、会社に貢献していきます。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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