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「ナンデモ向上委員会」が仕掛ける施策で生産性向上、受け身の総務から戦略総務へ

株式会社ジェーシービー 総務部総務グループ

総務部 次長 酒井 章光 氏
総務部総務グループ 中村 早希 氏
総務部総務グループ 村越 七香 氏

事業内容

クレジットカード業務、クレジットカード業務に関する各種受託業務、融資業務、集金代行業務 など

部署の業務内容

会社の資産・ファシリティの管理、オフィス戦略の立案・実行、郵便・通信・倉庫などの全社とりまとめ、その他総務業務全般

業種

金融

企業規模

2001名~

部署規模

51名~100名

取り組んだ組織課題

継承活動(ナレッジやノウハウの継承に課題)

約1年間でのエンゲージメント

スコアの変遷

51.3 ⇨ 56.5

抱えていた
課題

  • 他部署からの問い合わせ対応に追われ、本来のミッションであるファシリティ戦略などに十分なリソースを投入できていなかった。

  • 業務が属人的になりがちで、人事異動のたびにナレッジが減少していた。

  • 他チームのメンバーとのコミュニケーションが希薄で、チームを越えたフォローはほとんどなかった。

改善のための
アクション

  • 「総務の壺」というナレッジ共有スレッドを立ち上げ、なるべく手軽にナレッジを投稿・閲覧できるようにした。

  • Teamsチャットに日次で自己紹介を投稿する「自己紹介リレー」を開始し、メンバーの相互理解やコミュニケーションを促した。

得られた
成果

  • 生産性が向上したことで、より付加価値が高い「戦略総務」の仕事に力をかけられるようになった。

  • 3ヶ月で約100件のナレッジを蓄積でき、部全体でナレッジを共有できるようになった。

  • チームの垣根を越えたサポートや協業が生まれた。

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業務が属人化しがちで、ナレッジを蓄積・共有できていなかった

「組織の変化ともたらされた成果」

酒井氏:他の部署が管轄していないものはすべて総務部管轄と言われるほど、我々総務部は業務領域が広く、メンバーに求められる知識も多岐にわたります。専門的な内容も多いため、業務が属人的になりがちでした。以前からマニュアル化を進めてはいたものの、すべてを網羅するのは難しく、人事異動のたびにナレッジが減少し、また積み上げるという繰り返しになっていました。

また、各部署からの問い合わせ対応などに追われ、本来のミッションであるファシリティ戦略やペーパーレス推進に十分なリソースを投入できず、受け身の仕事が多くなってしまっていたと思います。

中村氏:総務グループには3つのチームがあるのですが、別のチームがどんな仕事をしているのかを把握できているメンバーは少なく、チームを越えたフォローがむずかしい状況でした。

村越氏:コロナ禍でリモートワークを導入したり、パーテーションで物理的な区切りができてしまったりしたことにより、最低限のコミュニケーションはあるものの、気軽に声をかけられる雰囲気ではありませんでした。他のチームのことを聞きたいけど、誰に聞いていいのか分からず、結局聞けないままというケースも多かったと思います。

ナレッジの蓄積・共有やコミュニケーションを促す施策に着手

「改善のためのアクション」

酒井氏:モチベーションクラウドのサーベイ結果でも、ナレッジの蓄積・共有はグループの課題として明らかになっていました。ですから、まず「総務の壺」というナレッジ共有スレッドを立ち上げることから始めました。なるべく手軽に、各自がナレッジを投稿・閲覧できるようにしたいという狙いがあったので、ExcelではなくTeamsチャットにスレッドをつくることにしました。

中村氏:総務の壺の目的はナレッジ共有を促すことですが、投稿されたナレッジに対して気軽にリアクションできるのも良いところで、コミュニケーションツールとしても機能していました。自分が投稿したナレッジに「いいね」が押されたり、「そうなんだ」「知らなかったよ」といった反応をもらえたりすると投稿意欲も湧きますよね。

酒井氏:当初、総務の壺は知っていることを共有する場でしたが、分からないことを質問して、それに誰かが回答して、その結果、ナレッジとして蓄積されていくという使い方が多くなっていきました。「分からないことがあっても、いつでも総務の壺で質問できるから安心です」といった声も聞かれるようになり、徐々に定着していった形です。

中村氏:組織活性化プログラムを始める前に対話会をおこなったのですが、そのときに、「もうちょっとコミュニケーションを取りたいよね」という意見が多く聞かれました。以前は、比較的黙々と仕事をする雰囲気の部署だったので、雑談も含め、もう少し気軽に話せる雰囲気づくりをしつつ、業務効率化にもつなげていきたいという思いで始めたのが、「自己紹介リレー」と「毎日違う席に座るーる」です。

自己紹介リレーは、各メンバーがTeamsチャットに日次で自己紹介を投稿する取り組みです。毎日違う席に座るーるは、文字どおりですね。もともとフリーアドレスではありましたが、チームで固まる傾向があったので、ルールとして前日と同じ席に座ることを禁止にしてコミュニケーションの活性化を図りました。

自己紹介リレーはすごく好評で、周囲からも「あれ、いいよね」という声をたくさんもらいました。この施策によって経歴や出身、趣味、好きなことなどを知ることで、話題の種が生まれましたし、一緒に働くメンバーでも、知っているようで知らないことが実はたくさんあるということに気づきました。別のチームのメンバー同士が共通の話題で盛り上がっているのを見るだけでも、自己紹介リレーをして良かったなという気持ちになります。

酒井氏:自己紹介リレーは、最初に私が長文で投稿しました。メンバーはもっとシンプルな感じになるんだろうなと思っていたのですが、予想に反して、みんな私以上に盛りだくさんの情報量で、写真もいっぱい載せてくれました。

村越氏:コロナ禍でみんなマスクをしているので、新しく総務グループに入ってきた人はメンバーの名前と顔を一致させるのが大変だったと思いますが、そこでも自己紹介リレーが役立ちました。新しく入ってきた人に「自己紹介リレーを見て、メンバーの人となりが分かった」「グループになじみやすかった」という声をいただけたのは嬉しかったですね。

酒井氏:業務効率化を促進するために、残業時間削減施策も実施しました。これは、残業上限時間の目標を設定することで、無駄な業務を削減するという意識付けをするのが狙いでした。

このように様々な施策を走らせてきましたが、こだわっていたのが施策のネーミングです。あるタイミングで、組織活性化プログラムを「ナンデモ向上委員会」、略称「ナンコー」に改名しました。ナレッジ共有スレッドを「総務の壺」というネーミングにしたのも、業務色を薄めることで気軽に投稿できる雰囲気を醸成したいという思いがあったからです。組織活性化はもちろん重要な取り組みですが、業務にプラスアルファしてやることなので、遊び心は常に大切にしていましたね。

業務効率化が進んだことで「戦略総務」の動きができるようになった

「組織の変化ともたらされた成果」

酒井氏:総務の壺は開始後3ヶ月で約100件のナレッジを蓄積することができました。途中から総務部の他拠点にも広げて、現在は部全体のナレッジ共有ツールになっています。また、残業時間も一人あたり5~10時間程度削減できました。にもかかわらず、組織全体のパフォーマンスは落とすことなく運営できています。

村越氏:総務の壺によって効率化につながったのが問い合わせ対応です。他部署から様々なジャンルの問い合わせがありますが、総務の壺を見れば私自身で回答できるようになったので、以前のように担当者を調べたり、電話を転送したりといった手間が大幅に減りました。

酒井氏:ナレッジ共有やコミュニケーションを促したことで、チームの垣根を越えたサポートや協業が生まれてきました。突発的に大きな案件が発生した場合なども、別々のチームからメンバーをアサインして対応できるようになっています。業務効率化が進んだことでペーパーレスの推進によるオフィススペース有効活用など、いわゆる「戦略総務」の動きができるようになりました。

村越氏:エンゲージメントサーベイを導入したことで、組織の課題を可視化できるようになったのも大きいと思います。サーベイをおこなえば、メンバー全員が答えた結果が数値になって表れます。「みんなで答えた結果、こういう課題が明らかになったんだから、自分たちで改善していかなきゃね」というように、メンバーに当事者意識を持ってもらえるようになったと思います。

中村氏:組織活性化の取り組みを始める前、「情報の共有」に課題を感じていましたが、自分自身がどう行動すればよいかわからずにいました。ですが、アンバサダーになって取り組みを進めるなかで、「情報はこういうふうに取りにいって、こうやって共有すればいいんだ」ということが分かるようになってきましたし、何より「自分発信でも組織を良くする活動ってできるんだ」というように考え方が変わっていきました。

村越氏:私自身、アンバサダーに任命されたことで他のメンバーに話しかける大義名分ができて、自分から話しかけるようになったことで、「コミュニケーションは仕事の一環だ」ということを実感することができました。自分のことだけでなくグループ全体を意識できるようになりましたし、アンバサダーになる前より仕事が楽しくなりましたね。

酒井氏:アンバサダーは、当初チーフクラスにお願いしていましたが、1年ほど前から中村さんや村越さんらの若手にお願いするようになりました。若手が組織に対して主体的に動いてくれていることは、他のメンバーにも良い影響を与えていると思います。

私は次長として、ずっと「組織のことは管理職が考えなければいけない」と思っていましたが、組織活性化の取り組みを通して、「組織のことはみんなで考えればいいんだ」と思えるようになりました。実際に、みんなで考えたほうが良いものができましたし、気持ちが少し楽になりましたね。

「会社の未来をつくっている」という誇りを持てる総務部へ

「今後の展望」

村越氏:やるべきことに集中できる環境をつくることが、総務の重要な役割だと認識しています。たとえば、誰に聞けばいいのか分からずに悩んだり、問題があっても相談できずに悩んだりするのは無駄な時間であり、本来もっと考えなければいけないことがあるはずです。無駄なことで悩む時間を少なくすれば、本来自分がやるべき仕事に集中できます。その結果、残業が減って、働きやすくなるというような好循環が生まれる組織にしていきたいなと思っています。

中村氏:総務の壺を運用して1年半ほど経ってナレッジが溜まってきたこともあり、一時期に比べると利用率が落ちてきました。コミュニケーションは一度活性化できれば継続しやすいと思いますが、ナレッジ共有を継続するのは簡単ではないと感じています。今後も、ナレッジ共有は引き続き課題になると思っています。

長期的には、今取り組んでいることを今だけの成果で終わらせるのではなく、後にも残していけるような総務にしていかなければいけません。将来入ってくる人たちが働きやすさを感じられるような環境を用意できる組織にしていければと思います。

酒井氏:総務部には、働き方改革やIoT活用を推進していくという役割があります。この役割をしっかり遂行していけるように、受け身ではなく攻める組織にしていきたいなと思っています。総務部は地道な業務も多いですが、「会社の未来をつくっているんだ」と、みんなが総務にいることに誇りを持てる組織でありたいですね。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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