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広島建設株式会社 人財開発部

「ユニークな会議」を皆でつくった結果、メンバーの相互理解が深まり、部署間連携が推進された

広島建設株式会社 人財開発部

人財開発部 取締役部長 綿貫 亮 氏
人財開発部 採用育成チーム 主任 赤津 綾夏 氏

事業内容

・注文住宅の企画・設計・施工・販売

・分譲住宅・事業用不動産の企画・開発・売買・仲介

・RC造・鉄骨造による公共施設、共同住宅などの中高層建築の設計・施工・販売 など

部署の業務内容

人財開発・ブランド開発(新卒採用、中途採用、育成、配置、制度設計、労務管理、広報メディア対応や発信、地域団体との連携 など)

業種 建設・不動産

企業規模

301名~500名

部署規模

~10名

課題

  • 取り組んだ組織課題は、変革活動(業務の改善活動に課題)

効果

  • メンバーの相互理解や部署間連携が進んだ

  • エンゲージメントスコア (従業員エンゲージメントの指標) も過去最高値を記録している

広島建設株式会社は、千葉、東京、埼玉、茨城エリアで総合建設サービス業を営む会社。そのなかで人財開発部は、広島建設にかかわるすべての「ヒト」のモチベーションと生産性を高めることで、顧客満足、従業員満足、パートナー満足の実現を目指しています。人財開発部の前身の組織は寄せ集めのような集団で、メンバーが向いている方向がバラバラでした。組織変更をきっかけに部署の改善に着手した綿貫氏は、赤津氏をはじめとするメンバーとともに月例の会議体である「部会」の見直しを図ります。メンバー自身が起案した様々な施策をおこなった結果、メンバー同士の相互理解が深まり、部門間連携が推進されていきました。

業務内容が異なる混成チームで、メンバーが向いている方向がバラバラだった

「抱えていた課題」

綿貫氏:人財開発部はもともと経営企画部という名称で、今とは業務領域が違っていました。人事労務、採用育成から、広報、IT、営業支援、営業企画まで幅広い業務を担っており、メンバーの業務内容も多様化した部署でした。メンバーが向いている方向もバラバラで、社員に向くべきなのか、営業に向くべきなのか、お客様に向くべきなのか、地域の住民に向くべきなのかと、部署としては、何を目指していいのかが分かりにくい組織だったと思います。もちろん、みんな会社のために自分たちがやれることをやっていこうという姿勢はありましたが、一つのチームとしてまとまっていくのは難しいなと感じていたのが正直なところです。

そんなときにちょうど組織変更のタイミングになり、組織を大きく組み替えることになりました。組織変更の際は、まず「自分たちが何者なのか?」を明確にすることが重要だと考え、部署名を「人財開発部」に変えました。当社に関わるヒトのモチベーションを高めることで業績に寄与することをミッションに掲げ、部署の機能も限定し、「採用育成」「人事労務」「広報」の3チームで再スタートしました。この組織変更で部署を作り直したのがスタート地点で、そこから様々な改善施策に取り組んでいったという流れがあります。

「しくじり自慢」「教えて◯◯先生」など、ユニークな会議で生き生きとした組織へ

「改善のためのアクション」

綿貫氏:人財開発部は、モチベーションを基軸に会社に貢献することをミッションとしており、モチベーションサーベイの主管部署でもあります。とはいえ、「これをすれば社員のモチベーションが上がる」という答えを持っているわけではなかったので、まずは自部署が実験台になって、どうしたらサーベイのスコアが上がるのかを探っていこうと考えました。1つでも2つでも有効な施策を見つけられれば、他部署にアドバイスしたり、全社に展開したりできるじゃないですか。そのためには、まず自部署のメンバーのモチベーションを高めなければいけません。

施策としては、特に大それたことをしたわけではなく、会議体を見直したことくらいです。人財開発部のメンバーが全員集まる機会は、月に一度の「部会」しかありません。部会くらいしか部署を感じられる場所がないので、まずは部会をテコ入れすることにしました。というのも、正直、部会がつまらなかったんです。

みんな一生懸命、報告してくれるのですが、私は「こんなのやってて意味あるの?」と思っていましたし、メンバーも同じようなことを思っているんだろうなと。ですが、「会議がつまらない」と思っていても、なかなか口には出せない。ですから、私から「部会をもっとおもしろいものにしてほしい」と部内の若手社員2人にオーダーしました。わざわざ業務の時間を割いて集まっているわけですから、「参加して良かった」とか「来月もまた頑張ろう」とか、そんなふうに思える会議体になればメンバーのモチベーションも高まるかもしれないと考えました。

赤津氏:私は当時3年目でしたが、「会議ってこういうものだ」と思っていたので、おもしろくするという発想がまずありませんでした。ですから、オーダーを受けたときは驚きましたね。

任命を受けた私ともう一人の後輩メンバーで、とりあえずたくさん案を出してみようと頭をひねりました。月に1回くらい、ストレッチやヨガで体を動かしたらいいんじゃないかとか、メンバーのことをもっと知れる企画がいいんじゃないかとか。3つのチームがそれぞれの業務について発表してもいいし、各チームが困っている業務について議論する場にしたらどうかとか、とにかくいろんな案を出して綿貫に持っていきました。

綿貫氏:そのなかで、「自部署のメンバーのことをもうちょっと知ったほうがいいんじゃないか」というところからスタートした企画が「しくじり自慢」です。毎月発表者を一人指名して、その発表者が自分の失敗談を話す企画ですね。実際のテレビ番組と同じようなテイストで、「前職で実はこういうことがありまして・・・」といった発表をしてもらいます。

「しくじり自慢」と並行してもう一つ始めたのが「教えて◯◯先生」です。これは、メンバーが持っているスキル・知識をみんなに共有するコーナーです。スキル・知識と言っても堅苦しいものではなく、自分が得意だと思っているものなら何でもOKです。太陽系の惑星について熱く語ってくれたメンバーもいましたね。

赤津氏:それを真面目な感じで聞くのではなく、ご飯を食べながら聞くんです。「しくじり自慢」と「教えて◯◯先生」の両方を見られる部会はおもしろかったですね。

綿貫氏:メンバー同士が「褒め合う」企画もやりました。これが好評だったので、今度は逆にメンバー同士が「要望を出し合う」企画を始めたのですが、こちらは全然うまくいきませんでしたね。うちの部署って人事系の部署ということもあって、会社の「良心」みたいな人が集まっているんです。みんな優しいから相手を褒める内容ならどんどん出てくるのですが、要望するとなると途端に出てこなくなりました。要望ってある意味、ダメ出しのような感じになるので、そのあたりが難しかったようです。

メンバー間での要望は出なかったのですが、視点を変えてチーム間で要望を出し合おうという企画に変更したら、こちらはうまくいきました。AチームがBチームに要望を出して、翌月、Bチームがそれに回答する。今度はBチームがCチームに要望を出して、という形でぐるぐる回していく感じです。たとえば、採用育成チームから人事労務チーム対する要望を例にあげると、「今までに退職した社員の中で、問題があった社員の対応や特徴などをまとめてほしい。”求めない人材の特徴”を分析することで、採用におけるミスマッチや初期教育のポイントに活かせるかもしれない」といった意見が出たりしましたね。

赤津氏:その他の企画だと、綿貫がメンバーに毎月、本をプレゼントする企画もあります。

綿貫氏:「プレゼント 本 ユー」って言うのですが、私が一人ひとりのメンバーに合ったテーマの本をプレゼントして、翌月に感想を発表してもらうという企画です。実は、この企画を考えたときに妻に相談したのですが、反対されました。「上司から本をもらったら読まざるを得ないし、レポートも負担になるからやめたほうがいいんじゃない」って。ただ私としては、サクッと本を読んでサクッと役立つ情報を抜き出す癖をつけてほしいという狙いがあったので、レポートにはあまりパワーを使わなくていいですよという形で運用していきました。

赤津氏:この企画もメンバーに好評で、もうすぐ全員に本が回りますね。

メンバーが自分たちで考えたものだから、「やらされ感」なく主体的に取り組める

「改善していく中で感じたこと」

綿貫氏:組織改善の施策は基本的にメンバーに任せていたのですが、みんな自主性を持って取り組んでくれました。最初、人財開発部ができたときにメンバーに質問をしたんです。「どんな部署でありたいのか?」「他部署からどう思われたいのか?」「会社にとってどういう存在でありたいのか?」「そのためにどうしたいのか?」など、いろんな質問を投げかけました。それに対してみんなに意見を出してもらい、みんなで絞り込んだものが今の施策のベースになっています。

自分たちが言ったことだから、メンバーに「やらされ感」がないんでしょうね。やはりメンバーが「やってみたい」と思えるものにしないと、自主性は生まれにくいのかなと。部会なんかは業務以外でやることですから、特にそうですよね。

単にアイデアだけ出させて、フィードバックして終わりというのも違うと思っています。実際にそれを形にしてあげたり、上の会議に持っていって採用してもらったりと、実効性を持たせることが大事です。自分たちが言ったことが種になると言うか、1つでも2つでも形になっていけば、「もっとやってみよう」という気持ちが掻き立てられますからね。

実は、これまで進めてきた部会の企画は今年で終わりにして、今は来年から始める新企画の準備をしています。やっぱり、人は飽きるんですよね。特に私なんかはすぐ飽きます。施策が陳腐化すると、いつの間にか続けることが目的になりがちですが、惰性で続けることに何の意味もありません。ですから、常に「惰性になっていないだろうか?」という点は意識して、そう感じるのであればスパッとやめるなり、刷新するなりしないといけないと思っています。

メンバーの相互理解が深まり、部署間連携が推進された

「組織の変化ともたらされた成果」

綿貫氏:メンバーの相互理解が深まったのがいちばんではないでしょうか。人財開発部はたかだか8人、9人の部署なのに、メンバーがお互いのことを知らなかったんです。ですが、部会を中心とした様々な施策によって、「◯◯さんってこういう人なんだな」というのが分かりました。

以前は、人財開発部内の隣のチームがやっていることもあまり把握できていないような状態でしたが、そのあたりの理解も進みました。その結果、部署内・チーム間で連携しやすくなったのは実感しているところです。相互理解やチーム間連携が進んだのは「成果」と呼べるほどのことではないかもしれませんが、以前の組織状態を考えると大きく変わったところだと思っています。

メンバーのモチベーションも高まり、サーベイのスコアも過去最高値が出ています。当初考えていたように、今後は他部署への展開や全社への影響力を高めていくことに取り組んでいきたいですね。

業務の質と幅にこだわり、「お金を得られる管理部門」へ

「今後の展望」

赤津氏:常に、現状維持ではなく一つ上のレベルを目指していきたいと思っています。メンバーみんながレベルアップできればもっと価値ある部署になれるはずなので、もっと人財開発部の底上げに貢献していきたいと思います。来年から、部会の運営担当を外れることになりますが、部署の中でもまだまだ若手のポジションにいますので、若手ならではのアイデアや企画をどんどん出していけたらいいですね。

綿貫氏:私は、人財開発部を「お金を得られる」レベルの組織にまで引き上げていきたいと思っています。もちろん我々は管理部門ですからお金を得ることはありませんが、仮に広島建設が人財開発部のクライアントになったとしても、広島建設からちゃんとお金をもらえるような組織でありたいと考えています。そしてその先には他の会社からの依頼を請け負えるようなレベルまで目指していきたいです。人事も広報も、採用も研修も、「世の中でお金を得られるレベル」にまで持っていくというのが、一つ描いている展望です。

もう一つ、業務の幅を広げていきたいというのもあります。この領域の中でやれることは、まだまだたくさんあると思うんです。管理部門は業務がルーティン化しやすい特性があります。業務の幅を広げることは、そこに属するメンバーの成長の幅を広げることにもつながります。そして、それはメンバーの市場価値を高めることを意味します。お金を得られるレベルまで業務のクオリティを高めることと、業務の幅を広げていくこと。人財開発部を縦(業務の質)と横(業務の幅)の両軸で広げていくことが当面の目標です。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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